ジャブ吉「○○」きょろきょろ
てててててて
きょろきょろ
てててててて
きょろきょろ
(溶岩洞の壁際をちょこちょこ歩いてはあたりを見回すジャブ吉と一也。そんな彼らを少し離れたところより見つめている銀火竜の姿も)
一也「お花はニャいな~。咲いてる時もあるニャ?」きょろきょろ
ジャブ吉「□○△△」きょろきょろ
一也「ある時はあるって?ドスパパヴェルを何に使うニャ?」
ジャブ吉「△□○△」きょろきょろ
一也「医療や秘儀・・秘儀ってニャんだ?」
ジャブ吉「∞~!∞∞~!」イ~ッ!イ~ッ!(と右足を軸に実に奇面族らしく回転しだす)
サンダーソニック「ウズメとニャークに遭遇した時、全身が燃え上がっていた」
一也「ああ・・あの人体発火現象みたいニャ・・・そうか。あの時、泥吉がジャブ吉に何かを食べさせていたのは、ドスパパヴェルだったんだニャ?」
ジャブ吉「○」ピンポォ~ん(頭の上に両腕で円を描きながら)
一也「モンスターさながらのことをできるニャんて・・・ドスパパヴェルにはそんな成分もあるニャ?」
ジャブ吉「△!」ぎゅうっ(ちょっと待てと言わんばかりに一也の猫鼻を掴んで制止する)
一也「??」
ドッドッドッドッドッドッ
(トド美達が通っていた小さめな洞穴より足音が)
サンダーソニック「鳥竜種の足音だな」じりっ(彼の足元で身構える一也とジャブ吉)
ドッドッドッドッドッドッ!!
(その胸に「高級そうなツボ」を抱えながら洞穴より出てくる)
一也「ありゃ。ヤックだニャ」
クルルヤック「ん・・・・おう、ジャブ吉じゃねぇか。こりゃまた珍しい友達と一緒だな」とっとっとっ・・
ジャブ吉「△○」
一也「ヤッ君おじさん・・・じゃあ、トド美が追いかけていった・・」
ヤッ君おじさん「この銀色の火竜・・お前たちが手懐けたのか?」へぇ~~(と銀火竜を見上げながら)
サンダーソニック「トド美達と会ったか?」
ヤッ君おじさん「きえ~~っ!こりゃまた喋る銀の火竜となっ!!」カルチャーショック(でツボを落としそうになる)
一也「お前と同じだニャ。こりゃ、ヤッ君おじさん。落ち着くニャ」すりすり(掻鳥の太ももを撫でてやる)
ヤッ君おじさん「おう・・すまねぇな・・。で、トド美ちゃんがなんだって?」
一也「お前に聞きたいことがあって、この洞穴に潜っていったんだニャ」
ヤッ君おじさん「するってぇと、マグマトリオンに行ったのか・・・いや、俺は会ってねぇな」
一也「すれ違いニャ。困ったニャ」
ヤッ君おじさん「聞きたいことってなんだ?」
ジャブ吉「○○□□」
ヤッ君おじさん「預言者・・ガマルクルスを探しているのか。それなら火口深部にいるぜ」
一也「やったニャ!」
ヤッ君おじさん「ついさっき、パパトドンにも教えてやったから、今から追いかければ奴にも会えると思うぞ」
一也「パパトドン?」
ヤッ君おじさん「トド美ちゃんの父親さ。トリオンでさっきまで一緒に飲んでいたんだが、うかねぇ顔してやがってな。何か面白いことがないかって言うから、ガマルクルスがいる場所を教えてやったんだ。あんたらも行ってみれば分かるさ」
