~エル・ディアラ・サンドリア北、監獄エリア....

ザッザッザッザッ・・(衛兵二人に連行されてくる「手枷足枷で拘束されたドボルヘルムの囚人」。もちろん上半身裸な囚人ズボンの腰元には数本の串焼きが刺さっている)


$あたちのモンハン日記
カーブー「今日からここが君達の新しい職場だ。どうだ?ゾクゾクするだろう?ハハ~ツハツハツハツ!!」(迷惑そうな顔してる衛兵二人)


ザッザッザッザッザッ(都を囲う荒涼たる乾いた断崖絶壁の下を足早に歩いてくるイェル・ミナ)


カーブー「看守長、早いっすね」

イェル・ミナ「あら。買ってもらったの?」(ズボンの腰回りに刺さっている串焼きを見ながら)

カーブー「優しいシオンさんがお金を出してくれたんす。なぁ!?」(衛兵二人に向かって。嫌そうな顔する衛兵二人)

イェル・ミナ「私が優しくないみたいじゃない。食べ終わったら、ちゃんと串を彼らに渡すのよ?つまらないことで疑いを持たれたくないでしょ?」

カーブー「ウッス。あのぉ・・副看守長はどうなりましたぁ?」(ドボルヘルムの表情を不安そうにしながら)

イェル・ミナ「特別牢よ。あなたは心配しないで、早く友達のところに戻ってあげなさい。それ、あげるんでしょ?冷めちゃうわよ」ぽん(カーブーの肩を叩きながら、すれ違っていく)

カーブー「イェル・ミナ看守長」

イェル・ミナ「なに?改まって」

カーブー「あなたも十分、お優しい。これからは牢獄の環境も良くなることでしょう」

イェル・ミナ「・・・そうなるといいわね」フッ・・


ザッザッザッザッザッザッ・・・(凛然とその場をあとにする小柄な赤装束の彼女の背中をうっとりとしながら見送るドボルヘルムの囚人&衛兵二人)


カーブー「・・・・・・・・・・。さぁ!楽しい監視ライフが君達を待っているぞ!」お前が言うな、このぉ~(と衛兵がヘルムを人差し指で突く始末)


ザッザッザッザッザッザッ(外周エリアから市場へと続く道を颯爽と歩いて行くイェル・ミナ)


クク「まさかあなたが時間稼ぎしているとは思わなかった」(彼女の右腕にしっかと掴まりながら)

イェル・ミナ「緊張したんだから。コズンダ様やセフィティスが見ている前で戦うなんて」ザッザッザッザッ

クク「私は楽しそうに見えたけど・・どうして副看守長を?」

イェル・ミナ「一番都合が良かったから。ほら、前にあの男が脱獄計画を企んでいるって副看守長が言っていたことがあったでしょ?」

クク「ああ、あなたが新しいボーイフレンドとうつつを抜かしていた時ね」ぺちん(イェル・ミナにテントウムシな頭を軽く叩かれる)

イェル・ミナ「あの時は冗談だと思って聞き流したけど、副看守長は、少なくとも彼の計画を知っている。どこまで聞かされたのかは分からないけど・・賭けてみることにしたの」ザッザッザッザッ

クク「それってどっちの男に?ドボルヘルム?それともチャチャブーフェイク?」

イェル・ミナ「両方」やれやれ

クク「あなた、今がモテ期なのかも」

イェル・ミナ「やめて。寒気がする」ぶるるるるっ

クク「満更でもなさそう」ふふっ

イェル・ミナ「もう・・」ザッザッザッザッ(次第に人が行き交うマーケットエリアに入っていく)


ひょれっ(灰色の建築物の隅より顔を出してくるリオレウスのお面を被った少年)


クク「ほら。もう一人の彼氏もいるし」

イェル・ミナ「そうね」にこっ

ハロルド「妥当な勝利だったな、イェル・ミナ」こちん(笑顔の彼女と拳をぶつけ合う。もちろん彼はちょっと背伸びをしながら)

