親方「ガッハッハッハッハッハッ!!!!愉快愉快!!」ゴッゴッゴッゴッゴッゴッ(引き続き工房内、背後で汗だく鍛冶作業をしている部下達に構わず、木製丸テーブルの椅子にふんぞり返って座りながら、アルコールが入った木製ジョッキ(ホピ酒か?)をかっ食らう「大型筋肉質メラルー(もちろん裸ボロエプロン)」の豪快な姿。その隣ではボロテーブルに似つかわしくない王女様がちんまりと慎ましく着席しながら、親方の飲みっぷりを見て微笑んでいる)

プリム「どうぞお気兼ねなく。王都の獣人移住の受け入れは既に整っております。遠慮なく、ご家族をお呼びください」にこり(する後ろではマイ・レディーの背後を守るようにアドニスが謙虚な姿勢で立っている)

親方「なんとありがたいお言葉・・。家族が聞いたら、きっと喜ぶでしょう。さすがは慈悲深き仁恵の女神ですな」にや(と、こちらを見ながら)

ムーア「あのハゲおやじが「ネコ好き」だって言ってた理由が分かった。ずっと話を聞いてたのね?」ちら(と、そいつの方を見ると、作業をしながらも時折こちらを気にするようにチラチラ見てくる)

親方「俺の工房だ。猫耳をたてていてもおかしくはなかろうに!」ガッハッハッハッ

ムーア「じゃあ桃毛獣や緑毛獣のくだりも聞いてたわけでしょ?あとで怒んなさいよ」ちら(再びスキンヘッド屈強エプロンオヤジの方を見ると、あきらかに「ギクッ」と反応する)

親方「どうか許してやってくだせぇ。雑草魂というか、王立武器工匠や大都市で働くことを夢見るも、素行の悪さから腕っぷしも見てもらえず追い返されちまった連中ばかりなんです」へこり

ムーア「だから上流階級をよく思ってないんだ。モーガン達と一緒ね。うちにくれば良かったのに」ぼそっ

プリム「頭をお上げください。私なら気にしていません。もちろん彼女も」にこ(とこちらに向かって)

ムーア「そんな寛大さを見せられたら怒るにも怒れないでしょうにタラーそれに桃毛獣はもう言われ慣れた」ふぅ~~~~(と下唇を出しながら息を上に吐き、前髪に吹きかける。桃毛獣もまた、前髪が立派であることもつゆ知らず....)






Recollection No.5_154






カーーーーーーーン・・・
カーーーーーーーン・・・

(工房内では引き続き作業が行われているが、その音の性質から、どことなく職人達がこちらに配慮しているようにも見受けられる)


親方「あんたも悪かったな」(視点主の背中にしがみついているボワコフに)


ボワコフ「お気になさらずでアリマス」ほれ(と視点主はテーブルの上に置かれたお椀の中の「おつまみ(柿の種的なスナック系な)」を鷲掴みにして、肩越しのボワコフの口に放り込む)

親方「見たことねぇ種族だが・・・王都には馴染んでいる様子だな」スッ・・(と、木製ジョッキを勧めてくる)

ボワコフ「ここにいる方々のおかげで今は身も心も自由でアリマス」ガリッガリッガリッ(とスナックを頬張らせながら)

親方「さすが王女様だ。良き友に恵まれておられる」フッ・・

ムーア「親方も苦労したみたいね」ボリッボリッボリッ(スナックつまみながら)

親方「今まではな。だが、王女様のおかげで、最近はやっと市場に行くこともできるようになった」ガッハッハッハッハッ

プリム「まぁ・・それまではずっとこの敷地内で?」

親方「貴族連中に獣人の鍛冶職人がいるなんて知られたら、雇い主の顔が立ちませんからね・・。しかしこれからは違う。家族も呼んで胸を張ってハンマーを叩けます」ガッハッハッハッハッ

ムーア「やっぱりここに来てよかったね、プリム」

プリム「おっしゃるとおりです。このように立派な職人の方々にお会いできたのですから」にこ(と親方に向かって微笑むと、なんだか照れくさそうに下を向きながら猫指をちょんちょんしだすいじらしさ)

