PPS Number とは?
Personal Public Service Number の略で、アイルランドに居住する人たちが持つマイナンバーです。
7桁の数字と、末尾に1字ないし2字のアルファベットが付きます。

では、このPPSナンバーの用途とは?
・税務管理
・各種年金や失業保険給付、生活保護、児童手当を受ける時
・無料トラベル・パス
・学生IDカード
・年金や失業保険受給者の健康保険証
・児童の予防接種
・運転免許証やパスポート申請

その他、介護等でリフォームが必要な時、助成金を申請する際も必要とのこと。
ちなみに一番多い用途は、税徴収の際と、年金や失業保険等の給付の際だと思います。
やはり国としては、税収漏れと、生活保護等の不正受給を防止する目的が一番のようです。

私の場合、児童手当を郵便局で受け取っていた時に、自分のPPSナンバーが記された“ソーシャル・ウェルフェア・カード”を提示していました。
今は口座振り込みに変えましたが、人によっては郵便局で受け取っていると思いますので、その際必ずカードを提示しなくてはなりません。
また、移民サポートの一つである無料の英語クラスを受ける際、始めに申請書に記入しますが、そこにPPSナンバーを明記しなくてはなりません。
国なり、行政なりが助成金を出しているのでしょう。PPSナンバーがない人は、“短期滞在者”というわけで、移民の語学支援のための、英語クラスを受ける資格はないということなのです。

さて、私は2008年2月に、ここコークで結婚して、翌日さっそく配偶者ビザの申請に行き、たぶんその翌日にソーシャル・ウェルフェア・オフィス(現在はIntreo Centreと言い、地元の人は何故かエクスチェンジと言ってます)に行って、PPSナンバーを申請しました。
とにかく、このPPSナンバーがなければ、「普通の市民」として仕事したり、公共サービスを受けることはできないからです。
申請して、確かその場で番号がもらえました。そして数日後、番号が記された正式な文書が届いたと記憶しています。
そしてカード(現在はパブリック・サービス・カードと名称変更)。
私の場合、児童手当を受け取るために必要だったわけですが、現在は全く使用していません。ただし、先月新しいカードに更新するように通知が来たため、パスポート、外国人登録証、現住所を証明する書類をもってオフィスに赴きました。
私の名前と顔写真、その下には署名が入り、ICチップが埋め込まれてあります。
裏にはカード発行ナンバーと、私のPPSナンバーが記されてあります。

なお、息子はアイルランドで生まれたので、自動的にPPSナンバーが付与されました。
主人の場合は、生まれた時はまだPPSナンバー導入前だったので、 就職した際にPPSナンバーを取得したと思われます。
ちなみに、アイルランドで生まれた人に、自動的に番号を付与しだしたのは1971年。
番号制にして、もう40年ちょっとになるわけです。顔文字

これからアイルランドで生活する予定という方、ビザ取得したら、PPSナンバー申請もお忘れなく!


さて、いつも勉強させてもらっているorangeさんのブログ『気になることを調べてみましょう』で、マイナンバー制について取り上げておられまして、その中に「マイナンバー制度に反対するのは不正をしているから?」というタイトルがあるんですが・・・
否定的なコメントが多くて、正直、驚きました。呆然
上にも書いたように、アイルランドではPPSナンバーがあって当たり前。反対とか、賛成とかを考える以前のものです。
たぶん導入にあたっては、反対意見もあったと思います。
またコンピューター管理にする際は、莫大な費用がかかったと思います。それと間違いも・・・。
日本人と比べると、アイリッシュはかなりいい加減ですので、入力ミスやら、郵送ミスやらあったのではないかと推察します。呆然

物事必ずメリットとデメリットがあるので、マイナンバー制もデメリット(初期経費がかかり過ぎとか)、情報漏れが絶対ないとは断言できないのですが、税収漏れ(脱税)や不正受給を防げるのは大きなメリットです。
この点はアイルランドも共通しています。

アイルランドに住んで、ちょうど8年になりますが、PPSナンバーにかかる、個人情報漏れなどの事件なり、事故のニュースを耳にしたことはありません。
ほんの数年前に、カードの様式が変わり、カードを持っているものは順次更新している最中ですが、その件で特にこれといったニュースを聞いたことがありません。

マイナンバー制度がよくわからず、不安になり、それに付け込んだ詐欺事件が日本でありましたが、「だからマイナンバー制は悪い」的な雰囲気にもっていこうとするメディアや、それを真に受ける人たちの意見をみると、「なんだかなぁため息」と思ってしまいます。…
この方たちやメディアは、「国はもっとわかりやすく説明を!」といいますが、メディアこそマイナンバー制のメリットとデメリットを、ちゃんと、わかり易く伝えているんでしょうか?
分からないという人、ネットで調べるなり、直接行政に尋ねるなりしているんでしょうか?
マイナンバー制に反対の人は、アメリカや韓国を例に挙げて「失敗する」と強調しているようですが、アイルランドのようにちゃんと機能して、成功しているところもあるんです。

もちろん、失敗例から学ぶことが大事ですが、マイナンバー制によって受ける恩恵も大きいことを無視してはいけないと思います。




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