一也「??」
ジャブ吉「クンクンクンクン」(ヤッ君おじさんが抱えている高そうなツボを嗅いでいる)
ヤッ君おじさん「はははは。やっぱり見つかっちまったか」
一也「何が入っているニャ?」
ヤッ君おじさん「ぶっ飛ぶ代物さ。あんたも買うか?」くんくん(とツボの中のにおいを嗅ぐ一也に向かって)
一也「アニャ!あぶない薬を「運搬」しているのかニャ!?」
ヤッ君おじさん「こらこら、声がでかい。正確にはその調合素材だよ」
ジャブ吉「○○□○△」
一也「ドスパパヴェルのお花をちぎったもの・・?」
ヤッ君おじさん「ああ。ドスパパヴェル・ボルケノス・ラフレシアヌムさ。火属性エネルギーが含まれた特殊なアルカロイドを抽出できるんだ。貴重な交易品さ。それと、こいつらの秘儀だってな」ピンポォ~ん(頭の上に両腕で円を描きながら答えるジャブ吉)
一也「アニャ。火属性バージョンのドスパパヴェルだったのかニャ・・。ほにゃら、あぶなげな成分の力を借りて、燃え上がることができるのかニャ?」
ヤッ君おじさん「こいつらシャーマラーン・ハハーン族は、多肉質な花をちぎって、そのまま食べちまうんだ」
ジャブ吉「○○」
一也「そこからは気合の問題だって・・・大丈夫かニャ・・」
ヤッ君おじさん「精神力で死の恐怖を乗り越えるんだと。ま、普通のヤツには無理な話だな。特に状態異常に弱っちぃ人間共とかな」やれやれ
一也「人間がお花を食べたらどうなるニャ?」
ヤッ君おじさん「たいていは死ぬわな」
一也「わなって・・そんなに危険な植物ニャんだな・・」
ヤッ君おじさん「だから人間共はドスパパヴェルの効果を一度は味わいたいと、神薬に変えて嗜好品にするのさ。マグマのように脳みそが燃え上がって、一瞬で灰になっちまうぞ」へへへへ
サンダーソニック「使い方次第だ。立派な医薬品にもなるはずだ」
ヤッ君おじさん「もちろんさ。ドスパパヴェルは善と悪の華を咲かせる。希望と絶望を兼ね備えた植物だ。故に売れるのさ。インテリジェンスな火竜さん」フッ
一也「どこの大陸も同じだニャ」
ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ
一也「ニャんだ?誰か潜っているニャ?」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・・・(地面を見つめながら)
サンダーソニック「大型モンスターの生息は少ないと聞いているが」ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・・・・(次第に音が遠くへいく)
ヤッ君おじさん「だとすれば外部からだが・・・まさかな・・。あんた達、ガマルクルスに会いたいんだろ?案内してやる」
サンダーソニック「しかし、その小さな洞穴は通れない」
ヤッ君おじさん「少し遠回りになるが、あんたでも通れる別ルートがある!急ぐぞ!ついてこい!!」
「あたちのモンハン日記」
Anthem of a Dying lights
~スパーンスコーン山脈火口深部....
