きゃああああああああ
(五稜闘技場に悲鳴が飛び交う)
ミオン「前もこうなったミャ?」きゃあああああ
市民「ああ。全く同じ展開。興ざめだな」やれやれ
ピクピク・・ピクピク・・・・(仰向けに倒れながら口より紫紅色の泡を吹いている囚人越しに、星型アリーナの角席頂上より、漆黒の玉座に足を組んでふんぞり返って座っている、ふてぶてしい新王の姿が見える)
コズンダ「ふむ・・・」(不服そうにグラウンドを見下ろしながら)
カトゥッロ「いかがでしょうか?キラーバンザが開幕戦に登場するということで急遽セッティングしたのですが・・」
コズンダ「前にも見たことがある演出だ」ザワザワザワザワ・・(場内は騒然としている)
カトゥッロ「そ、それは・・」
コズンダ「過去に最も反響があったから・・か?俺が気に入らんのは、それで一番喜んだのが父だったということだ」
カトゥット「う・・・・」
コズンダ「余を支持する観衆達は、くだらん演出やシナリオなど求めていない。今後、父が好んだ演出をしようものなら貴様を斬る。いいな」
カトゥッロ「ハ、ハッ!!」ガバッ(その場にひれ伏す)
イェル・ミナ「・・・・・・・・・・・」(その光景を冷ややかな横目で見ている)
コズンダ「キラーバンザに伝えろ。止めを刺せとな」(アリーナを見下ろしながら大男に命じる)
イェル・ミナ「え・・・」
セフィティス・ファルザーム「・・・・・・・・・」(同じく、眉間にシワを寄せる)
アンソニー「残念。思わぬ形でやられちゃったね」
シリウス「開幕戦はもっと派手なファイトを期待をしていたんだが・・御婦人方の期待にも背いたようだ」ええええ・・・・(突然のクライマックスに熱が冷めていく女性客達)
ミオン「どっちでもいいミャお。あの男を倒すのは、シオンだミャ」君も応援してたくせに(とアンソニー)
ゲンス・ゴンス「さて。前はどうやって出たものか・・・確か、こうやって・・」グッグッ(地面からきれいに出ている鮮血のチャチャブーフェイクな首を伸ばしたりと抵抗を試みながら)
ザッザッザッザッザッザ・・
ゲンス・ゴンス「むぅ?」
シオン「手伝ってあげましょうか?」
ゲンス・ゴンス「俺の首を落とすことか?それとも、まだ息のある、そいつを・・」グッグッ
パーマの大男「バンザ・バンザ・キラーバンザに命じる!!対戦相手の死が確認できるまで勝者と認めることはできない!!よって死をもって決着されたし!!」オオオオオオオオ!!(大歓声の観衆達)
シリウス「やっぱりな。連中が求めているのは、直接、人が人に手を下す場面だ」オオオオオオオオ!!
ハロルド「てめぇで出来ねぇことを期待してるのさ。畜群って、そんなもんだろ?」オオオオオオオオ!!
アンソニー「大陸に蔓延する醜悪・・・まったく・・なんてグルーミーなんだ・・!」オオオオオオオオ!!
ゲンス・ゴンス「だとよ」オオオオオオ!!(大歓声の中、ゆっくりと地面より出てくる)
シオン「すでに虫の息。時間の問題よ」やれぇ~~!!やっちまえ~!!
ゲンス・ゴンス「それまで引き伸ばすつもりか?」パンパン(裸な上半身についた土をはらいながら)
シオン「私だって出場者よ。発言くらいの権利はあるはず」ザッ・・(頭上のVIP席に体を向ける)
コズンダ「ん・・あの女は・・・」
シオン「決着がすでについているのは誰の目に見ても分かるはず!!わざわざ殺す必要はないのでは!?」
カトゥッロ「小娘が・・余計な真似を・・!」
セフィティス・ファルザーム「同感です。放っておいても、あの囚人は直に息絶えます」
コズンダ「やらせろ」
セフィティス・ファルザーム「・・・・・・・・・」
ゲンス・ゴンス「どうやら観衆も新王もお望みのようだ」早くやれぇ~!!
