白雪神殿~応接間....

おトキ「どうぞ、おかけになってお待ち下さい」(応接間の雰囲気は以前と同じシックな様相を漂わせており、部屋の中央に配置されている皮張り(その柄からして「ランポスの~」だろうか)のソファも健在である)

ベックフォード「お二人が来られるのに座って出迎えるわけにはいきません。我々に構わずおトキさんも仕事に戻ってください」

おトキ「では暖炉に火をつけてから・・」

ノンノンノン(とスヘイラが「お構いなく」とジェスチャーをしてみせる)

おトキ「フフ。それではお言葉に甘えて。ルチア様もお着替え次第、こちらに来られるかと。どうぞごゆっくり」へこり


ガチャ・・ててて・・へこり・・カチャリ・・・・
(と丁寧に応接間を後にするおトキさん)


ベックフォード「みんな充実しているみたいですね」(彼とジーナ、そしてスヘイラの三人だけになった部屋の中を見回しながら呟く)

ひょっひょっ(とベックフォードに向かって猫指を指すスヘイラ)

ベックフォード「僕かい?そうだなぁ・・・ウー様がいなくて最初は不安だったけど、すぐに気づいたんだ。主の不在を同業者に知られないためには、屋敷内により徹底した規律と秘密主義を築き上げる必要がある・・・それには、僕が堂々としていないと駄目だってことにね」

ジーナ「・・・・・・・・・・・・・・・・」(なにか思い当たることがあるように左手を顎に添える仕草をしてみせる)


パンパンハッグッグッグッ(主の懸念を悟られまいとしたのか、激励するようにベックフォードの「裏腿」を叩き、サムズアップしてみせる)


ベックフォード「ハハハ。ありがとう」

てててて・・(暖炉に近寄るスヘイラ)

きょろきょろ・・・ササッ(あたりを探るように見回し、暖炉のそばに置いてあった火打石(鋼鉄片の火打金と尖った黒曜石)を発見し、それぞれ猫手に取る)

クンクン・・・(フリント(岩石)の匂いを嗅いでいる)

ひょっひょっDASH!(ベックフォードに向かって後ろに下がるよう命じるスヘイラ)

よっこいしょっと・・(石を両手に暖炉の前にしゃがみ込むスヘイラの猫背な後ろ姿)

スッ・・(石を握った猫手を暖炉の中に入れ込む)


カチンハッんボォ~~~んドンッ
(打ち合わせると同時に小さな爆発が起きる)


ベックフォード「なるほど・・石に火薬草を塗り潰してあるのか・・」メモメモ(忘れないうちに手記へと書き記している)

パチパチパチパチ・・炎(暖炉の中に散りばめられた小さな石炭が燃え上がり、瞬く間に薪に火が広がっていく)

ベックフォード「あれは・・燃石炭か。単体では火力が強すぎるから小さく削ぎ落として、火力を調整しているんだ・・・なるほど」メモメモ(してる向こう側ではスヘイラがまあるくなって暖炉の火にあたっている)


ガチャ・・(ドアが開かれる音が後方より聞こえる)


アーロン「やぁ、待たせてしまったね」(振り向くと白装束を纏った盟主の凛々しい姿が)

ベックフォード「これは盟主様。お邪魔しています」

ひょれっパー(アーロンの背後よりひょっこり腕が伸びてきて、こちらに向かって手を振っている)

ジーナ「??」


えっへん(とアーロンの背後より満を持して登場してきたのは、年季が入った白装束を身に纏ったジェイソンだったのだが、その風貌は以前にも増して伸び放題の無精髭&バサバサ無造作セミロングに仕上がっており、そのこ汚い前髪のカーテンから垣間見える健康的な日焼けした肌からは以前のような陰鬱さは感じられず、ところどころに見られる名誉の傷もまた、この男にどこかあたたかみのある無骨さと精悍さを与えているようにも見受けられ、腕を組んでいるその肉質もまたしっかりとした「細マッチョ」に鍛え上げられているようだ)


ジェイソン「フッフッフッフッフッ・・・・」(こちらを見て「してやったり」と、以前とは少し違う性質の傲慢さを強調している)

ベックフォード「ウー・・・様・・?」


かんらからから!!(と高笑いかましながらハンター社会ではおなじみの「フラダンス」を踊ってみせるジェイソン。隣のアーロンは満足そうな顔で頷きながらその光景を「あたたかい目」で見守っている)






