~エル・ディアラ・サンドリア中央、デスタミッタ・ジャマラン....

ファ~~~~ふぁ・・・
(漆黒の大宮殿へと繋がる台形ピラミッドの大階段を大あくびかましながら寝ぼけ眼で下りていくギルドナイトなシオン)



シオン「フッ・・・よく寝た」ん~~~(太陽に向かって呑気な伸び)


サンサンサンサンサンサン
(乾燥地帯特有の日差しを受けながら、大階段の両端に等間隔で配置されている一対の龍頭像を見上げるシオン)


シオン「なに見てんのよ。あんたなんか、こわくないんだからね」ギロッ(寝起きの座った目で敵視を向けながら)

軽装兵「よぉ。今から出勤か?」(台形ピラミッドの中間地点、幅広な外周通路となっているフロアで相変わらず警備をしながら)

シオン「おはよう。って、もう、こんにちはね」ぽりぽり

軽装兵「相棒達はとっくに出かけたぞ」

シオン「見捨てられたのよ」フッ・・(クールに前髪をかきあげると、おでこに無数の肉球跡が。おそらく、ミオンに叩き起こされたのだが、抵抗して眠り続けたのだろう)

軽装兵「さすが大物は違うな。俺もあんたの戦いを見たかったよ」フッフーン(とシオンさん)


ザッザッザッザッザッ(大階段の上より、野性的な防具を身に纏った無骨な男達が一斉にそそくさと下りてくる)


モラゴの戦士「どけっ」ザッザッザッザッ(シオンと軽装兵の前を次々と通り過ぎていく男達)

シオン「くさっ。お風呂くらい入ったら?」うるせぇ(と、返しながら逃げるように階段を下りていくモラゴの戦士達)

軽装兵「なんでもボスがやられちまったんだと。ナンバー2も一緒にな」ザッザッザッザッ(階段を下りていく男達を見下ろしながら)

シオン「ああ・・昨日の二人ね。じゃあ、出かけた後に?」

軽装兵「たぶんな。帰ってこなかった」

シオン「やっぱり大したことなかったのね」やれやれ

軽装兵「可哀想なのは、あいつらさ。あの二人の口車に乗せられて、くっついてきた連中だろうな。ボスを失って、敵対勢力に勝てる見込みもなくなったし、コズンダ様の怒りを買う前にとんずらってわけさ」すごすごすご・・(階段を下り、大通路を逃げるように小走りしていく蛮族戦士達)

シオン「なっさけな。新王は、もう闘技場に?」

軽装兵「ああ。あんたより早くな」

シオン「そう。私は昨日、出番だったから。今日は、ゆっくり観戦できそう」ファ~~~ふぁ・・(と大あくび)


モニョ~んモニョ~んモニョ~んモニョ~ん(大階段の上より真っ赤な長い丈の外套とそのフードを頭に被り、顔には鳥竜種に似た嘴状の濃緑マスクを装着した男が、ミヅハ具足のように「さきっぽがまるまったタイプ」のブーツの珍妙な足音を鳴らしながら慌てて下りてくる)


シオン「あら。ドクター・タヒール。こんにちは」

ヴォヘル・タヒール「ホホ~、これはミス・シオン」てってってってっ

シオン「ずいぶん急いでるみたいだけど、どこに?」

ヴォヘル・タヒール「闘技場だよ。昨晩、遅くまで研究に没頭してしまってね。寝過ごしてしまった」

シオン「奇遇ね。私もこれから。ご一緒しても?」

ヴォヘル・タヒール「もちろんさ。少し小走りでね」

シオン「ふふ。ウォーキングは好きなの。それじゃあ、行ってくるわね」

軽装兵「ああ」にこり


カツカツカツカツカツ(少し足早に大階段を下りていくシオンとドクター・タヒール)


