ヒョオオオオオオオオオオ!!
ゴイン!!
(硝煙上がる崖穴目掛けダイブしていきながら背中のボーンブレイドを抜く)


ガシュッハッ
ガガガガガガガガガガガ!!

(両手に握った大剣の剣先を崖に突き刺し、重力を調整しながら崖穴横まで降下していく)


ムーア「ハァッ!!」バッ!(崖穴の左真横に達すると大剣を斜面から抜き、素早く穴の中に体ごと水平に飛び込んでいく)


ガシッ!!(大剣を握っていない右手を伸ばし、崖穴の縁に設置してあるバリスタの砲口にしがみつく)


ムーア「李俊!!」(飛びついた勢いを利用しながらバリスタの回転式台座を反時計回りに洞穴内へ反転させながら中に入っていく)

李俊「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」(うつ伏せで倒れている彼が纏っている白いフード付きコートの背中は真っ黒に焦げてしまっており、その傍らでは弾をセットするのを手伝っていたと思われるアイルー同志の姿も)

アイルー同志「盟主様!!李俊様が・・李俊様が自分を庇って・・・どうかお助けくださいニャ!!」(泣きながら懇願の眼差しですがりついてくる)

李俊「・・ムー・・・ア・・・・・」(俯いたまま瀕死の声で名前を呼んでくる)

ムーア「喋らないで。もう大丈夫よ」ザッ(アイルーの頭を撫でながら彼の傍らに片膝をつく)


貴様と共にあれば救われると?
笑止千万
戦乙女にでもなったつもりか?


ムーア「手伝って。避難所まで運ぶ」はいニャ!


クソぉ・・・またオーバーヒートだぁ・・!!
(崖上からモーガンの嘆きが微かに聞こえ、すぐさま外の状況を確認しようと崖側へ首を回す)


絶望を喰らえ



トウーーーーーーーーーーン!!
(上空を旋回しながら飛翔する黒龍の口が不気味に光り、黒焔の矢が放たれる)



ダッ!!(慌ててバリケードを下ろすレバーに飛びつき、全身でそれを倒そうとする)


ガッ!!ガッ!!(先程の崖面への被弾による衝撃の影響を受けたのだろう、レバーが引っかかったように倒せなくなってしまっている)


ムーア「クソッ!!」ヒョウウウウウウウウウウウン・・!!



ドガアアアアアアアアアン!!
(洞穴内に飛んできた黒焔の矢がバリスタに衝突すると同時に大爆発が起き、視点主はその衝撃と爆風により、背中から壁に激突してしまう)



ムーア「クッ・・」パラパラパラパラ・・・・・(天井より無数の砂利が落ちてくる中、洞穴内もまた黒煙に覆われていく)


フォオオオオオオオオオ・・・・
(何やら音がする洞穴内の左方向に目をやると、黒い煙の中、地面から薄っすらダークフィラメントが揺らいでいるのがぼんやり見える)


李俊「すまない・・・・役に立つどころか・・お前の足を引っ張ってしまった・・・」フォオオオオオオ・・・

アイルー「ごめんなさい・・李俊様・・・・自分さえいなければ・・・・ごめんなさぁあああああい!!!!!」フォオオオオオオオ!!

ムーア「駄目!!二人ともあきらめちゃ駄目ぇえええええ!!!!!」



バショオオオオオオン!!
ゾゾゾゾゾゾゾゾゾ!!

(黒い炎の海が弾け飛ぶと同時に二人の生命が絶望の瘴気となってロストする)


ムーア「だめぇええええええええ!!!!」


ゾオオオオオオオオオオ!!
(二人の瘴気が混ざり合いながら視界を突き抜けていく)


ゾオオオオオオオオオオ!!
(宙を舞っていく瘴気の塊は崖穴より飛び出していき、上空に吸い上げられていく)


ムーア「クッ・・・・・・・・・・・・・・!!」ダンッ!!(拳を地面に叩きつける)



また守ることができなかったな
お前の脆弱な希望によって
次々と命が失われていく



ムーア「今はっきりと分かった・・・二世様を殺したのも、あんたの仕業だってことを・・」(崖穴より空中を旋回飛翔しながら瘴気を吸い上げていく黒龍を見上げながら)



役目を終えた古豪の忠誠心に相応しい死を与えたまで 



ムーア「違う。二世様は確かにあたちに大切なヒントを授けてくれた。そして口封じをされた」



だとすれば最後に惑わせた貴様の責任だ



ムーア「まだだ・・・まだまだ!!お前を殺すまであきらめるもんか!!!!」


ダッ!!(洞穴奥へと駆けていく)


