ムーア「・・・・シオンとミオンちゃんが・・帰ってこれる王都になるといいね・・・」ガタガタガタガタ・・

プリム「プラウズ家に関することでもご報告が」スッ・・(握っていたボワコフの手から両手を離し、静かに着席する)

ムーア「聞かせて」グッ(ボワコフの肩を抱き寄せながら)

プリム「ボワコフさんより受けた証言、そしてドンドルマの保護団体の支援を受け、正式にプラウズ家に対し、奴隷制によるプランテーションの解体及び被害者に対する賠償金の支給を命じました」

ムーア「わぁ~~お。それで反応は?」

プリム「ジルベール・プラウズは過去の規律には反していないと断固主張を続けていますが、改正後の法に基づけば、奴隷制の撤廃と賠償金の支給は被害者に対して当然の報い。罰則の対象として、プラウズ家が道徳的観念のもと、何より被害者の方々の為に贖罪を果たせるよう、王都は同家の支援と監視を続けるつもりです。それはまた、同様に奴隷制を当たり前としてきたヴァイデンフェラー家をはじめとする名家も調査の対象となります」

ムーア「王都を支えてきた一族であれ、非人道的行為は今後、見過ごしたりはしない・・・・そして今回の件が他の貴族達への見せしめとなり、抑止力となる・・・・・妥当な判断だよ。がんばったね、プリム」なでなで(左腕を伸ばし、王女の頭を「アホ毛ごと」愛でる)

プリム「各都市を見習い、王都もまた誉れ高き都市になるよう全身全霊を注ぐ覚悟です。例え、保守派を敵に回そうとも。シオン・プラウズとニックマン・ヴァイデンフェラーが与えてくださった教訓をもとに」にこっ


ボワコフ「立派でアリマス。クイーン・ドラグライト。きっと御二方も・・・・どうしたでアリマスか?ムーア殿」

ムーア「・・これで二人の気持ちが晴れたのかなって・・・・」

ボワコフ「奴隷制の撤廃以上に望むことが?」

ムーア「二人はお父さんとお母さんに自分の意見が正しいって、認めて貰いたかっただけなんだよ。プリムを・・国を動かした以上、当然、それ相応の報いが一族に待っていることも二人は当然、理解している・・・だとすれば、二人の本当の目的は・・・・」

プリム「復讐。私が彼らにとって、断罪の執行人であることは百も承知です」

ムーア「・・・・・・ニッキー・・・シオン・・・・・本当にこれで良かったの・・?」


ガタガタガタガタガタ・・(見つめる小窓の景色に旧ウー邸の外壁が見えてくる)






Recollection No.5_153






グツグツグツグツグツ・・!!
カーーーン!!カーーーン!!カーーーン!!
ジョワアアアアアアアアア!!

(倉庫のような広さを持つ煉瓦作りな一棟の武器工房内、随所に配置された「煮えたぎる巨大石窯」の中から出来たて灼々熱々な刀を取り出しては金床の上に乗せ、両手持ちの重厚なハンマーで打ち付けたり、加熱した武器を絶妙なタイミングで冷却用の大バケツの中にぶっ込んで急速に冷やしたりと、鍛造作業ならではの熱したり叩いたり冷ましたりなルーティンをストイックに淡々と繰り返す「汗だく屈強な」無骨職人達の姿が視界一面に展開されている)


ムーア「ほえーーーーー・・・・・・」カーーーン!!カーーーン!!カーーーン!!(すぐ近くの作業台では、スキンヘッドな汗だく屈強エプロンオヤジが、何らかしらの「まっちんちんな刀身」をハンマーで星屑出まくりに連打している)

プリム「素晴らしい活気に満ち足りていますね」フオッフオッフオッ!!(作業台に備え付けの鞴(ふいご)で更に火力を促進させる「汗だく鍛冶職人(もちろん上半身裸)」を感心しながら見つめる彼女の顔は炎のオレンジ色に照らされている)

ボワコフ「衛兵の槍でアリマス」(視点主の背中にしがみついている彼が肩越しに指をさす一際大きな作業台の上には、「発注」を受けたのであろうガーディアン愛用の長ランスが何本も置かれている)


