~アヤ東部、パパグラーナ....
ガヤガヤガヤガヤガヤ・・・
(もはやお馴染みになってきた石造りな交差ヴォールトが特徴的な食堂、本日も賑やかな客人達に紛れ、隅の方の席で豪華な食事を前に密談をしている地元商人とズワロネコ)
純平「はぁ・・・どうやら聞いていた以上に悪い状況のようだ。まさか俺達以外にも新大陸から、よく知っている連中が来ていたとはね・・」やれやれ
チチョ・シャンティ「いつ、こっちにもコズンダの敵視が向けられるか分かったもんじゃない。グランドマスターには悪いが、彼の身柄を差し出すことで、パパグラナーナに抵抗する意思はないということを分かってもらえればそれでいい。ほぉ・・・これはまた上質なラティオベリルだな。社交界デビューを狙っておる連中に高く売れるぞ♪ん・・・見たことない宝石も混じっているな・・」ふむ・・(にやにやしながら小袋の中を覗き込んでいる)
純平「メゼポルトパーズ。ナウなヤングの間で流行中だとさ。もっと欲しかったら、質問に答えろ。要するにあんたらは、マスターを救出する為にラインハルト公を動かした。なぜ自分達でやらない?」
チチョ・シャンティ「パパグラーナは中立だからだ。本当にいらないのか?」しょんしょん(と両手にダブルフォークスタイルで目の前の「てんこ盛りべっちょり海鮮風ペペロンチーノ」を毛糸玉のように巻き上げながら)
純平「あんたの話を聞いて食欲が失せた。その連行されたマスターっていうのは、タラスク・・・ごほん・・(周囲を見回しながら訂正するように)聖域の使者団に認められた竜信者なんだろ?」
チチョ・シャンティ「安息の守護者だ」ズルズルズルズル(毛糸玉のように巻いたペペロンチーノを口周りぺちょぺちょにさせながら一気にバキュームしていく)
純平「そう、それ。アヤの伝統と文化を知る上で欠かせないキーワードのひとつ・・。つまりコズンダは完全に旧体制を否定し、使者団を敵に回した。母親を貶めた父親が作った国を崩壊させる為に・・・・それが動乱の理由か?」
チチョ・シャンティ「コズンダは妬心に支配されている。自らも守護者に憧れるも、才能豊かな義兄の前に屈し、母親も自害に追いやられた。我が姪の奸計によってな」ズルズルズルズル
純平「スカルリーナ・コズタン・・・・旧姓スカルリーナ・シャンティ・・・先王の東征によって、その意思に関係なく、後宮へ連れて行かれた・・・」
チチョ・シャンティ「グランドマスター・・ヴァンニクローゼ・デヴィマッツォとは幼馴染で、婚姻関係でもあった。彼は今でもずっと、スカルリーナのことを想っている。虎視眈々と奪回の計画も考えていたようだ」ゴキュゴキュゴキュ(木製ジョッキのアルコールをかっ食らう)
純平「その二人もキーマンのようだな・・」とんとんとんとん(猫人差し指でテーブルを叩きながら)
チチョ・シャンティ「デヴィマッツォ家はパパグラーナに古くから受け継がれている竜信仰の宗教施設を管理する都市の中でも有力な竜信者の一族だ。彼らもまた累代にわたり、パパグラーナ一族と協力し合って、他大陸へ渡れる航路を秘密裏に探究してきた。現在、安全な航路を使って君らがいる大陸へ秘密裏に渡れているのも彼らの知見があればこそだ」こそっ
純平「どうやってだ?」
チチョ・シャンティ「それだけは教えれん。なにせ、この都の人間はおろか、王族ですら知らないんだからな」ちょいちょい(そうかましながら、よこせよこせと急かしてくる)
純平「これでどうだ?製造法を真似れば、市場で大ウケ間違いなしだろう。食べてみろ」スッ(潰れた携帯あんまんを差し出す)
チチョ・シャンティ「う~~~~む・・・・」あむっ
純平「どうだ?」くっちゃらくっちゃら(するチチョに向かって)
チチョ・シャンティ「・・こんなうまいものをいつも食べているのか?」ごっくん
純平「それはあくまでも携帯用だ。その状態でその風味だ。蒸したてを想像してみろ?それはもう、ふっくら豊かな「天使のようにまあるな」蒸し饅頭だぞ」
チチョ・シャンティ「・・天使のように・・・まあるな・・・・・・」ポワワワぁ~~~ん・・・(想像と共によだれが出る)
純平「さぁ、教えてくれ(UBUがこの取引をみたらブチ切れるだろうが、トップシークレットが手に入るのなら・・・許してくれ)」
チチョ・シャンティ「いいだろう」ゴホン・・(口元のよだれを袖で拭いながら)
