VR食事と人生

バーチャルリアリティー
(VR=仮想現実)を利用し、
あたかも故郷でおばあちゃんと
食卓を囲んでいるような
気分になる動画
「バーチャン・リアリティ」を
兵庫県南あわじ市が制作し、
インターネット上で話題を集めている。
※毎日新聞より
▼仰山食べてや
僕はVR機器を所有していないので
YouTubeで再生を試みた。
すると目の前におばあちゃんが現れ、
「仰山食べてなぁ」
とやさしい口調で語りかけてくる。
食卓にはおにぎりや卵焼き、
サラダなどが並び、
「ちょうどこれから食事」
といった設定のようだ。
因みに当該動画は
「朝ごはん編」と紹介されており
他にも
「夜ごはん編」や
「食事別」「見どころ別」に
合計10ケ前後のVR動画が
用意されている。
▼地方創生
つまりそういうことだ。
「社会問題・
孤食(孤独な食事)を食い止める、
食の大国‘あわじ国’の社会派施策。」
「世界初 バーチャンといっしょに
ごはんを食べられる
バーチャルリアリティ動画
あわじ国バーチャン・リアリティ」
「動画に登場する食材をはじめ、
あわじ国(南あわじ市)の特産品を
お得にもらえる、ふるさと納税!」
以上は動画紹介文からの抜粋。
VR動画を通じて、
南あわじ市の魅力を感じてもらい、
ふるさと納税や地域振興につながれば
今回の施策は成功、ということだ。
▼子供の頃の最大の楽しみ
僕にとって
「おばあちゃんとの食事」は
一年の中でも最も幸福感に溢れた
かけがえのないイベントの一つだった。
自宅から車で5時間以上。
年に1度、家族で訪れる
「おじいちゃんおばあちゃん家」
普段は両親に怒られてばかりの
僕にとって
満面の笑顔で迎えてくれる
おじいちゃんおばあちゃんは
物心つく頃から大好きだった。
さらに家では
「ごはんはおかわり1回まで」
「おかずは決められた数だけ」
と食べる量も制限されていたが
おじいちゃんおばあちゃん家では
そのような制限は一切ない。
食事が終わった後も、
おばあちゃん手作りの郷土料理、
とれたての果物や地元の茶菓子など
茶の間のテーブルの上は
食べ物が途絶えることはなかった。
食べても食べても、
おばあちゃんは笑顔で
「食べて」と勧めてくれる。
…
なんというか、最高に、幸せだった。笑
▼VR食事と人生
「癒される」
「故郷みたい」
「涙が…」
動画のコメント欄には
称賛の言葉が続く一方で、
「不自然」
「食事くらい1人で」
などの否定的な意見も
若干数見受けられた。
僕自身、
当該動画の雰囲気は好きだが
何というか試聴中、
終始恥ずかしいような
心がむずかゆくなるような感覚に
意識が奪われ、最後まで動画を
“味わう”ことが出来なかった。
「VRで孤食解決」
アイデアとしては素晴らしいと思うし、
今後人工知能の発達とともに、
「今は亡き血縁者との食事」
なんてことも可能になるかも知れない。
けど、VRは所詮VR。
本当の幸福感は
生身の人間とのふれあいからしか
生まれないと僕は思う。