事の起こりは大学時代にさかのぼる。
いままでの私の人生で、最も地味な時期だ(苦笑)
そのころ、知人の影響で仏教系の本を集中して読んでいた影響で
暇にまかせて写経をしたり、瞑想をしたりしていたことがある。
もちろん本から得たわずかな知識を基にした我流だ。
しかしやればやったなりの体験をすることもあるようで、しばらく
そんなことを続けているうちに、1分間の呼吸の回数もずいぶん
少なくてすむようになったり、ちょっとした特異な体験をしたり
することもあった。
ある晩、布団に横たわり、呼吸を整えて、「何も考えない」という
状態を作ろうとしていた。
「何も考えない」ようにしようとすると、次から次へ莫大な映像が
頭のスクリーンに浮かんでくる。どこかで立ち止まると、そこから
連想される映像が続き、とめどもないことになってしまうのだ。
私はそんな経験を何度もしていたので、そのうちに体得した方法で
頭のスクリーンに浮かぶ映像を、右側に追いやるようにした。
すると次の映像が浮かんでくる。追いやる。その繰り返しを延々と
続けるうちに、どのくらい時間が経ったのだろうか、ある瞬間、
突然、私の中に「無」が訪れた。
「無」とは完全な静寂を伴った闇だった。今、思いだしても手が止ま
ってしまうほどの 、深い、深い闇なのだ。
その「無」を前に私はどうすることも出来ず、ただそれを見つめていた。
するとその空間の遥か彼方の一点から、最初はほんの微かな、しかし
徐々に強まってくる光が見えた。
それは身体でいうと、眉間の間、「第三の眼」とも呼ばれるチャクラの
あたりから入ってくる。その光が私に向かってどんどんと加速してくる。
その光が私の「無」を埋め尽くした次の瞬間、 見たこともない景色が
私の中のスクリーンに映し出されていた。
続きます。