ガヤガヤガヤガヤガヤ・・(四列ほどに並んだ長蛇の列の向こう側に壮麗な外観を誇る城壁が見え、その中心に王都へ繋がっている開かれた城門が見えることから検問待ちであることが窺える)

ヴィルヘルム「今日はまたどえらい人気だな」ガヤガヤガヤ・・(左を向くと十代後半期の彼(綺麗に編み込まれたロングヘアーをトップで束ね、サイド&後部はかなり短めに剃髪(頭部の左右側面にはバールボーン家の家紋でもある骸骨を精妙なラインアートで表現)、目つきは成長と共に更に悪漢な印象と若干の威厳を放ち、ゴツゴツ太めな鼻から下、もみあげの下からは凄まじいモシャモシャ髭を蓄えている(ここにも編み込みが)。相変わらず筋骨隆々な太っちょレスラー体型の上に「ぴっちりと」纏う服装は豪壮な錦糸の薄手コート(生地全面を埋め尽くすドクロの少紋柄のテキスタイル)の下に銀糸のウエストコートを纏い、パンツにはコートと同色同柄のブリーチズを着用、どれもタイトな作りのため、ちょっと動けば引き裂けんばかりの勢いでもある。足元は黒レザーなニーハイブーツを折って履いている為、丈の短いパンツとの間からちょっと白い肌(無毛)が見えている)の姿が確認でき、座った目で人混みをジロジロと睨みつけるように眺めている)

キンババ「ほら、近々、王都で収穫祭があるからじゃない?」ガヤガヤガヤ・・(右を向くとこれまた十代後半期な彼(相も変わらず、より一層激しさを増したモコモコパーマの頭は健在、細身で健康的な褐色肌の顔立ちは十代前半期より際立ち、精悍な印象を受ける。衣装はノーブルな濃紺カフタンを風に靡かせながらエレガントに着こなし、足元はシンプルなホワイトサンダルで清涼感を表現)の背後に巨大なトウモロコシを乗せた荷車が見え、それをポポが牽引しているという「大陸社会ならでは」の馴染深い光景が見える)

ムーア「オオモロコシ祭でしょ?聞いてはいたけど、本当に農家の人達の「爆発的な想い」が表れてるね・・」ガラガラガラ・・(と、運ばれていくオオモロコシをしみじみと見つめながら)

キンババ「あれで本当に「叩き合う」のかい?」ガヤガヤガヤ(たくさんのオオモロコシを背中に担ぎながら輸送していく「獣人商人」らの姿も)

ヴィルヘルム「安心しろ。「大粒コーン」が勿体ないから、粒は料理に使って、余った「芯」で叩きあうんだ」しっしっしっしっ

キンババ「そっちの方が余計に痛そうだけど・・タラー」弾力がないからねおいで(と視点の主)

ムーア「って、あんた、ガンランスって知ってる?」

キンババ「え?お父さんから聞いたことあるな・・ドンドルマをはじめ、大都市を行き来するハンターの間で使われている近代狩猟兵器だろ?」

ムーア「そうよ。シセに聞いた話じゃさ、なんでもその「爆発的な想い」を銃槍にぶつけようだなんて珍妙な計画もあったりなかったり・・・」


わっニャ~~~~~~んアセアセ
(数列前にてオオモロコシを背負っていたアイルー商人が倒れる)


ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」(何事かと眉間にシワを寄せながらその光景への鋭い考察を開始する)

ヴィルヘルム「外街の農家だ。いくぞ」ザッ(頷きながら人混みを掻き分け、現場へ接近していく)

赤鼻の行商人「わりぃわりぃ。見えなかったもんだからよ」(大袈裟なジェスチャーで背丈の低い獣人がさも見えませんでしたアピールをしている)

アイルー商人「なにするニャ!!商品が傷ついたらどうするつもりニャ!?」そうニャ!そうニャ!(と仲間たち)

赤鼻の行商人「商品だぁ~?スラムのもろこしなんざ食えるかっての」ペッアセアセ

アイルー商人「この野郎!!ニャんてことするニャ!!」

赤鼻の行商人「てめぇらは大人しく外街に潜んでろ。それともやるってのか?」ポキリポキリ

ムーア「はいはいストップストップ。何があったの?」(両者の間にヴィルヘルムと共に割って入る)

アイルー商人「こいつが蹴飛ばしてきたんだニャ!」(しらを切る行商人)

ムーア「本当なの?」

赤鼻の行商人「なんだお前?こいつら(獣人族)の味方か?」

ヴィルヘルム「ヴェルド協定を知らねぇとは言わせねぇぞ。商工ギルドもまた、あらゆる差別、偏見を抱くことは許されねぇ。謝れ」そうニャ!そうニャ!