シオン「闘技場へは観戦しに?」

ヴォヘル・タヒール「いやいや。そんな時間があったらラボにいたい。コズンダ様に召喚されていたのを思い出してね。やぁ~~危ないところだった」てってってってっ

シオン「じゃあ、今日はあなたが?」

ヴォヘル・タヒール「どうかな。確かに新作の発明品を試してみたいとカトゥッロ様に提言したことはあるが・・・コホン。これでも一応、ゲ・アゲルゾンのメンバーだからね」えっへん(と嘴状の濃緑マスクな顔で)

シオン「あなたとは戦いたくないわ。その新作もこわそうだし・・。ねぇ、エレメンタリストの人、大丈夫?」

ヴォヘル・タヒール「ああ、君だったのか。昨日の夜、君達と別れた後、彼の治療を頼まれてね。見たことないほど強力な属性エネルギーによって傷ついていた。それも、火・水・氷・雷とね。一体、何をしたんだい?」てってってってっ

シオン「お返ししただけ。元気になりそう?」

ヴォヘル・タヒール「彼は偉大なエレメンタリストだ。もともと属性エネルギーの取り扱いには慣れている。なぁ~に、衝撃はかなり強かったようだが、命に別状はない。とても評価していたよ、君のことを」てってってっ・・タンッ(階段から飛び降り、両足で植栽美しい並木道に着地する)

シオン「そう。今度、お見舞いしにいかなきゃ」タンッ(彼の真似をしながら)

ヴォヘル・タヒール「どうかね?君も入団してみては」てってってってっ

シオン「アゲルゾンに?お誘いは嬉しいけど、念願だった組織に入団したばかりなの。まずはそっちで力を証明しなきゃ」

ヴォヘル・タヒール「そうか。ま、気が変わったら、いつでも言ってくれ。君なら大歓迎だ」てってってってっ

シオン「ふふっ。ありがとう、ドクター・タヒール」


急げ急げ!!
ダッダッダッダッダッダッ

(衛兵数名を筆頭に奴隷と思しき男達が大通路を横切っていく)


シオン「なにかあったのかしら・・」

ヴォヘル・タヒール「聞いてみよう。これ!待ちなさい!」

衛兵「ああ、これはタヒール様」

ヴォヘル・タヒール「何事かね」

衛兵「練兵場のモンスターを檻から出したのですが、手がつけられなくて。慌てて、こいつらを外周エリアから連れてきたんですよ」(屈強な男達を見ながら)

シオン「じゃあ、今日の決闘はアジャリナが・・・そのモンスターって、棘竜?緑色のトゲトゲしたデザインのちょっと可愛い子」

衛兵「可愛いかは別として、そいつだ。今は睡眠薬が効いているから、大人しくしているんだが、鎖で闘技場まで引っ張っていくのに一苦労してるんだ」やれやれ

シオン「闘技場は今、どうなってるの?」

衛兵「別の試合中だ。次の試合にモンスターが登場する予定だ」

シオン「予定って・・・じゃあ、最初から決まっているわけ?」

衛兵「さぁな。俺達は、長老府の指示に従っているだけだ。悪いけど、もう行くよ」

シオン「待って。万が一、モンスターが暴れたら、大変でしょ?私が手伝ってあげる」んふふふふ

ヴォヘル・タヒール「??」(衛兵らと顔を見合わせながら)






「あたちのモンハン日記」
Anthem of a Dying lights







~アンガイブ・ゲバトリム....

デスカーブー!!デスカーブー!!デスカーブー!!
(歓声が飛ぶ星型アリーナの中央に立つドボルヘルムの囚人(上半身はもちろん裸、下は縞々パンツの裸足スタイル)と向き合う、褐色肌がよく似合う少し苛立つデザインパーマな赤装束の男)


地獄のサイキックエンターテイナーこと、残虐メンタリスト、ザブロゲン・イッヒ「ハハハハ!人気者だな!」デスカーブー!!デスカーブー!!