ムーア「意外だったのは顧問団が抱える鍛冶工房の長が、こんな素敵な親方だったってこと」

親方「ハッハッハッハッハッ!確かに顧問団を支援している貴族連中のほとんどはクソレイシストだからな・・・っと、きたねぇ言葉、すいやせんアセアセ」へこり

プリム「お気遣いなく。彼女で慣れておりますので」ぷっく~~~~(と頬を膨らませる視点主)

ボワコフ「鍛冶の腕前はどこで?」ガリッガリッガリッ

親方「ドンドルマさ。俺はもともとエルデ地方の小さな集落生まれでね。病気だった親が逝くのを見届けた後、なにかでっけぇことをしたくて村を出たってわけさ」

ムーア「すごいね。ドンドルマの鍛冶工房って、すごいんでしょ?」

親方「まぁな。ドンドルマは鍛冶技術が発達しているからな。そりゃ~勉強になることしかなかったさ」おお~~~~(憧れの目つきな視点主)

プリム「では、その技量を顧問団に買われ、スカウトされたのですか?」

親方「どういうわけかな。ドンドルマじゃあまり見かけない黒いコートを着た男が王都で働いてみないかってね。俺もスカウトを受けた時は驚いたが、同時に独り立ちもしたいと思っていた。だから夢のような話に2つ返事で答えたってわけさ」おお~~~~(憧れの目つきな視点主)

ボワコフ「ここでは主に衛兵が使用する武具を製造しているでアリマスか?」ガリッガリッボリッボリッ(視点主と一緒にスナックを頬張りながら、作業台の上に並べられた「新品の」ガーディアンシリーズを見つめる)

親方「王都だけじゃねぇ。最近はドンドルマやミナガルデからもリクエストを受けることもある。あちらさんは、いつモンスターの襲撃があるかわからねぇだろ?だからこっちもそれなりに忙しいわな」げふぅ~~

ムーア「でも無償で提供してるわけじゃないでしょ?顧問団はさぞ儲けているようだけど・・ちゃんと税金はもらっているんでしょ?」ガリッガリッボリッボリッ(と肩にしがみついているボワコフと一緒に王女を見つめる)

プリム「ご安心を。売上金の一部を税金として納めてもらっています」にこ

親方「つまり俺たちもちゃんと国に貢献しているってわけよ」フフッ(と、後ろで働くスキンヘッド屈強エプロンオヤジが自慢げにほくそ笑む)

ムーア「お給料いいん?」ガリッガリッボリッボリッ

親方「そういった話は工場長に聞いてくれ。俺たちは依頼された品を作って、賃金を貰い、それを酒場で使うだけだ」ガッハッハッハッハッ

ムーア「ふぅ~~~ん。じゃあ顧問団のメンバーとは直接、繋がりはないわけだ」

親方「レイシスト共と酒を飲むくらいなら、金床に頭ぶつけて死ぬ方がよっぽどマシだ。っつっても、顔を合わせることもねぇし、俺たちはみんなここの仕事に誇りを持って働いている。ゼニーをちゃんと支払ってくれてるうちは、サボタージュなんて起こさねぇよ。って・・もちろん、冗談ですよ?」(とプリムを上目遣いで見つめながら)

プリム「ふふふ。実は工房の様子が気になっていたのです」

親方「へぇ。それはまた」

ムーア「顧問団があやしげな殺戮兵器の発注をしているんじゃないかってね」じーーーーー

親方「バリスタのことか?ハッハッハッハッハッ!!殺すのは人じゃなくて、モンスターだよ」

ムーア「ああ・・あれね・・」

親方「なんだ。その年で「やった」ことあるのか?」

ムーア「ん・・・知り合いの衛兵から聞いたことあるだけ。それもここで作ってるの?」

親方「おうよ。なんでも工房ができる前、火竜が王宮を襲撃してきたっていうじゃねぇか」

ブッーーーーーーーアセアセ(口の中のスナックを親方に向かって「全吐き」する)

親方「最近の若い連中の間じゃ、そんなのが流行ってるのか?」ふきふき

ムーア「ごめんごめん。それで?」

親方「王女様もさぞ驚かれたでしょうに。火竜をご覧になられましたか?」

プリム「はい。テラスから」にこ

ムーア「いっーーーーーーアセアセで、なんの関係があるの?」あたふた

親方「ああ、その襲撃以来、モンスター撃退用の兵器製造もここでしているってわけさ。中にはドンドルマじゃ作ったこともねぇ最新バリスタもあるんだぜ」

ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ちら・・(プリムと一瞬目を合わせる)

