ダッダッダッダッダッダッダッ
(学園内の廊下を駆け抜けていく視界の両脇からキンババとヴィルヘルムが並走してくる)
キンババ「君にしてはずいぶん珍しい質問をしていたね?」ダッダッダッダッ
ムーア「先生も言ってたでしょ?自分と歴史を重ねて鑑みることはいいことだってね」ダッダッダッダッ(目の前のちいちゃい生徒たちをそれぞれ散り散りになって素早く追い抜いていく)
ヴィルヘルム「で、自分の名前も忘れちまったってのか?」ダッダッダッダッ(すぐさま、また両サイドより寄り添ってくる二人)
ムーア「違うのよ・・・昔・・・・・一度だけ、「キャロルムーア・ロザリー」って呼ばれたことがあるの」ダッダッダッダッ
キンババ「ええ?だって君のご両親は・・」ダッダッダッダッ
ムーア「でしょ?だから登録上はどうなってるか確かめただけ。おトキさんがあたちに隠し事をしていないってことは分かった」ダッダッダッダッ
ヴィルヘルム「おトキさんがそんなことするわけねぇだろ。だいたい、誰がそう呼んだんだ?」おっと(と、同学年くらいの女子を身軽に交わしながら)
ムーア「それも曖昧。でもお母さんとの約束は覚えている」ダッダッダッダッ
キンババ「はぁ?なんだい、それ?」ダッダッダッダッ
ムーア「だからこそのジェイソン・クソ・ウーなのよ!あいつにあたちのルーツを聞くしかない!!」バッ(飛び出すように外街へ)
ヴィルヘルム「んだよ!!また置いてけぼりか!?」(後ろから彼の声が)
ムーア「ランチのお誘いなの!!お土産もらってきてあげるから♪」(振り返って手を振ると、へちゃむくれな顔をしたヴィルヘルムと、それを慰めるように肩を叩くキンババの姿が)
Recollection No.5_91
ひょっ・・ひょっ・・(見るからに高級そうなテーブル上に置かれた、これまた高級皿に「添えられた」みずみずしいおサラダを両手に握ったフォー兼ナイフ(フォーク&ナイフ)で、巨大どんぐり型のタッパの中に移動させている)
シオン「見た目は普通だけど・・・・味見してみてよ」(と、右に首を傾けると、極長ダイニングテーブルに着席している王都モードのシオン(ロイヤルスクールの制服を着用、ロングコートを椅子の背もたれに掛けている)が視点の主と同じ前菜を見下ろしながら)
ニッキー「俺に毒味をしろって?」(前方を見ると豪奢な燭台越しに同じく王都モードな彼の姿が)
ムーア「お土産組がこれ食べて死んだら嫌でしょ?」ひょっ・・ひょっ・・(とサラダを移動させながら)
ニッキー「俺なら構わないって?君達には幻滅した。おい、ゴルゾン」(そそくさと次のメニューが乗った皿を両手に運んでくる「エプロン姿(もちろんコンガシリーズの上から)」な彼を呼び寄せる)
ゴルゾン「ホア?」カチャリ・・(ソテー的なものが乗った皿をニッキーの目の前に置きながら)
ニッキー「お前が大好きな彼女達が毒味をしろってさ」ほら(と、今置かれた皿のぺっちょりソテーをフォークで刺して彼に差し出す)
ゴルゾン「ウ~~~~」しょきぃ~~ん
ムーア「あたち、あのシステム嫌い」私も・・(とシオン)
あ~~~~~~~ん(ニッキーが差し出したフォークのソテーを躊躇なく「汚らしい口元」を開けながら食らいつくゴルゾン)
ゴルゾン「ン~~ン~~♪」グッグッ
シオン「あの人の場合、多少、毒が入ってても平気そうだけど・・」
ムーア「だってよ、ゴルゾン。だいたいこの前、家主を怒らせたのはニッキーなんだから、毒を盛るとしたら彼のだけでしょ。なぁ!?ゴルゾン!!」(こちら側に来てソテーの皿を置くゴルゾンのヘルメットな耳元に向かって無駄に大声で叫ぶ)
ベックフォード「それに関しては、こちらも大人気無かった」
ムーア「ああん?」きょろきょろ
ニッキー「ここ(食卓)には、肖像画はないけど」ふん(と嫌味チックにソテーに食らいつきながら)
ベックフォード「今日はこちらから失礼する」(廊下から食卓に繋がるアーチ型のドア無し開口部から彼の声だけが)
