フフッ・・(蝋燭の灯りを受けた、威厳しか感じられない東方系の老人の肖像画が「奥から」わろうている)


ベックフォード「冥府まで宿怨を引きずるか・・死に際の勧告。受け取った」(肖像画の老人は、当たり前だが厳格な表情こそ一切変えることなく淡々と告げるのだが、その心中はどこか愉しんでいる様子にも見える)

ムーア「相当恨まれてるみたいね。一体何をしたの?」(肖像画を見つめながら問いかける)

ベックフォード「彼は父親を殺された。その報復を受けた私は恩師・・大切な執事を失った」

ムーア「はぁ・・・何やってんだか・・もやもやあんた達の血塗られた因果関係のせいで、お母さんに関する質問は全くスルーされたのよ?」

ベックフォード「だろうな。彼は直接、君の母親を知らなかったということだ。それから・・血塗られた因果関係とは、君の運命にこそ相応しい」

ムーア「・・・どういう意味?」

ベックフォード「フフ・・・君の意見は?プラウズ家のご令嬢」


ちら(左に首を傾けると閉め切られた薄暗い応接間(現在はリノベーションにて拷問部屋に)の中央に用意されたダイニングチェアーに姿勢良く腰を下ろしながら実直に肖像画を見つめているシオン(服装:王都Ver.)の姿が。その隣では同じく王都Ver.なニッキーの姿も)


シオン「あの骨董品店、昔は喫茶店だったみたいだけど・・ジェイソン・ウー。あなたは、そのお店を経営していた、マスターと呼ばれるメラルーと、彼女のお母様の関係を知っていて、わざと私達にサブクエストを提示したのね?」

ベックフォード「収穫はあったようだな。しかし、それ以上は私の口から語ることはできない。なぜなら君たちは、まだ私のクエストを解決していないからだ」

ムーア「ジェイソン・クソ・ウー」ぼそっ

ニッキー「それはこっちも疑問に思っている。サブクエストの伝言ゲームをこなした今、あんたにも何か収穫はあったのか?」

ベックフォード「一応・・な」

ムーア「だったらいいけど・・・いい加減、絵の中の世界から飛び出してきたら?」

ベックフォード「君たちが信頼に値する人間であると証明できればな」フフッ・・

ムーア「あんたの素顔になんて興味ないし。あたちは心の問題を「言ってやってる」わけ」ぐだぁ~~(椅子にふんぞり返る)

ベックフォード「・・・やはり君は母上の血が強いようだ。強がってみせていても、生来の正義感から私を拒絶している」

ムーア「お母さんがとても優しい人だったっていうことは、小さい頃、たくさん聞かされた。あんたに興味がないのは、単純に「権力とか」に興味がないのと同じ理由から」ククッ(とシオンとニッキー)

ベックフォード「それでも私の心に問いかけるのは何故か?父親譲りの信義を貫く姿勢からか?」

ムーア「それもあんたの勝手な解釈。お父さんもまた友達思いの立派な人だったみたいね」

ベックフォード「・・・そうだな・・。かつて私にも友人は・・・・いや・・それも私の勝手な思い込みだったのかもしれないな・・」

ムーア「やだ・・なに勝手にダウナー入ってんのよタラーそういうとこだと思うけど?だいたい、あたちなんかの言葉にマジで翻弄されてるわけじゃないでしょうに。ジェイソン・クソ・ウー」ふん

ベックフォード「フフッ・・・ご両親も個性が強い方々だったが・・・キャロルムーア。なぜ、君は自分のことを幼少期の一人称で呼ぶ?」

ムーア「約束を忘れないため」

ベックフォード「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ムーア「あんたが信頼に値する人物だって証明してくれたら、話してあげてもいいかも」

ベックフォード「ハッハッハッハッハッハッ!」(高笑いするおじいさんの肖像画もまた不思議と笑っているように見える)






Recollection No.5_85







ふぁ~~~~~~あ・・・・
(だっるい大あくびかましながら、森林公園ばりの庭園内を歩いていく)


ニッキー「拍子抜け」ケリィ~んハッ(つまらなそうによく手入れされた芝生を蹴りながら)

ムーア「なんでさ?」

ニッキー「考えてもみろよ。あんなに侵入するのに苦労していたジェイソン・ウーの屋敷を普通に歩いているんだぜ?」

シオン「そうね・・花火を打ち上げてた自分が恥ずかしくなってきた」ふぅ~~もやもや

ニッキー「それにジェイソン・ウーと関係を持てたのだって、俺たちの力というよりも・・・」じーーー(もの言いたげな目でシオンと共にこちらを見てくる)

ムーア「あ、プライドの問題か。聞いて損した」ふぁ~~あ

シオン「真面目な話。ジェイソン・ウーはあなたを気に入ってるのよ?」

ムーア「あにを?あんだってのよ。あたちはお父さんとお母さんのことを少しでも知りたいだけ。こにょ」ブッアセアセ(ツバ吐く。人んちの敷地内で。しかも可愛い女の子に向かって)

ニッキー「それを餌にジェイソン・ウーは君を部下にしたいのかもな」

ムーア「ならねぇしムカムカ

シオン「でも、あなたの言葉がジェイソン・ウーに届いているのは確かよ」

ニッキー「ウー家専属の取り立て屋になったりして」クスッ

ムーア「やめてよ・・・って、お金にはなりそうね・・・今度聞いてみようかな・・」

シオン「はぁ・・・・それより外(街)で待ってるキンババとヴィルヘルムに何かお土産でも持っていかないと。きっと今頃、スネてるはずよ。何がいいかしら・・「ドスロイヤルバウム」はもう飽きたと思うし・・」う~~ん・・


