~ヒンメルン山中....

ザッザッザッザッザッザッ・・
(一人称視点。複雑な原生林エリアを迷うことなく淡々と歩んでいく)


ザッザッザッザッザッザッ・・
(木々の向こう側に白装束を纏った青年の姿が見えてくる)


ザッザッザッザッザッザッ・・
(歩み寄っていくこちらに向かって健気に手を振って迎え入れるアーロン。その背中からは、愛刀であるボーンブレイドの無骨な柄が「にょきっ」と生えている)


アーロン「ご苦労さま。今日も無事に逢えて何よりだよ、ジーナさん」にかっ(憎らしいまでに白い歯を輝かせて微笑むその背格好は、以前にも増して鍛え上げられた肉体に変化しており、また身長も視点の主より「一段階ほど」高くなっている。またボサボサだった髪の毛も少しだけ整えられており、年相応の自然な無造作ヘアを演出している)

ジーナ「こちらこそ。アーロ・・いえ、ジェイミー・ブラントさん」(視点の主が微笑んだのだろうか、目の前の青年も照れくさそうに頭を掻きながら笑い返してくる)

アーロン「いいよ。今となっては俺の本当の名前を知っているのはジーナさんだけだから。でも小声で頼むよ。なにせ、うちの連中は気配を消すのに長けた強者ばかりだからね」ひそっ

ジーナ「いつまでお名前を伏せるおつもりで?」(気持ち程度に周囲を警戒するように視線を左右に飛ばす)

アーロン「親父とは、山賊時代の悪行をみんなに知られたくないから偽名で通そうって決めたんだけど・・・今ではすっかりジェイミー・ブラントが板についてきたよ。第二の人生に恥じないくらいにね」むきっハッ(白装束の袖を引っ張り、鍛え抜かれた上腕二頭筋あたりをアピールしながら微笑む。もちろん白い歯を光らせながら)

ジーナ「仲良くされているみたいですね。白の同盟の方々と」

アーロン「ああ。行きずりの俺たち親子を助けてくれただけじゃなく、仲間として迎えてくれた上に職務まで与えてくれたんだ。本当にみんなには感謝しているよ」

ジーナ「狩猟笛はお気に召されていましたか?」

アーロン「ああ。いよいよ明日が本番だからね。彼女、寝るのも惜しんで練習に励んでいるみたいだよ」

ジーナ「メサイアの妖精・・・伝説のハンターが生きていたなんて、今だに信じられません」

アーロン「そうみたいだね。ほら、俺はずっとこの山の中で育ってきたろ?だから彼女がどれだけすごいハンターだったか知らないんだ」やれやれ

ジーナ「どこまで彼女のことを?」

アーロン「オクサーヌが自分で書いた自叙伝によれば、古い巨塔でギルドナイト百数名を倒し、そこで仲間になった同志と一緒にここまで来たって・・・そこで俺たちが大陸の始祖と崇めている祖龍と出逢ったらしいんだ」


ドウン・・・(今の言葉に反応を示したかのように、ジーナの視界にマゼンダの波形が激しく脈打つ)


ジーナ「巨塔・・その場所を覚えていますか?」

アーロン「ああ。確かフォンロンといったかな」


フオオオオオオオオ・・・(視界の中央に通信相手を心象に描いたような鮮血のどす黒い龍頭骨型の「邪歪」が朧気に浮かび上がってくる)


アーロン「でも本当かな・・。ギルドナイトって、ハンターズギルドでも選りすぐりの傭兵集団だって言うじゃない?オクサーヌが強いのは俺も知ってるけど、本当にロロ達「大人組」がそのナイト出身だったのかなぁ・・」う~ん(独り言のように自問自答してる)

ジーナ「メサイアの妖精は、なぜギルドを敵に回したのでしょうか?」

アーロン「ギルドが祖龍に攻撃したからさ。そしてオクサーヌは祖龍を守る為、白の契約を受け、その使徒となったんだ。その証拠に彼女の目の色は左右で違うんだ。オッドアイっていうらしいけどね、左目が透き通るように綺麗な青色をしていて、右目は・・・そう。ちょうどジーナさんの目の色に少し似ているかな」(こちらをあどけない顔で見つめてくるアーロン青年)

