ナァ~ハッハッハッハッハッ♪
(神殿内の食堂。豪華なクリスマス的ご馳走を前にご満悦なヴィルヘルム(どこかのタイミングで衣装チェンジしたのだろう、ガウシカのきぐるみ衣装をすっぽりと身に纏っている)が「偶蹄目な右手」に「持つタイプのお肉」を、「左手の蹄」にはホカホカのあんまんを「握った」まま馬鹿笑いしている様を見つめている視点の主)

ヴィルヘルム「四歳のときに味わったクリスマスが人生最高だと思っていたが、なかなかどうして、お前んちのパーティーもいい感じだぜ♪」むぎゅ~(感極まりあんまんを握りつぶすと中からマグマのように煮えたぎったこし餡がこぼれ落ちてくる)

ムーア「あ~~んアセアセそんな風にしたら、せっかくの「あんまんの風味」が逃げていっちゃうよムカムカ

ヴィルヘルム「へへへへ。わりぃわりぃ。でもこれはこれで、なかなかどうして、うまいもんだぜ」じゅるるるるる(あんまんのこし餡をまるでスープのようにすすっている)

ムーア「もぉ・・・キンババはどう?」ちら(ヴィルヘルムの隣を見ると、キンババ(こちらも「ツリー型のコスプレ衣装」にチェンジ)が慎ましくフォーク&ナイフでぽっこりローストチキンを「かちゃりこちょり」と捌いては小皿に取り分けている)

キンババ「とっても美味しいよ♪こんなご馳走、生まれて初めて。もちろん、君が作ってくれたあんまんもね」はむっ(とウィンクかましながらそれをかじってみせる)

ヴィルヘルム「だったら毎晩俺んちに来いよ。骨付き肉だったら嫌っていうほど喰わせてやるよ。さすがにこの「グレートなあんまん」はねぇけどな」はむっ(と同じくこちらに向かってウィンクかましながらそれをかじってみせる)

ムーア「ありがとう。あたちも二人が来てくれて嬉しいよ」あちちち(と自分で作ったあんまんを手に持つ)

エスター「楽しんでる?」ガヤガヤガヤ(白装束の彼女が両手のひらの上に乗せたキラビートルの昆虫標本を強調しながら近くに歩いてくる)

キンババ「僕のプレゼントだ♪気に入ってくれた?」

エスター「ええ。とっても保存状態がしっかりしているわ。アカデミーに飾ってあってもおかしくないくらい」

キンババ「そんな・・」えへへへへ(ツリーな頭をポリポリかきながら照れ笑いしている)

ムーア「エスターが言うんだから間違いないよ。キンババはね、将来、学者さんになるのが夢なんだよ」

エスター「有望な王立古生物書士隊ってわけね。とても頼りになるわ」にこっ

ムーア「おうりつ・・」はて

ヴィルヘルム「書士隊ってなんだっけ?」

キンババ「もぉ~君たちはいつも授業を聞いていないからタラー王都の中にあるロイヤルアカデミーに所属している研究員のことだよ。モンスターの生態を観察したり、研究している公的組織が王立古生物書士隊で「王国の頭脳」と呼ばれているんだ」はむっ(うんちく自慢気にあんまんを頬張る)

ムーア「ほえ・・ロイヤルアカデミーとな・・」

ヴィルヘルム「貴族連中や一流ハンターしか出入りすることが許されないクソ図書館さ。高慢ちきな連中はスラムの住民のことを「字も読めない粗暴な生き物」だって見下してやがる。要するに俺たちじゃ、学術院にある書物を理解することもできねえし、役立てることもできねえって決めつけてやがるのさ」ぶちっDASH!(肉を食いちぎる)

エスター「確かに彼らから感じる選民思想は頂けないわね。そんな高圧的な姿勢では大陸全土に彼らが持っている有能な知識を広めることは難しいわ。ましてや種族を超えた価値観の共有なんて、まだまだ遠い夢の話よね」はぁ~~(と独り言のようにぼやきながら席を離れていく)

ムーア「種族を超えた・・・・」

ヴィルヘルム「あ、俺のプレゼントは?」

ちょんちょん(エスターが指差す先、仲間やボゲラスと一緒にご馳走を楽しむシセが「棒状の骨」を肩たたき棒として使っているのが見える)

ヴィルヘルム「ま・・いっか」がじっ

ルチア「クソちびギャング共!!盛り上がってっか!?」ガッシャッシャッDASH!(とパーティーハットを被り、両手にワイングラスを持った白装束姿の彼女が「ガサツに」ヴィルヘルムとキンババの肩を抱き寄せながら席の間に割って入ってくる)

