~アヤ南部、穹冥の要塞....

ヒュオオオオオオオオ


フオオオオオオオオンダッシュ
(見上げる氷の天井に排出口と思われる穴が空けられており、洞窟の入り口より入り込んできた冷風を上へと逃している)



ゼット「さっき言っていた通気孔ってのはこれか・・・もっと小せえもんだと思っていたが・・」フオオオオオオン(上昇気流を眺めながら)


ボワコフ「崖の上まで突貫させたでアリマスか?」フオオオオオオン


スリー「長い時間を掛けてね。月蝕の翳氷のメンバーには、優秀な炭鉱夫の一族もいるのよ」

ゼット「上はどうなっているんだ?」

イースラン・ザパ「グレート・グラシス・ウォールの連峰へと繋がっている。穴はモンスターが侵入してこれるほど大きくないし、例え侵入者が来ようとも、下りてくる途中で凍死するのがオチだろうな」カチカチ(と凍ってしまったリアクションをしてみせる。そのギエナシリーズからなんだか説得力がある)

ゼット「って、ことは未だ、それを達成した奴はいねぇってことか。もっとも、あの断崖を登ってこなきゃいけねぇしな。まさに難攻不落の要塞ってわけだ」ふぅ~~~


カーラ・スノウ「挑戦してみる?」くすっ

ゼット「冗談きついぜ。それより、こっから上にどれだけ飛べるかの方が興味ある。そうだな・・イチモクラブを利用して、この気流に乗っかれば、一気に外に出れるかもな」

スリー「出たら、最後。そのまま空中に放り出されて、レイギエナの群れに「連れて帰られる」のがオチ」ハハハハハハ

ボワコフ「そういえば、来る途中、風漂竜を見かけたでアリマス」

スリー「彼らが着ている装備もね」むんっ(と、「装備自慢」のポーズをしてみせるイースラン)


えでちゃん「しかし、その群れもまた、ル’ヴォーのせいで絶滅の危機にある。さ、立ち話はもういいだろう。中に入ろう」

ゼット「おう。排気口も確かにすげぇが、美的感覚が優れている俺様としては、あっちの方が気になる」ちら・・


フオオオオオオオオオン・・・・
キラキラキラキラキラキラ乙女のトキメキ

(冷気を纏った上昇気流の軌跡が描く青白く輝いたカーテン越し、洞窟の最奥にあたる氷壁一面に神殿のような精緻な装飾が彫刻された美しい氷河のファザードが聳え立っている)


ボワコフ「まさに芸術的でアリマスね・・・」うっとり

ゼット「姐さんが見たら、うちにもあれ作ろうなんてワガママ言い出すのが目に見える。ヤンコフスキーやヴラドレンの重労働もな。だが、あいつらにあれを真似できる才能はねぇ」やれやれ


??「帰ってきたのか?スリー」(神殿の方から淀みのない綺麗な男性の声が)


ゼット「ん・・」


キラキラキラキラキラキラ
(神秘的なグレイシャーブルーに輝く壮麗なファザードの下に彫られた精巧なアーチ状の出入り口より、品性と風格を漂わせるコバルトブルーのタイトなカフタンを身に纏った、黒髪ロングの男性が、その両目に巻きつけられた痛々しいロングマフラーのような白い包帯を冷風に靡かせながら登場してくる)


ゼット「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」スッ・・(その横で跪くスリー(胸に抱いている青いペンギンも頭を下げている)、イースラン、そしてカーラ・スノウ)

スリー「只今、帰還致しました。アダンカ様」

アダンカ・コズタン「おお・・・スリー・・・。よく・・無事に・・・」(彼の背後には従者と思われるハイメタU(メンズ)の姿も)


ザシュッ(ウルクネコな灰虎猫と獣纏族の外交官が颯爽と片膝をつく)


ゼット「お会いできて光栄であります。動乱とお聞きし、遥か凍土の地より、援軍として参上いたしました、エヴァーウィンターナイツ、副官のゼットと申します」(いつになくキリッとした声色で)

スリー「意外・・。ちゃんとできるんだ・・」フフ・・(と笑う白きガルク)

ボワコフ「自分はボワコフと申すでアリマス。お力添えできるよう尽力いたすでアリマス」

アダンカ・コズタン「なんと心強い・・・・さぁ!まずは神殿の中へ!!」(心弾む精錬な王位継承者たる男の両目を覆う純白の長い包帯もまた希望と共にふわりと舞い上がる)





「あたちのモンハン日記」
Anthem of a Dying lights





~アヤ北部首都、エル・ディアラ・サンドリア....

