ムーア「へぇ~~~~~~ッブ!!」ブブーーーアセアセ(つばのジェット噴射を目の前のロージーに向かって噴射する)

ロージー「うひいいいいいいハッちょっと!!これ以上濡らちゃないで!!」むぎぃ~~~ムカムカ(と怒っている彼女の全身はびちょびちょに濡れている。また背景から察するに、現在いる場所が病院の個室であることが窺える)

キンババ「水風船の中にクーラードリンクを入れ過ぎたみたいだねタラーすごく体が冷えてきた・・ガーン」ガクガクガクガク(同じくびしょ濡れになった彼が病室のベッドに腰を下ろしながら自分を抱きしめて高速ガクガクしている。その隣では顔を真紫に染めたヴィルヘルムが両鼻を垂らしながら同じく高速ガクガクしている)

ヴィルヘルム「誰だ・・川の向こう岸から手を振っている見知らぬ婆さんが見える・・」ガクガクガクガク

キンババ「ちょっと!それって君のおばあさんだよ!誰か、早く彼にホットドリンクを飲ませてあげてぇ~!!」俺がいる岸にカロンと名乗る男が渡し船でやってきた・・

ムーア「確かにまずいね。こんなところで風邪をひいて帰ったら、ポレット先生に怒られるに決まって・・・へぇ~~~~~~ッブ!!」ブブーーーアセアセ(再びロージーに向かって噴射。ぎゃあと悲鳴のロージー)


ふぁさっ(背後より「ふわふわタオル」が頭に被せられ、視界が真っ白に染まる)


ムーア「ほえ?」くるり

エスター「相変わらずね、ムーアちゃん」にこっ(腰を下ろし、以前と同じく目線をこちらに合わせながら微笑む、褐色肌が美しい黒髪の彼女(額にはなんだかありがたみを感じる仏様の白毫のようなホクロが)の笑顔)

ムーア「エスター!!」


ガバッ、ボヨンDASH!(とハグを交わすと直様、エスターの「膨らんだお腹」のあたたかみのある弾力に気づく)


ムーア「ほえ・・」

エスター「フフ。もうすぐ生まれるのよ」(と微笑む彼女は「フルフルナース」な格好をしていることにも改めて気づく)

ロージー「エシュターがムーアちゃん達のことをおちえてくれたのよ♪」ウフフ(とエスターに寄り添う。そっと彼女の頭にもタオルを乗せてあげるエスター)

キンババ「だから僕たちが今日来るって知っていて・・・ハァ~~ックション!!」(隣ではそのくしゃみに反応したヴィルヘルムがハッと目を覚ます)

ヴィルヘルム「呼んでる・・グランマが・・・」ぽわぁ~~~んおばけくん(開けた口から目つきの悪いエクトプラズムが浮かんでいこうとしている)

キンババ「だめ!!」ガゴンハッ(彼の頭を右手でおさえ、左手で顎を押し上げることで強引に口を閉じさせる)

エスター「あらあら。今すぐホットドリンクを持ってくるわね」(急いで部屋を出ようとする)

ムーア「エスター!」

エスター「??」(振り返ってこちらを見る)

ムーア「夢が叶ったね」

エスター「・・・フフ・・。まだまだ見習いだけど・・・ありがとう、ムーアちゃん」にこっ






Recollection No.5_40






パチパチパチパチ・・炎(見るからに値打ちが高そうな陶器の丸火鉢に両手をかざして暖を取っている視点の主、同じく火鉢を囲うロージーとキンババ)

キンババ「良かった。これで服も乾くね」モシャモシャ(っとくせっ毛モコモコパーマをかきあげながら熱で髪の毛を乾かしている)

ロージー「あのおにいちゃんは平気かな?」ちら


ぐがぁ~~~ずごごごごご・・・ぐがぁ~~~
(病室のベッドで豪快に寝ているヴィルヘルムをあたたかい目で見下ろしながら介護しているエスターの姿も見える)


ムーア「どう?エスター」

エスター「栄養剤を混ぜたホットドリンクを飲ませたからもう大丈夫よ」(ヴィルヘルムの髪を優しく撫でながら答える)

ヴィルヘルム「空飛ぶ・・未確認フライング・ワイバーン・・UFW・・」むにゃむにゃ

ムーア「へんてこな夢見てる。うなされてるのかな」

キンババ「どうせ来るときに遭遇した飛竜を思い出しているのさ」モシャモシャ

エスター「まぁ・・・飛竜に襲われたの?」

ムーア「だいじょぶ、だいじょぶ。ヒンメルンでよく見る子だったから。きっとあたちが飛行船でシュレイドを出ていっちゃうんじゃないかと思って、心配して見に来てくれたんだと思う」パチパチパチパチ・・