シオン「じゃあ、どかないって言ったら?」何してる!!早くしろ~!!
ゲンス・ゴンス「・・・・・・・・・・・・・・・・」早くやれぇ~!!
ゾフィ「ほら、見ろ。お前がけしかけるもんだから、妙な展開になっちまった」やれぇ~~!!やっちまえ~!!
カーブー「むぅ・・・アルティメット・ディフェンサー・・・いいファイターだった・・」
ユーリィ「・・南無・・」
肉まん君「おい!パン泥棒!!」カッカッカッカッ(カーブー達の背後に見える客席の階段を下りてくる)
カーブー「おお、肉まん君。興奮して下りてきたのか?好きだなぁ~君も」クックックッ(と笑うお姉ちゃん)
肉まん君「シオンは何をするつもりだ?」何してんだ!!早くしろ~!!(罵声飛び交う客席から)
カーブー「う~~ん・・・きっと、無駄に命を奪わせたくないんだろう。俺には彼女のオーラがそう言っているように見える」やれぇ~~!!やっちまえ~!!
肉まん君「・・・・・うるさいぞ!!黙ってみてろ!!」(背後の観衆達に向かって)
アンソニー「ちょっと。シオンが何を考えているか説明してくれる?」そこの女、早くどけ!!ブーブー!!
ミオン「どっちも気に入らないんだミャ」
シリウス「あの男も・・新王もか・・」フッ・・
「あたちのモンハン日記」
Anthem of a Dying lights
~アヤ北部首都、エル・ディアラ・サンドリア、マーケットエリア....
ワァアアア・・・・ワァアアア・・・・
(遠からず闘技場の歓声が聞こえる市場のとあるレンガ造りの住居のフラットな屋根に潜みながら遠目に見える漆黒の大宮殿を手持ちの双眼鏡で覗いている黄虎ネコと山猫族)
泥吉「駄目ですね・・逆に警備が多い・・・」むぅ・・(手持ちの双眼鏡を覗きながら)
ゲルハルト「ア~ニャてら、えったら、ほにょ(新体制を指示する傭兵達が日に日に増えてきているってことさ)」ワァアアア・・・・ワァアアア・・・・(双眼鏡を覗きながら猫耳をレーダーのようにクルクル回している)
泥吉「やはり宮殿に忍び込むには地下からいくしかないようですね」
ゲルハルト「ニョニョ、アニャラ?(モラゴの動きは?)」ワァアアア・・・・ワァアアア・・・・
泥吉「昨晩は酒場にも現れませんでした。宮殿に賓客として招かれているようです」
ゲルハルト「ウニャ~て、アテ・・(市街地でちまちま削るのは難しいってことか・・)」
泥吉「ゲ・アゲルゾンの目も引きます。こちらも地下で叩くのが良いかと」
ゲルハルト「ニャニャーニャ、えっだら、アニャちて、ほにょ(ナジューブはエズガダの拠点の真上が宮殿だと言っていた。真上に牢獄もあるらしい)」
泥吉「そこに族長の赤ん坊がいる可能性もありやすね」ふむ・・
ゲルハルト「ニャア・・・・(どうかな・・・・)」
じーーーーーーーーーー
(双眼鏡視点。漆黒のドーム型大宮殿の周りに聳える5つの尖塔)
ゲルハルト「ハマーニャ、えっだら、こにょ(確か、闘技場も五芒星の形だってな)」
泥吉「ええ。諸説ありますが、五大属性を象徴しているとか」
ゲルハルト「ニャ~~~~ン・・・(ふぅ~~~~ん・・・)」
泥吉「気になりますか?」
ゲルハルト「イ~ニャラて、あっだら、あにょ(一番、手が届きにくい場所は、どこかなって思ったら、あれがあった)」
泥吉「・・確かに・・・・」
ワァアアア・・・・ワァアアア・・・・
泥吉「少し覗いてみますか?」ワァアアア・・・・ワァアアア・・・・
ゲルハルト「エニャラ、アンニャ(いや、大人しくモラゴを叩く作戦を考えよう)」にょにょにょ・・(匍匐前進スタイルのまま後退していく)
泥吉「そうしやしょう」にょにょにょ・・
ワアアアアアアアア!!