ちら・・(背後を振り返ると、今日も眉目秀麗なアドニス(レースだけ白の黒を基調としたバロック的スタイル)が工場長らしき「ひょろ髭男」と何やら談笑しているのが見える)


ひらり・・(工場長らしき「ひょろ髭男」がこちらに向かって大袈裟に頭を下げる)


では・・(その後、アドニスと互いに会釈を交わした後、工房を後にする工場長。対し、こちらに悠々と歩いてくるアドニス)


ムーア「なんて?」(と凛々しい彼、ならぬ彼女に問いかける)

アドニス「作業員の邪魔にならない様、距離を空けて見学する分には何も問題ないと」

ムーア「ハン!!普通、王女様に危険が及ばないよう、「ここのおっさん共」に注意するのが礼儀ってもんでしょうが!!だいたい挨拶もねぇ!!」ブッ!!じゅううううううう(近くの窯の中に必殺つば吐きを浴びせると、大量の水分が一気に蒸発していく)

スキンヘッド屈強エプロンオヤジ「威勢がいいな!!蒼髪のお嬢ちゃん!!」ブオン!!(鍛造に使うハンマーを振り回しながら。慌てて咄嗟に屈む視点主)

ムーア「あぶねぇなこの野郎!!プリムに当たったらどうすんだ!!」ブッ!!フオン(視点主の必殺技を手持ちのハンマーで難なく振り払うスキンヘッド屈強エプロンオヤジ)

プリム「突然の訪問を許可してくれたのです。それにいつも通りの作業をとお願いしました。かしこまって作業をされても逆に困るのでは?」くすっ

ムーア「ハハン!!だからって片膝もつかないってわけ!?ここにおわす御方をどなたと心得る!!西シュレイド王国女王にして王都の慈悲深き仁恵の女神、クイーン・ドラグライトこと、プリム・クラーラにあらせられるぞ!!控え控え!!いやっ!!控えおろうぉおおおおおおお!!おおおおんっ!?」ブッ!!(それを「おっと」と難なく避けるスキンヘッド屈強エプロンオヤジ)

スキンヘッド屈強エプロンオヤジ「いい度胸だ!!革命の王女様が、その蒼髪の桃毛獣を従え、自ら、この炎熱地獄に飛び込み、レイシスト狩りをしに来たってか!?生憎、ここにいるのは、あんたと同じネコ好きばかりだよ!!そんなことより、お前の背中にしがみついているのはなんだ!?その年でまだぬいぐるみ遊びをしてるってか!?」ガァ~~ハッハッハッハッハッ!!(一斉に笑う同じく屈強エプロンオヤジ達)

ムーア「きぃ~~~~~っムカムカなんて失礼な連中!!しかも「また」桃毛獣に例えられた!!」おさえるでアリマスよ(と後ろから冷静なボワコフ)

スキンヘッド屈強エプロンオヤジ「蒼髪だから蒼毛獣か!?さしずめ王女様は緑毛獣ってところか!!」ガァ~~ハッハッハッハッハッ!!

ムーア「この不届き者め・・!!プリム!!あんたもなんか言ってやんなさいな!!」


カーーーーン!!カーーーーン!!カーーーーン!!
フオッフオッフオッ!!ボオオオオオオオ!!

(王女の発言を妨げるかのように工房内のブラックスミス達が一斉に槌を打ち始めたり、わざと音が出るよう鞴を使ったり、燃え上がる炎の音だったり)


プリム「ごにょごにょ・・ぼそぼそ・・もにょもにょもにょ・・」にこにこ(と、いつもの天使スマイルでおそらく謙虚な返答をしているのだろうが、当然ながら彼女の「ちっさい声」では、工房内に反響しまくる作業音に到底太刀打ちできない)

スキンヘッド屈強エプロンオヤジ「(槌を力強く振り下ろしながら)ハッハッハッハッ!!ここにいる連中は全員、耳が馬鹿なんだ!!火の粉をそのキレイな顔に浴びて、フライフェイスのクイーンになりたくなきゃ、とっとと安全な王宮に帰りな!!」カーーーーーーーンハッ

ムーア「アドニスムカムカ」やれやれ(怒りながら彼女に同意を求めるも、王女の命がないのでどうにも身動きできないとのこと)


ガシャーーーーーーーン!!
(突如、視点主の足元に「どでかハンマー」が投げつけられる)


大太エプロン汗だく作業員「お~~~っと!!わりぃわりぃ!!汗で手が滑っちまった!!」ぶわっはっはっはっはっ!!

