「予約様、入られました」は正しい?違和感の理由と正しい言い方 | ほどよい敬語~その敬語、盛りすぎです!

ほどよい敬語~その敬語、盛りすぎです!

プロのライターでも経営者でも間違えることがある敬語。相手を思いやるコミュニケーションツールとして「ほどよい敬語」を使いこなして「デキル人」になっちゃおう。

ご予約様、入られました/ディープ編 
〜『分かる!敬語』ラジオ 第2回

『前回は、『その敬語、盛りすぎです』14ページの「ご予約様、入られました」についてでした。
「予約」は、人ではなく「行為」。その行為に「様」をつけることはできません。その点はわかってもらえたと思いますが、もともとの表現「予約、入った」「予約が入った」は、そもそもどうなの?という深掘りです。

(前回お聞きでない方は最後のリンクからどうぞ)

この記事は、以下の音声と一緒にお楽しみください

『その敬語、盛りすぎです!』の解説編(2026.4.2 20:30公開)

さらに深掘り、ディープ編(2026.4.9 20:30公開)

 

 

お客様が入ってこられて「予約が入ってきたぞー」!

 

敬語でもやっとしたとき、まず敬語を使わない元の言葉にもどして考えましょう。
敬語の正誤以前に、もともとの表現自体がおかしいことがあるんですよね。
今回は、大声で店内に響いていた「ご予約様、入られました〜」を元の言葉にしてみましょう。
 
「ご予約様、入られました〜」
→「予約、入った〜」

いかがでしょう。
もし日常的に使われている言い方だとしたら、これは内輪の伝達事項、伝達用語なのでしょうね。
内輪でそっと告げる分には問題ありません。
インカムでお客様に聞こえないように厨房に伝えるのもいいでしょう。
しかし……お客様の前で「予約、入った〜」は?

「予約していたお客様をこれから案内するから、気をつけて丁寧に!
  厨房も料理を早めに準備して」と暗に言いたいのかも、そうでないかもしれませんが
お客様の立場で聞くと違和感が拭えません。

「入られました」にも違和感あり

 

お客様にしてみれば、自分が予約していたお店に行って
「予約が入ったぞ〜」と言われたら、どんな気持ちでしょうか。

人ではなく、もの扱いされているような気分になるかもしれません。
大事にされている気はしません。
だから、モヤっとするのです。
これは、本にも書いていませんが、
厳密に言うと「ご予約様」だけでなく「入られました」もおかしいですね。
 

「ご予約のお客様が、見えました」

では、どんな言い方なら違和感がなくなるでしょうか。
「ご予約様」は、「ご予約客様」でも間違いではありませんが、カ行が多く、カクカクして発音しにくいし、一般的とは言えません。
そこで長くなりますが、このように言い換えます。
 
●ご予約様
→ ご予約のお客様
 
●入られました
→ 来られました
→ 見えました
→ お見えです
→ お越しです
 
つまり、全体としては
●ご予約様が入られました
→ご予約のお客様が、見えました
→ご予約のお客様が、来られました
→ご予約のお客様が、お見えです
→ご予約のお客様が、お越しです
 
以上の表現なら、お客様の前でも、何ら違和感はありません。
「お越しになりました」でもかまいませんが、
もたっとしています。
テキパキ案内したいこの場面では少々冗長です。こんなときに威力を発揮するのが「お〜です」の言い方。

ただ……
「ご予約のお客様が見えました/来られました」
大声でアナウンスするメリットがどれくらいあるかは、また別の話ですね。
 
内輪の言葉をお客様の前で無造作に使ってはいないでしょうか。
接客を見直すヒントにしてもらえたらうれしいです。
長くなりそうなので、この辺で。
 

書籍『その敬語、盛りすぎです!』は書店で

『その敬語、盛りすぎです!』(前田めぐる著・青春出版社)は
全国書店の新書コーナーへいくと
青春新書インテリジェンスシリーズの棚にあります。
(ない場合は書店注文可能)
また、オンラインでは全国書店ネットワーク e-hon や

Amazon、各ネットショップで販売中です。