ギ~~~コ・・・・ギ~~~コ・・・・
(エメラルド色に光る貯水池をおもむろに渡ってくるゴンドラの舵を取るウバイヤは、黒い海賊Jネコが待つ五稜星エリアの波止場に船を寄せていく)


ニャ太郎「オタカラを無事にちょうだいしてきたようですな」


鉄平「まったく大冒険さ。ここへ来る途中に、立ってるタイプの石棺がまあるく並んでるエリアがたくさんあったろ?そのひとつの中に上へ行ける秘密の通路があるんだ。開ける墓を間違ったら、ミイラが襲ってきたりな」(ニャニャ~~と恨めしそうに。それを見て微笑むナジューブ)

ナジューブ「先代達から聞いてはいたが、俺も初めて地下から宮殿に入った。それなりに楽しめたよ」

鉄平「ほとんどゲルハルトとナジューブのお手柄さ」こちんこちんハッ(二人と拳を軽くぶつけ合う)


ゲルハルト「オオニャニャホチ、アニャ~ったら、えて(あの猟虫も支援してくれた。本気で族長達を解放したいようだ)」しょるしょるしょる(彼らが乗っているゴンドラの船尾にロープを巻きつける黒い海賊Jネコ)


泥吉「あの看守長は一体、何を企んでいやがるんですかね」


一也「今は信じるしかないニャ。それより、こいつを運んじまおうニャ」むんずっ(ザザミネコバサミでハンググライダーの翼を甘咬みする。「破るなよ」と、ちょっと注意する鉄平)

ウバイヤ「手伝ってくれ」ヘイニャ(と、黒い海賊Jネコ)

ナジューブ「どうする?お前らの客室に運ばせるか?」たんっ(ゴンドラから石床に飛び移る)

鉄平「ま、ここでもいいけど・・・」きょろきょろ

手伝いやしょうか~?(と、すり鉢をやりながら気配りしてくる盗賊ギルドの男達。遅れて元モラゴの無骨戦士達も、気持ち程度に立ち上がろうか悩んでいる)

鉄平「あいつらに踏まれたら、壊れちまうな。わりぃけど、運んでおいて」ヘイニャ(と、黒い海賊Jネコ)


慎重にニャ・・そうそう・・
てててててて・・・・・
(黒い海賊Jネコを筆頭に配膳アイルー数名がハンググライダーを担ぎ上げながら、西側の星角から伸びる細い板の橋を渡り、ダンジョンのような地下水道の中へと消えていく)


鉄平「よくまぁ、こんな暗い所で」

一也「まるで迷路ニャ。帰巣本能だけが頼りだニャ」やれやれ

鉄平「水路もやたらと枝分かれしてやがるしな。仮にモラゴの連中が侵入してこれたとしても、地下水道で迷子になって、餓死するのがオチだったな」やれやれ

ウバイヤ「さぁ、こちらへ」


てってってってってってっ(ナジューブを先頭に鉄平達は、その猫背をさらにまるめつつ、同じくまあるくなってすり鉢をやっている仲間達の間を抜け、五稜星エリアの中央に置かれてある無人の黒い玉座へと向かっていく)


ひょっダッシュ(その玉座に背中から飛び座るナジューブ)


ナジューブ「ようこそ。エズガダの拠点へ」スッ(ほっそいメラルー足を組みながら)

ウバイヤ「皆様もどうぞ」カタンカタン・・(それぞれタイプの違う椅子を玉座の前に置いていく。また配膳アイルーらも各自、椅子を抱えながら運んでくる)

鉄平「高級品のようだが・・盗品だな」ひょっダッシュ(好みの椅子に背中から飛び座る)

一也「サンキューニャ」いえいえ(と配膳アイルーに礼をしてから椅子に飛び座るザザミネコ一也。またゲルハルトらも用意された椅子(玉座を中心に弧を描く形に置かれている)にひょっひょと飛び座る)

ウバイヤ「ゲストに飲み物を」ハイニャ(と配膳アイルーが足早にむき出しなキッチンエリアへと向かっていく)

