はぁ~い、どうどう。どうどうよ?(つぶらな瞳でこちらを見つめているガウシカと同じ目線の高さで身を屈めながら、その立派な両角の間に手を伸ばし、フサフサな背中の毛を撫でながら)

ムーア「そう、いい子ね。はい、どうじょ」スッ(右手のひらに乗っているあんまんをガウシカの口元に差し出す)

はむはむはむはむDASH!(あんまんをついばみながら平らげていくガウシカをあたたかい目で見つめている)

ムーア「ププ・・健気。わらっちゃう」


ちら・・(厩舎の前では焚き火を囲みながらあぐらをかいているルチアと吾郎、そして慎ましく女子座りをしているおトキの三人が談笑しながら美酒に酔いしれており、その周りを「おつまみ狙い」のガウシカや「まだちびなポポ」達がウロウロしている。またその群れの中には夜だからだろうか、ピンクのモコモコナイトキャップを被っているイノみゃんの姿も)


むぅ~むぅ~


ムーア「ほえ・・・」ちら


むぅ~むぅ~(ガウシカが視点主の袖を口に咥えて引っ張ってくる)


ムーア「あ~ごめん、ごめん。もうあんまんはないのよ。あっちでもらってきて」ぽん(と、ガウシカのお尻を軽く叩き、ルチア達のもとに行かせてやる)


ちら・・(厩舎側とは反対方向に首を捻ると、すぐ近くで翼を畳んだまま大人しく佇んでいるリオレウスがその長い首を伸ばしながら少し雲がかった夜空を見上げている姿が目に映る)



アポロン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」むぅ・・・ふしゅ~~~~~(首を上げながら何やら考え込んだ様子で「おおきめな鼻息」をやっている)

ムーア「どう?お目当ての彼女は見つかった?」

アポロン「茶化すな。こっちは真面目にやってんだ」ふしゅ~~~~~(と、こちらに向けて鼻息を)

ムーア「曇ってるから見えないだけじゃない?昨日は確か見えたよ、月」がさがさ(鼻息で乱れた髪を手で直しながら曇り夜空を見上げる)

アポロン「少しの間だけな・・・気がついたら今と同じ空模様だった。まるで俺たちを見えないところから覗いているように・・・」むぅ・・

ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ふぅ~~~~

ルチア「お~~~い!お前らもこっちに来いよ!」(木製ジョッキを掲げながら)

ムーア「いこ、アポロン。今日は貫通式よ?」

アポロン「むぅ・・・・・わかった」ぬう(長い首を下げ、こちらに伸ばしてくる)


はむっ(あぐらをかいている視点主は後ろ襟をアポロンに甘噛され、そのままの姿勢で垂直に持ち上げられる)


ムーア「どう?盛り上がってる?」ドシン・・ドシン・・(あぐらをかいたまま宙に浮かびながらルチア達に話しかける)

ルチア「まぁな。久々に美味い酒だ」ぽすん(そのままあぐらをかいた姿勢で「落とされてきた」視点主に向かって)

おトキ「お嬢様はこちらでよろしいですか?」ガチャ(氷バケツの中でキンキンになったワインボトルを抜きながら)

ムーア「ほほぉ・・・年代ものの・・・いいでしょう」すぽぉ~~んDASH!(ワインボトルのコルクを肉球に引っ掛けてすっ飛ばすおトキさん。そのコルクがアポロンのぶっとい脚にぶつかる)

アポロン「えらそうに。アルコール抜きの「ただのストレートジュース」だろうが」コポコポコポ・・(視点主が空の木製ジョッキを持ち上げると、すぐさまおトキがボトルを注いでくる)

吾郎「ほいじゃ、改めて乾杯ということで」グッ(手持ちの「おちょこ」を掲げる)

ムーア「穴掘りご苦労さま」(木製ジョッキを掲げながら星明かりに照らされる崖を見上げる)

ルチア「ここまで無事に成長した盟主にもな」ガッ(彼女が木製ジョッキを豪快に掲げると、なみなみと注がれたアルコール飲料がジョボジョボとこぼれ落ちていく)

ムーア「はぁ?なにそれ?」

おトキ「今の神殿の姿をバーニー様とアースラお嬢様がご覧になられたら、きっとお喜びになられますわ」にこ(おちょこを両手で抱えながら)

ルチア「ヒンメルンに散っていった仲間たちもな」(連峰を見上げながら)

アポロン「俺のおふくろと親父にも」ファサッ(右の翼を大きく広げる)

ムーア「・・・・・・・・コホン・・・・・。白き盟友よ。かけがえのない世界を守りぬくため、その身を大陸に捧げよ・・・・」


カティ~~~~~~ん






Recollection No.5_181






ルチア「ガッハッハッハッハッ!!したらよ、ボリスの野郎、その後、どうしたと思う!?賭金取り戻そうと龍の尾に一人で乗り込みやがったんだ!当然バールボーンの野郎は自分の命を狙いにきた刺客だと勘違いしてよ、手下にボッコボコにさせたってわけ」

ムーア「ワァ~~~オ・・。それでどうなったの?」(視点主は何かを背もたれにぐだっと腰を深く下ろしている)

ルチア「龍腸の床にダストシュートがあったろ?あそこからゴミ山に捨てられたんだと。やっとこ神殿まで戻ってきたんだが、くせぇ~のなんの。アースラだけが心配して、あいつに渡すよう消臭玉をあたしにくれたのさ」ゴッ(ジョッキを平らげる)