ムーア「むきぃ~~~~~~~っ!!!!」グオン!!(ハンマーを拾い上げ、軽々と肩に担ぐ)

スキンヘッド屈強エプロンオヤジ「ほぉ・・・・」


ブワッDASH!ダンッハッ
(ハンマーを担いだまま、中央に見える一際巨大な金床の上に飛び跳ね、作業員達の敵視を自身に集中させる)


ムーア「よく聞けぇ!!顧問団の雇われであるお前達が国に関心がなく、また、忠誠を誓う必要がないという姿勢はよく理解した!!だが、親愛なる女王陛下に対する数々の不遜な態度は捨て置けない!!それが誇り高き工匠の礼節だというのなら受けて立とう!!」


ブオン!!(ハンマーを両手で持ち、頭上高く振り上げる)


ムーア「お前達こそヴェルドの戦鎚!!シュレイドの憤激!!だがその冠も王女の寛大なる支援と導きがあってこそ!!恥を知れぇええええええええええ!!!!!」フオーーーーーン!!(一気にハンマーを振り下ろす)

スキンヘッド屈強エプロンオヤジ「よせっアセアセ



カァアアアアアアアアアアアアン!!
(自分が乗っている金床に大鎚を叩きつけると同時に耳をつんざくような金属音が工房中に反響する)



ムーア「ぎゃああああああああああ」ビリビリビリビリビリビリハッ(当然そうなる)

プリム「大丈夫ですかアセアセ」いちちちタラー(とハンマーを投げ捨てる視点主のもとにアドニスと共に駆け寄ってくる)

??「なんの騒ぎだ!?」

ムーア「ほえ?」フラフラ(金床の上でバランスを保ちながら声がする方へ首を向ける)


オヤカタァーーーーーーーーン!!
(向かい側に見える工房のアーチ状な入り口にて、腕を組みながらこちらを睨んでいる「大型筋肉質メラルー(もちろん裸ボロエプロン)」の姿が)


スキンヘッド屈強エプロンオヤジ「お、親方アセアセ」(一同、作業の手を止め、親方に注目する)

親方「金床はブラックスミスにとって神具同然」ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・!!(部下たちには目もくれず、鬼の形相でこちらを睨んでいる)

ムーア「やばっ・・あきらかに怒ってるタラー」まずは下りた方が良いかと(冷静な王女の助言)

親方「その神聖な金床に土足で上るバカは・・・どぉ~このバカじゃあああああああああ!!!!」


どぉ~このバカじゃああああああああああああ!!!!
(の咆哮が親方の大口から放たれ、視点主に襲いかかってくる)


ムーア「おわあああああああああああアセアセ」ずでぇ~~~~んDASH!(どこのバカじゃ砲の音撃により腰から床に落下してしまう)


てってってってってってってってっ・・(唖然としている部下達の視線など顧みず、肉球で石床を踏みながら、こちらに向かって一直線に歩み寄ってくる親方を尻もちをつきながら見上げている)


ムーア「はわわわわわわわわタラー

親方「フン」(目の前に立ち塞がり、蔑んだ目でこちらを見下すと...)


バッ(颯爽と隣の王女に向かって片膝をつく親方メラルー)


親方「工場長より説明は受けました。ようこそ王都の鍛冶工房へ。プリム王女」

ムーア「はえ・・・」(周囲の鍛冶職人達も親方のその姿勢に驚きを隠せない様子である)

親方「何をしておるかぁあああああ!!!!王女様に跪かんかぁあああああああああ!!!!!」


ひぃ~ざまずかんかぁあああああああああ!!!!!
ひえええええええええええええええアセアセ

(今度は跪かんか砲の音響ビームが工房内を四方八方飛び回り、同時に怯えながら片膝をつく作業員達。そしてなぜか視点主も)


To Be Continued







★次回ストーリーモードは4/12(月)0時更新予定です★