ゲルハルト「イ~ッニャったら、えてちて、こにょ(ずいぶん見晴らしの良い所だな)」きょろきょろ(フラットな星型の広い石床エリアを見渡しながら)

泥吉「あれもちょうだいしてきたんですかい?」(地下水道の天井に吊るされた豪華なキャンドル型シャンデリアを見上げながら)

ナジューブ「前に都の老人達をだまくらかしてた豪商がいてな。証拠として帳簿を屋敷から盗んで宮殿に送り付けた。先王は連中から特権と財産全てを剥奪し、都から追放した。その後、宮殿が所有することになった屋敷から、報酬として戴いたのさ」

ニャ太郎「道理で豪華な家具が多いわけだ」ハハッ(とナジューブの後ろには豪華なアンティークテーブルやソファ、ローテーブル、そしてロイヤルなティーセットまでもがあり、その奥には「本物」と思しき名画の数々(主にネコがテーマで写実主義、超印象派、アール・ヌーヴォー的に描かれた「様々な歴史的ニャン達」の姿が見える)がイーゼルと一緒に飾られていることから、ナジューブの憩いの場であることが窺える)

どうぞですニャ(配膳アイルーがおぼんに乗ったワイングラスを鉄平達にお勧めしていく)

鉄平「ん~~~~?」くんくん(ワイングラスの中身を猫鼻で)

泥吉「ブレスワイン。それも相当の年代ものでやす。宮殿から?」フォンフォンフォン(手慣れた感じでワイングラスを回しながら)

ナジューブ「ああ。聞けば、あんたは王妃の間諜だったそうだな」

泥吉「スカルリーナ様は寛大でやす。部外者のあっしを受け入れてくださった」クッ(口惜しそうにワインを飲む)

ナジューブ「先王に起きたことはまさに悲劇だった。コズンダの私兵が増大していることも伝えたが、彼は・・コズタン一世は、次男の性格を熟知した上で、長男であるアダンカの対応を期待していたのさ・・・・なんてな。俺の邪推だ」スッ(グラスを掲げる)

泥吉「戦わせ、勝った方を王位継承者に?どちらにせよ、そんなこと、スカルリーナ様は臨んでおられなかった」

ナジューブ「どうかな。コズンダを追いやったのは王妃だ。風紀を取り締まることを理由に、コズンダの母親を後宮より追放して、ナンバーワンになったんだからな」クッ(ワインを飲む)

泥吉「・・コズンダはスカルリーナ様を何より憎んでいる。だから都から離れることになった」

ナジューブ「戦うためにか?」

泥吉「必要あらば」

鉄平「そのために俺達が来たんだ。例え黒幕によって動かされているとしても、俺達には、ここへ来る理由があった。それは因果であって、もちろん戦うためだ」

ナジューブ「・・・ほぉ・・・・・・」クッ・・

一也「スカルリーナは自分を責めているニャ。少なくとも俺にはそう見えるニャ。早く再会できるといいニャ」カチン(ザザミネコバサミで挟んでいるワイングラスを泥吉のそれに軽くぶつける)

ナジューブ「俺が手助けできるのは、ここまでだ。あとはウバイヤと話してくれ」バッダッシュ(玉座から飛び降りる)


てってってってってってっ・・(おもむろに背後の憩いの場へ歩いていくナジューブ)


ナジューブ「ゲルハルト」

ゲルハルト「ムニャ?」ゴクゴク(価値あるワインをわざと興味なさげに荒々しく飲みながら)

ナジューブ「本当に残るつもりはないのか?」

ゲルハルト「ウニャ」こくり

ナジューブ「・・・・なら早く出ていっちまえ」フッ・・


ドスン・・・(こちらに背を向けながら豪華なソファに腰を下ろすナジューブは、目の前に並ぶ絵画を見つめているように映る)


ゲルハルト「ア~ニャマタ、こにょ(あいつ、ああいう生活に昔から憧れてたんだよ)」こそっ

鉄平「いいのか?本当に」こそっ

ゲルハルト「ゲガ~ニャ、オッダラ、ハニョ?(俺の故郷はここにはない。だろ?)」チィ~~ん(ワイングラスを鉄平のそれにぶつけると、互いのワインがちょっと溢れる)