(星型アリーナの赤土に横たわる囚人を庇うように立ち塞がるシオンと睨み合う鮮血のチャチャブーフェイクの大男)
ゲンス・ゴンス「俺とやろうっていうのか?武具もなしで」ワアアアアアア!!
シオン「お望みなら。でしょ?」やれぇ~~!!
ゲンス・ゴンス「残念だが、ショーはここまでだ」クルッ・・
シオン「・・・・・・・・・・・・・」ちら・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(青ざめた顔で仰向けのまま息絶えている囚人の躯)
シオン「帰るとしますか・・」ふぅ~~
ブーーーブーーー!!
ワアアアアアアア!!
(ブーイングと歓声が入り交じる中、それぞれ逆方向の角に向かって歩いていくゲンス・ゴンスとシオン)
セフィティス・ファルザーム「・・・・・・・・・・・・・・・」ふぅ・・・
イェル・ミナ「彼女が無事で良かった?」
セフィティス・ファルザーム「はぁ・・・・・・・」やれやれ
コズンダ「つまらん」スッ・・(玉座を立つ)
カトゥッロ「明日の対戦内容は?」
コズンダ「任せる。次はがっかりさせるな」カツカツカツ・・(セフィティスとイェル・ミナに守られながら階段を下りていく)
ワアアアアアア!!
(歓声を受けながらカーブー達のもとに歩いてくるゲンス・ゴンス)
カーブー「試合自体は悪い展開じゃなかった。むしろ客は喜んでいる」ワアアアアアア!!
ゾフィ「開幕戦にしては、イレギュラーな内容だったがな」ワアアアアアア!!
ゲンス・ゴンス「あの娘は、がっかりしてるだろうな」フフ・・
ブーブー!!ブーブー!!
(対し、罵声を浴びながらフェットチーネとアジャリナが待つ角に歩いていくシオン)
フェットチーネ「よぉ。前はサンキューな。無事に都へ来れた」
シオン「まさか、ここで再会するとは思ってなかったけど」フフッ
アジャリナ「敗者を庇うなんて、あんた、勇気あるね!」シャアアアア(ハグしているジャギィも歓喜の叫びをあげる)
シオン「フフッ。もうオトモダチになったの?」シャアアアア
フェットチーネ「気にするなよ。どっちにしてもあいつは死んでいたさ」(囚人の遺体をそそくさと運んでいく衛兵達を横目に)
シオン「ありがとう。ただ、見ていられなかっただけ。あなたの相棒?」(お座りしているガルクに目線を合わせるように屈み込む)
にっこり
フェットチーネ「ルカだ」
シオン「いい名前ね。ほらほら」ハッハッハッハッ(と息をするガルクにハグをしながら)
フェットチーネ「ずいぶん慣れてるな。あんたにも?」
シオン「ええ。素敵な家族がいるわ」ハッハッハッハッ(客席を下りてくるジークとミオンを横目に)
パーマの大男「明日の対戦内容については、試合直前に知らせる!!しかと準備しておくように!!」ワアアアア!!
ゾフィ「ケッ。偉そうに」
カーブー「なんで直前なんだ?」
ゲンス・ゴンス「俺達に準備させないためさ」
ユーリィ「・・それに・・その方が・・盛り上がる・・」ワアアアアアア!!