行商人の仲間「おい、やべぇぞ・・こいつ、バールボーンの人間だ」こそこそ(おそらく彼が頭にいれているラインアートを見て判断したのだろう)

赤鼻の行商人「チッ・・・スラムのガーディアンが口を挟みやがって・・・」

門兵「何をしている!?」

赤鼻の行商人「なんでもねぇですよ。ほら」(と通行証を見せる)

門兵「揉め事を起こすなよ?内には我々が、外には彼ら(ヴィルヘルムを見ながら)がいるということを忘れるな」

赤鼻の行商人「ヘイヘイ・・・それじゃあな」(こちらに向かって喉を掻っ切るジェスチャーと共に開かれたゲートの中へ仲間と共にすごすごと消えていく)

ヴィルヘルム「クソレイシストが。引きずり回してキャッスルの拷問部屋に連行していくべきだったぜ」え~~~~~っくしょい!!(相変わらずの猫アレルギーを我慢しているようだ。鼻汁とよだれが自慢の大ひげにぺっちょり付く)

アイルー商人「ありがとうニャ」へこり

ヴィルヘルム「いいってことよ。そんなことより、ずいぶん採れたみたいだな」ズズ・・(鼻をすすりながら視点主と共に転がっているオオモロコシを拾い上げながら)

アイルー商人「黄色い種をたくさん撒いたおかげニャ♪収穫祭に間に合って良かったニャ」ありがとうニャ(拾い上げたオオモロコシを彼のちいちゃい背中に積んでいく)

ヴィルヘルム「祭りだからな。楽しくはやりてぇが、そうはいかない時もあるだろう。また何か問題があったら知らせてくれ。次こそはとっ捕まえてやる」こちんハッ(無骨な拳を差し出すとそれに向かってちいちゃい拳を付き合わせるアイルー商人)

アイルー商人「それじゃあ、メリークリスマスニャ。ムーアも♪」パチリん(小粋なウィンクをかましながら検問を受ける)

ムーア「そっかぁ・・もうクリスマスかぁ・・・今年はゆっくり楽しめそうだけど・・・どうしようか?」

ヴィルヘルム「それもこれから相談しに行くのさ」へへへへ

キンババ「僕らの番だよ」(と、検問している門兵のもとに)

門兵「すまないな。ご覧の通り、まだ彼らを快く思っていない連中は大陸に五万といるんだ」

ムーア「今にはじまったことじゃないけど、悪い芽は早めに摘んでおかないとね。待って、今出すから」(おそらく通行証のことを言っているのだろう、懐に手を伸ばしながら視線を下げると、視点主が白装束を身に纏っていることが見て取れる)

門兵「いいって。通れよ」

ムーア「駄目よ。建前だけでも、はい」(と、以前に王妃より頂戴した通行証を見せる)

門兵「革命の影の英雄に無礼を働くわけにもいくまい?(言いながら、表向きに通行証をチェックしている「フリ」を演じている)OK。どうぞ、王都ヴェルドへ」ひらり(大袈裟に礼をしてみせる)

ムーア「やめてよ。ほら、これ。差し入れ」ぽいっ(何かを投げ、それをキョトンとした表情でキャッチする門兵)

門兵「・・・・・・携帯あんまんじゃないか!?「こんなにいいもの」を!?」おい、見せろよ!(と他の門兵も仕事そっちのけで)

ムーア「まだまだ試作段階ではござんすが、「やりたいこと」は表現できてると思いまさぁ~。どうぞ、皆様方でいただいてつかぁ~せぇ~」(板長の口調を真似しているのであろうか、どちらにしてもめちゃくちゃである。そんな説明を「希望の眼」で見つめている門兵ら)

後ろの商人達「お~い、まだかぁ~い?」

門兵「おっと。「完全に」取り乱してしまった。サンキューな、ムーア」(開かれた門の中へエスコートしながら)