$あたちのモンハン日記
カーブー「ウッス。でも丸腰だ」デスカーブー!!デスカーブー!!

ザブロゲン・イッヒ「ハハハハ!それは私も同じだよ、デスカーブー君!だが、今日のデスマッチは、開幕戦同様の仕掛け試合だ!!さぁ、武器を取りに行くがいい!!」デスカーブー!!デスカーブー!!



ゾフィ「ずいぶん余裕なキザ野郎だな」デスカーブー!!デスカーブー!!(少し苛立つデザインパーマな髪をかきあげるイッヒ)


ユーリィ「・・お手並み・・拝見・・」デスカーブー!!デスカーブー!!(対し、五角形の各角の地面に隠されているギミックを見極めるように見回しているカーブー)

若い男「おい、ねえちゃん!」(ゾフィの後ろの客席から)

ゾフィ「おお。オッズはよ?」デスカーブー!!デスカーブー!!

若い男「デスカーブー、2.5倍、ザブロゲン・イッヒ、1.2倍だ」

ゾフィ「それほど差は開いちゃいねぇな。クソジジイ・・人気のあるドボルヘルムのオッズをわざと下げて、賭けさせようってんだな。ってことは、対抗馬もそれなりの男ってわけか。だが、そうはいかねぇぞ。ドボルヘルムに全額だ」ぎゅっ(ボロボロの札束を若い男に握らせる)

若い男「大会も三日目だからな。市民に人気のある男と、アゲルゾンでも名の知れた暗殺者を対戦させて、盛り上げようって魂胆だろう」ピラピラピラ(お札を数えながら)

ユーリィ「・・名利を・・求めて・・」ちら・・(それとなくVIP席を見上げる)


デスカーブー!!デスカーブー!!
(禍々しい黒龍をモチーフにした玉座に足を組んでふんぞり返りながらアリーナを見下しているコズンダ。向かって右側にはセフィティスとイェル・ミナが。左側にはカトゥッロとパーマの大男の姿が)


セフィティス・ファルザーム「相手が悪かったな」デスカーブー!!デスカーブー!!

イェル・ミナ「それって、どっちが?」(さりげなく返答しながら目線は別方向に)


デスカーブー!!デスカーブー!!
(VIP席がある五稜闘技場の頂点から右方向の対角線上にある客席の観衆に紛れて、蒼猫とザザミネコの姿が見える)


クク「探って来る?」デスカーブー!!デスカーブー!!

イェル・ミナ「・・・・・・・・・・・・・・・」(小さく首を振る)



鉄平「おらぁ~!何してんだ、ボケカス!!早く武器取りに行けやぁ~!!」(その隣の席にはラインハルト&ミサキの姿も)

ラインハルト「ずいぶんな応援だね」ガヤガヤガヤガヤ


一也「UBUにゃんの代わりに檄を飛ばしているんだニャ。それから、あんたの娘の分もニャ」おらぁ~!はよぉ~行かんかぁ~い!


ザブロゲン・イッヒ「ハッハッハッハッ!!どうしたんだね!?仕掛けが怖いのかな!?」デスカーブー!!いけぇ~~!!

カーブー「いや。使える得物はあるのかなぁ~なんて・・」ちら・・(それとなく客席を見上げる)


いけぇ~~~!!早くやれぇ~~~!!
(客席の中に紛れたザザミネコが手(正確にはザザミネコバサミ)を振っている)


カーブー「一也・・・・来てくれたのか・・」

ザブロゲン・イッヒ「イッヒがなぜ!!」(再会をぶち切るようにいきなり自分の話をしだす。そして自分のことを名前で呼ぶタイプ)

カーブー「ええ?」

ザブロゲン・イッヒ「イッヒがなぜ、残虐メンタリストと呼ばれているか知っているかい!?」早く戦え~~

カーブー「皆目見当がつかないっす」早くやれぇ~~

ザブロゲン・イッヒ「イッヒは催眠術、テレパシー、透視、念力、マインドコントロール、記憶術を独自の演繹法で編み出し、占い、予知、霊媒と多岐にわたる分野で活躍するメンタリストだ!ちなみに、スピード暗算も得意なんだぞ!ハッハッハッハッ!!」いいから戦え~