ゾフィ「賭けを仕切る連中は、大変そうだがな」ハハッ(と笑うカーブーをよそに星型の角のゲートに入っていくゲンス・ゴンス)
パーマの大男「本日の決闘裁判はこれにて終了!!解散!!」
シオン「次はちゃんとした装備を着てこないとね」ガヤガヤガヤガヤ・・(客席を去っていく観衆達)
フェットチーネ「得物は?」
シオン「盾斧。あなたに比べたら、つまんなそう」やれやれ(とルカを撫でながらフェットチーネが腰の左右にぶら下げている三日月刀とブランダーバスを見ながら)
フェットチーネ「ハハッ。どうだい?これからランチでも」
アジャリナ「あたいは無理ね・・」しょんげり・・
ザッザッザッザッ・・(星型の角の出入り口から、二人組の赤衣の男達がこちらに向かって歩いてくる)
ゴジャランダ「うし。帰るぞ、アジャリナ」ザッザッザッザッ
シオン「あなた達は?」(彼らを睨みつけるように立ち上がる)
マリク「彼女の見張り番だ」やれやれ
シオン「これからランチにでもいこうと思っているの。それくらい、いいでしょ?」
ゴジャランダ「ダメだ。俺達が殺されちまう」やれやれ
アジャリナ「アホめが。ここであたいとドムがお前達、倒してやるね」
ゴジャランダ「お~こわいこわい。行くぞ」
ザッザッザッザッザッ・・(二人に仕方なくついていくアジャリナは、時折、こちらを振り返りながら、手を振ってくれている)
シオン「彼女、竜信者達の代理人だったわよね」
フェットチーネ「ああ。訳ありって感じだな」ガヤガヤガヤガヤ(階段を上がっていく客達とすれ違いながら、こちらに向かってくるラインハルトとミサキ)
ラインハルト「びっくりな展開でしたね。君も無事で何より。因縁の相手なんだろ?」
シオン「・・・・・どうしてここへ?」
ラインハルト「それはこっちの台詞。何を企んでいるの?」じーーーっ
シオン「あなたこそ。フェットチーネ、ランチはまた」バッ(塀を乗り越え、客席に入っていく)
フェットチーネ「なんだ?知り合いだったのか」(ジークとミオンと合流し、共に入場ゲートをくぐっていくシオンを目で追いながら)
ラインハルト「ええ。彼女達のメインクエストは何なのか・・・」ふむ
ザッザッザッザッ(赤土のアリーナより意気揚々と彼らに近づいてくる例の三銃士)
ヘメスコ「ヘイ!今日、俺達と当たらなくて・・」いこうぜ、そうしましょう(と、客席を上がっていくラインハルトとミサキ。フェットチーネはルカを連れながらゲートよりアリーナを出ていく)
タボスコ「・・・・・・・・・・・・・・」ひゅううううう・・
ゲゼスコ「まぁいいさ。明日の対戦発表で俺達が選ばれれば、あいつらも態度を改めるだろう」フフッ
ヘメスコ「そういうことだ。新王に我らの力を見せつけようぞ」
タボスコ「エスココ三銃士、ここにありとな!!うわっはっはっはっはっ」しょい~~ん(細シミターを抜く)
とぼとぼとぼとぼ・・(誰もいなくなった五稜闘技場を黙って後にする三銃士。途中、三人揃って何もないところでちょっと躓きながら...)
To Be Continued
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次回「あたちのモンハン日記/Anthem of a Dying lights」
第152話 「サブクエストってわけか」
7/27(木)0時更新予定
ねぇ、シオン知ってるミャ? ぬう
作者がピクミン4を買ってきて、まんまと救助活動にハマってるってことでしょ?
そうミャ 狩猟そっちのけで、ガルクに跨がらず、救助犬に乗せてもらっているんだミャ
ちょっといいかも・・ ぼそっ
なんか言ったミャ?
えっ・・さ、そんなことより、いつものよろしく
そんだらば・・・次回も見よう!!読もみよう!!だミャ♪
私もオッチンに乗ってみたい・・ ぼそっ
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