・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(氷の神殿内、会議室の円卓に漂う気まずい沈黙)




スリー「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


ゼット「・・・・・・・・・・・」ゴスッゴスッ(隣に座るボワコフの横っ腹を肘で)


ボワコフ「あっ、え~~~~、そのぉ~~~~~、なんというべきでアリマスかぁ~」

ゼット「おふくろさんは気の毒だったな。まぁ、その・・なんだ。ただでさえ寒々しい環境だろ?場の空気まで、こう冷えちゃ、あれだ。あれ。おい、熱燗頼むわ」はいニャ(とキッチンアイルー)


カーラ・スノウ「スリー。いい機会よ。彼らには話しておくべきだわ。ねぇ、えでちゃん」


えでちゃん「うむ。お前が話したくないのなら、ワシが話そう」

スリー「ありがとう。えでちゃん・・。大丈夫。私から説明するわ」


たいへんでちゅ!
たいへんでちゅ!

(会議室の端にある「パイプ」より反響して聞こえる、ちいちゃい子の声)


スリー「シルシルちゃんだわ・・」



シルシル「たいへんでちゅ!!」ボコン!!







じりっ・・・・(盲目のアダンカを護るように立ち塞がるハイメタUの従者)


アダンカ「その声は・・・ダル・ハンギルだな?」

ダル・ハンギル「覚えていてくださり誠に光栄です」ひらり(アダンカが見えないのを分かっていて、わざと大袈裟な礼をしてみせる。その背後では白毛のウイングスーツを着た暗殺者達が各々、得意な武器を構えている)

アダンカ「当たり前だ。お前に牢獄まで連れて行かれたのだからな」

ダル・ハンギル「自分は我が主の命に従ったまで。故にお迎えにあがりました」

アダンカ「コズンダめ・・・メフタフが生きていれば、貴様らの好きにはさせなかったものを・・!」

ダル・ハンギル「フッ。それはどうでしょう?先王の懐刀とて、我々を敵にすれば、遅かれ早かれ・・・所詮、あの男に国王の護衛など務める力量はなかったのです。だから死んだ」やれやれ

アダンカ「メフタフは父と共に征西に従軍したはずだが・・・・・まさか、貴様が・・!?」

ダル・ハンギル「捕えろ」ザッ!


スリー「アダンカ様!!」タカラッタカラッタカラッ!(白きガルクと共に氷の神殿より外に出てくる)


バオーーーーン!!バオーーーーン!!
(スリーの存在に気づくやいなや、彼女に向かって発砲を開始する白毛のウイングスーツを着た暗殺者達)


カーラ・スノウ「掴まって!!」ブワッダッシュ(背中で屈み込むスリーを乗せたまま跳躍して弾丸を交わす)

ダル・ハンギル「どけ!!」ズガーーーーンハッ(そのすきをみて、左手に握るウォーハンマーにてゲシャ・ゴサを重厚な鎧と共に吹き飛ばす)

アダンカ「何をする!!」ガッ!(ダル・ハンギルはすかさずアダンカの背後を取ると、右手に握るバスターソードの鍔元付近に施されている円型の切り欠きに彼の首をはめ込む)

スリー「離しなさい!!」スタッハッ(構える暗殺者達の前に着地する白きガルク)

ダル・ハンギル「動くな!これ以上、この男に傷を負わせる気か!?」グッ!

アダンカ「スリー!私に構うな!!」


ダッダッダッダッダッダッダッ!!
(居住エリアから慌てて走ってくる月蝕の翳氷の戦士達)


アロイな氷の戦士「侵入者だ!!みんな、家に入るんだ!!」バタンハッバタンハッ(慌てて家の中に入っていく穹冥の民)

インゴットなちょっとぽっちゃりした氷の戦士「ゲ・アゲルゾンめ・・・通気口を通ってきたのか・・!」ダッダッダッダッ

アロイな氷の戦士「アダンカ様!!」ダッダッダッダッダッ(他のメンバーと共に駆けつけてくる)

スリー「みんな!!手を出しちゃダメ!!」

ダル・ハンギル「スリー・・・・・そうか・・・貴様が三人目か」フフッ

スリー「!!」

カーラ・スノウ「挑発に乗っちゃダメよ、スリー」

アダンカ「・・三人目?」ググググ・・

ダル・ハンギル「ハハッ!アダンカ様はご存知ありませんでしたな」グッ(切り欠きにはめ込んだアダンカの首を無理やり寄せる)