ムーア「ひょっひょっひょっひょっ。お互い様でしょうに」かんらからから(とゲートをおそらく馬鹿面ご陽気に潜っていく。しもべ(キンババ&ヴィルヘルム)を従えながら)






Recollection No.5_123






ニャニャ・ニャんニャんニャんニャんニャ~~ん♪
(宮殿のベランダ、塀越しに見下ろす庭園内にて、クリスマスソングらしき曲を小粋に歌いながら木々に装飾品(金ピカオーナメントボールとか)を飾り付けしているアイルー科のメイド達)

ムーア「フフ。楽しそう」ニャニャ・ニャんニャんニャんニャんニャ~~ん♪


ちら・・(振り返ると、ベランダに展開された「キュートなテラス席」に腰を下ろしながら優雅なティータイムを満喫している、成長したプリムの姿(以前と変わらぬ高貴な艶輝深緑ロングサラサラヘアーに今も親しみを感じる「アホ毛」を残しつつも、流動的な曲線を魅せる目鼻立ちの輪郭は成長と共により明瞭化しているように見える。身に纏う衣装は髪色と同じく「ドラグライト・カラー」なセミグロス仕立てのロングドレス(聖職者が身に纏うような立襟のキャソックのような祭服をベースにした華美な装飾が一切施されていないメランコリックかつロイヤルな印象を与えるタイトなシルエットのロングドレス)を着用している)


プリム「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」にこっ(ティーカップを下ろしながらこちらを見て微笑む若き女王様)

ムーア「ふふ」(その天使のような笑顔に思わずつられて笑ってしまったのだろう。単純だから)

キンババ「宮殿の飾り付けも進んでるみたいだね」(視界には入っていたものの、プリムにばかり焦点が合っていたものだから、その左右でちんまりと座っている彼とヴィルヘルムのことをすっかり忘れていた)


ちら・・(宮殿の回廊の柱にもまたリースをはじめクリスマスな装飾が施されている)


ヴィルヘルム「街と同じ印象だな」

ムーア「いいと思う。親しみやすいよ」

プリム「他でもない貴方方にそう言っていただけて嬉しいです」にこっ

ヴィルヘルム「以前なら無駄に金が掛かった、受け入れ難いド派手な装飾だったろうに。この宮殿の姿が今のヴェルドを象徴しているのさ」てててててて・・(回廊をそそくさと渡っていくメイドアイルーや執事アイルーが通りすがりの大臣達と「互いに」会釈を交わしている)

キンババ「かつての権威主義を撤廃して、個人を尊重した共同生活の民主化へと移行している最中だからね。その自由思想の恩恵によって虎視眈々と財産を貯え、実力を向上させた有産階級の台頭が新たな貴族、氏族となって、国家の脅威となりうる可能性も十分に考えられるけど・・・そこは両タリスマンの存在が効いているよね」(プリムとヴィルヘルムを交互に見つめながら)

プリム「危惧されていることは理解できます。商工ギルドが従来の権威的立場にあった貴族や聖職者と対立するのは想定内です。自由貿易により頻繁に王都を訪れるようになった各種ギルドや新興宗教団体も然り・・・これら双方の強みを生かして協力しながら課題解決に対応するための連携協定なのです。まだまだ旧体制派の抗議活動も目立ちますが、彼らが抱くイデオロギーも治めてこそ真の統治者といえましょう。ですが私は一人ではありません」(ヴィルヘルムを見つめる)

ヴィルヘルム「そうさ。もはやバールボーンもただのスラムの支配者じゃないんだ。王都認定の外街のガーディアン。その近衛隊長であるこの俺様が、内外の不正は許さねぇってな!」ぶわっはっはっはっはっ

ムーア「キャッスルの賭博場は不正だらけだけど」

ヴィルヘルム「ば、ばか!それはビリー達、ヴェルドテスタメントが勝手にだな・・」あたふた

プリム「うふふふ。一度、ご招待されてみたいものですわ。賭け事も一度は経験してみたいと思っていますの」

ムーア「憎らしいほどの泰然自若たるや我が愛しの女王陛下様。国ごと賭けたりして」あはははははは


To Be Continued






★次回ストーリーモードは12/17(木)0時更新予定です★