Recollection No.1_52






ブワッハッハッハッハッハッ!!
(豪快談笑反響する応接間。視点の主の目の前、後ろ向きになったソファにはいつもどおりジェイソンが以前にも増してふんぞり返って座っており、彼を中心に左隣には木製ジョッキを掲げたルチアが、右隣にはかしこまりながら腰を下ろしているベックフォード、そして対面のソファにはアーロンとアースラが仲睦まじく座っている姿が見える。またソファテーブルにはあんまんやパイをはじめとしたごちそうが置かれており、各自のグラスにワインを注いでいるおトキさんの姿も。部屋の隅に見える暖炉の前では、「ブランケットにくるまれた」スヘイラらしき「モコっとした物体」が寝息をたてながら眠っている)


ルチア「したらさ、フランクの野郎にレウスが飛んでちまったから、援護に行くよりも粉塵バラ撒いたってわけ!案の定、レウスに蹴飛ばされたフランクは間一髪、「回復しながら」崖を落ちていったんだが、まぁ~~その姿が笑えたのなんのって、お前たちにも見せたかったぜ!」なぁ~~(と相変わらずジェイソンに絡み酒をしているご陽気な女狩人)

ジェイソン「仕方ないだろ。だいたい僕は「レウスなんてまだ早い」って散々忠告したはずだ。それを君らが面白がって無理やり火竜の巣に連れて行ったんじゃないか」ふん

ベックフォード「それでその火竜は仕留めたのですか?」

アーロン「その必要はないさ。別に神殿を襲ってくるわけでもないし、数も多くないからね。狩猟の稽古に付き合ってもらっているのさ」

アースラ「いわば先生みたいな存在なんですって。「カール」なんて名前までつけてるんですよ?」

ジェイソン「妻(雌火竜)はドリスだ」えっへん

ルチア「よせって言ったのによ、ドリスが産んだ「たまご」をフランクがどうしても見たいっていうから近くまで行って物珍しそうに見てたら、慌てて飛んできたドリスに火を吹かれて危うく死ぬところだったんだぜ?」それもいい思い出さ(とジェイソン)

ベックフォード「王都に住む人間にはまるで神話のエピソードばかりで驚かされます。そんな過酷な生活をウー様が送っているなんて・・・頭が下がる思いでいっぱいです」そうだろそうだろ!?うわははは(とジェイソン)

ぴくっハッ(その馬鹿笑いに反応するように動く、スヘイラらしき「モコっとした物体」)

ベックフォード「採掘も手伝っているとか?」

ジェイソン「まぁね。お前も男なら、一度は体験すべきだ。採掘には浪漫がある。猛るピッケルを振り下ろし、当たりを示すあの「コティン」と鳴った衝撃の感触たるや・・・ああ!掘りたい!!今すぐにでも!!」(中毒者みたいになってる)

ルチア「相当な変わり者だぜ。ハンターだってあんな退屈な作業嫌がる奴ばかりだってのによ」あむあむあむ(あんまんにかじりつく)

ジェイソン「自分の分を稼いでいるだけだ。君も早く自分の返済を終わらせたまえ」うるせぇ~!!(とジェイソンの口にあんまんを詰め込むルチア。「むぐぅ~」とジェイソン)

あはははははははは(応接間が談笑に包まれる)

ベックフォード「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」(微笑みながら「あんまんを口に詰め込まれている主」を感慨深げに見つめている)

ジェイソン「ああ、そうだ。ベックフォード。屋敷に外街の少女は訪ねてきたか?」

ぴくっハッ(聞く耳をたてるように反応する、スヘイラらしき「モコっとした物体」)

ベックフォード「・・・・・・少女・・・さて・・・・」(一瞬こちらの様子を窺うように返答する)

ジェイソン「そうか・・・・前にニャ・モンドで出逢った女の子なのだが、王都に来たことがないというのでな・・・招待状を持たせたのだが、やはり来ていないか・・・・」

ルチア「なんだよ?そっちの趣味があるのか?」

ジェイソン「茶化すなよ。真面目な話なんだ。ベックフォード。ひとつ頼まれてほしいことがあるのだが」

ベックフォード「なんなりと」

ジェイソン「外街に住んでいる子供たちが教育できる施設を作って欲しいんだ」

アースラ「え・・・」

ベックフォード「外街に・・学園を・・?」

ジェイソン「そうだ。外街に教育を施し、子供たちが大人になった時、そこで得た教養や知識、技術を活かして王都で働けるようにしたい。お前も外街出身なら理解してくれよう」

