たぁ~~いへんだぁ~~~~~~
(木々を避けながら必死の形相でこちらに向かって駆けてくる、見覚えのある、ボサボサ頭に赤いバンダナを巻いたひび割れメガネな褐色肌の細傭兵)


ムーア「あの馬鹿面はダニーだ」

ヴィルヘルム「ボスを助けにきた・・様子じゃなさそうだな」お~~~~~い!!

ムーア「何があったの?」はぁ・・はぁ・・(スタミナ赤ゲージの走り方でやっとこ接近してくるダニーに向かって)

ダニー「獣人共に逃げられちまった!!一匹残らずだ!!」はぁ・・はぁ・・

ムーア「・・・・・・・ゲンス・ゴンスがいないすきを狙って・・・」はっハッ(ダニーが視点主の背後に見えるゲンス・ゴンスの姿に気づいたのだろう)

ダニー「ボスに何をしやがった!?」ガシッDASH!(咄嗟にヴィルヘルムが細傭兵を羽交い締めにする)

ムーア「質問に答えなさい。ゲンス・ゴンスは、どうしてここへ来たの?」

ダニー「お前らの帰りが遅いのを気にかけていたからだ!!おそらく今朝もろくすっぽ寝ないで、お前らを待っていたに違いねぇ・・・そういう人なんだよ・・・俺たちのボスは・・」(うなだれる彼を羽交い締めにしているヴィルヘルムが「やれやれ」と首をかしげる)

ムーア「・・・農園からこのエリアは双眼鏡でも見えないはず。ゲンス・ゴンスに何があったの?」

ダニー「ボスのバンガローのドアに矢文が突き刺してあった。俺のポケットを探ってみろ」

ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・」こくり(キンババと顔を見合わせ互いに頷く)

キンババ「暴れたら僕の親友が君のそのほそっこい両腕を容赦なくへし折るからね」おめぇもほせぇだろうが!(と反論するダニーの実にきったない軍パンチックなズボンのポケットに恐る恐る手を突っ込むキンババ)

キンババ「うわ・・・なんかネチャってしたタラー」がさりごそり

ダニー「バナナの皮だ。炎天下、目の上に乗っけるとひんやりして気持ちがいい。腐ってたらくせぇけどな。それより早く見つけろ」がさりごそり

キンババ「あった・・けど、ぐちゃぐちゃだタラー」はい(と、視点主に汗とバナナの皮による、なんだかねちょねちょと湿ったメモ書きを手渡してくる)

ムーア「くっさ・・タラー

ダニー「いいから読め!!」

ムーア「どれどれ・・・」



そろそろキャロルムーア達が帰還する
おそらく奇面王は脱獄を図るだろう
急げ



ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・」スッ(それをキンババにも見せる)

ダニー「ボスが血相変えてバンガローを飛び出していった後、俺が見つけた。おそらくボスは、矢文がドアに突き刺さる音を聞いて、外に飛び出し、メモを読むやいなや、お前らを探しにいったんだろう・・。だが、お前らはボスを裏切った!!」グングン!!(暴れるダニーを背後から制御するヴィルヘルム)

ムーア「公平な裁きを受けてもらうだけ。もちろん、あんた達もね。それに手紙を送ったのは、あたちらじゃない。農園のみんなを開放したのもね・・・」

ダニー「じゃあ誰の仕業だってんだ!?」グングン!!

キンババ「・・・・・・これが・・・彼女の・・・復讐劇・・」

ムーア「衛兵!!この人も連行して!!」ハッ!

ダニー「離せ!!ちゃんと説明しやがれ!!」(ガーディアン達に手足を縄で拘束されていく)

ムーア「あたちらもあんたらもハメられたのよ。今回の騒動を裏で操っていた「二人の」フィクサーにね」やれやれ(する視界の向こう側では、ガーディアンらによってぐるぐる巻きにされたダニーが文句を言いながら馬に乗っけられていく。また、その隣に見える馬の背中には簀巻きにされたゲンス・ゴンスと奇面王が仲良く並んで積まれている)






Recollection No.5_149







ちゅんちゅん・・ちゅちゅんちゅん・・(見慣れた輝竜神殿の「良さげな石造り」のバルコニーの手すり上で戯れる小鳥的な環境生物をぼけっと見ている)


ちゅんちゅん・・ちゅちゅんちゅん
(二羽の小鳥が少し距離を置いたところにいる一羽の小鳥に向かってさえずっている)


ムーア「なっ、ムーア?だからあの時、俺たちと一緒にくれば良かったのさ」


ちゅちゅんちゅん・・ちゅんちゅん
(二羽側のもう一羽が甲高い声でさえずりだす)


ムーア「ニッキーの言う通りなんだから。あなた、シュレイドで一生を終える気?あたしは無理」ぴ~ちくぱ~ちく!


ちゅん・・ちゅちゅんちゅん・・
(一羽の小鳥が首を下げながら何やら弁解するようにさえずりだす)


ムーア「だってしょうがないでしょ・・・あたちにはあたちのやることがあるわけだし・・。あたちには家族だって・・」


ちゅちゅんちゅん!!ちゅんちゅん!!
バサバサバサバサバサバサ!!