キンババ「んもぉ~アセアセお酒くさいよムカムカ」そうか?ぷはぁ~~DASH!(とアルコールくさくさブレスをキンババに浴びせている)

ヴィルヘルム「あとでバックギャモンの続きをしようぜ。さっきは完敗だったけど、今度は勝ってみせるからな」ああ?何度やっても同じだろうが。ぷはぁ~~DASH!(とアルコールくさくさブレスをヴィルヘルムに浴びせる。「しみるように」両目を閉じるヴィルヘルム)

ムーア「大成功だよ、今年のクリスマスも」

ルチア「だな。料理も仲間も、ゲストも最高だ♪」はむっ(とテーブル上のあんまんを鷲掴みしてかじる)

ヴィルヘルム「ここだけの話、パパも来たいってうるさかったんだ。あんたやムーアのことを気に入ってるからな」んふふふ(それを聞いて上機嫌な視点の主)

ルチア「ああ。昨日の敵は今日の友ってな。バールボーン家とは良い関係を築けると思ってる。ビジネスの幅も広がるしな」ぷはぁ~~~~DASH!(とバールボーン家のご子息に再びくさくさブレスを浴びせる。するとヴィルヘルムの頭上から「毒状態」を表す紫色のエフェクトがブクブクと...)

キンババ「ビジネスって?」

ルチア「ん~~~~・・あれだよ、あれ。あたしらが採取してきたヒンメルンの資源を外街で売ったりな。それをこいつら(ヴィルヘルムの頭を鷲掴みに強調しながら)が、手伝ってくれりゃ、もっと稼げるだろ?キャッスルにもたくさん商品を置いて貰えるしな♪」ぷはぁ~~~~DASH!(とキンババに浴びせると、彼もまた毒状態になる)

ムーア「うちにはたくさん家族がいるからね。だからたくさんお金が必要なの」ふふふふ

ルチア「そういうこと。分かったら、そろそろ寝ろ」ザッ(と席を立ち上がる)

キンババ「え~~~。もっとここにいたいよ~アセアセ

ルチア「知らねぇのか?ヒンメルンにはとんでもなく恐ろしいサンドマンがいるんだぜ?夜ふかししている悪ガキを見つけると、無理やり睡眠ブレスで眠らせて、二度と出てこれない悪夢の中に閉じ込めちまうんだ・・・」ぷはぁ~~~~DASH!(ひええええええアセアセとキンババ)

ヴィルヘルム「ふん。馬鹿らしい。そんなもん出てきたら俺がぶっ飛ばしてやるよ」

ルチア「いいから、はよ寝ろ。それとも昏睡袋嗅がせてやろうか?」いやぁ~~~アセアセ(とキンババ)

ムーア「しゃあない。そしたら次はパジャマパーティーといきましょう♪」やった~♪(とキンババ)それ女子がやるやつだろ?男らしい俺は勘弁だぜ(と言いながらも率先して席を立つヴィルヘルム)






Recollection No.5_29

~神殿のクリスマス~






(開き窓からヒンメルンの夜空を見上げている)


キンババ「さすがヒンメルンだね・・星が近くに見えるや・・」そっ(と視点の主が座っているベッドに乗っかり、隣から同じ夜空を見上げる)

ムーア「いつも寝る前にお星様を見るの」

キンババ「そうなんだ。でも今日は月が見えないね」

ムーア「あたち、あんまりお月さま好きじゃない」

キンババ「珍しいね。どうしてだい?」

ムーア「う~~~ん・・・なんかこわいっていうか・・・うまく言えないけど・・・なんか苦手」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(二人が見上げる夜空に流れ星が煌めく)


ヴィルヘルム「願い事しろ~!!」バッDASH!(すっかり女子的な「フリル」が装飾されたピンクパジャマを装着した彼がベッドに飛び乗ってくる。また彼らがいる子供部屋には見るからに暖かそうな暖炉がたかれているのも見える)

ムーア「え~~と・・ぼっとあんまんが世界に広まりますように・・」

ヴィルヘルム「金!権力!名誉!地位!女!ご馳走!金のバックギャモン!それからぁ・・」

キンババ「はぁ~~っくしょい!!」ブブ~~アセアセ

ムーア「あ、ごめんごめんタラー寒いよね」バカンハッ(と窓の蓋を閉める)

ヴィルヘルム「なんだよ。弱っちぃな。願い事が半分しか叶わねぇだろうが」ずずずタラー(言いながら鼻汁をすすっているし、顔色もなんだか紫色になっている)