プリム「それは初耳です。王都でも使われているのですか?」

親方「それがまだ試作品らしいんですよ。だからテストをする為に、出来上がるとすぐ顧問団の私兵が練兵所に持って行っちまいます。まぁ、ものがものだから、慎重に扱っているんでしょうね」

ムーア「衛兵が扱いにも慣れないといけないしね」やれやれ

プリム「開発者はどのようなお方で?」いいぞ(ちいちゃい声で応援する視点主)

親方「さぁ・・会ったことはねぇですが、あんなすげぇもん考えてるやつぁ~、よっぽどの天才ですよ」

ムーア「会ったこともないのにどうやって作ってるの?」

親方「設計図さ。よくできた図面を工場長が顧問団の連中から貰ってくるんだ。で、完成と同時に没収されちまう。俺達は図面通りに作るだけだし、契約時に守秘義務ってのもんにサインもしてるからな。当然、設計図の複製も禁止されてるが・・そこまで器用な奴がここにいねぇのも事実だ」はぁ~~~っくしょい(と、後ろで働くスキンヘッド屈強エプロンオヤジが)

ムーア「でもだいたいは頭に入ってるんじゃないの?プロ集団なわけだし」

親方「まぁな。一度作ったら忘れねぇ。でっけぇもん作る時は基本的には分担作業だ。最後に各々が作ったパーツを組み合わせておしまいってわけよ。だが、上からの指示がねぇのに、俺達が勝手に兵器を作る理由もねぇ」(と潔白を強調するように無骨な肉球を持つ両手を広げてみせる)

プリム「万が一、兵器の製造法が反体制派に知れ渡れば、それこそ殺戮兵器として利用しかねません。情報漏洩対策は王立武器工匠でも厳重に行われているとのこと。軍務は顧問団に一任しています。ですが、こうして工房を訪れる機会もなかなかありません」

ムーア「ほらほら。王女様がその兵器をご所望よ?どこにあるのさ?」ほらほら

親方「使えるもんは武器庫で管理しているぜ」

ムーア「武器庫もこの敷地内にあるの?」

親方「ああ。とにかく無駄に広いからな」

ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ふぅ~~~~(また前髪を)

プリム「ご覧になることはできますか?」

親方「それが管轄外でして・・・俺たちは出来上がった代物を倉庫に運ぶだけ。管理してるのは顧問団なんですよ」

ムーア「・・・・ヴァイデンフェラー家ね?」

親方「お。よく分かったな」むんず(おつまみを掴みながら)

ムーア「ここで使っている金属の出処からね」やれやれ

親方「だから許可が必要なんです。その・・・」

プリム「王女であれ・・。お気遣いなく。実は今日、お伺いしましたのは、別の理由がありまして・・・」いいぞ(と視点主)

親方「自分でお力になれることでしたら、なんなりと」へこり

プリム「彼女・・・(一旦、こちらを見てから、アドニスを見る)・・護衛である彼女に相応しい大剣を作っていただきたいのです」

親方「喜んで!(猫胸板を叩きながら)それじゃあ、大剣のリストもお持ちいたしやす。少々お待ちを・・・っと、もっといるか?」(と、空になったおつまみ皿を指差しながら席を立つ)

ボワコフ「いただくでアリマス」げふぅ~~~(と視点主の肩越しに)

親方「ハハハハ。獣人は素直であることが愛らしい秘訣ってね。ちょっくら待っていてくだせぇ」てってってってってっ・・

ムーア「・・・・・・・・・・(親方が工房を後にしていくのを目で追いながら)どう思う?」(小声で)

プリム「彼は清廉です。私をここへ招き入れた事といい、工房内に「見られてはいけないもの」は存在しないようですね」

ムーア「故の抜擢か・・・・勘ぐり過ぎ・・ならいいんだけどね・・」(工房の天井を見上げる)

プリム「この敷地があなたを不安にさせますか?」

ムーア「・・・・・大丈夫。今のところ、あいつがいた頃よりはマシな感じ」


カーーーーーーーン・・・
カーーーーーーーン・・・




To Be Continued






★次回ストーリーモードは4/15(木)0時更新予定です★