(対し二羽側の小鳥は、反論するかのようにけたたましく声をあげると、一羽の小鳥を置いてけぼりに飛び立っていってしまう)


ムーア「そうだよね・・・あんた達は、その帰る場所が牢獄だったんだもんね・・・いい子にしてるのに疲れたんだよ・・・」バサバサバサバサバサ・・・・


うふふふふふ


ムーア「むっ!?その如何にも上から見下したような気品溢れんばかりな天使の笑い声の持ち主は!?」バッ


ドラグラリぃ~~~~~~~ん!!
(振り返ると、いつの間にやらバルコニー上に置かれたティータイム用のテーブルにお上品に腰を下ろしているクイーンドラグライトのおしゃまな姿(本日はロイヤルなスカイブルーを基調としたスクエア・ネックのシンプルドレスを装着)が)


プリム「彼らもまた、あなたのように血の繋がりや名誉よりも、信義、仁愛、献身から繋がっている関係性を重んじているのでしょう。いわば、あなたは憧れの的だったのです」にこり

ムーア「悪かったわね、育ちも素行も悪くて」うふふふふ(と上機嫌なプリム)


キコキコキコキコ(女王の背後に見える回廊より、輝竜宮殿王室料理団キッチンアイルー総料理長、通称「勇気あるキッチンアイルー」ことミチェルが直々にお紅茶セットが乗ったワゴンを満面の笑顔で押してくる)


ムーア「アドニスは?」キコキコキコキコ

プリム「入れ違いでプラウズ家に。ヴィルヘルムとキンババも一緒ですわ」へこり(こちらに向かって一礼するミチェルに対し「定型的な挨拶は抜きで」と言わんばかりに、右手をあげて軽く挨拶する視点主)

ムーア「気合い入ってるわね。ま、それもそっか・・・。長年のあいつの目標・・・シオンのクエストを代わりに請け負ったんだから・・・。にしても、シオンのお父さん、どんな顔してるだろうね」カチャリ・・(静かにテーブルの上にお紅茶セットを展開していくミチェルを見つめながら)

プリム「プランテーションの実態をその目で見てきた調査員の証言と、そこで実際に過酷な体験をしてきた獣人達による証言を要約した報告書があります。今回ばかりは、どんな言い訳も通用しません」(目線を下げながら淡々とそう語る彼女の凛とした表情にもまた、積年の思いが窺える)

ムーア「ブラック・カーニヴァルから受けた被害をもとに獣人の悪評を広めて、王都からなんの罪もない彼らを追い出そうと企んだんだろうけど・・訴える相手が間違ってたわよね」コポコポコポ・・(ティーカップにお紅茶を注いでいくミチェルを横目に)

プリム「彼は自信家です。涙ながらに被害を訴えれば、私もまた、差別運動のイデオロギーカラーに染めることができると考えたのでしょう」つつぅ~・・(淑やかにお紅茶をいただきながら)

ムーア「かぁ~~~~っペッ!!なめられたもんね!!金と名誉しか頭にない強欲男が寵臣にでもなろうてか!?自分の娘も顧みることができなかったくせに!?被害者面してプリムにクエストを依頼したのが間違いだったわね。しかもそれが自分の娘の策略だとも知らずにね。ざまぁ~ねぇわよ。・・・って、ねぇ?やっぱり、あたちらもそっちに行けば良かったなぁ?」


ちらっ(と顔を下げ、テーブルの下に目をやると、おぶどう(巨峰タイプ)を両手で掴んでちまちま食べている体育座りなボワコフの姿が)



ボワコフ「自分はプラウズ家に対して遺恨はないでアリマス」かじかじ・・ごっくん(とおぶどうの実を全部かじり終えると「軸」も丸呑みし、静かにテーブル下より出てくる)

プリム「まぁ。いつの間に・・」ひらり(とモフモフ毛皮コートを靡かせながらお上品に挨拶かますボワコフさん)

ムーア「今回の英雄よ。一緒に来たの。はつかしいから、あたちの装束の中に隠れてね」むふふふ

プリム「では、この御方が報告書をお書きになられた・・」

ボワコフ「お初にお目にかかるでアリマス、クイーン・ドラグライト。このような形での謁見、どうかお許しくださいでアリマス。自分がボワコフでアリマス」ザシュッ(片膝をついて忠誠を示す)

プリム「報告書は読ませていただきました。長期に渡る滞在・・・よくぞ耐え抜きましたね」

ボワコフ「自分はゲンス・ゴンス殿に助けられた恩義に報いる為に働いていただけでアリマス。本当に辛い思いをしたのは現地の獣人でアリマス。どうかお慈悲を」へこり

プリム「現地での証言はあなたの報告書により得られました。王都は逃亡した彼らを束縛したりいたしません。ご安心を」

ボワコフ「有難きお言葉でアリマス。彼らもまた、女王陛下の寛大な御心に感謝していることでしょう」へこり(対し、慎ましく微笑む若き女王陛下)

プリム「彼女が報告書を持ってきてくださった日に、あなたのことをお聞きしました。使節団の方々のご功績を偲び、心からご冥福をお祈り申し上げます」(静かに黙祷を捧げる)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(ボワコフと共に黙祷を捧げる)


ミチェル「どうですかニャ?おぶどうのジュースも」(目を開けた絶妙なタイミングを見計らって「年代物」のおぶどうジュースのボトルを勧めてくる)

ボワコフ「いただくでアリマス。豪に入っては郷に従えでアリマス」コポコポコポ(その言葉を受け、ボトルを木製ジョッキに注いでいくミチェルの笑顔)


コポコポコポコポ・・・・
コポコポコポコポ・・・・
コポコポコポコポ・・・・
(三人分のジョッキにボトルを注いでいくミチェル)


プリム「此度の騒動で亡くなった戦死者に」スッ・・(ジョッキを捧げる)

ムーア「勇敢だったガーディアンの友に」ガッ

ボワコフ「使節団の友に」ガッ


ゴクッゴクッゴクッゴクッゴクッゴクッ


To Be Continued






★次回ストーリーモードは3/29(月)0時更新予定です★