日陰にわずかに残った残雪。
日なたはすっかり春の日差しです。
気温はまだ肌寒いですが、日差しの力は確実に増している。
日一日と、季節が動いていることを実感した朝でした。
さて、今日のトピックは「感情に寄り添う」です。
どなたにでも経験のあることかとは思いますが、時折、理由もなく気力が湧かない日があります。
一日くらいならどうということはないのですが、そんな状態が数日続くと、仕事や生活に多少の支障を来す時もあります。
もちろん自分自身でも、何とかリセットしようとするのですが、大抵そううまくは行かないことが多いものです。
自分のことを棚に上げて、身近な仲間がそんな状態になると、良かれと思って叱咤激励していた時期がありました。
ところが数年前に、ベストセラー作家の本田健さんのセミナーの映像を見る機会があり、そこで健さんは」人間関係の力学」というお話しをされていました。
要点だけご紹介すると、
「人間関係におけるエネルギーの流れは、シーソーのようなものである」
と表現することが出来るかも知れません。(厳密ではないので、その点ご容赦下さい!)
基本的には、
「自分が近づけば、相手はバランスを取ろうとして離れる」
「自分が引けば、相手はバランスを取ろうとして近づく」
という考え方が近いと思います。
例えば、
「自信を失っている人を、おもいっきり励ますと、相手はより引いてしまう場合がある」
ということです。(もちろんすべての場合ではありませんが…)
ではそういった場合、どのように接することが、よりベターなのでしょうか。
その映像の中で健さんは、
「センターに寄る」
という表現をされていました。
つまり、「シーソーの真ん中に寄る」ということです。
自分が真ん中に寄れば、シーソーのバランスを取るためには、相手も真ん中に寄らざるをえない、という訳です。
では実際にはどのように行動することを「センターに寄る」というのでしょうか。
わたくしもしばらくの間はピンと来ませんでしたが、しかしある時に気づいたことがありました。
それは「感情に寄り添う」ということです。
ずいぶん以前の事になりますが、仕事上のことで人間関係にトラブルを抱えていたわたくしは、ひとりきりで定期的なミーティングを開催していました。
トラブルが起こる前は、かなり賑やかな時もあったので、その時は寂しい限りでした。
ところがひとりの友人が、わたくしの気持ちを察してかどうか、必ずそこに現れて一緒に時間を過ごしてくれるようになりました。
その友人はもともとそう口数の多い方ではなかったので、二人で居ても沈黙の流れる時間が多かったように記憶しています。
しかしわたくしは少しずつ精神的な安定を取り戻していき、トラブルも解決に向かい、仕事にも活気が戻ってきました。
あとで気づいたのですが、もしあそこで彼がわたくしを励まそうとしていたら、わたくしはどんな気持ちになったでしょうか。もしかしたら、シーソーの反対側へ思い切り遠ざかっていたかも知れません。
ところが彼は、何も言わず、元気をなくしているそのままのわたくしに黙って付き合っていてくれたのです。それはしみじみ有難いことだと感じられました。
彼は物理的にはほとんど何もしませんでした。ただうちに来て、わたくしと一緒にすごしれくれただけです。
しかしそれはわたくしの「感情に寄り添う」という行為だったのだと、しばらくして気づきました。
アクションも言葉もほとんど不要でした。
しかしわたくしが感じたのは、「絶対的な肯定感」でした。
それがわたくしを立ち直らせてくれたのです。
もちろん万人にこの方法が適切かどうかは分かりません。
積極的に励まして、手を引き、外に連れ出した方がよい人も居ると思います。
しかし「感情に寄り添う」ことで、救われる人がいるということを身を持って理解した、貴重な経験でした。いまでも友人に感謝しています。