イェル・ミナ「もちろん私に賭けたんでしょ?」

ハロルド「ハラハラしてそれどこじゃなかったよ。シリウスさんにもまだ今回の計画は話してないんだからさ」やれやれ

イェル・ミナ「大丈夫?」

ハロルド「ドボルヘルムのあんちゃん達の計画は前から知っている。今のところ、俺達(ギルドナイツ)は、見て見ぬふりをするだけ。それに、俺は直接、クルセイダーズを支援しちゃいない。君のアドバイザーになっているだけ。それより、成功したんだろ?連中の様子はどうだった?」

クク「やる気満々。あとはデスカーブー次第」

ハロルド「なんだかこっちが緊張してくるぜ」やれやれ

イェル・ミナ「ねぇ、どこかで落ち着いて話をしない?」

クク「あ!それなら長老府前のパーラーにしてちょうだい!今度は、あそこの「おぶどうのパフェ」を食べてみたいの!ねぇ、お願い!」(テントウな前脚を合わせながらの懇願スタイル)

やれやれ(と顔を見合わせるイェル・ミナとハロルド)






~特別牢....

大人しくしているんだぞ(と洞窟をあとにする衛兵達)


ゲンス・ゴンス「へぇ~~えとな・・・」どすん(手枷足枷スタイルのまま、ヘビィな腰を下ろす)

ケズマダ・ハハーン「面会かと思ったら、まさかあんたが新入りになるなんてね。どんな悪さしたか?」(壁に両手両足を鎖で貼り付けられたまま、足元でうなだれる鮮血のチャチャブーフェイクの大男に向かって)

ゲンス・ゴンス「あの女を愚弄した罰だとさ。おまけに看守の座も剥奪された」へぇ~~えと(首をだるそうにゴキゴキ回しながら)

ケズマダ・ハハーン「看守長のことね?だからアザだらけなのか」

ゲンス・ゴンス「散々、棒で殴られた」やれやれ

ケズマダ・ハハーン「決闘裁判は、殺し合いね。それでもあんた生きてる。やっぱり、あの人、悪い人間じゃないね」

ゲンス・ゴンス「・・・そう思うか?」

ケズマダ・ハハーン「あんたもね。わざと彼女にやられたか?」

ゲンス・ゴンス「・・・これだからてめぇら(奇面族)の千里眼は・・・。フゥーーーーー・・・・・・あの女は明らかに何かを企んでいた。決死の覚悟を感じたのさ。だから乗ってやったら、このざまだ」やれやれ

ケズマダ・ハハーン「じゃあ、彼女は、考えがあって、あんたをここに?」

ゲンス・ゴンス「あの女は、俺にデスカーブーを支援しろと言っている。理由は分からないが、俺にはそう聞こえた。だとすれば、決行の日もまた近い」

ケズマダ・ハハーン「・・・・・・・。助けてくれるか?」

ゲンス・ゴンス「俺の希望は言ったはずだ。俺は、このアヤで静かに暮らせればそれでいい」どさっ(おもむろに横倒れになる)

ケズマダ・ハハーン「それは牢獄の中でもいいということか?」

ゲンス・ゴンス「さぁな。ただ、ここのことは誰よりも知っている。飯もそう悪くはない」(横向きに寝ている、彼の大きな背中に赤黒い傷跡が無数に残っている)

ケズマダ・ハハーン「・・それはなんの傷ね?」(首を傾げながら)

ゲンス・ゴンス「お前らでも見抜けなかったようだな。知ってるか?あの女、口から龍の力を吐きやがる」

ケズマダ・ハハーン「ほぉ・・・それは興味深いね・・・・」(面のクローバー型にくり抜かれた目元の奥に見えるつぶらな瞳がキラキラと光る)

ゲンス・ゴンス「これでも一応、人間なのに龍属性でやられた。うちの看守長は、とんでもねぇ、龍の女だったんだよ」やれやれ

ケズマダ・ハハーン「それは見抜けなかったが、才能は分かっていたよ」

ゲンス・ゴンス「ああ?」

ケズマダ・ハハーン「彼女、まだまだ伸びるよ」フォッフォ~(面の頭頂部にちんまりと乗っかっている「黄金のしゃぶしゃぶ鍋みたいな冠」が感情に合わせて沸騰する)

