~王都の「外街」、キングスラムウォール第四地区....

ザッザッザッザッザッザッザッ・・・
(寂れたバラックが過度に密集したスラムエリアの荒んだ大地を見下ろしながら歩いていく一人称視点)


ザッザッザッザッザッザッザッ・・・
(首を傾けると荒廃した仮設住宅の「ぽっかり空いた」入り口奥の暗がりから、上半身裸の浅黒い筋肉質の男が狩猟用のスピアを片手に立てながら、こちらを警戒している意図があることを悟らせるように威嚇の眼を投げかけている)


ザッザッザッザッザッザッザッ・・・
(視点の主はそのスラム特有の縄張り意識を容認しながら、事を起こす気はないと言わんばかりに静かに歩いていく)


ひょれっ・・肉球 茶トラ(前方に見える木造バラック中から、頭にターバンを巻いた「茶トラ系猫型獣人」が顔を出し、こちらに向かって愛らしい丸っこいお手で「こっちニャ、こっちニャ」的な感じで手招きしている)


ザッザッザッザッザッザッザッ・・・
(視点の主がそのバラックの前に到達すると、商人猫は蝋燭台を片手に背を向けながらへこへこと薄暗い母屋の中に入っていく。視点の主もまたそれに促されるように続いていく)


商人猫「ドアを締めますニャ」とすん・・(空虚な部屋の中央に敷かれたムートン系ラグの上に蝋燭台を置くと急いで入り口に駆け寄っていく)


ギィ~~~~~~・・バタンハッ(重厚な木ドアを力いっぱい引いて締める商人猫)


商人猫「ご安心を。それなりの防音処理はしておりますニャ」


・・・・・・・・・・・・・・・・
(蝋燭の灯りに照らされた小さな室内は、四方の木壁に吸音材代わりとしての毛皮(ファンゴやケルビ、そしてガウシカなど)がびっちり張られているのが目につく)


商人猫「少々息苦しいかもしれませんが、これはこれで冬は暖かいですニャ♪ささ、「きたニャい」ところですが、どうぞジーナ様も」へぇ~こらよっとはぁ(にっこりしながらラグの上に腰を下ろす)

ジーナ「商談には最適かと」スッ・・(正座をするように身を屈める目前では商人猫があぐらをかきながらニコニコしてこちらを眺めている)

商人猫「あ。何か飲まれますかニャ?ポポミルクでしたら、すぐにご用意できますが・・何分、突然のご来訪でしたので何もご用意できず・・」え~と・・(とあたりを見回している)

ジーナ「お気遣いなく。これをまた中(王都)に届けて欲しいのです」スッ・・(懐から封筒を差し出す)

商人猫「例の如く、差出人は・・・」(封筒を手に取り、キラリと光る大きな瞳で夜目を利かせながらそれをまじまじと見つめる)

ジーナ「ジェイミー・ブラント。今ではネゴシエーターを一任されているようです」

商人猫「ほほぉ・・かつての狂王が、純真なイデオロギーを掲げる狩人集団の中に紛れ、何を企んでいるのやら・・」むぅ~~(手紙を明かりにあて、透かして中を見ようと試みる)

ジーナ「封筒の取扱いには気をつけてください」

商人猫「あニャ・・そういうことでしたかニャタラー毎度のことながら、よほど見られては困る内容なのでしょうニャ」べっちょり・・(封筒の開封口からネッチョリはみ出た接着液に愛らしい肉球がひっついてしまっている)

ジーナ「バーニー・ブラントは私を信頼しています。お父上もまた、我が息子を信頼している証拠でしょう」

商人猫「山賊時代からのお付き合いでしたニャ。アーロン・ロザリーとは・・」

ジーナ「ロザリー家の名前はここ(シュレイド)では禁句です」(声を潜めて忠告する。それを肯定するように深く頷く商人猫のまんまる顔)

商人猫「では確かにお届け致しましょうニャ」スッ・・(封筒をターバンの中にしまう)

ジーナ「受取人の背景は掴めましたか?」

商人猫「はいニャ。ジェイソン・ウー。父方の祖先は東方からの移民で、元は商人の家系ですニャ。ウー家はその商才で得た財源をもとに高利貸し付けによって巨富を築いてきた一族ですニャ。もちろん、顧客にはスラムの住民もたくさん含まれているですニャ。渡された手紙は毎回、「徴収」をしにくる使用人に渡していますニャ。一応、この巨大スラムで商売をやらせてもらっている分、顔も効きますので、その使用人からウー家の情報を買いましたニャ」