泥吉「ウバイヤ殿。鍵束はやはり見張りの男女が?」

ウバイヤ「ええ。簡単に盗めましたが、ご命令通り、確認だけ」

ニャ太郎「事前に鍵が無くなる方が警戒を抱かせます」

鉄平「ああ。それにリークしてきたのは、あの女看守長だ。彼女の出方をみようぜ」

泥吉「投獄されているお仲間はよろしかったでやすか?」

ウバイヤ「ええ。どうせ殺すだけですから。いつでも出来ますし、今は面倒を起こしてはまずいでしょう?」

一也「盗賊ギルドは、おそろしいニャ」ゴクゴク(ワイングラスをザザミネコマスクの口元にあてながら。中では口をすぼめてマスク越しにこぼれてくるワインを飲んでいるのだろうか)

ゲルハルト「ウニャニャ、マ~ニャテラ、ハニャニャ(ウバイヤ。地下の龍堂に一人だけ別に囚われている男がいたが知っているか?)」

泥吉「まさか・・アダンカ様!?」

ゲルハルト「インニャ、ニャ~ニャちてよ(いや。使者団の装束を纏っていた)」

ウバイヤ「ふむ・・・・となれば、タガル・ウムトでしょうな」

泥吉「先王が信頼していた重鎮の一人です。ガリタン殿と協力しながら先王を支えていやした」

一也「そっちも救出するニャ」

鉄平「待てよ。そいつはタラスクギルドのメンバーなんだろ?助ける義理はねぇ」ぷいっ

泥吉「ウバイヤ殿、アダンカ様の所在をご存知ですか?」

ナジューブ「南部」(引き続き憩いの場でこちらに背を向けたままソファにふんぞり返りながら絵画に浸っている)

ウバイヤ「アダンカ・コズタンは、月蝕の翳氷によって救出されました。今は穹冥の要塞でしょうな」

泥吉「南部は寒冷地でやして、そこにある氷の壁に要塞があるそうなんでさぁ」

鉄平「凍土のマフィアもびっくりだな。で、そこで何してんだ?」

ウバイヤ「噂では、月蝕の翳氷は先王の長男であるアダンカを正当な後継者として担ぎ上げ、北伐を狙っているとか」

一也「スカルリーナに教えてやらニャ~。息子の心配をしていたニャ」

泥吉「ええ。まずはスカルリーナ様と合流してから、ガリタン殿の意見を聞きやしょう」

ゲルハルト「ハンニャ、えったら、アニョニョ(最優先は赤ん坊の救出。そして脱出だ)」


ゴリゴリゴリゴリゴリ・・
ハチミツをもっとくれないか?
眠魚はちゃんとすり潰すニャ
(背中を丸めながらすり鉢をやっているメンバー達)


鉄平「あっちも順調そうだな」

ニャ太郎「はい。交易が盛んになったことで素材が入手しやすくなったことが大きいですな」

一也「お前に泥吉、それにエズガダのみんなにかかれば、なんでも手に入るニャ」ゴクゴク

鉄平「火薬も揃ったか?」

ウバイヤ「ええ。北部は火薬草が絶えませんので。その他の素材も客室に運ばせてあります」

一也「やったニャ、鉄平」

鉄平「今夜は徹夜だな」やれやれ

ウバイヤ「それから、これも。どうぞ」スッ(何やら大陸文字が書かれた証文のような用紙を手渡す)

一也「ホニャラて?」あむっ(ザザミネコバサミでそれを挟んで受け取る)

ウバイヤ「マーケットエリアにある、王室御用達の料理店にそれを見せると良いでしょう」

ニャ太郎「練兵場の見張り達は、そこから配達される弁当を食べているようです」

ウバイヤ「それ以外にも使えそうな証書を偽造しました。お好きにお使いください」スッ・・(と丸められた紙をニャ太郎に手渡す)

ゲルハルト「アニャレニホニョレリ(至り尽くせりだな)」げふぅ~~(とワインを飲みながら)