ぐいっ(テーブルの上に身を乗り出して(ぽっこりお腹がごちそうにべちょりとつく)、純平にそのペチョペチョな口まわりの顔を接近させる)
チチョ・シャンティ「アヤ大陸を囲む海域は古来より、ラ・エメシスを守護するモンスター達、つまり邪龍様の眷属によって監視されている。アヤ創世記より存在した聖域の使者団は、アヤの民が外部の人間と触れることのないよう、竜信仰の教義を広め、人は生まれた地から離れることなく、信仰の対象である竜族やその他のモンスター、及び彼らが生息する自然地区を侵してまで領土の拡大をすることを禁じ、そのルールを当たり前の通念としてアヤの民に植え付けた。外部の人間なら、その意味は分かるな?」
純平「外界との接触を閉ざし、この大陸をタラスクギルドの拠点とする為・・」
チチョ・シャンティ「そうだ。そこで彼らの支配的な思想を疑ったパパグラーナ一族とデヴィマッツォ家は、中立都市の建前を保ちながら、一蓮托生の決死の覚悟で世代を超え、長年掛けて秘密裏に調査を続けた。そして、とある条件下に限り、海に生息するモンスターの出現率が極めて低いことに気づいた」ペチョリィ~~~ん・・(真剣な眼差しの彼の口元から、謎の粘液が垂れていく)
純平「その条件とは?」(謎の粘液を目で追いながら)
チチョ・シャンティ「月が隠れている晩だ」こそっ
純平「・・・・・・・・・・・・・・」
チチョ・シャンティ「こうして、念願の航海を果たしたパパグラーナ一族は、あんたらの世界では俗称とされる旧大陸への上陸を果たし、他文化との接触に成功した」
純平「そして予想は的中した・・」
チチョ・シャンティ「ああ。この大陸では崇められている聖域の使者団が他大陸ではタラスクギルドと呼ばれていること、そして淫祠邪教として認知されていること・・・この都市の基盤を築き上げてきた、ご先祖達が予見した通りだった」やれやれ
純平「その重大な秘密を知ってどうしたんだ?」
チチョ・シャンティ「秘密はグランデギルドの中でも数少ないメンバーだけで隠すことにした。だが、使者団もまた、交易都市として発展していくパパグラーナに警戒を緩めることはなかった。使者団は首都に伝道師と称した事実上の監視官を代々に渡って送ってきている。デヴィマッツォ家が熱心な竜信者の一族であることを買って出たのも使者団の目を逃れる為だ」
純平「では今も?」
チチョ・シャンティ「ああ。ヴァンニクローゼもまた、首都より派遣されてきたコズマ・ブリーニという伝道師と関係を持ち、彼女の心を掴むことで、使者団の情報を入手し、また彼らとも相互利益を理由に良好な関係を築き上げることに成功した」ふふん
純平「・・真実をアヤ全土に流布しないことを取引材料に、タラスクギルドを説得し、彼らを媒介に暗黒商会とも取り引きを・・・・だから見慣れた薬物がこっちもあったのか。兵器もな」
チチョ・シャンティ「フッ。さすが新大陸の人間・・・もといネコだな。すでに調査済みとは」ガタン・・(椅子にふんぞり返る)
純平「・・・・・・(人間で当たってはいるんだけどな)」
チチョ・シャンティ「コズタン一世が東征してきた理由の一つは、こっちの軍事力を事実上支配したかったからさ。結局、国王自らと交渉の末、互いに争わないこと、交易を盛んにすることで合意した。表面的には同盟だが、事実上、パパグラーナを従属させることに成功したのさ。もちろん、その背景にはコズタン一世の遠征隊に従軍していたラ・エメシスの軍勢があったのは言うまでもないがな」フンッ(とステーキをフォーケンナイフ(フォーク&ナイフ)でガリガリやりだす)
純平「・・・・ル’ヴォーとう名をコズンダ同様、耳にした。眷属の名前か?」
チチョ・シャンティ「古代アヤ語で「支配に屈しない最も荒々しく乱暴な頂点捕食者」の意だ。死、そのものだよ。西部や南部は、奴の為に崩壊しつつある。いや・・崩壊しないよう、生態系を奴によって調整されていると言っても過言ではない。自らの狩猟フィールドにする為にな」あ~~む(と血が滴るステーキを食べる)
純平「・・・・南部にはウィンターナイツがついたと言っていたな」
チチョ・シャンティ「ああ。この食堂で副官と名乗る偉そうな灰虎猫と、ナビゲーターとなった月蝕の翳氷の女戦士も一緒だった」
純平「月蝕・・・ダークサイド・ムーンか・・・・あんたらより優勢なのか?」