ムーア「キンババの夢は決まっているもんね♪」よっ(とベッドの縁に腰を下ろすと、視点の主を真ん中に左にヴィルヘルム、右にキンババも足をぶらりとリラックススタイルに)

キンババ「そんな大それたものじゃないけど・・なれるよう努力するよ」へへへ・・

ヴィルヘルム「アカデミーに革命を!!ってな」ワッハッハッハッハッ

ムーア「ヴィルヘルムは将来何になるの?」

ヴィルヘルム「決まってんだろう?パパの跡を継いで、立派な当主になってやるぜ」むん

キンババ「ムーアは・・」

ムーア「あたちは断然モンスターハンター!!」

ヴィルヘルム「野蛮なお前にピッタリだな」でしょ?(と自慢げな視点の主)

キンババ「この聖堂にいるみんなも修行中なんだってルチアさんが言ってた。君も何かしているのかい?」

ムーア「最近ね、あたちのお父さんが残してくれた武芸書を読んでるの♪雪崩の時にお父さんが使っていた書斎が雪まみれになっちゃったんだけど、その武芸書だけは、かろうじて少しだけ読むことができるの♪」

キンババ「そっか・・・その雪崩の時に君のお父さんとお母さんは・・」

ヴィルヘルム「俺のママも俺が小さい頃に病気で死んじまった。記憶がある分・・思い出すと辛くなる」

キンババ「僕もそうだよ。僕のお母さんは家を出ていっちゃったからね。やっぱり思い出すと・・・寂しいよね・・・」

ムーア「顔を思い出せるだけでもいいと思うよ。あたちはお父さんとお母さんの顔すら知らないもの・・」


ぎゅっ・・(右からキンババの優しい手が、左からヴィルヘルムのごつい手がそっと視点の主の両手をそっと握りしめてくる)


ヴィルヘルム「パパが言ってたぜ。生死を共にする仲に嘘と秘密はいらないってな。俺たちも同じだ。家族同然のな」にっ

ムーア「家族・・・・」

キンババ「そうだよ。君には神殿の素敵な家族もたくさんし、僕らもいるんだ。羨ましい限りだと思うけど?」

ムーア「・・・プッ・・・。今はあんまり自慢できないかも」なぁ~もぉ~~(と言いながらも嬉しそうな男子二人)


コソコソコソコソ・・・(ドアの向こう側から何やら声が聞こえてくる)


しっ・・(と二人に静かにするよう命じる視点の主)


なんだよ・・まだ起きてやがるみたいだぞ・・どうすんだよ?
(と、ルチアの声が)

仕方ない。あまりこの手段は使いたくなかったが・・
(と、シセの声が)

人体に影響が出たらどうするつもり?
(と、エスター)

平気だ。少しだけだ。
(と、シセ)


ムーア「????」(と顔を交互に左右の男子と見合わせる視点の主)


チャッ・・(部屋のドアがそっと外側より少しだけ開かれる)


ムーア「????」


コロコロコロコロ・・(その隙間からカラの実が転がってくる)


ムーア「・・・・・・・・・・・・・」コロコロコロ・・(と部屋の中央に転がってきたそれを不思議そうに見下ろしている)


・・・・・・・・・・・パカッ
(カラの実がそっと真っ二つに割れると、中にネムリ草が「しこたま」詰まっているのが見て分かる)


ムーア「いっアセアセ


モワモワモワモワモワ・・
(みるみるうちに部屋の中が「薄青い煙」に覆われていく)


ヴィルヘルム「睡魔の正体って・・・これだったのか・・・・」パタン

キンババ「前言撤回・・・君の家族って・・やっぱり・・どうかしてる・・・・」パタン

ムーア「あたちも・・・そう・・・思う・・・・・」パタン


モワモワモワモワモワ・・
(薄れゆく意識の中、ベッドの上で同級生の男子二人と重なり合いながら横たわり、半目で部屋の中を確認すると、サンタの衣装をしたルチア、シセ、エスターが工作員ばりに侵入してきては、枕元に「三人分」のプレゼントをそれぞれこっそりと置いて帰る)


ムーア「フフ・・・ほんと・・・最高の・・・クリスマス・・・・かも・・・・・・・・♪」(睡魔と共に視界もまた記憶と一緒にブラックアウトしていく中、部屋の外からは「大成功だぜ!朝になったら驚くぞ~!」などといった大人たちの声が)


To Be Continued






★次回ストーリーモードは年明けの予定になっております。また中継ぎ記事にて年始のブログ予定をお知らせ致します★