ムーア「殺す・・・絶対に殺す!!!!」ダッダッダッダッダッダッ!!(洞窟の通路へ飛び出し、崖上へと繋がる天井の穴に向かって一目散に走っていく)


タンタンタンタンタンタン!!
(ハシゴを駆け上り崖上エリアを目指す)


バッ!!(崖上エリアへ到着すると岩場の縁に陣取ったシセ達の姿(彼は弓を引きながら遥か上空の獲物を捉え続け、背の低い男性同志もまたインジェクションガンを空に向かって発砲しており、排熱中のガトリング砲の周りではモーガン、男性同志、凛とした女性同志がコートの裾を扇ぎながら一刻も早く冷却しようと試みている)


クッ(空を睨み上げると宙をスイスイと泳ぐように飛び回っている黒龍の姿が見え、それを射止めようとルチア達、バリスタ部隊の矢が崖面より次々と発射されるも難なく交わされていく)


シセ「・・・・ムーア!!」(弓を鋭角に上空に向けたまま、首だけこちらへ向けてくる)

ムーア「水冷弾はないの!?」ザッザッザッザッ(早歩きでガトリング砲へ近づいていく)

モーガン「ダメだ!全部使っちまった!」フゥーーフゥーー(とガトリング砲を口で吹いている)

背の低い男性同志「こっちもだめ!!ちっとも当たらない!!」ダオーーーーーーン!!(上空の獲物に発砲しながら)

凛とした女性同志「遊んでるつもりかしら・・・もう一度、ここまで下りてくれば次は八つ裂きにしてやるのに!!」

モーガン「クソぉ!!こんな時にアポロンの野郎がいれば!!」

シセ「泣き言の前に頭を働かせろ!!もう一度あいつを落とすんだ!!」

男性同志「でもどうやっておびき寄せるんだ!?」

背の低い男性同志「ああん!!もう駄目だ!!弾切れだよ!!」ガシャーーーンハッ(ヘビィボウガンを地面に叩きつける)

シセ「あきらめるな!!黙ってやられるつもりか!?もう一度ガトリング砲を使うんだ!!」

モーガン「ブラックマーケットの試作品にそこまで期待するんじゃねぇ!!こっちだって弾が残り僅かなんだよ!!」

凛とした女性同志「喧嘩したってしょうがないでしょ!?考えるのよ!!」

ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



あがけ
死に逝く僅かな時間を
絶望の為 有効に使え



ムーア「・・・・・・・・・・・・・(ねぇ・・・あんたはお父さんとお母さんの最期を知っているわけでしょ?どうせ死ぬなら、その時の話を聞かせてよ)」



時間稼ぎをしようとしても無駄だ
お前に絶望の灯火はまだ見えない



ムーア「クソぉおおおおおおお!!!!だったら下りてきて、あたちと一騎打ちしろぉおおおおお!!!!!」


モーガン「よし!!もう使え・・・・」バッハッ(ガトリング砲を使おうとしたモーガンを払い除ける)

ムーア「あたちはここだ!!!!」グンッ!!(砲口を限界まで上げ、頭上を舞う黒龍へ照準を合わせる)


ズンギャッギャッギャッギャッギャッ!!
(クランクを回転させ、黒龍目掛け滅龍弾の連射を開始する)



気概だけは狩人に負けじ劣らず
どうした?逃げも隠れもせんぞ?



ムーア「卑怯者ぉおおおおおおおおおお!!!!!!」ズンギャッギャッギャッギャッギャッ!!

モーガン「ムーア!!無駄撃ちはやめろ!!」ズンギャッギャッギャッギャッギャッ!!


カラカラカラカラカラカラ・・・・・・
シュウウウウウウ・・・・・・・・

(ガトリング砲の弾が切れ、複数の銃身が空回りすると共にオーバーヒートの白煙が視界に立ち込める)



もう十分だ
そろそろ終わりにしよう



ムーア「うわぁああああああああああ!!!!!!」ガンッハッ(ガトリング砲を蹴る)


ゴイン(背中のボーンブレイドを抜刀する)


ムーア「皆殺しにはさせない!!!!」グッ(大剣の剣先を自分の喉元にあてる)

シセ「ムーア!?」



ロザリー家の血を断つべく
賜死を命じた覚えはない



ムーア「それですべてが終わる!!!!」グッ!!

シセ「よせ!!ムーア!!」



嘆かわしい
その結末をアースラ・ベアトリクス・ウルバンが望んでいるとでも?



ムーア「おかあ・・・さん・・・・・・・・・」つぅ・・・



ガシャン・・・(ボーンブレイドを手放す)



いい顔だ
よく覚えておけ






Recollection No.5_195







それが絶望だ








To Be Continued






★次回ストーリーモードは9/6(月)0時更新予定です★