カーブー「すごいっすね」いけぇ~~

ザブロゲン・イッヒ「例え君がそのヘルムで表情を隠そうとも、ボディランゲージから心理を読み取り、行動を予測することで一歩先の封じ手を行うことができる!それが、地獄のサイキックエンターテイナーこと、残虐メンタリスト、ザブロゲン・イッヒなのだ!!」ブーブー!!ブーー!!


ラインハルト「すごいですね、彼。ブーイングを歓声と捉えている。すごいメンタルだ」ブーブー!!

鉄平「そんなクソ野郎、早くぶっ殺せ~!!」(満席の客席を通り抜けてくる、タンカラーな砂漠用の防護服を纏った男)

ウバイヤ「盛り上がっていますね」ブーブー!!

一也「おや。ご苦労さまニャ」にょっ(と、席を空け、自分は鉄平と体を寄せ合いながら一つの席に座る)

ウバイヤ「失礼します」スッ・・

鉄平「ゲルハルトなら見回りだぞ。娯楽の場所に俺達(獣人)が大勢いたら目立つってな。おらぁ~!いかんかぁ~い!!」ブーブー!!

一也「だから彼の従者っていう設定だニャ」どうも(その奥から挨拶かますラインハルト)

ウバイヤ「リーダーとその頭脳を失ったモラゴは、戦々恐々。早速、地下に投降を名乗り出る者も来ました。また、他の者は、立て直しをするため、一旦、都から出ていきました」ブーブー!!


ザブロゲン・イッヒ「今、君は、あの角に走っていこうと思っているね?」(指さしながら)

カーブー「ウッス」へこり

ザブロゲン・イッヒ「どうぞ取りに行き給え」


鉄平「良かったじゃねぇか。それで、俺達に手を貸してくれる気になったか?何してんだボケカスこらぁ~!!」ブーブー!!

ウバイヤ「その件でナジューブ様からご伝言が。今日の決闘裁判終了後、長老府前のパーラーにて会談をご希望です」ブーブー!!


カーブー「ウッス?」(ドボルヘルムの表情が訝しげに)

ザブロゲン・イッヒ「ハッハッハッハッ。君は、今、疑念を抱いているね?なぜ、わざわざ自分が不利になることをさせるのか・・ってね」ブーブー!!


鉄平「ダラダラ喋りやがって。早く戦え!!ボケカスこらぁ~!!って、ゲルハルトと、あんたらのリーダーの関係をちゃんと聞いてねえ。あんたからもな」どきっ(とするラインハルト)

ラインハルト「ああ・・それはぁ・・私の口からはぁ・・」

鉄平「ゲルハルトに気を使ってんのか?あいつがやけにここの土地に詳しいのは、俺達だって、とっくに気づいてる。腹が立つのは、俺達より、あんたらの方があいつの過去に詳しいってことだ。ボケコラ、クソカーブーこらぁ~!!早くやれぇ~!!」やれやれ(とミサキにしてみせるラインハルト)


カーブー「それじゃあ・・お言葉に甘えて」すごすご・・

ザブロゲン・イッヒ「エル・ディアラ・サンドリアの大観衆よ!!寛大なザブロゲン・イッヒに拍手を!!」ブーーブーー!!(今日一の雷轟の如きブーイング)


To Be Continued







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次回「あたちのモンハン日記/Anthem of a Dying lights」

第165話 「耳をすましてごらんさい」

9/14(木)0時更新予定

作者はSwitch版の『Vampire Survivors』に夢中だそうだ
俺は断然ゼルダ!!俺はなる!!ゼルダの王に!!(作者はゼルダを全然知らない)


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