ジーナ「白の・・・使徒・・・」ドックン・・・(再び視界の中で紅紫の周波がアーロンの顔をかき消すように脈打つ)

アーロン「ああ。少し不思議な・・神秘的で美しい眼の色だよ・・」(視界に吸い込まれるようにおもむろに顔を近づけてくるアーロン)

ジーナ「彼女がですか?それとも・・・」(その言葉を聞き我に返るアーロン)

アーロン「っとアセアセそうそう!だからさ、さしずめ俺たちはそんな彼女を・・あの白いドレスの少女を守り抜く、聖なる騎士ってところかな」(木漏れ日の眩しい光の束を受けながら空を見上げる)

ジーナ「・・・・・・・・・・・・・・」(清廉な青年を見つめる主がほくそ笑んでいることを示すように視界が邪険を漂わせながら上下に狭まる)

アーロン「あ、そうだ」(アーロンが何かを思い出したかのようにこちらを向くと同時に視界の主もまた元通りの笑顔を見せたようだ)

ジーナ「なにか?」

アーロン「これこれ。例のごとくみんなの「欲しいものリスト」。ほんと悪いね。いつもいつも」スッ・・(丸められた羊皮のような紙を手渡してくる)

ジーナ「いえ。仕事ですので。それも「常連様」がこうして生きていてくださったのです。そしてまたあなたは私に仕事を与えてくれています」(笑顔で言われたのだろう。アーロン青年はあからさまに照れながら「いやぁ~♪」などと喜んでいる)

アーロン「それと・・これ、また親父から。宛先はいつもと同じだって」スッ・・(今度は封筒を手渡す)

ジーナ「交渉も上手くいっている様子ですね」スッ・・(すばやくそれを懐にしまった仕草をしてみせる)

アーロン「みたいだね。親父も最近は調子いいみたい。毎日、部屋に籠もって試行錯誤しているよ」

ジーナ「そうですか・・」シュッ・・(意味ありげな返答をすると共に、視界の両端に見える黒いフードを被り直す仕草をしてみせる)

アーロン「本当に助かるよ。ジーナさんと再会したおかげで物資の補給もしやすくなったし、俺たちの仲間になってくれそうな有力者とも連携が取れるようになったんだから。みんなを代表して感謝するよ。ジーナ・・・って、俺、ジーナさんのフルネーム知らないやタラー」てへへへ

ジーナ「ジラントです。とある大陸では龍の意味を持つそうです」

アーロン「へぇ・・クールだね。ジーナさんって、何処の出身なの?」

ジーナ「それが戦災孤児故、覚えていないのです。生き抜く為、大陸中を転々としていたので・・・」(そっとうつむく視線)

アーロン「そっか・・。それじゃあ、このヒンメルン山脈しか知らない俺と真逆ってわけだ。だからかな・・何も外の世界のことを知らない俺がジーナさんに惹かれるのは・・・」(それとなくこちらに視線を投げかけてくる)

ジーナ「・・・・・・・・・・・」(視界の主はおそらく不思議そうな表情を浮かべているのであろう。それに気づいたアーロンは慌てて目を逸らす)

アーロン「えっと・・そうだ!ジーナさんも明日の舞台を見に来るだろう?」

ジーナ「歌劇でしたよね?私が行っても大丈夫なのですか?」

アーロン「そう言うと思って・・ジャジャ~ン♪はい」(今度は招待状らしきカードをまるで三流マジシャンのように袖から出してみせ、それをこちらに向かって差し出してくる)

ジーナ「ですが、私は神殿の場所を・・・」(言葉を遮るように目の前で「NONONONO」と指の間に挟んだカードを揺さぶるアーロン)

アーロン「明日は王都の貴族達も山に上がってくるんだ。彼らも神殿の場所は知らないからね。そこで彼らを護衛しながら誘導してくる大役に俺が選ばれたってわけ。夕刻前には王都の南門に行くよ。だからジーナさんもそこに来て」

ジーナ「良いのですか?神殿の場所は部外者に知られてはいけないはずでは・・」

アーロン「信じてるから」にこっ

ジーナ「・・・・・ありがとうございます」スッ・・(一瞬、青年がみせる無垢な笑顔を受け入れまいとする「抵抗の間」を置いてしまうが、相手にその感情を悟られぬうちにカードを丁寧に受け取る)