こしょこしょ・・こしょこしょこしょ・・こしょり
(人目につかない木造バラック(人んち)の物陰で顔を寄せ合い円陣を組みながら、ひしょひしょ話をしているアイルー達と上半身裸なドボルヘルムの男)


あたちのモンハン日記
カーブー「事情はだいたい分かり申した。然らば、さっそく泥吉さんの仲間と合流しようぞ」ザッ


鉄平「すぐ動くんじゃねぇ」グンッダッシュ(立ち上がろうとしたドボルヘルムの角部をおもいっきり引っ張ると「いちちち」と声をあげる、哀れせっかちカーブー)


ゲルハルト「ニャニャんニャ(まずは情報収集が先だ)」


ニャ太郎「お仲間は中央のエリアに?」



泥吉「へい。神殿の近くに兵舎がありやす。ジャブ吉の仲間達もそこで監視されているはずです」

カーブー「泥吉さん達だけじゃなく、現地の部族までも戦争の道具に使うとは・・・その冷酷なコズンダという男を先に捕まえるのはどうだ?」

泥吉「コズンダはゲ・アゲルゾンの暗殺者達に守られていやす。そう簡単には手を出せやせん」

カーブー「ゲ・・・暗殺者とな」

鉄平「ほら。脱走兵を仕留めた男がいたろ?あの連中さ」

カーブー「ああ・・あのスカした感じの・・・・赤色の衣装を着た奴だろ?」

泥吉「あれ。荷車の中から姿を見たんですか?」

鉄平「話せば長くなるが、こいつは目が見えなくてね。このお手製のヘルムを通して、俺たちとは違った、特別な見え方が出来るんだとよ」やれやれ

泥吉「だから荷車の底で隠れ忍んでいた、あっしらの存在にも気づいたんですね?いやはや、すごい眼力だ」

カーブー「フフ。それもこれもみんなの「思い」があればこそさ」こちんハッ(二代目ドボルヘルムの提供者である鉄平と拳を突き合わせる)

ニャ太郎「刺客のわりには、ずいぶん目立つ色の装束でしたな・・」

ゲルハルト「ニャニャ・・(前は黒服だった・・)」ぼそっ

ニャ太郎「ん?」

ゲルハルト「ニャ~ニャ。にょにょちて、こにょ(いや。確かに、不自然だな)」

泥吉「おっしゃるとおり。コズンダがクーデターを起こす前までは、黒を基調とした衣装を纏うことでタラスクギルドに心服をあらわしていたのですが、コズンダが王位を簒奪した後、赤に塗り替わったんです」

鉄平「気味わりぃな」ボリボリ(蒼世ネコ獅子頭の中に手を突っ込んで爪で掻いている。「蒸す」のだろう)

泥吉「へい。これにはなんでも諸説あるみてぇで、ひとつはコズンダによる血塗られたイデオロギーを象徴する為だとか・・。もうひとつは、コズンダがコズタン一世の軍に対して日蝕の暗がりの中、伏兵として隠れていた崖の上から、父親目掛けて放った無数の火矢の色からきていると云われていやすが・・・確かに不気味な連中であることには違いねぇです」

カーブー「・・・・・・・・・・・・・・」ちら・・(おもむろに顔を上げ、バラックが立ち並ぶ街並みの向こう側より突き出て見える、ドーム屋根の壮麗なる淡黒のワントーングラデーションな巨大神殿を視界に入れる)




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





・・・・・・ボッ・・・・・・・・・






ゴオオオオオオオオオ!!
(瞬く間に視界一面が怨嗟の業火に覆われていく)





