ガヤガヤガヤガヤ・・(獣人と人間が和気あいあいと同じテーブルに募る雑多な食堂の店内。内装は所々、木板が剥がれていたり、明らかに「後付」のリフォーム跡もちらほら見られ、隙間だらけの天井からは天然のライトアップ(太陽光)が店中に溢れる活気に満ちた雑談と共に店内の雰囲気を明るくしている)


ムーア「え~と・・・・・いたいた」


ガヤガヤガヤガヤ(視線の先の四人テーブルに座る「モコモコパーマ」な十代前半と思われる健康的な褐色肌の少年(シックな紺色の襟なし丈長ヘムコットンシャツ(左裾の方が長い前ボタンタイプ)を纏い、パンツはスキニータイプの清潔感ある布製の白ズボンを穿き、足元はサンダル的なものを履いた)が笑顔でこちらに手を振っている)

ムーア「ハァ~イ、キンババ。待たせちゃったみたいね」どすんDASH!(と、わざと気だるそうに振る舞いながら彼の対面に腰を下ろす。また、彼のテーブルには小汚い「空のティーカップ」が置かれている)

キンババ「いつものことだよ。最も、この店のミルクティーの味が悪かったら、とっくに君との仲も切れていたかも」コポコポコポ(薄汚れたティーポットからカップに紅茶を注ぐ)

ムーア「知ってた?そのいかにも不衛生なカップに入ってる清潔なミルクって、うちにいるポポのだってこと」こちんこちんハッ(右人差し指にはめた「メラスースカルな」ゴツメなシルバーリングをティーポットにあてる)

キンババ「もう何度も「まだ小さい時の君」から自慢されたよ。「あたちのうちにポポが来たの~♪」ってね。寂れたスラムに貴重なミルクの提供をどうもありがとう。って、いつも輸送してくれてるルチアさんやシセさんに感謝してるよ」ズズズズ・・(嫌味を言いながらお紅茶をすする)

ムーア「あたちだってたまには手伝ってるし。それよりさ、たまには「搾りに」神殿へ来なよ。あんたがうちに来たのって、12歳のクリスマスパーティーが最後じゃん」お~~い!!(と柄悪くスタッフを呼ぶ)

キンババ「思い出したくもない。僕はあの晩、君たちに急かされて告白に失敗したんだ。悪夢のクリスマスさ」ズズズズ・・

ムーア「ククッ。まだ好きなんでしょ?シオンのこと」しっしっしっしっ

キンババ「まさか。僕は過去の恋愛は引きずらないタイプなの。だいたい君の方が僕は心配だよ」はぁ~~

ムーア「いっときだけの薄っぺらい恋心に大切なあたちの人生の時間を奪われたくないだけ。ちょっと!!まだぁ~~!?」(と催促する)

キンババ「つまり、君ほどの人間を惑わすだけの価値がある男性に巡り合っていないっていうことか。または恋慕の情を抑えつけるほどの、なにか強い信念があるとか・・・」じーーーーー

ムーア「モンスターハンター。恋愛やドレス、プロム以上にね♪」

キンババ「確かにこの街(キングスラムウォール)は社交界とは縁もゆかりも無いけど・・・君にはシュレイドだけじゃ物足りないようだ」はふぅ~~

ムーア「どこでもハッピー。早くそんな気分になりたい・・」はふぅ~~

キンババ「不思議だ。君とは小さい頃から一緒にいるけど、未だにそのペシミストな顔を追求することだけはできない」はふぅ~~~~

ウェイターアイルー「おまたせしましたニャ」(お盆を頭に乗っけたウェイターアイルーが視界の端にインしてくる)

ムーア「いつものちょうだいな」

ウェイターアイルー「おぶどうのジュースニャね?只今お持ちいたしますニャ~♪」すてててて

キンババ「いい加減、すんなり注文すればいいのに。悪ぶっちゃって」やれやれ

ムーア「『ブレスワインのアルコール抜き』って注文してもいいんだけど、こんな寂れたスラムのレストランじゃ通用しないでしょ?そんなことより、ほら、依頼品」ドサッ(スカジャンの中で脇に挟んでいたと思われるぶ厚めの写本を机に叩きつけながら差し出す)

キンババ「ちょっとアセアセ貴重な本なんだから、もっと大切に扱いなよアセアセちょっと生暖かいし・・」スッスッ(と優しく写本のホコリを払ってる)

ムーア「あんだこにょ!こっちだってリスクを承知でこの「運搬クエスト」を達成してやったんだぞ!」ブブ~~アセアセ(必殺ツバ吐き、霧吹きバージョンを浴びせるも、キンババはこなれた様子で冷静に右手で写本を胸に抱き寄せながら左手で霧を払っている)

キンババ「はいはい。リワードだろ?はい」たん(テーブルに一枚の硬化を置く)

ムーア「5Zか・・あれだけ危険を冒したのに・・」しょんげり(しながらもちゃっかり懐に硬化を入れる)

キンババ「それともまた、うちのお父さんが拾ってきた双眼鏡が良かったかい?」ふきふき(袖でテーブルを拭いている)

ムーア「ぼういらない。ぜんぜん曇って見えないし、売ろうとしても買い手が見つからないし。あんたんちのガラクタ置き場にそっと返しておいたわ・・・って、ことはまたその報酬が来るかもしれないのか!?」ガガーーンハッ

