四国新幹線と人生

北海道新幹線が
平成28(2016)年3月に
開業したことで、
新幹線ネットワークは
北海道から九州までつながり、
四国地方は唯一の
新幹線空白地帯となった。
※sankeibiz.jpより
▼オイルショック
かの田中角栄が総裁選を制し、
内閣総理大臣の座を射止めた
事実上の政権公約である
“日本列島改造論”
「工業再配置と交通・情報通信の
全国的ネットワークの形成をテコに
人とカネとものの流れを
巨大都市から地方に逆流させる」
そうして1973年、
四国新幹線の基本計画が決定したが
直後にオイルショックの煽りを受け
日本経済は低成長に転じたことを理由に
以降計画は進捗を見せず
半世紀近くの年月が経過した。
▼本州四国連絡橋
列島改造論以前から計画が進行していた
本州四国連絡橋プロジェクトも
一度新幹線の併設などが盛り込まれたが
オイルショック後の部分着工で凍結され
現在は完成した3つのルートのうち
児島・坂出ルートが在来線と自動車道
神戸・鳴門ルートと尾道・今治ルートが
自動車道のみの運用となっている。
一応、
児島・坂出ルート(瀬戸大橋)と
神戸・鳴門ルートの大鳴門橋には
将来、新幹線を通せるようにと
レールを敷設できるスペースは
確保されているが、
その後計画が具体化されたことはない。
▼転機
ところが2000年代に突入以降
転機が訪れる。
「高速道路無料化実験」
当該施策により
ただでさえ高速道路の延伸に比例し
鉄道収入が減少していた
JR四国の財政状況は急速に悪化。
このままでは鉄道網の維持が
困難になると、4県・地元財界が
中心となり設置された有識者会議で
「鉄道網維持のためには
早期の四国新幹線の実現が必要」
との提言が行われたのだ。
▼四国新幹線と人生
四国新幹線の誘致活動を行う
四国経済連合会の担当者によれば
岡山と四国4県の
県庁所在地を結ぶルートの場合、
試算による事業費
1兆5700億円に対し
沿線の経済波及効果は
最大で年間169億円。
「人の少ない四国につくっても
税金の無駄遣い」
という言葉も聞かれるが、
開業前に試算した
124億円を大きく上回り
初年度678億円の経済波及効果を
記録した北陸新幹線の場合(※)
(※額は石川県に限定)
沿線人口は一キロ当たり
6570人に対し、
四国の場合は
1万1200人と倍近くだ。
既に整備新幹線として
建設が決まっている
九州新幹線長崎ルートや
北陸新幹線の
京都・新大阪延伸もある中、
何より沿線住民が主体となり
日本全体の未来を据えた
現実的で前向きな議論が
一層活発化することを望む。