カーブー「!?」




ショオオオオオオオオ・・・・
(炎が弾けるように鎮火すると、無数の火の粉が灰色にロストしながら舞い上がり、終末を描いた水墨画のような反理想郷の世界観へと移り変わっていく)




カーブー「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」





ボギャアアアアアアア!!
(暗黒を超えて龍骨の骸が阿鼻叫喚をあげながら襲いかかってくる)





カーブー「うわぁあああああああ!!!!」


どてん・・ダッシュ(その場に尻もちをつくカーブー)


鉄平「おい。どうした?大丈夫か?」(周囲に気を配りながら小声で問いかける)

カーブー「・・・・・・・・・。ああ・・・大丈夫だ・・」フリフリ(意識を確かめるように首を激しく左右に振る)

ニャ太郎「そろそろ戻られた方がよろしいのでは?」(周囲を気にしながら)

カーブー「ん・・・そうだな・・・。鉄平達はどうするんだ?」

鉄平「状況を見て動く。通信機もあるしな」

ニャ太郎「ニャーク殿とウズメ殿にも会いました。一也殿達と一緒に待機しています」

カーブー「フフッ・・可愛い子だったろ?邪羅尼の婆ちゃんのところで世話になっているらしい」

鉄平「なんだよ、きめぇな。さっきから」

カーブー「いや・・。まさかこんなところで再会するなんてな」

ゲルハルト「ニャ~にょ(今更かよ)」フフッ(と笑うニャ太郎)

泥吉「・・っと、誰か来たみたいです。ちょっと見てきやす」


ぬっぬっぬっぬっぬっ・・・・
(匍匐前進でボロ小屋とボロ小屋のせっまい隙間へと消えていく山猫族)


鉄平「少しは褒めてくれよな。大変だったんだぞ」こそっ(とドボルヘルムに耳打ち)

カーブー「そうか・・・荷車の底に張り付いてくるというアイデアは、UBUさんからヒントを得たんだな?」こそっ

鉄平「ああ。あいつがガキの頃、屋敷に忍び込んだろ?肉まん君と一緒にな」こそっ

カーブー「・・・・・・・・・・・。まさかな・・・・・・」ぼそっ

鉄平「お前。ほんとに大丈夫か?」

カーブー「ああ。それより泥吉さんには、UBUさんのことを伝えたのか?」

ゲルハルト「ニャニャにて(内緒だ)」

鉄平「今のところはだ。直に話すつもりだ」

カーブー「ああ。そうしてやってくれ」


ぬっぬっぬっぬっぬっ・・・・
(同じく匍匐前進で引き換えしてくる泥吉さん)


泥吉「でぇじょうぶでした。ただの酔っ払いでした」

カーブー「ありがとう。泥吉さん。みんなのことを頼む」ガシッ(両手で彼の猫手を掴む)

泥吉「こちらこそ。お会いできて光栄です。武神殿」

鉄平「義賊界隈じゃ、少しは名が通ってるみたいだな」やれやれ

カーブー「フッ・・・みんなも気をつけて。また機会をみて、集まろう」

ニャ太郎「あ、それと」

カーブー「??」

ニャ太郎「あのジーナ・ジラントという女・・・我々の存在に気づいていました」

カーブー「・・・・・・・・・・・・・・・・」

ニャ太郎「くれぐれもお気をつけて」

カーブー「心得申しあげた」ガシッハッ(根拠のない拱手をしてみせるドボルヘルム。対し、ため息の鉄平とゲルハルト)


To Be Continuedダッシュ






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次回「あたちのモンハン日記/Anthem of a Dying lights」

第51話 「な、驚いたろ?」

7/25(月)0時更新予定

なぁ、ニャ太郎。カーブーが見える世界ってのに興味ないか?
あります。どんな風に見えているのやら・・ふむ・・
前にも記事にしたんだが、作者のやつが参考にさせてもらった動画があるんだ。
ほほぉ。それは興味深い。
その過去記事がこれだ↓
■カーブーが見える世界とは
是非、参考にしてくだされ。では!ショッ!!(忍び猫だから、どっかに消えた。鉄平は残したままで)



■あたちのモンハン日記てなぁに?

■あたモン目次録