新型ひまわりと人生

気象衛星「ひまわり9号」は
2日午後、種子島宇宙センターから
打ち上げられ、切り離しに成功。
その後も無事に通信を続けており、
11日頃に静止軌道に乗る予定だ。
▼25回連続
使用されたロケットは、
おなじみの国産ロケット
「H2A」。
今回の成功を含めると
25回目の連続成功となる。
今でこそ日本の宇宙開発技術は
その品質の高さを世界に示す
レベルにまで到達しつつあるが、
ここまでの道のりは
決して順風満帆ではなかった。
特に気象衛星がらみにおいては…
▼みらい
1999年11月。
それまで5年近く運用を続けていた
「ひまわり5号」の後継でもあった
運輸多目的衛星
「MTSAT-1」(愛称みらい)が
H2Aロケットの前身である
H2ロケットにより打ち上げられた。
ところが1段目のロケットが故障し、
制御不能に。
これ以上の運行は危険と判断し、
地上からの指令により爆破され
海中に没した。
2001年に打ち上げ予定の
同種ロケットは
当該失敗を機に制作を中断し
打ち上げを見合わせ、
以後、防水処理などを経て
「筑波宇宙センター」の敷地内に
屋外常設展示されている。
▼ひまわりの画像
僕は小さなころから
気象現象に人一倍興味を抱いていた。
空に浮かぶ雲を眺めては、
「なぜこんな形をしているのだろう」
といつまでも飽きることなく
その水蒸気の塊の行方を追う、
そんな子供だった。
ある日、
毎日届く新聞の隅に載っている
雲の写真がふと気になり始めた。
「ひまわり」の画像だ。
写真の下には小さく
「ひまわり3号」と書いてある。
僕はすかさず
「ひまわり3号」って何?
と親に聞いた。
そこで初めて知った。
宇宙空間に浮かんでいる
通信衛星の存在を。
▼新型ひまわりと人生
前述の「みらい」の
打ち上げが失敗したことで
当時現役だった
「ひまわり5号 (GMS-5)」は
想定外の長期運用を強いられた。
しかし設計寿命も大きく超え
これ以上の観測は困難とのことで
米国の気象衛星
「GOES-9」を借り受け
「ひまわり6号」の打ち上げまで
代替運用を行った。
因みにこの
「ひまわり6号」は
H2Aロケットの6号機での
打ち上げが予定されていたが、
「ひまわり6号」本体の制作遅れで
当該ロケットでの打ち上げは見送られた。
代わりに別の情報収集衛星が
搭載され宇宙を目指したが
ブースターの一部が切り離しできず、
止む無く指令で空中爆破、
31機ある打ち上げ済みH2Aで
唯一の打ち上げ失敗となった。
「ひまわり6号」の制作遅れがなければ
2回連続の気象衛星打ち上げ失敗、
ともなりかねなかったことを考えると
以後の日本の天気予報のあり方さえも
根底から覆されていたかも知れない
だけに、そのタイミングの絶妙さには
思わず息を飲まずにはいられない。