ラジオ体操と人生

学校で、職場で、地域のイベントで――
実に60年以上も親しまれてきた
「国民的体操」。
だが「簡単な運動」と甘く見ていると、
ふとした動作で思わぬ負担を身体にかけ
大ケガのもとにもなるのだ。
※現代ビジネスより
▼ひとごとではない
「跳躍運動で膝関節症」
「前屈でぎっくり腰」
さらには骨挫傷と呼ばれる、
レントゲンやCTでは出てこないような
骨の症状など、
“毎朝の習慣だから”
“ただの準備体操だろう”と
侮ってはいけないのがラジオ体操。
「若いころはスポーツで
鳴らしていました。」
「身体は丈夫だと
自負していました。」
そんな人が毎日の日課だった
ラジオ体操で突然床に倒れこむ――
決してひとごとではない。
▼生保会社の広告
日本におけるラジオ体操は1928年、
社団法人日本放送協会大阪中央放送局
が放送したのが最初と言われているが
現在のような伴奏はなく、
体操指導員の号令のみで行われていた。
一方で伴奏つきの
今のスタイルにつながる
「ラジオ体操第1」は
保険事業に関する調査のため
訪米した逓信省の役人が、
現地の保険会社の広告放送である
「Setting up exercise」という
ラジオ体操番組を知ったことが
基になっているとのこと。
昭和天皇即位を祝う事業として
1928年10月29日
「国民保健体操」の名称で発表。
翌年11月より終戦後の8日間を除き
1946年4月まで続けられた。
▼ラジオ体操のワクワク感
僕が初めてラジオ体操を知ったのは
当時通っていた幼稚園でのこと。
夏休みになると毎朝園庭に出かけ、
近所のおじさんおばさんと一緒に
ピアノの伴奏に合わせ体を動かす。
夏の日の良き思い出だ。
そして体操が終わると
ボランティアの方々により
参加者全員に味噌汁が振る舞われる。
子供の頃ラジオ体操そのものが楽しい、
と感じたことはただの1度もなかったが、
体操後に首からぶら下げたカードに
スタンプを押してもらうことと、
そのあとに“みんなでいただく”
味噌汁が大きな楽しみの一つだった。
▼ラジオ体操と人生
深呼吸ではじまり深呼吸で終わる
現在の「ラジオ体操第一」が
制定されたのは1951年。
僕自身の生まれるはるか昔から
同じ伴奏で毎朝日本の各地で
流されていることを考えると
一際感慨深い気持ちになる。
その一方で1999年には
NHKで「みんなの体操」が放送開始。
ラジオ体操第一に比べ運動量が少なく
より身体の負担に配慮した
メニューになっているとのこと。
「ラジオ体操前の準備体操」
そんな習慣が常識となる時代が
間もなくやってくるかもしれない。