ゲンス・ゴンス「そうかい。俺は女の狩人が苦手だ」ぼりぼり(背を向けたままお尻をかきながら)

ケズマダ・ハハーン「ka-booは何してるか?」

ゲンス・ゴンス「俺がいなくなってせいせいしているだろうよ」ぽりぽり

ケズマダ・ハハーン「・・・あんた、損してる生き方しかできないか?」

ゲンス・ゴンス「得をする生き方って何だ?お前ら獣人を働かせ、見張りをするだけの人生か?それとも、犯罪者どもを監視する仕事のことか?あるいは、今の俺のことか?」ぽりぽり

ケズマダ・ハハーン「あんた、自分の力を試したいと思っているね」

ゲンス・ゴンス「・・・・信義を尽くせ・・・ってか?バカバカしい」

ケズマダ・ハハーン「その血に汚れた面を大義によって洗い流すよ」

ゲンス・ゴンス「ケッ。ちまちました人助けなんかより、その根源をぶっ倒す方が早い」ぽりぽり

ケズマダ・ハハーン「善悪諸共か。あんたらしいね」やれやれ(その言葉を聞き、「ヒ~ホホ~」と笑いながら眠りにつくゲンスであった)






「あたちのモンハン日記」
Anthem of a Dying lights






~エル・ディアラ・サンドリア、マーケットエリア....

ヒ~ホホ~~(と真顔で呟きながら市場の人混みを抜けていくシオンを先頭に、肉まん君とジークに跨ったミオンが続く)



シオン「ヒ~ホホ~~」ガヤガヤガヤガヤ


ミオン「やめるミョ。お下品ミョよ?」ヒ~ホホ~~


肉まん君「あいつの真似をしているんだよ」ヒ~ホホ~~

ミオン「ゲンス・ゴンスミャろ?昔からあいつは、お調子に乗ると、その都度、自分の中での「流行り笑い」をするんだミャ。おお、気持ち悪いミャお」ぶるるるっ

シオン「でもやられた。ヒ~ホホ~~」

肉まん君「ああ・・だが、あまりにもフィナーレはあっけなかった」ガヤガヤガヤガヤ

ミオン「どういうことミャ?」こそっ(とジークの耳元に)


ジークガルム「あの戦いには意図があったということだろう」ガヤガヤガヤガヤ(周囲の喧騒に紛れながら静かに返答する)

ミオン「い~~っ?じゃあ、ゲンス・ゴンスは、わざと負けたってことミャ?」

肉まん君「確かにイェル・ミナは桁違いだった。いずれにしてもあいつは負けていただろう」ふぅ~~

ミオン「じゃあ、妥当ミャ。ザマァねぇミャお」パンパン(猫手を叩く)

ジークガルム「二人共、自分の手で決着をつけたかったのさ。だからこそ、あの男の敗北を認めたくない自分もいるんだ」ガヤガヤガヤガヤ

ミオン「ほほぉ~~。ジレンマってやつだミョ?」ちらちら(と肉まん君と主の顔を交互に見上げながら)

肉まん君「簡単じゃないの」ぽん(ミオンの猫頭に手を置く)

ミオン「ふぅ~~~~ん・・・」ガヤガヤガヤガヤ

シオン「ねぇ、ニッ・・・肉まんさん。前から気になってたんだけど、あなた達の依頼人って誰?」

肉まん君「なんだよ、藪から棒に」

シオン「いいじゃない。私だって立派なナイツの一員なのよ?」

肉まん君「・・・・・・・・・・・・」ふぅ~~

ミオン「そうだミョ。教えるミョだ」むにっ(猫手で肉まん君の手をつまむ)