アースラ「素敵!私も外街育ちだから、その気持ちはすごく分かります。外街の子供が王都で働けるようになったら、どんなに素晴らしいことか・・」

ベックフォード「・・・・・・・・・。確かに外街に教育施設を設置すれば、外街だけでなく王都全体の犯罪率は軽減し、王都の経済、人工もまた増えていくでしょう。しかし、維持するにはそれなりの費用が必要となります」

ジェイソン「講師を含めて出資者を募れ。今やウー家は医薬品となる薬用植物を取り扱っているんだ。医療団体に問い合わせて、フィランソロピー活動を重んじている組織や資産家をあたれ。必ず力になってくれるはずだ」

ベックフォード「しかしウー家が突然、そのような慈善活動を始めては、王都の市民にかえって疑念を抱かれるのでは?」

ジェイソン「だからこそ表立って活動を支援してくれる「ピュアな」協力者が必要なんだ。決してこのプロジェクトにウー家の名前は記帳するな。帳簿上は匿名の寄付金として工面しろ」

ベックフォード「そこまでしてやる価値がお有りだと・・?」

ジェイソン「あるな。ウー家は僕の代・・・いや、お前の代をもって変わればいい。この計画がそのきっかけとなれば・・・」

ベックフォード「では、あなたはもうウー家には・・・?」

ジェイソン「どっぷり浸かったよ。今はその毒抜きをこの神殿で・・・素晴らしい仲間の力と共に治療中なのさ」(その答えに対し、笑顔で頷いているアーロン、アースラ、ルチア)

ベックフォード「・・・・・分かりました。必ずや学園を外街に設立してみせます。この身にかけて・・誓いましょう」

ジェイソン「ああ、頼んだよ。ジェイソン・ウー」

ベックフォード「・・・・・・はい・・!」

ルチア「あのぉ・・・・激アツなところ、申し訳ねぇんだが・・?」

ジェイソン「なんだね?」

ルチア「前にアースラと話したことがあるんだが・・」ちら(アースラを一瞬顧みる)

アースラ「え・・・あ、あれはそうなったらいいなっていうだけで、そんなウー様に直接お願いするわけには・・」

ジェイソン「構わない。こういう機会だからこそ、聞く必要がある。そうだろ?バーニー」

アーロン「ああ。話してくれ、ルチア」

ルチア「うーん・・・いっそのこと、神殿内での結婚を許可したらどうだ?」

ジェイソン「ほぉ・・・・」

ルチア「そうすれば、この神殿にも優秀な子供たちが生まれると思うん・・だけど?」(子供が親におねだりするように上目遣いでジェイソンに提案する)

ジェイソン「規律に関しては盟主の責務だ。如何かね?」

アーロン「ああ・・・・俺としては構わないが・・・神殿のみんながより過ごしやすい環境になるなら・・・・しかし、ウー家にしてみれば、あまり神殿内が躍動的になられても困るのでは?」

ジェイソン「返答を。ジェイソン・ウー」

ベックフォード「え・・・・そのぉ・・・ウー家と致しましては、神殿内での婚姻により、未来の労働力となる子供が増え、ここから送られてくる天然資源の利益がより大きくなるのならば、何も問題はありません。すべては・・統率者が強いる規律次第かと・・・それと可能であるのならば、採取による資源調達だけでなく、狩猟による希少なモンスター資源も入手できればと・・・」(おそるおそるアーロンを見上げながら意見を述べてる)

アーロン「それじゃあ是非そうさせてもらおう」グッ(顔が真っ赤になっているアースラの肩を抱き寄せながら返答する)

ジェイソン「交渉成立だ!おトキさん!!みんなにブレスワインを!!祝福の門出を祝って乾杯しよう!!」

おトキ「どうぞ!」(すでに空気を読んでいたのだろう。コルクが抜かれたキンキンに冷えたワインボトルを掲げている。それを嗅ぎつけたスヘイラもまたブランケットを腰に巻きながら、ちゃっかりと空のワイングラスを掲げながらおトキさんの横に並んでいる)

ルチア「うっしゃ!今宵は飲み明かそうぜ!!」トクトクトクトク(実に素早く全員分のグラスにワインを「高速注ぎ」していくおトキさんの有能っぷり)


かんぱぁ~~~~~~い♪
チィ~~~~~~~~~ん
乙女のトキメキ

(視点の主もまたワイングラスを掲げる向こう側では、ルチアに肩を抱かれたジェイソンも満面の笑みを浮かべながら乾杯に酔いしれている)


To Be Continued






★次回ストーリーモードは8/5(月)0時更新予定です★