グツグツグツグツグツグツ
(広大な火口内をフラットな崖上よりマグマ滝に照らされながら見渡しているケストドン、そしてその背に跨るスカルリーナ、左右には大(赤装束)小(緑装束)なギルドナイトの姿も)
トド美「大丈夫?熱くない?」(上のスカルリーナを気遣う)
スカルリーナ「不思議と体が涼しく感じるわ」
レオ「俺もだ。この効果はクーラードリンクに似ているが・・」
トド美「あ。じゃあ、マスターよ。あなた達を気にかけて、お酒の中に入れてくれたのかも」
ウル「マスターG・・・いいやつっチャ。ウルちゃま、まだちいちゃいけど、あそこの「常連さん」になりたいっンバ」(微笑む一同)
トド美「う~~~ん・・・ヤッ君おじさん・・どこにいるんだろう・・・お父さんも一緒って言っていたけど・・」きょろきょろ
ウル「落ちたら一乙どころじゃないっチャな」じーーーー(崖縁より下で煮え滾るマグマだまりをまじまじと)
トド美「ここのところ噴火は「おやすみ」しているから「たぶん」平気だと思うよ」グツグツグツグツ
レオ「偉大なるトレジャーハンター、フェルナンド・ピサロも常にこういう危険地帯と隣合わせだったのだろう・・・ハンター冥利に尽きるぜ」フッ・・(セミロングな金髪をかきあげながら円錐状になった火口を見上げると、天井付近の岩壁はあらゆる火山昇華物によって色鮮やかに輝いて見える)
ウル「トド美はどこで暮らしているんだっチャ?」
トド美「麓よ。せせらぎの音に癒やされるの」
ウル「だからジャブ吉達の集落にすぐ来れるんだっチャね」こくり(あの真顔で頷くトドン系女子)
トド美「ディ・ガルシャーのせいで火山付近の大型モンスター達は絶滅寸前にあるけど、ジャブ吉さん達のおかげで麓のモンスター達はわずかだけど生き残っている。フードチェーンを守ることが大事なんだって、お母さんも言っていた」
スカルリーナ「立派なお母様ね・・・ご家族は何人?」
トド美「お父さんと双子の弟二人と一緒。お母さんは・・・」
レオ「・・まさか、そのディ・ガルシャーってやつに・・」
トド美「違うよ。ぜんぜん生きてるよ」ホッ・・(とするレオ達)
ウル「一緒には暮らしてないっチャ?」
トド美「お父さんのせい。ヤッ君おじさんと遊び呆けてばかりだから、出ていっちゃったの」
レオ「ありゃ・・それはまた・・」
スカルリーナ「お母様はどこに?」
トド美「離縁中だけど、トド美達のことが心配でスパーンスコーン山脈から離れないでいる。しょっちゅう会いに行ってるよ。でも、それはお父さんには内緒。懲らしめる為だって」のすんのすん
スカルリーナ「ふふっ・・」
トド美「王妃・・・・スカルリーナ様のお話を聞かせて」のすんのすん
レオ「あ。俺も興味があります」にこっ
ウル「東部出身だって言っていたっチャ」
スカルリーナ「ええ。生まれたのは東部の交易都市、パパグラーナ。都市の経済的発展に代々、貢献してきたシャンティ家で育ちました」
トド美「だからズワロマンのことも知っていたんだ」
スカルリーナ「そう。シャンティ家は都市の権力中枢を握る商工ギルド、グランデギルドのメンバーだったの。だからギルドのメンバー達とは家族ぐるみの付き合いだったわ」
トド美「どうして王妃様に?」
スカルリーナ「・・・・・・モンスターの軍勢を率いてきた国王の東征を受けたパパグラーナは、王国側と盟約を結ぶことで軍事的制圧から逃れる道を選択した・・・・私はその取引材料のひとつ」にこっ
レオ「・・・・・・・・・・・・・・・・」
トド美「なにそれ!!うちのお父さんより酷い話!!」
レオ「それは、いつ頃のお話ですか?」すりすり(激昂するトド美の頭を撫でながら)
スカルリーナ「そうねぇ・・・今のトド美ちゃんと同じくらいだったかしら・・。首都に連れて行かれ、奴隷の身分となって後宮で国王に仕えたわ」
ウル「はぁ!?ンだば、なんだってっチャ!?」
レオ「地方貴族の干渉を受けさせない為?」
スカルリーナ「ええ。国王を輩出したコズタン家は中央集権を徹底することで地方都市の勢力拡大を抑えてきた。彼らは国家の運営や社会活動にとって必要不可欠な高度に理論化された民法、商法、刑法などの規定を作る為、それら法の知識を有した、地方の民政を任じられていた法官達を国に招き入れて、統治制度の発展に大きく寄与させました。同時に法官たちは一族から宰相も輩出しながら当初は一人であった宰相制度を複数体制に変え、大宰相を筆頭に国王コズタン一世を支えてきました」