肉まん君「その名を憚られるもの。君も知っている邪龍教徒の女だ」ガヤガヤガヤガヤ

シオン「・・・・・ジーナ・ジラント・・・・・・・やっぱり。あの可愛いアンティークショップのオーナーさんは、跡継ぎだったのね」

肉まん君「ああ。彼女も一緒だ。だが、到着して以来、部屋に閉じこもりっきりだ」

シオン「カーブー君もあなたが連れてきたの?」

肉まん君「ああ。あいつとジーナは個人的に何かあると睨んでいる。ドボルヘルムを呼んだのは、ジーナの様子をみるためだ。案の定、俺達を護衛として雇わせることに成功した」

シオン「シリウスさんに伝えるわ」

肉まん君「待て。その情報源を誰から聞いたと疑われ・・・・・でもないか」ぽりぽり

ミオン「みんな、疑っているミャ」

シオン「問題ある?」

肉まん君「ノープロブレム。彼とは以前に接触している。逆に、俺からの情報とあれば、信用するだろう。だが、今は手を出すな。ここで彼女を捕縛できたとしても、管理する方が難しい。だからフレッカーだって・・・以前、俺達に彼女を捕まえるよう依頼してきた獣人もまた、彼女をわざと手放したんだ。彼女は危険だ。質が違う」

シオン「へぇ・・・あなたがそこまで言うなんてね・・。まさか、あなたまで毒牙にかかっちゃったとか?私達がよく知っている人みたいに」

肉まん君「・・・・・・ジェイソン・ウー・・・・俺達は、その紛い物を本物だと信じ込んでいた・・・・いや・・・彼もまた偽名を使って・・・」

シオン「シュレイドの亡霊達に惑わされては駄目。確かなのは、今の私とあなたがいるのは彼のおかげだっていうこと。そしてゴルゾンさんも・・・・」


ガヤガヤガヤガヤガヤ(空を見上げるシオンの目に涙が浮かび上がる)


シオン「この話はまたにしましょう」スッ・・(それとなく目元を袖で拭う)

ミオン「大丈夫ミョ・・?」

シオン「ごめんね。少し昔を思い出しただけ」なでなで(心配する愛オトモと愛ガルクの頭を)

ミオン「お話っていえば、アンソニーがニッ・・肉まんさんとシオンは知り合いなのか?って聞かれたミャ。それからゲンス・ゴンスとのことも、お話しないと・・」ぐいっ(と猫手で主のギルドクロスのマントを引っ張りながら)

シオン「しょげないで。いずれ説明するつもりだった。別に悪いことは何もしてないわけだし。むしろ、これ以上にない、頼もしい「コネ」だと思うけど」やれやれ(と肉まん君)


イ~~ヒッヒッヒッヒッ(とディオマリアシスターズが姉妹共に背中を丸めた前傾姿勢(うらめしやポーズ)&両足つま先歩きでトコトコと長老府に入っていく)


シオン「あら。あの子達ね」

肉まん君「まったく・・何を考えているんだか・・・」


ガヤガヤガヤガヤガヤ(長老府前のパーラーのテラス席で会話をしているイェル・ミナとハロルドの姿が。また、机の上では、猟虫サイズのオオナナホシが、「おぶどうのパフェ」のグラスをテントウ虫な前脚でしっかと掴んで上半身を立ち上がらせたまま、グラスの中に顔を突っ込ませている)


ミオン「イェル・ミナ達だミャ」

シオン「じゃあ、今日はここまで」

肉まん君「ああ。俺もあいつらを連れて帰るとするよ。ここのところ外食ばかりで、カーンをがっかりさせていたしね」やれやれ

シオン「じゃあね、相棒」

肉まん君「フッ。またな」


ガヤガヤガヤガヤガヤ(黄昏時な商店街通りをそれぞれ二手に分かれて行くシオン組と肉まん君)


To Be Continuedダッシュ






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次回「あたちのモンハン日記/Anthem of a Dying lights」

第189話 「私、オオナナホシのククって言います!」

12/4(月)0時更新予定

ニャんだかんだでもう「お師走」だミョ
今年もクリスマスSPをやる予定なのでお楽しみなのだミョ♪
そんだらば!!
次回も見よう!!読も見よう!!ミャ♪

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