チチョ・シャンティ「連中の目的は、コズンダの義兄であるアダンカを庇護し、彼を正当な王位継承者として担ぎ上げ、首都を奪回することだ。コズンダもまた、脱走を許してしまった南部の連中を血祭りにしたくて軍を出撃させたらしいが・・・これ以上は・・・」ちょいちょい
純平「強欲は身を滅ぼすぞ」(ちんまりした宝石を手渡す)
チチョ・シャンティ「セクメーアパールか・・・最新情報によれば、暗黒商会もまた、その南征に出撃したコズンダ軍を追撃しに行くらしい。近いうちに本格的な戦闘が始まるだろうな」こそっ
純平「・・・・ブラックギルドのハンスという男を知っているか?」
チチョ・シャンティ「名前だけはな。偉そうに伝令だけをよこしてくる」あ~~む
純平「どこにいる?」
チチョ・シャンティ「詳細は知らんが、ラ・エメシスの北部から首都の様子を伺っているようだ。狙いはコズンダを追放することだろうな。あんたらもまた大宰相の援軍なら、「旧王国派」にあたる。力添えしてやるんだな」
純平「・・・・同じグループでも少し役割が違ってね・・。大宰相っていうのは?」ちら(懐から燃えるように紅い宝石をチラつかせる)
チチョ・シャンティ「おほっ!なんと上質なリーヴェルビー!!エムセス・ガリタンだ!!その大宰相もまた、あんた達に援軍要請をしたとコズマは言ってきた!我々にもローゼンクロイツを頼るよう決断させたんだ!さぁ、いいだろ、それをよこせ♪」
純平「まだだ。ガリタンはなぜ、俺達を呼び寄せた?」
チチョ・シャンティ「知らん!!それが知りたければスカルリーナを探せ!そうすればガリタンにも会える!墓参りと称して、クーデターが起きる前に姪が都を抜け出すことができたのは、他でもない、ガリタンの提案だろう!なぁ~もういいだろう~?!」ほらよ(と一個だけ手渡すズワロ純平)
純平「コズマ・ブリーニという伝道師だが、会えるか?」
チチョ・シャンティ「今はいない。ラインハルト公と一緒だ。グランドマスター救出のクエストを優先させているのなら、首都へ向かっているだろう」すりすり(ルビーに頬ずりしている)
純平「北に向かったってわけか・・・。騎士団の駐留地点は?」(もらったのだろう地図を両手に広げながら)
チチョ・シャンティ「さぁな。東部の沿岸のどこかだろう。ラインハルト公と同行しているズワロマンが場所を知っているはずだが、彼もここにはいない。他のズワロマンで良ければ手配するぞ。沿岸を探してみればいい」スッ・・(もらったパールやらルビーを丁重にポッケにしまう)
純平「俺達が行ったところで、揉めるだけさ。あっち(新大陸)も抗争ばかりだからな」やれやれ
チチョ・シャンティ「まずは身を隠せる場所を探すんだな。おっと、うちはごめんだぞ?これ以上、問題を抱えたくない。西部の反乱軍を訪ねてみるのもいいだろう。最も、環境に耐えられればの話だがな」ギコギコギコ(再びステーキをフォーケンナイフで)
純平「クーデターのきっかけ・・コズンダの奸計によって引っ張り出された反乱軍か・・・彼らがいるフィールドは危険区域なのか?」
チチョ・シャンティ「失望の谷と呼ばれている。各地で絶望に屈した者達が最後に頼る場所だ。噂では毒霧に侵されているという。身を隠すには最適かもな」あ~~む
純平「西部にも援軍が来ているのか?」
チチョ・シャンティ「そこまでは知らんが、行っているかもしれんな。まずは重要人物を探せ。おすすめはスカルリーナだ」あむり(コッペパンをまるごと「縦に」口の中へと突っ込む)
純平「旧国王派・・スカルリーナ・コズタンにエムセス・ガリタン・・・・そして竜信者のヴァンニクローゼ・デヴィマッツォとコズマ・ブリーニ・・・・王手飛車取りは難しそうだな」やれやれ
ザッザッザッザッ・・・(小窓の向こう側を赤いフード付きコートを纏った男達が通り過ぎていく)
純平「竜信者狩り・・・こっちじゃ邪龍教が国教なんだろ?きりがないだろう?」(フード越しに気配を消しながら横目でそれを確認する)
チチョ・シャンティ「牽制だよ。これ以上、使者団の勢力を拡大させない為にな」げふぅ~~~~
純平「まさしく革命ってわけか・・」ザッザッザッザッ・・・(赤服の姿が見えなくなるまで目で追いながら)