アダンカ「なんの事だ?」ググググッ・・

ダル・ハンギル「先王の落とし子。つまり、腹違いのあなたの妹です」









「あたちのモンハン日記」
Anthem of a Dying lights











ゴヒョオオオオオオオ!!
(蒼炎のインフェルと蒼氷のブリザードからなるハリケーンが赤い暗殺者達に襲いかかる)



グオオオオオオオ!!
メキメキメキメキメキ!!

(暴風に巻き込まれた暗殺者達は燃え上がりながら竜巻の渦に飲まれていき、その回転上昇を経ながら次第に凍りついていく)



ダシャアアアアアアアン!!
(凍結した暗殺者達はダウンバーストと共に氷の大地に叩きつけられ、粉々になる)




サドンデス「一掃完了」ヒョホオオオオオ・・・・(風の鎧を解除しながら)


ルナストラ「まだよ。中の侵入者達がいる」シャホオオオオ・・・(同じく蒼炎の鎧を)


アナスタシア「エス・イグダルア」パキャーーーーン・・(氷の鎧を脱ぎ捨てるように粉砕させながら洞窟の奥へ行こうとする)

ルナストラ「待って。中には居住者もたくさんいるわ。私達が行ったら被害を増やすだけ。それに頂上に仲間が待機している可能性もある。ここを守るのよ」

アナスタシア「デュアー」クッ・・(崖縁より空を見上げる)

ルナストラ「サドンデス。プリンシアは?」

サドンデス「彼女の龍脈は継続して静穏状態にある」

ルナストラ「緊急事態なのよ?無理やり目覚めさせる手はないの?」

サドンデス「この場合、生命を絶たれる手段を用いてのショック療法も意味はなさないだろう。確証はないが、精神、感情、意志を超越した超感覚的知覚に近い衝動ならば覚醒の可能性は見いだせる」

アナスタシア「ディラ・ズ・シャーキング」ヒョオオオオオ・・・・

ルナストラ「・・・種を超えた・・心の声・・・・・」ヒョオオオオオ・・・・






アダンカ「父の・・・・本当なのか!?スリー!!」

スリー「・・はい。でも、今の私は、スリー・クリスタル。母の名を継ぐものよ」

アダンカ「・・・・・・・・・・・・・・・」

ダル・ハンギル「いい子だ。そう・・それでいい」じりっ・・じりっ・・(意気消沈したアダンカを盾に後退していくと、他の暗殺者達も得物を構えたまま守備を固めつつリトリートしていく)

スリー「逃げられると思っているの?」

ダル・ハンギル「お前らに出来たことを我々が出来ないと?」じりっ・・じりっ・・(構えながらも仕方なく道を開く氷の戦士達)

アロイな氷の戦士「入り口に何がいるのか知っているだろう?」

ダル・ハンギル「古龍をどうやって手懐けたかは知らぬが、アダンカ様を傷つけたくなければ、大人しく道を譲れ」じりっ・・じりっ・・(渋々と道を開ける左右の氷の戦士達を威嚇するように各々の得物を彼らに向けて威嚇しながら後退していく暗殺者達)

アロイな氷の戦士「また首都に潜入してやる。そして貴様を殺す」ザッ(後退していくハンギルの耳元に顔を寄せながら)

スリー「クイズマ。通してあげて」

アダンカ「スリー。なぜ私に黙っていた?」じりっ・・じりっ・・

スリー「・・怪我が完治していないあなたに真相を語るのは、心苦しかった。ここにいるみんなで決めたこと。あなたの体と心が心配だったの。ごめんなさい」

アダンカ「謝ることはない。我が妹よ」にこっ

スリー「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」つぅ・・・(自然と涙が頬を伝う)


パシャーーーーーーン・・・・・
(涙の雫がその想いと共に氷の大地に落ちて弾ける)


ダル・ハンギル「そのまま動くなよ。迂闊に手を出せば、首が飛ぶぞ?」(不気味に笑いながらバスターソードの切り欠きにはめ込んだアダンカの首を強調させる)