アーロン「仲間や貴族連中には、いつも俺たちが世話になっている行商人だと伝えておくよ。だから・・必ず来てよね」

ジーナ「はい。確かに」

アーロン「フフ・・」

ジーナ「・・・・・・・・・・・」(彼の笑顔をこちらも微笑みながら見つめているようだ)

アーロン「おっと。あんまり長居してるとオクサーヌに怒られちまう」

ジーナ「なぜ彼女は?」

アーロン「さぁ・・・俺がジーナさんの話をするとヒステリーを起こすんだ。昨晩も今日ジーナさんに会いに行くって伝えたら、返事代わりに「ダークネス(ランス)」がすっ飛んできたんだからアセアセほら、これそのときの傷。まだ少し「痺れて」るんだタラー」(首の後ろをみせるとおそらく「ギリギリ」でそれを交わしたと思われる鋭い傷跡が残っている)

ジーナ「フフ・・・彼女の気持ちに気づいていないのですね?」

アーロン「へ?」(後ろ襟を直しながら実に馬鹿な顔して振り向く)

ジーナ「彼女はあなたのことが好きなんですよ」フフ・・

アーロン「え~~~~~~~~~~!!??」


バサバサバサバサバサ!!
(すとんと下顎が外れたように驚愕してみせるアーロンの背後に見える森の奥から、小鳥達が飛んで逃げていく音が聞こえる)


アーロン「オクサーヌが・・・俺のことを・・・・?」

ジーナ「・・・・・・・・・・」こくり(唖然とするアーロンを諭すようにゆっくりと頷いてみせる)

アーロン「・・・・・・・・・・・・・・」う~ん・・むぅ~~(俯きながら首をかしげたり顔をしかめたりと彼なりに状況を理解しようとあれやこれや想起しているようだ)

ジーナ「私はいつもたくさんの方に愛されているあなたが羨ましい・・」(アーロンに届かないくらいの小声で囁く)

アーロン「ん・・・?」(それとなくこちらを顧みる仕草をみせる)

ジーナ「いいえ。明日の歌劇がとても楽しみです」(この返答に微笑み返すアーロン青年)

アーロン「俺もさ、大道具として参加するんだ。盛り上げてみせるよ」にかっ

ジーナ「成功することを・・・心よりお祈り申し上げます」

アーロン「うん。・・あ、それと、さっき渡した手紙、気をつけてね」

ジーナ「??」

アーロン「親父の奴がさ、念入りに封を閉じるのにネンチャク草を擦った接着剤をびっちり塗っていたから。ジーナさんの洋服が汚れたら悪いだろ?だから」

ジーナ「お心遣い感謝致します」

アーロン「・・・・・・・。じゃ、そろそろ行くね。また・・・・明日」(少し照れくさそうに、まるで初々しいカップルが次回のデートの日時をそれとなく確認するかのようにそっと告げる)

ジーナ「はい。必ず」(軽く会釈してみせる)


ダッsss(ジーナの笑顔を見届けると爽快に森の中へ消えていくアーロン)






Recollection No.1_07






ジーナ「・・・・・・・・・・・・・・」


スッ・・(手紙を取り出してそれを感慨深げに見下ろす)


ジーナ「どう思われます?」フオン・・・(邪龍教徒の女が問いかけると同時にその邪眼をキャッチするかのように赤紫色の波形が視界を過る)



デーモン・ロザリー・・・・

こすずるいあの男が奸計を企んでいることには違いあるまい・・・・・

見届けよ



ジーナ「オクサーヌ・ヴァレノフはいかが致しましょう?」



白の使徒・・・・

契約を受けたというかの者が、姦邪に対しどのような対応を示すか興味がある



ジーナ「かしこまりました」



さて 明日の歌劇で何が起きるのか・・みてみようじゃないか



バオン・・・(期待感からの情動を示すマゼンダの波形が一際高く上下に波打つと、鮮血が飛び散るように破裂しながら通信を切断し、視界を惨たらしい真紅のペイントに塗り潰していく)

To Be Continued






★次回ストーリーモードは/31(木)0時更新予定です★