ニッキー「子供の成長を喜ぶ親の気持ちが少しだけ分かった。それとも、今日こそ顔を見せてくれるのか?」
ムーア「よしなよ、ニッキー。また話をこじらせるつもり?」ふん(ふてくされながらランチを食べる)
シオン「安心して。こちらも無作法を働くつもりはなくってよ」カチャリ・・(静かに食事を見下ろしながらフォーク兼ナイフの手を進める)
ベックフォード「気を遣わせてすまない。何分、用心深いものでね」ドッドッドッドッ・・(声が聞こえる廊下側へと出ていくゴルゾンのコンガシリーズの重厚な足音が絨毯を踏みつけていく)
ムーア「信頼されるよう努力はするつもり。でもそれは、そっちも同じ」あ~~~ん(フォークでぶっ刺したねっちょりソテーをいただく)
ベックフォード「・・・・・・・・・・・・・・・」(その言葉に反応したかのような沈黙をみせる)
ムーア「ん~~~~・・悪くない味じゃない。うちの板長には負けるけど」くっちゃくっちゃ
ベックフォード「ああ・・・吾郎君か・・・。彼は元気にやっているか?」
ムーア「ちょっと。板長まで知ってるわけ?」くっちゃらくっちゃら
ベックフォード「彼が神殿に入れるよう推薦状を出した。懐かしい話だ」
ムーア「じゃあ、おトキさんは?」
ベックフォード「・・・・・相変わらず抜け目がないな。私の思い出話を聞きたければ、早くクエストを達成することだ」チッ(と視点の主)
ニッキー「まだクエストは継続でいいんだな?」
ベックフォード「無論だ。最も、君たち次第だがな」
ニッキー「ここまで首を突っ込んだんだ。それにあんたは、この前、怒ってはいても、俺とシオンの家に「告げ口」はしなかった。つまりあんたがまだ、俺たちに期待をしているということだ。だからそれに応える必要はある」はむっ(とソテーを)
ムーア「素直に感謝すればいいのに」フフッ(とシオン)
ベックフォード「互いに寛容ということだ。君はどうかな?シオン・プラウズ」
シオン「もちろん。断るつもりはなくってよ。中途半端にクエストをリタイアしたくないだけ」あむっ(と慎ましく食事をしながら)
ベックフォード「さすがだ。君たちのその姿勢には感服する」
ムーア「ちょっと待ちなさいな。あたちには聞かないの?リタイアするかもよ」
ベックフォード「それこそ愚問だ」あ、そ(と視点の主)
ニッキー「そこでだ。今日はこの前、話せなかった作戦を伝えたい」カチャリコチョリ
ベックフォード「ほぉ・・・興味深いな」
ムーア「なんでも近々、王宮で舞踏会が開かれるみたいね?」
ベックフォード「月に一度の遊興だが・・・・まさか・・?」
シオン「そのまさか。この子がね、舞踏会のチケットを入手したの」カチャリコチョリ
ベックフォード「なんと・・・私に言えば、渡したものを・・」
ムーア「ウー家の紹介じゃ怪しまれるでしょ?サブクエストのおかげでね。それっぽい紹介状を手に入れることが出来たってわけ。おい!!ゴルゾン!!」
ドッドッドッドッドッドッドッドッ
(こんがりローストチキンやらが乗った大皿を抱えたゴルゾンが小走りでやって来る)
ムーア「わぁ・・すんごい美味しそう・・・・」ドンッ
ドッドッドッドッドッドッドッドッ
(紹介状を手にしたゴルゾンが廊下側へ急いで戻っていく)
ベックフォード「ふむ・・・・・・」
ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」プスッ(手持ちのフォークで目の前に置かれた「出来たてほんわか湯気たちチキン」のぽっこり腹部をおもむろに突き刺す。同時に隣のシオンが「よしなさいよ」と)
ベックフォード「なるほど。このミガルデのルートなら怪しまれることはないだろう。なにせ王宮に通う連中は外の情報に疎いからな」
ドッドッドッドッドッドッドッドッ
(紹介状を握ったゴルゾンが小走りでこちらに向かってやって来る)