ジーナ「ヴェルドを代表する信用供与を行う王都のシャドーバンクになぜ・・・」(自問自答するように呟く)

商人猫「デーモ・・もといジェイミー・ブラントが所属する狩猟団体の資金調達が目的ではないでしょうかニャ?」

ジーナ「表面上は・・・ウー家の顧客にも関係がありそうです。王都以外でジェイソン・ウーと関わりがある組織はありますか?」

商人猫「それニャら、ハンターズギルドですニャ。ミナガルデをはじめとしたギルドの直轄地にもウー家の資産は出回っていますニャ」

ジーナ「・・・・・・・・・・・・・」(聞き取れないくらいの声で「ハンターズギルド」と呟く)

商人猫「どこも資金不足は否めニャいですニャ。かつての狂王も今ではしがない狩猟団体の会計係に落ち着いたとみるのが妥当ですニャ」

ジーナ「ですがジェイミー・ブラントは山賊時代の仲間を王都の衛兵に売り、彼らが所持する財宝を持ち逃げし、何処かに隠したといいます。おそらくジェイミーが仲間の拠点をリークした相手というのはジェイソン・ウーでしょう」

商人猫「しかし、どうやって通報を?」

ジーナ「ジェイミーは病気など患っていません。仲間と息子が襲撃などで留守の際、ここに来ているはずです。おそらくは盗んだ財宝と共に・・」

商人猫「・・・・・・・。もう一度、ウー家の使用人にあたってみますニャ。多少、資金を貢いでも?」

ジーナ「構いません。ですが、明日の夕刻までにお願いしたいのです」

商人猫「ええ、構いませんが。何か理由が?」

ジーナ「明日、私はブラント親子が身を置く狩猟団が行うという歌劇を見にヒンメルンに上がります。その招待客に王都の重鎮達も含まれいるのです」

商人猫「遊興を機に親睦を図るというのですニャ・・・。分かりましたニャ。この緊急クエスト、このアニャ・カーンがしかと承りましたぞニャ」とんドキッ(ふさふさな猫胸を叩いて豪語する)






Recollection No.1_08






~後日、王都南門....

ホッホッホッホッホッホッ楽しいですわいな
(などと如何にも「貴族っぽい少し甲高い声色」で哄笑かまし合いながら、立派な城壁に挟まれた南門の前でそれぞれの護衛兵らを侍らせている貴族の一行。もちろん全員が必要以上に豪奢な馬車の前に立って談笑かまし合っている)


ジーナ「・・・・・・・・・・・・」ホ~ホホ♪やはり移動には馬車が一番ですわいな。ホ~ホホホ♪なんでもアルコリスなどでは粗暴な小型モンスターに車を牽引させていると聞きましたが、やはり高貴な血統と忠誠心を持つ愛馬が一番ですな。ホ~ホホホホホ♪(と、金持ちあるあるをぶつけ合う貴族たちから少し離れた場所より彼らを見つめている)

ちら・・(それとなく城壁を囲う外街へ視線を飛ばす)

「失礼ですが、貴方も今宵の宴に招待を?」(横から「尊大傲慢甲高い声」が耳に入ってくる)

ちら・・(投げかけられた声の方に首を向けると、宮廷道化師みたいな「ぴっちり系奇抜衣装(被っているフードの両端には偶蹄目系の耳が垂れている)」を身に纏った「ひょろ長色白お貴族」が珍妙なポージングを取りながら立っている)

ジーナ「しがない行商人です。皆様方に比べればお恥ずかしい限りです」(慎ましく頭を下げる視界の向こう側では「ひょろ長色白お貴族」が嫌悪感しか抱かない、いやらっしい表情でこちらを見下げている)

ひょろ長色白お貴族「そうでしたか。道理で馬車をお持ちでないわけで。どうです?宜しかったら私の馬車に乗っていかれては?」(背後に見える「金ピカ豪壮全開馬車」の前では、この男の護衛兵と思われる豪胆そうなまんまる系太っちょ男と、髪の長い切れ長目イケメン風色男が軽く会釈している)

ジーナ「・・・・・・・・・・・・」(返答しようとしたその時であった!)