チチョ・シャンティ「追う者、追われる者。ここでは当たり前の光景だ。スカルリーナの救出依頼もラインハルト公に託してある。わかっているさ。スカルリーナを迎え入れるのはコズンダを敵に回すと解釈できる。姪は内密に匿う予定だ。常軌を逸しているって言いたそうだな?だが、アヤでは報復の観念もまた当たり前の通念でもある。動乱の繰り返し。我らパパグラーナは労働には身を売るが、権威には屈しない」
純平「その不屈の精神で先王と交渉したのは、あんたか」
チチョ・シャンティ「コズンダの父親・・マーマデュール・コズタン一世は熱心な邪龍教徒だった。もちろん、守護者として認定される為であったのだろう。その見返りが、ラ・エメシスの眷属というわけだよ」
純平「中央に位置する禁足地・・・アヤの民にとっては聖地であり、外の世界の人間にとっては諸悪の温床・・・・邪龍の巣窟か・・・」
チチョ・シャンティ「伝承ではそうなっている。使者団と安息の守護者しか立ち入ることの出来ない領域だというが、個人的に信仰や伝承は信じない」ギコギコギコ(目がギョロッとしている煮魚をフォーケンナイフで)
純平「グランドマスターなら入れるのか?」
チチョ・シャンティ「ヴァンニクローゼは穏健派だ。だから姪も強奪された」あ~~む(とろりとした目をいただく)
純平「なるほど・・」
チチョ・シャンティ「確かなのは使者団の拠点となっていることだ。コズンダはラ・エメシスをも陥落させ、真の統率者となって、邪龍様の眷属であるモンスターもまた服従させるつもりらしい」ぐにゅぐにゅぐにゅ(弾力感あるっぽい目玉を咀嚼しながら)
純平「その横行に対抗する為、暗黒商会から武器を?」ガタン・・(腕を組んだまま椅子にふんぞり返り、テーブルに猫両足をちんまりと乗せながら)
チチョ・シャンティ「あんたらが旧国王派を支援するのならば、彼らは味方だ。そして我々グランデギルドもまた彼らと有効関係にある。問題があるかね?」ギコギコギコ(と目を逸らしながら煮魚を)
純平「大有りだよ・・・」はぁ・・・
ガヤガヤガヤガヤガヤ(食堂の中に見回りと思しき例のアメザリルーキー達が入ってくる)
チチョ・シャンティ「正規のガーディアンだ。そろそろ出発した方がいい」ズルズルズル!!(締めの冷麺に入る)
純平「ずいぶん細いな。色も白いし、髭も足りない。ドラッグのせいか?」あむっ(少しだけ開けた猫口の中に豆を「放り込むように」入れる)
チチョ・シャンティ「ジュンペイ・スズキ。アヤに歴史や伝統があるように、この街にもルールがある。それを取り仕切っているのが、我らグランデギルドだ。あやつらで良ければ同席させるが?」ごっくん
純平「遠慮しておこう。最後に、これで狩猟笛を用意して欲しい」スッ・・(ちんまりタイプの小袋を取り出して見せる)
チチョ・シャンティ「ビジネスの話なら大歓迎だ。リクエストは?」
純平「『攻撃強化が出来るなら、なんでもいい』とのことだ。できれば軽量のものを」
チチョ・シャンティ「手配しよう。おい」(とアメザリルーキーを一人呼び寄せる)
純平「大陸を超え、また大陸を超えて、元の鞘に収まる・・。悪のリサイクルか・・・」あむっ
「あたちのモンハン日記」
Anthem of a Dying lights
チチョ・シャンティ「少し待っていてくれ。すぐに品物を持ってくる」タッタッタッタッタッ(伝言を頼まれ、足早に食堂を出ていくアメザリルーキー)
純平「サンキュー」あむっ
チチョ・シャンティ「ん・・肉は食べないのか?」
純平「ネコにヴィーガンがいてもいい時代だろ?」あむっ
チチョ・シャンティ「新時代だな。だが、うちを巻き込まないでおくれよ。くれぐれも。くれぐれもだ」ゴクゴクゴクゴク(冷麺の器を両手で持ち上げ、汁をフィニッシュ)
純平「あんたがゼニーを信じるように、俺達が目指すトレジャーは、ココだよ」トントン(左胸を猫手で叩く)
To Be Continued
みんなの激アツ一票でしっかり応援してくれよな!
次回「あたちのモンハン日記/Anthem of a Dying lights」
第75話 「良策」の巻
10/24(月)0時更新予定
今回、俺が取引材料として使った鉱石の多くは、MHP2Gのトレジャーなんだが、作者は、当時のトレジャーの数が多かったことや、その収集が大変だったことを思い出して、改めて採取の楽しさも実感したようだ。採取から始まる狩人生活。たまには肉も自分で焼かないとな。
■あたちのモンハン日記てなぁに?
■あたモン目次録