花言葉 その3 | My favorite is …

My favorite is …

好きな音楽や本、映画に出逢った時、そこに関わるエピソードが必ずあります。

人間は時間的存在である。

それゆえに、過去の断片化した記憶を綴り、書き記していこうと思います。






物事にはそう思える時期というものがある
花が咲く季節があるように





例えば…

都会での生活から田舎暮らしもわるくないと思える時期。
行くのを躊躇ってた同窓会に出てもいいと思える時期。
地域行事に参加してみようと思える時期。


結婚してもいいかもなあと思える時期
家族を持ちたいと考え始める時期
独りになりたいと物思う時期


星が堪らなく奇麗だとみとれてしまう時期
そして…花を美しいと思える時期。


こんな気持ちになることは十代、二十代ではなかった。それだけ年を重ねてきたということだろう。花は咲く、いつか恋する君のために。







金木犀(キンモクセイ)

花言葉は謙遜、初恋。
わずか2週間ほどしか香らない樹木に咲く橙色の花。その香りは魅惑的で印象がとても強く、忘れられない香りという意味では初恋と似ている。

文化祭の準備で慌ただしいちょうどこの時期だった。クラスの中心でひときわ目立っていたその子は劇の主役を見事に演じ、相手役はそんな彼女にぴったりの僕の友達。その劇の村人A役にはこの恋の出る幕はなかった。そんな秋香る木漏れ日の下で想い患う10月。












秋明菊(シュウメイギク)

恋からやがて愛になり恋愛。それはまるでこの花の紅紫色のように。やがて恋を忘れて愛だけになり、その愛から情が生まれて愛情となる。この花の花言葉は、あせていく愛。そして、薄れゆく愛情。

いつしか愛はなくなり情だけが残る。まるで色を失くしたように真っ白なこの花のように。人と人が長い時間を一緒に過ごすと生まれるもの、それもまた尊いものであると思うのです。











紫苑(シオン)

花言葉は、君を忘れない、遠方にある人を思う。
秋の澄んだ青空の下、風に揺れる薄紫の花は古くは平安時代から愛でられており、今昔物語には亡き親に兄が忘れ草を弟がしおんを供えたという話がある。

長患いの親を亡くした貴方は、どこかで心の準備をしていたのでしょうか。誰もが当たり前のように明日が来ると信じているなかで、ただ一人。謹んでお悔やみ申し上げます。








ダリア

フランスの皇帝ナポレオンの妃ジョセフィーヌはこの花を愛し、宮殿の庭一面に咲かせて自慢し、社交界を大いに賑わせた。それが、あるとき他の場所で見事に咲き誇ったダリアの話を耳にし、途端にこの花に興味を失ってしまったという。そんな花言葉は移り気。


季節のように移ろいやすく、不安定で気まぐれ。容姿端麗で所作の一つ一つが優雅、まるでどこかの城の姫君のような立ち居振る舞い。君になら振り回されても構わない。

僕は君にかしづく召使いになろう。君の庭を花で埋め尽くす庭師になろう。君が興味を無くした花たちにも僕は変わらず愛を注ごう。










秋桜(コスモス)

君を見ているとどこかほっとする。強い雨や風に吹かれて倒れても、いつの間にか元通りに立ち直っているから。

風に揺られながら歌っているように、見守ってくれているように気付けば咲いている。倒れていたなんて微塵も感じさせずに力強くしなやかに空に向かって。










桔梗(キキョウ)

変わらぬ愛情、変わらぬ心で相手を想い続けることは誠実で正しい。そんな清楚で従順な愛は、ともすればひどく執着しているようにも見て取れる。


この花を見るたびに、僕は少し悲しくなる。あの人との家庭に固執し、狂おしいほど執着していた貴方を思い出すから。

この花は、つぼみの時は風船のようにふっくらとして見える。貴方の心も風船のようにふわりと飛んでいけたらいいのに。愛って風船の形をしているんだって、黄色の潜水艦に乗った吟遊詩人がそう言っていたっけ。














P.S.  陽だまりの彼女へ


太陽の日差しをいっぱいに浴びたお布団のようにフカフカで温かい君がいい。

古い家屋を趣があると言ってくれる古風なとこがある君がいい。

控えめでおとなしく、僕の前でだけおしゃべりな君がいい。

縁側でともに花を眺めてくれる君がいい。


いつか君といた未来より