キンババ「はははは。さて、こっちのお宝の山にはどんな財宝が詰まっているのかなぁ~♪」そぉ~(キレイにしたテーブルの上に写本を慎重に置く)

ムーア「知識という名の?イラストはどれも素晴らしいけど、文体が嫌いなのよねぇ。上から目線っていうか、読んでて腹が立つことが多い」おまたせいたしましたニャ!(元気よく頭に乗せたお盆から両猫手で上手に「おぶどうのジュース」を取り、こちら側のテーブルに置いてくれる)

キンババ「確かにギュスターヴ・ロンの情報編纂能力は優れているけど、君の言うように高圧的な表現が多いかもね・・・ま、彼はもともと前任者の書記官だったからね。現場主義の人間からすれば、机上で事務的な仕事ばかりしている彼の言葉には説得力が感じられないのかも」ふむ・・(念願の一ページ目を慎重にめくり、その内容に集中する)

ムーア「あたちも早く「現場」に出てみたいし」ゴッゴッゴッ・・(おぶどうのジュースを一気飲み)

キンババ「そしたら僕が君を調査員として雇ってあげるよ。食物連鎖に欠かせない大切なモンスターを君の乱獲から守る意味でもね」ふむ・・・

ムーア「終末はあたちの手によって齎される・・・フフフ。って、あんたは何をするのさ?机に向かっているだけじゃ、あの神経質なおっさんと同じじゃんかよ」ゴリッゴリッ(氷を噛んでるようだ)

キンババ「僕の目指すところは、彼らの歴史的偉業を更に追求することさ。僕ならもっと 論理的、客観的に実証できる」ふむふむ・・

ムーア「大した自信ね。その野望を聞かせてちょうだいな」ゴリッゴリッ

キンババ「現在、大陸社会に帰着している伝統的な形而上学や理想的な観念論(イデアリズム)に、書士隊が集めてきた情報やイラストを元に階層構造を見つけ出して、細かく分析、妥協のない編纂を繰り返して、より緻密な情報、知識として未来永劫、受け継いでいくことが大陸への感謝であって、真の還元だと僕は思うんだ。やがてその努力がパラダイムシフトへと繋がり、次世代への基盤となる新しい理論や法則を生み出すってわけ。学園を卒業するまでにそれらの論文を仕上げるつもりさ。アカデミーが駄目ならアルコリス・ワイバーンカレッジ。王都のロイヤルスクールには負けてられないからね」ふむふむ・・

ムーア「ほとんど何を言ってるか今のあたちレベルじゃ理解できないけど、あんたの理想が今の書士隊がやっていることよりも誠実だってことはなんとなく分かった。応援する」(こちらを見て微笑むキンババ少年)

キンババ「僕らが生まれるよりもずっと前から生きているモンスターの生態を知ることは、世界のあらゆるシステムの起源を知ることでもあるんだ。見てご覧よ!この精妙かつ知的なデザインを!!」(前回ムーアが見ていたリオレウスのページを指しながら大興奮)

ムーア「男の子って単純でいいわね・・・」はふぅ~~

キンババ「あれ・・おかしいな。この火竜の顔、なんだか汁が溢れたみたいにゲバゲバしているなぁ・・」

ムーア「そうそうアセアセレウスっていえばさ・・」


??「よぉ!待たせたな!!」(どぎつい聞き覚えのある「やや成長した」いじめっ子ボイスが)


ちら・・(視点の主が振り返ると...)



バルボーーーーーーン!!
(遅れて現れたティーンエイジャーなヴィルヘルムの詳細を以下に記す。頭には狐のような生物の剥製的なフォックスハット(目つきが悪怖い)を被り、180cmほどまで伸びた背丈の色白横幅太レスラー体型なボディの上にはハイドアーマー的な軽鎧(両肩には毛皮ボッサボッサなパットを、そのすぐ下、上腕部と両腕にはそれぞれ無骨な革製小手(目つきの悪いデフォルメドクロマークが薄っすらプリント)を装着、ボディの革製軽鎧の上には左肩から黒ベースなタータンチェック(ライン部は白)のサッシュを下げ、その上から無意味にイカつい鎖状のクロスベルトによってふっとっちょボディを引き締め(背中にはこれまた無意味なシンプル・ボーンハンマーを装着)、腰には極太な革ベルトにバックルは当然のシルバースカルをかまし、パンツはこれまた黒ベースなタータンチェック(ライン部は白)のキルトスカート(下地部には目つきの悪いデフォルメドクロマークが薄っすらプリント)を「きっちり」穿きこなし、そして極めつけの右手にはこれまた無意味な「ヘッジスの水晶髑髏的な」クリスタルドクロを「常に」持っている)


ヴィルヘルム「フフ・・・」すりすりドクロ(ドクロをそうしながら英雄のような佇まいと熱い眼差しでこちらのリアクションを窺っていることから、どうやらそのドクロが「本日の目玉」なのだろう)

ムーア「でさ・・」お~~~~い!!(とヴィルヘルム)






Recollection No.5_61






キンババ「レウスっていえば、なに?」お~~い!!こっち見ろ!!

ムーア「探索。してみない?(対し、キョトンとした反応をみせるキンババ)」俺を見ろ~~!!(そしてヴィルヘルムの悲しい怒号が店内に....)

To Be Continued







★次回ストーリーモードは5/7(木)0時更新予定です★