ちゅんちゅん・・ちゅんちゅん・・
(小鳥さえずる林の向こう側で「片膝をついたゴルゾン(もちろん本日もコンガシリーズ・ガンナーの方)」が、ありがたい光束を受けながらケルビに餌をやっているのが見える)


ムーア「天使発見」ププッ(と笑う二人)

ゴルゾン「ウーウー」(とケルビに餌をあげている)

シオン「ごきげんよう。ゴルゾンさん」ハッハッ(と片膝をついたゴルゾンが)

ゴルゾン「ア~~~~アセアセウモ~~~~~アセアセ

ムーア「あんだって?」

シオン「餌をあげているところを見られたくないのね?主人に」

ゴルゾン「・・・・・・・・・・・・・・・」しょんげりこくり

ムーア「・・・・あ、この子。ほら、ニッキー。この前の子だよ」ハムハム(と、またしても視点の主が装着している腰巻きスカートを率先して噛んでくる)

ニッキー「ってことは・・・このケルビの怪我を治療してやってたのも・・・」

ゴルゾン「・・・・・・・・・・・・・・・」(あからさまにそっぽ向いている)

シオン「優しいのね、ゴルゾンさんは」にこっ

ゴルゾン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ポッ

ムーア「なはははははは!!おい見ろや!!こいつ照れてやんの!!」パシィ~~~~んハッ(「片膝をつきそっぽを向きながら照れているゴルゾン」のでかい背中を馬鹿力でひっぱたく)

シオン「もう。からかうのはやめなさいよ」ウ~~(そそくさとシオンの背後に隠れるゴルゾン)

ムーア「こいつ、マジでシオンに惚れてるんじゃねぇの!?」君、そういうセリフって、だいたいがヴィルヘルムみたいないじめっ子が言うんだぜ?それとも彼がいない代わりに?どっちにしたってバカバカしい(とニッキー)

シオン「この子、デリカシーがない「フリ」をわざとしてみせる癖があるの。本当は優しい子だって思われたくないのね」あんだこにょ!!福祉施設の聖職者みたいな分析かましやがって!!(とムーア)

ニッキー「それはあんたも同じだったりして・・」じーー(とシオンの背中で「丸くなっているゴルゾン」を横目で)

ゴルゾン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ムーア「わかった。昔、好きだった子に似てるとか」

ゴルゾン「はっハッ」フリフリアセアセ(あからさまに違う違うモーションしだす)

ムーア「あたっちゃったみたいタラー

シオン「嘘よ。そんなことないわよね、ゴルゾンさん」

ゴルゾン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ムーア「見つめ合う二人・・・例え名家の名に恥じようとも・・・・て、何だっけかな、この戯曲。ポレット先生の授業で聞いたことあんな・・」ぼりぼり


ドシューーーーーーーーーーン!!
(視点の主の足元に「貫通弾」を示すカラ骨弾薬が突き刺さり、咄嗟に片足をあげてしまう)


シオン「フフッ、なに、その格好」

ムーア「うっさい!!誰じゃ、こんな物騒なもん撃ったんわぁ~!?」きょろきょろ

ゴルゾン「・・・・・・・・・・・・・・・・」ちら・・(無骨な指をさす)

ムーア「ああ!?」ちら



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(煉瓦造りの2階建ての大きなお屋敷の窓のひとつから硝煙があがっている)



シオン「へぇ・・ボウガンの心得もあるみたいね」

ムーア「どうせ真似事よ・・・・」(目を凝らしながら2階のアーチ型の連窓を注意深く見る)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(一瞬だが、窓の向こう側に濃厚なマゼンダのガウンを身に纏った男の右上半身が見え、素早く左に反転するとT字になった廊下の突き当りへと消えていくのだが、その一連の機会的な動きから、どうやら家主と思しきその男が車椅子に乗っていることが見て取れる)


ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ニッキー「野蛮な男だ。ああやって外には出ず、憂さ晴らしにケルビを狙っているのさ」やれやれ

ムーア「違う・・・」

ニッキー「??」

ムーア「外には出ないんじゃなくて、出れないのかも・・・・・」

ゴルゾン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ぽすっ(そんな足元に突き刺さっているカラ骨弾を抜く)

ニッキー「捨てちまえよ、そんなもん」

ゴルゾン「ウーーーー」(と弾薬のさきっぽに「矢文方式」で皮紙が突き刺さっているのを見せてくる)

シオン「次の指令かも」はぁ~~(と髪をかきあげながら)

ニッキー「どれどれ」パラッ(と、ゴルゾンが差し出しているカラ骨弾から皮紙を抜き取ってそれを広げて読む)

ムーア「あんだって?」

ニッキー「・・・・ほんとに実現したぞ」(手紙を広げたまま、目をまあるくして見つめている)

ムーア「はえ?」

ニッキー「サブクエスト依頼。ゴルゾンと二人で借金の取り立てをしてこいってさ」

ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・」グッグッ(視界の端ではサムズアップしているゴルゾンが)


To Be Continued






★次回ストーリーモードは7/30(木)0時更新予定です★