蘊蓄(うんちく)を傾ける | ほどよい敬語~その敬語、盛りすぎです!

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プロのライターでも経営者でも間違えることがある敬語。相手を思いやるコミュニケーションツールとして「ほどよい敬語」を使いこなして「デキル人」になっちゃおう。

「蘊蓄(うんちく)を傾ける」

本来は、これが正しい表現です。
「蘊蓄」とは、「知識を深く積み貯えてあること。またはその知識」という意味です。
「蘊蓄を傾ける」は「自分の学識・技能」を精一杯発揮する」ことです。

しかし、近年は「蘊蓄をたれる」「蘊蓄をひけらかす」などと「聞きかじりの雑学をひけらかす」という意味で使われることのほうが多いようです。「たれる」「ひけらかす」は本来なかった用法です。しかし、聞き手も「迷惑な雑学」と理解している場合があるので、認容されていくのかもしれませんね。

背景には、相手が望んでいないのに得意げに「蘊蓄」を語る人が多く、それにうんざりしている時代があるということなのでしょう。
聞く側も自分の知らない知識を披露されて幸運だ、ありがたいと思う余裕がない、話す側も相手の顔色を見ずに調子に乗ってしまうという、余裕のない状況です。
しかし悪意があるわけでもありません。

一杯のワインを前に、静かに物語を語りつ、聞きつ───「蘊蓄を傾ける」にふさわしい心躍る場面がもっとあってもいいのかもしれません。