ムーア「ハヤク、コレ、タベタイ」スッ・・(ゴルゾンから紹介状を受け取りながらチキンだけを見つめている)
ベックフォード「舞踏会には三人で?」
ニッキー「ああ。俺達は親のコネを使えば問題ない。社会科見学ってことで」あ~~ん
シオン「問題はこの子。紹介状があってもドレスがないの」(その当人は生唾を飲みながらひたすらチキンを凝視)
ベックフォード「それなら任せろ。彼女にふさわしいドレスを仕立てよう」
ムーア「ほえ・・ドレス?」カチャリコチョリ(目の前では身を乗り出したゴルゾンがダブルフォークでチキンを解体していく)
シオン「ちょっと。正装しないで潜入するつもりだったの?」ホイ(と、彼女の受け皿にバラしたチキンを乗せるゴルゾン)
ムーア「全然考えてなかった」ホイ
ニッキー「ハハハハハ。君のドレス姿が全く想像できない」ホイ
ベックフォード「一緒に舞踏会へ行っても怪しまれない作法も教えないとな」フフ・・
ムーア「あんだよ!!みんなしやがって馬鹿にしやがってからに
ニッキー「偽名は考えてあるのか?」
ムーア「あんまんスキー婦人」フフフ・・
シオン「嘘でしょ?」
ベックフォード「平気だろう。招待状は完璧だ。それに舞踏会へは商談をしに訪れる外部の人間も多い。下手に動き回らなければ大丈夫だろう」
ムーア「そうそう。諜報活動がメインなんだから・・・って、うっま!!・・・ま、うちの板長には負けるけど」あんみゃんみゃん
ベックフォード「君たちの活力に満ちた若さが羨ましい。王宮での体験が君たちにとって貴重なものであることを願う」
ムーア「・・・・・・・・・・・。あんたも来たら?」
ベックフォード「フフフ・・・本当に君のそういう純粋無垢な気質は母上譲りだ。残念だが、私は・・ゴホッゴホッ!!」
ダッダッダッダッダッダッダッ!!
(すぐさま食卓脇で控えていたゴルゾンが今までとは性質の異なる全速力をもって廊下へと駆けていく)
ベックフォード「ゴホッゴホッ・・・・はぁ・・はぁ・・・・・・ゴホッ!!」
ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」(目の前のニッキーは両肩を上げながら「なんだ?」と言わんばかりに呆気にとられた表情を浮かべている)
シオン「なにか手伝えることはあるかしら?」(気丈な彼女らしい気遣いをみせる)
ベックフォード「はぁ・・はぁ・・・大丈夫・・・・大丈夫だ・・・」(その返答はこちらへ向かって言いながらも自分にも言い聞かせているようにもとらえることができる)
ムーア「要件は伝えたし。ランチならちゃんといただいて帰るから、こっちは気にしないで」あ~~~ん
ベックフォード「はぁ・・・・はぁ・・・・・・すまない・・・。また後日、君の都合が良い時に・・・」
ムーア「寸法合わせね。楽しみにしてる。あ、それと、お食事。余ったら「おみや」にして持って帰るから。ソテーもイケてるし」あ~~~~ん
ベックフォード「庭のケルビだ・・」はぁ・・はぁ・・
ブッーーーーーーーーー
(慌ててソテーを吹く)
ムーア「ちょっと!!まさか、あの子を!?」
ベックフォード「フフッ・・・冗談だ・・・ゴホッゴホッ・・・・」
ムーア「ゴルゾン!!早くそのつまんないブラックジョーク言う家主をベッドまで連れて行きなさいな!!」きぃ~~~~~
ゴルゾン「フォッフォッ」(廊下から「ありがとう」的な返答が)
キコキコキコキコキコキコ・・・・
(廊下から車輪の音が遠のいていく)
シオン「ねぇ、彼って・・?」
ムーア「足が悪いみたいね」あんみゃんみゃん
ニッキー「知ってたのか?」
ムーア「この前、チラッと。あ、これも美味しい」カチャリ(と、なんかの豆をどんぐりタッパに詰める)
ニッキー「なぁ、屋敷を探っていくか?」
ムーア「無粋。やるなら一人でどうぞ。入るかな・・」ぎゅっぎゅっ
To Be Continued

★次回ストーリーモードは8/20(木)0時更新予定です★