レオ「それがガリタンさんか」
スカルリーナ「彼は王家に仕えず、国に仕える真の忠臣。懸念となっていた地方領土の統合、法治国家の実現を若き頃より抱いていたコズタン一世に忠誠を誓い、アヤの再建を図りました。コズタン・アヤ王国は彼の進言のもと、首都の開発やインフラを自生的に整備させ、都市機能の大幅な発展へと繋がった・・・そして後世へと残るであろうコズタン一世の治世を作り上げた立役者の一人なのです」
レオ「だから彼は国王に代わって王妃様を守ると誓ったのか・・」
スカルリーナ「コズンダに反骨の相があることをいち早く見抜いていた彼は、国王が西方遠征している間にクーデターが起きることを予期していました。私もまた後宮での友人であった信頼できる間諜より、謀反を裏付ける情報を聞いていました。そのことをガリタンに相談すると、彼は累代の国王の墓参りと称し、首都脱出を計画してくれたのです」
ウル「そこまでして逃げる必要があったっチャ?」
スカルリーナ「・・・国王の寵愛を受け、王族の第一子である我が子・・アダンカを授かった私は正式に国王の第一夫人となりました。当時の後宮は倫理観に乱れており、風紀を取り締まる必要があると考えた私は、その地位を利用して、ガリタンの見識を受け、後宮の腐敗を一掃しました」
トド美「カッコいい~♪」
スカルリーナ「過信していたのです。行き過ぎた指導と同時に、自らの地位を脅かすであろう女官を降嫁させるよう国王を扇動し、一夫一婦の関係と絆を王宮内で見せつけることで、後宮内での地位と権限を確立させていきました・・。今思えば、私もまた、若かったのです」
ウル「何があったっチャ?」
スカルリーナ「コズンダの母親は奴隷市場から後宮に入り、国王の寵愛も受けていました。彼女はその生い立ちの経路を使い、後宮内に薬物を流通させていました。これを嫌忌した私は、王宮での薬物の使用を禁じ、コズンダの母を再び奴隷市場に戻しました。そして彼女は最初の所有者である宰相のもとに帰ると、その悲哀と屈辱から・・自害してしまったのです・・」
レオ「・・・・その事件が・・コズンダの反感を買った・・」
スカルリーナ「そのとおりです。コズンダは愛する母親を貶めた私と、何も反論しなかった父・・国王に対して深い憎しみを抱くようになりました。謀反を起こしたコズンダにとって私は不倶戴天の敵。心残りは我が子を残してきてしまったこと・・・・私は罪深き母です・・・」つぅ・・(涙が頬を伝う)
ぽちゃ・・(その涙がトド美の頭にこぼれ落ちる)
トド美「因果応報。私達とは違うフードチェーンが人間社会にはあるって、お父さんが言っていた。スカルリーナ様みたいに優しくて頭の良い人が上に立つべきだわ」
スカルリーナ「ありがとう・・。トド美ちゃん・・・」スッ・・(上から彼女のまあるい頭に抱きつく)
レオ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」(ウルと顔を見合わせながら黙って頷いてみせる)
グツグツグツグツグツグツ
(崖上エリアの壁際、一同がここへ出てきたと思われる洞穴の横に少し小高い岩場が連なるポイントが見え、その岩場の陰から一頭のドドガマルがこちらをじっと見つめている)
レオ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」スッ・・(一同に動かぬよう手を差し伸べ制止するよう促す)
トド美「大丈夫。彼がガマルクルス100世さんだよ」
ガマルクルス100世「・・・・・・・・・・・・・・・・」じーーーーっ
トド美「こんなところにいたんだ。ヤッ君おじさんに聞く前に見つけちゃったね」
ガマルクルス100世「・・・・・・・・・・・・・・・・」じーーーーっ
To Be Continued
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次回「あたちのモンハン日記/Anthem of a Dying lights」
第92話 「△▲△!!」
12/22(木)0時更新予定
次のお話で年内のストーリーモードは一旦おやすみよ
その後はクリスマスSPのお話があるからお楽しみにね♪
■あたちのモンハン日記てなぁに?
■あたモン目次録