エスター「・・・・相変わらず優しいのね、ムーアちゃんは」にこっ

ヴィルヘルム「よせ・・ムーア・・・それ以上引っ張ったら・・歯が抜ける・・」

エスター「・・・・・フフフフ。本当に変わっていないみたいね。神殿のみんなは元気?」

ムーア「元気元気♪この前も腕相撲大会の決勝でルチアがシセを負かして優勝した」

エスター「そう・・・。まだこっちへ来て間もないけど、板長やおトキさんのお料理が懐かしく感じるわ・・」

ムーア「いろいろあった?」

エスター「え・・・・・・。そうね・・・・」(と、その視線はロージーを見ているようだ)

ちら(ロージーを見ると火鉢にあたる「フリ」をしながら、なんだか思いつめた表情で俯いている)

ムーア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

エスター「そうだ。モンスターハンターとは、もう話をしてみた?」

ムーア「ぜんぜん。そうしようと思うたびにトラブルに巻き込まれる」キッ(とロージーを睨みつけるも、すぐさま目を逸らされる)

エスター「滞在期間はまだたくさん残っているわ。そうそう。この病院にもロックラックいちと言われる狩人がよく・・・」

医者「おお、ベッカー君。ここにいたのか。急患なんだが、人手が足りなくてね・・頼めるかな?」(半開きにされた引き戸の向こう側から白衣の男性が声を掛けてくる)

ちら・・(一瞬こちらの様子を窺うエスター)

ムーア「だいじょぶ、だいじょぶ。あたちったら。また明日も遊びに来るよ」

ロージー「本当!?」(とエスターが返答する前に彼女が反応を示す)

エスター「フフフフ。楽しみに待っているわ。ロックラックで素敵な思い出をたくさん作って帰ってね。・・って、もう今日みたいな遊びはしちゃ・・・・」(言いかけた途端、ロージーの顔を窺っているようだ)


ちら・・(ロージーを顧みると不安そうな顔でエスターのことをじっと見上げている)


エスター「患者さんや働いているお医者さんに迷惑をかけないこと。約束。できるわよね?ロージー」にこっ

ロージー「うん!!」

キンババ「でも明日も自由時間がないかも・・・」むぐっ(咄嗟に彼の口を手のひらで覆う)

ムーア「明日も一緒に遊ぼうね、ロージー」

ロージー「ほんと!?」

ヴィルヘルム「明日は逆にホットドリンクを入れてみようぜ」むくっ(突然起き上がりながら意識はっきりと喋ってくる)

ムーア「だって。こっちも約束」スッ(指切りの小指をたてた右手を差し出す)

ロージー「わぁ~~~い♪」げんまん♪(と指切りを交わす背後では、笑顔で小さくこちらに向かって手を振りながら退出していくエスターの優しい笑顔が)





とぼとぼとぼ・・(夕暮れ時な砂漠の空を見上げながら歩いている)


キンババ「遠い砂漠の都でも空の変化とその色は同じだね」

ムーア「そうだね。人も同じ・・・・現在(いま)のエスターを見たら、なんだか安心した」

ヴィルヘルム「ロージーも待ってるしな。明日はどうやって抜け出すか」


う~~ん・・(と三人腕を組みながら夕暮れ時の商店街通りを並んで歩く)


??「いたいた!!」


ガヤガヤガヤガヤ・・・(人混みの向こう側からクロイの肩を抱いたパクがこちらに向かって手を振っている)


ヴィルヘルム「向こうも一安心みたいだぜ」

キンババ「初日から盛りだくさんだったね」

ムーア「なに言ってるのさ。まだまだこれからだよ。まず窓際のベッドの争奪戦でしょ?それからロックラックの珍味を堪能したり、お風呂がどんなのか楽しみだし、パジャマパーティーだってしなきゃ♪」

ヴィルヘルム「要するにやることだらけってことだ」ガバッDASH!(キンババの首根っこを押さえつけるように肩を組む)

ムーア「よし!そしたら競争だ!!」


タッタッタッタッタッ・・・(オレンジ色に包まれる商店街通りの向こう側から、笑顔でこちらを出迎えてくれているパクとクロイのもとに一目散に駆けていくヴィルヘルムとキンババ。そんな息を切らせる二人に向かって「何をしてたんだ?」のようなジェスチャーで話しかけているパクに、優しく微笑むクロイの姿が記憶と共にゆっくりとブラックアウトしていく...)


To Be Continued







★次回ストーリーモードは2/17(月)0時更新予定です★