インゴットなちょっとぽっちゃりした氷の戦士「アダンカ様を殺せば、その瞬間、ここにいる全員が貴様らを殺す」

クイズマ「名案だぜ、イルポ」チャッ(ネフ=グレイシアの剣を構える)

ダル・ハンギル「血の気の多い洞窟暮らしの獣共が。ル’ヴォーが南部を標的にしてきた理由もよくわかる」ククッ・・

イルポ「このヤロウ・・!!」ザッ・・

アダンカ「なら貴殿がル’ヴォーの相手をしてみたらどうだ?」じりっ・・じりっ・・

ダル・ハンギル「チッ・・・」じりっ・・じりっ・・

クイズマ「ハッハッハッハッ!!アダンカ様!!必ずあなたを再び助けてみせます!!しばしのご辛抱を!!」

ゲシャ・ゴサ「あなたはすでに我々の王です!!アダンカ様!!」

アダンカ「ああ。できれば、君たちの英姿をこの目で見てみたかった。スリー。君のこともな」にこっ

スリー「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ダル・ハンギル「落とし子に救いを求めるとは・・・」フッ・・(背後に見える居住エリアでは、各自、家のドアを少しだけ開けながら、心配そうに覗いている子供達やネコの子供達の姿が)

アダンカ「コズンダは知っていたのか?」じりっ・・じりっ・・

ダル・ハンギル「もちろん。そのための監視の目です」フッ

アダンカ「そうか・・ガリタンとウムトを見張っていたのか・・・・コズンダめ・・!」じりっ・・じりっ・・

マフモフアイルー「アダンカしゃまぁ~~!!行っちゃうのぉ~~!?」(かまくら型の氷の家の陰より)

アダンカ「大丈夫だ!!必ず戻る!!」じりっ・・じりっ・・

マフモフアイルー「アダンカしゃま・・・・・かわいしょう・・・・」ぐすん・・・





ヒヒィ~~~~~ン





マフモフアイルー「え・・・・?」ちら・・


ダル・ハンギル「さすが、お父上譲りの人徳ですな」じりっ・・じりっ・・(アダンカがひと目につかぬよう、ハンギルの周囲を警戒しながら囲う暗殺者達)

アダンカ「コズンダも父上を敬愛していれば、こんな愚行を犯さなかっただろう。お前もまた、メフタフを見習っていれば、本当の英雄になれただろう」じりっ・・じりっ・・

ダル・ハンギル「真のアヤの覇者になるためには、ラ・エメシスを見逃すわけにはいきません」じりっ・・じりっ・・

アダンカ「歴史をも覆す気か?」

ダル・ハンギル「ル’ヴォーを倒せといったのは、あなたでしょう?」フッ・・

アダンカ「天罰が下るぞ。ダル・ハンギル」

ダル・ハンギル「その反吐が出る仕来りと概念をもぶった切れば、問題ない」




ヒヒィ~~~~~~~ン!!





ダル・ハンギル「!?」バッ




ダシャーーーーーーーン!!
ダシャーーーーーーーン!!
ダシャーーーーーーーン!!
ダシャーーーーーーーン!!

(ハンギルとアダンカの周囲を取り囲む暗殺者達の頭上より、青い雷槌の連鎖が襲いかかる)




アダンカ「なんの音だ!?」(彼を盾に周囲を警戒するハンギル)



??「ふぁ~~~あ・・・・ずっといい夢みてたのに・・・」



ダル・ハンギル「!?」




パカラッパカラッパカラッ・・・
(居住エリアのお家から顔を覗かせる子供達とネコの子供達に見守られながら、一頭の幻獣に跨った白いドレスの少女が「ボサボサになった」長い白銀の髪をポリポリかきながら現れる)




マフモフアイルー「きれいなドレス・・・まるでお姫様みたい」パカラッパカラッ・・・

オクサーヌ「ありがとう。プリンセスの心を持った氷の国のお嬢さん」クスッ



To Be Continued









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次回「あたちのモンハン日記/Anthem of a Dying lights」

第134話 「あの偉そうな禿頭、あたしに言ってる?」

5/25(木)0時更新予定

いよいよ姐さんの復活だ
次回もしっかり読も見てくれよな



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