ちょっと待ったぁ~~~~!!!!


ドドドドドドドドドドド!!
(遠方より怒涛の如く爆走してくる四頭のファンゴに牽引された木造軽車両の上に颯爽と立ち、器用に四本の手綱をコントロールしながら現れたのは、白装束を身に纏ったアーロン青年であった!)


ひょろ長色白お貴族「ひえええええええアセアセモンスターーーーーー!!!!」ひょれれれ~~~~くるくる(と、自分の馬車の後ろに隠れてしまう。もちろん、他のお貴族たちも同様)

アーロン「お待たせ。ジーナさん」ブヒヒ~~~~ンDASH!(と息巻くファンゴ達に繋がれた手綱を引いている)

ジーナ「いいえ。素敵なお車ですね」ブッブッDASH!(と鼻息荒くジーナを見上げているファンゴ達)

アーロン「でしょ?神殿で飼っているファンゴ達なんだ。こっちから、イノ吉、イノ吾郎、イノ江さん、それにイノ子だ。みんな、ジーナさんにご挨拶しろ」ブッブッDASH!(と鼻息荒く挨拶かますファンゴの中で雌と思しきファンゴにはそれぞれ可愛らしいリボンがついている)

ジーナ「はじめまして」ブッブッDASH!(「こっちもな」的な穏やかな目でこちらを見上げているファンゴ達)

アーロン「乗っていくだろ?」

ジーナ「よろしくお願いします」

アーロン「・・・・・・・・・・・」ポッ


ひえええええええええええアセアセ
(それぞれの馬車の後ろからきれいに半分だけ顔を出してこちらを見ているお貴族たち。護衛たちはみんな失笑している)


アーロン「へん。情けない連中だ」

ジーナ「・・・・・・・・・・・」ちら・・(外街の方を気にかける)

アーロン「どうしたの?」

ジーナ「いえ・・・」

お貴族「そ、その物騒な生き物を早くどけてくれタラー

アーロン「ムッ・・ジーナさん、ちょっと待ってて」ずかずかずかDASH!(貴族達のもとに憤慨しながら歩いていく)


あのねぇ~彼らは俺らの仲間なの!!
そんなこと言ってるとおいてっちゃうぞ!!
(と、怯えるお貴族たちに説法かますアーロン。その鬼のような形相にお貴族達は「ひえええええ」とオーバーリアクションをとって更に怖じける)


ジーナ「・・・・・・・・・・・・・」ちら(その隙を見て今一度スラム街を見る)


ぴょーんぴょーんぴょーんぴょん
(外街の雑踏からターバンを巻いた「茶トラ系猫型獣人」が緊急を意味する四足走行をもって一目散に駆けてくる)


ジーナ「・・・・・・・・・・・」ふぅ・・

アニャ・カーン「お待たせ致しましたニャ~!!」にゃにゃ~~ん!!

ジーナ「ご苦労さまです」ハァ・・ハァ・・(息を切らせながら目の前に立つ商人猫に向かってアーロンの存在を目配せして知らせる)

アニャ・カーン「・・・・・・・。思った通りでしたニャ。数年前・・・ジェイミー・ブラントはウー家の使用人と接触し、王都内の屋敷に招かれたと・・・。そこでリークを受けたウー家が衛兵を飛ばしたのかと思いますニャ」こしょり・・

ジーナ「おそらくウー家とは国王時代から繋がりがあるのでしょう。そこで初めて自分が生きていることを信頼あるジェイソン・ウーに知らせたのだと思います。そして同時に財宝を隠した場所も知らせ、ウー家に質として預けたのでしょう。いずれ必要になる資金を確保する為に・・」

アニャ・カーン「奴らは一体何を企んでいるのでしょうか?」こしょり(遠目のアーロンに気を配りながら小声で問いかける)

ジーナ「その答えはおそらく・・・」ちら


ほら!噛まないだろ!?ブッブッ!!
(と今にも噛みつきそうなファンゴのリードを持って貴族たちをからかっているアーロン)


ジーナ「今宵、出されるでしょう」(夕暮れの向こう側に浮かぶ半月を見上げる)


To Be Continued





★次回ストーリーモードは2/4(月)0時更新予定です★