大がかりな舞台装置がなく、歌手も演技をしないので、オーケストラは普通に舞台に配置される。合唱団は舞台の奥に整列し、独唱者はオーケストラの前(指揮者の横)に位置する。概ベートーベンの「第九」の配置と一緒だ。序曲(又は前奏曲)から最後まで音楽を堪能できる。CDでオペラを観賞するのに似ているが、生演奏が聞けると言う醍醐味が有る。

僕にとっては、「ウエスト・サイド・ストーリー」、「ジーザス・クライスト・スーパースター」と共に、ミュージカル映画のベスト・スリーの一つなんだ。今更何を言っても、言い尽くされた賛辞を並べる事になる。ただ、物語の設定こそ違うが、日本人がかつて憧れた「古き良きアメリカ」のすべてがそこにあるとだけ、言っておこう。

普段、テレビやCDプレイヤーのデジタル音を聞き慣れている我々は、コンサートで生演奏を聞いて初めて、それぞれの楽器や声楽家の「本当の音」が聞ける。またデジタル音と「本当の音」との違いが分かる。トロンボーンを例に挙げると、同じプロでも、大砲の様な音を出すオーケストラも有れば、ブリキの音しか出せないオーケストラも有る。デジタル音では、なかなかそこまで聞き取れない。