鉄平「俺達が都から出ていったら、どうすんだ?」フォンフォンフォン(慣れない手付きでワイングラスを回すと、やっぱりちょっとお腹に溢れる)

ウバイヤ「モラゴを掃討したことは大きな意味を持ちます。コズンダもしばらくは地下の制圧を諦めるでしょう。こちらから手を出さない限り、「保留」が妥当でしょうな」

ゲルハルト「マ~~ニョ(お互いにさ)」ゴクゴク

泥吉「エズガダはアダンカ様に期待を?」

ウバイヤ「アヤを治める王に誰が相応しいのか・・見届ける必要があります」

一也「コズンダじゃ、無理だって言いたそうだニャ」

鉄平「まだまだ動乱は続くってことさ。まずは明日に集中しよう」クッ(彼が飲みかけグラスを掲げると、他のメンバーもまたグラスを掲げる)






「あたちのモンハン日記」
Anthem of a Dying lights







~エル・ディアラ・サンドリア北、監獄エリア....

ダニー「離せ!!ボスが何をしたってんだ!?」(衛兵に取り押さえられながら)

イェル・ミナ「侮辱罪。コズンダ様もお認めになった。さぁ、中に」ハッ(衛兵数名が手枷足枷で拘束された鮮血のチャチャブーフェイクの大男を連行していく)

ゲンス・ゴンス「俺のことは心配するな。看守長、こいつらに新しい職を案内してやってくれ」ザッザッザッザッ・・(特別牢の洞窟へと連行されていく)

カリサ「そんな・・・・」

イェル・ミナ「長老府に行けば、仕事をもらえるはずよ。あなた達ならそうねぇ・・お金持ちのボディーガードやイベント会場のバウンサーなんてどうかしら?確かマーケットエリアで「たまご運搬競争」が開催される予定になっているわ。人手不足だって言ってから、ちょうどいいかも」やれやれ

ゲンス・ゴンス「初心に帰って、畑仕事もいいかもな」ハハッ(衛兵達に連行されながら特別牢の洞窟の中へ消えていく)

ダニー「はぁ!?それって、つまり・・」

イェル・ミナ「あなた達は解雇よ。ご苦労さま」バッバッ(ダニーとカリサの腰元にぶら下がっている鍵束を奪い取り、それを衛兵に向かって投げ飛ばす)

ダニー「クソがぁ!!なら俺も捕まえろ!!」ダッ

衛兵「このっ!!」ゴスッハッ(手持ち槍のわりとさきっぽが尖っている石突でダニーの首元を)

ダニー「ぐええええええ」ずで~~~ん

イェル・ミナ「一般牢は満室だけど・・・いいわ。彼女は一番奥の牢獄に。竜信者の女性が入っているから、一緒に入れてあげて。彼は、そうねぇ・・・・奥から二番目、個性的な髪型の「常連さん」がいるから、そこに入れてあげて。じゃあ、素敵なジェイルライフを」てめぇ!!今にみてろ!!クソがぁ~~!!(と一般牢の洞窟に連行されていくダニーとカリサ)


To Be Continued






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次回「あたちのモンハン日記/Anthem of a Dying lights」

第188話 「ジレンマってやつだミョ?」

11/30(木)0時更新予定

なぁ、ニャ太郎 ナジューブの癒やしの絵画、見たか?
ええ なんでもウバイヤ殿の話では、かつて宮殿に仕えた宮廷画家のネコが描いたとか
どれが良かった?
自分は色彩豊かに描かれた、「ツボの中のメラルー」が印象に残っています
まさにアヤの印象派を代表する名画ってわけか
鉄平殿は?
う~ん、俺はそうだな、あの「石板をかじるネコ」が好きだなぁ~
なんでも古の王権に対する市民達が抱いていた反感を写実的に描いたとか
あの反抗的な目つきがたまらニャい ってな
私には、あのネコが鉄平殿に見えました
へへ・・そう?
おっと もうこんな時間です
よし!そんだらば!!
次回も見よう!!読も見よう!!(仲良く二人一緒に)

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