ムーア「なるほどねぇ~。そこでお母さんと親しくなったんだ。じゃあ、そのボリスって人のおかげだね」なでなで(振り返り、背もたれにしている「でかい火竜の顔面」を撫でる)

アポロン「そいつはどうしちまったんだ?」ふしゅ~~~~~~~(顎を地面につけながら)

ルチア「さぁな。消えちまった」コポコポコポコポ・・(ジョッキの中にワインを豪快に注ぎながら)

おトキ「まぁ・・・消息不明に?」

ルチア「あたしらに何も告げずにな・・。どういう理由で山を降りていったか知らねぇが・・たぶんあいつは外街で殺さたに違いねぇ」(左手の親指にはめている角ばった無骨な作りのシルバーリングを見つめながら)

ムーア「それ・・彼の?」

ルチア「あたしが作ってやったんだ。昇進祝いにな・・」(回想しているのだろう。指輪を見つめながら当時を懐かしむように少しだけ微笑んでいる)

ムーア「・・・・・・・・聞いたよ。ルチアがお母さんの借金を返済してくれたって・・。あたちが今、こうして自由にしていられるのもすべてルチアのおかげなんだって・・・・あいつが言ってた」

ルチア「・・・・・・ベックフォードのクソ野郎・・・・余計なことを・・」チッ・・(舌打ちと共に指輪を隠すように袖の中へ右手をしまう)

ムーア「だからお母さんに代わって、お礼を言わせて。ありがとう・・・ルチア・・」

ルチア「・・・当時の白雪神殿は、ウー家に借金を返済するための強制労働施設だった・・。だからあたしはバーニーとアースラをそんなところから開放してやりたかったんだ・・。だが、結果どうにもならなかった・・。あたしの力じゃ、あの二人の運命を変えることはできなかったんだ・・・・!」(過去を否定するように首を左右に振りながら深くうなだれる)

ムーア「そんなことないよ。ルチア。お母さんもお父さんも、この白雪神殿にいられて幸せだったと思うよ。そしてあなたにも感謝している」

おトキ「そうですわ。お二人が神殿にいなければ、ムーアお嬢様にだってお逢いになれなかったかもしれません」

吾郎「ちげぇねぇ。たくさんの御方がくださったご縁があったからこそ、旦那様とアースラお嬢様はムーアお嬢様を授かることができたんだ。そして二人の愛情が、あの災厄からムーアお嬢様をお守りしてくださったんだ」

ルチア「ジェイソン・・・・フランクの野郎は、この神殿には自分の知らない世界があって、知っておかなければならない世界もあるってほざいてやがったが・・・・その言葉の意味が今になって、ようやく分かるなんてね・・・・・だからあたしは無駄に長生きしちまったのさ。本当なら・・・あの二人や・・・仲間たちと一緒に・・・・・・」ううう・・・

ムーア「違う!!お父さんとお母さんの敵を討つ為に生きているんでしょ!?黒龍を討伐して、同盟の名前が世界に広まれば、きっとフランクさんだって戻ってくるよ!!」

吾郎「そうでさぁ!あっしらだって、いざとなれば一緒に戦ってみせやすぜ!!なぁ、おトキ!!」

おトキ「もちろんです!私達には、ルチアさんが必要なんです!!」


とっとっとっとっとっとっとっと
(おもむろにナイトキャップをかぶったイノみゃんがルチアに歩み寄っていく)


イノみゃん「ゴッゴッゴッゴッ。ブッブッブッブッ」すりすり・・(ルチアの腕に顔を擦り付ける)

アポロン「いつもアオキノコをありがとうって言ってる。つまり彼女もお前が必要ってことさ」

ルチア「・・今宵の晩餐は明日のために・・・」

ムーア「え・・?」

ルチア「アースラ・・・お前の母さんがよく言っていた・・。今日の宴もまた・・・・・・クソッ・・・・・・時間の流れは人を弱くさせやがる・・・・・」クッ・・(涙を拭う)

ムーア「あたち達は戦い続けるんだよ。運命の戦争に勝利する為に」

ルチア「フッ・・・・つくづく、お前はバーニーとアースラの子だよ」グッ・・(そっと身を乗り出して視点主を優しく抱き寄せる)

イノみゃん「ブッブッブッブッ。ゴッゴッゴッゴッ」ぐりぐりぐり(その二人の間に割って入ってくる)

アポロン「自分も一緒だってよ。さ、一致団結を再確認したところで、もう一回乾杯しようや」グオン(ルチアの腕に抱かれる背後から彼が首を上げる音が聞こえてくる)

吾郎「おう。そしたら今度はお前も飲めや」うんしょっ(アルコールが入った木製ジョッキの取っ手部分を火竜の翼爪先端に引っ掛ける。落ちないようバランスをとるアポロン)

おトキ「あなたの分は私がしてあげるわね」(と、イノみゃんを見ながら両手にそれぞれ木製ジョッキを掲げる)

ムーア「よし。それじゃあ、今度はルチアが乾杯の言葉を言って」ガション(おぶどうのジュースがたんまり注がれた木製ジョッキを掲げながら)

ルチア「え~~~~~と・・・・白き盟友を・・」

アポロン「よ」

ルチア「わぁ~ってるよ・・・白き盟友よ・・。かけがえのない世界を・・守りぬくため・・・・その身を大陸にぃ・・・・・・・」

おトキ「捧げよ」こそ

ルチア「捧げよ!!」

ムーア「白雪神殿に!!白の同盟に・・・」


かんぱぁ~~~~~~い♪




To Be Continued






★次回ストーリーモードは7/19(月)0時更新予定です★