~ニャー神殿....


ダカラッダカラッダカラッダカラッDASH!
(馬に乗った巨漢の武者猫が、神殿へと繋がる夜の並木道を一直線に駆けていく)

オステルマン「・・・・・・・・・・・・」ダカラッダカラッ!!(静まり返った領内に馳せる蹄の音を弾ませながら、馬上で腕を組んでいる巨体かつ隻眼の赤虎武者猫)

ダカラッダカラッダカラッダカラッ!!
(オステルマンの右目視点。道に沿って植えられた木々の木陰でたむろしている猫民の姿)

オステルマン「・・・・・・・・・・・・」ダカラッダカラッ!!(馬の速度は落とさぬまま、視点を別方向へ逸らす)

ダカラッダカラッダカラッダカラッ!!
(オステルマンの右目視点。木陰の向こう側から、闇の中に光る「無数の猫目」がこちらを捉えている)

オステルマン「・・・・・・・・・(警備ではない・・コロニーの猫民が、こんな夜遅くに神殿の近くを彷徨いている・・)」ダカラッダカラッ!!

ダカラッダカラッダカラッダカラッ!!
(木々の下にベタッと腰を下ろし、こちらをぼうっと眺めている猫民達)

オステルマン「・・・・・・・・・・(いにしえ麻薬・・・私が不在の間に、これほど猫民に蔓延していたか・・)」ダカラッダカラッ!!


ダカラッダカラッダカラッダカラッ!!
(無数の光る眼に挟まれながら向かう神殿の最長部には、組み立て途中の巨大な大砲が設置されている)


オステルマン「・・・・・・・・・・(ドラゴンデストラクション・・・領外を囲う城壁も完成していた・・。敵の侵入を妨げるには相応した防衛手段だが、そもそも予定には無かった、この早急な措置をどう捉えるべきか・・・それ程までに宰相は領外の敵を恐れておられるのか・・?)」ダカラッダカラッ!!

バッ煙(神殿の入り口前で颯爽と下馬するオステルマン。それを迎え入れるは、高貴な印象を放つプレートアーマーを纏ったアメショー猫)

キーン「ご苦労様です!最高司令官!!」びしっドキッ

オステルマン「その肩書は軍務でのこと。ここに戻れば宰相補佐官だ。して、現状は?」ザッザッザッザッ・・(下馬から足を止めず、傍らを侍るキーンと共に神殿の入り口へと向かっていく)

キーン「ご覧の通り、順調でございます」ザッザッザッザッ

オステルマン「順調とは領外を彷徨く猫民も含めてか?」ザッザッザッザッ

キーン「下界の監視はエクスキューショナー達に一任されています。故に判断しかねます」ザッザッザッザッ

オステルマン「その執行人自体が、毒牙に侵されているとしたらどうだ?」ザッザッザッザッ

キーン「・・・・・それに関してなのですが、実は神殿内にも蔓延・・・いえ、神薬として服用されているようなのです」ザッザッザッザッ(寄り添いながら並走し、小声で進言する)

オステルマン「宰相はそのことを?」ザッザッザッザッ

キーン「それが・・・宰相自らのご提案でして・・・官僚の多くも服用しているとか・・」ザッザッザッザッ

オステルマン「お前も勧められたか?」ザッザッザッザッ

キーン「断りました。我が隊での服用はおろか、所持している者はいないと誓います」ザッザッザッザッ(爛々と見つめる瞳には信義の光が投映されている)

オステルマン「うむ。我が隊の規律はそのまま継続しろ。直接、宰相に問う!」ザッザッザッザッsss(頭を垂れて立ち止まるキーンを置いて、そのまま回廊奥へと進んでいく)


ザッザッザッザッザッザッザッザッ
(回廊から差す月明かりを受け、突き当りに見える部屋の前へと向かっていくオステルマン)


オステルマン「・・・・・・・・・・・」ぴた(ドアの前で立ち止まる)

すぅ~~~~~~~~~~(大きく息を吸う巨漢の赤虎猫)

オステルマン「ミハイル・オステルマン、帰還致しました!!」


・・・・・・・・・・・・・・・・・


オステルマン「・・・・・・・・・・・・・」


ガチャ・・


オステルマン「・・・・・・・・・??」



ニャン蔵「お待ちしておりました。さぁ、どうぞ中へ」キィ~・・


オステルマン「・・・・・・・・・・・・・」ザッ・・(右目の鋭い眼光で部屋の中の様子をいち早く窺おうと試みる)


・・・・・・・・・・・・・・・・・
(机の上に立っている蝋燭の炎が、この部屋の異常さを示しているかのように、窓は完全に締め切られ、飾り気のない空間からはまるで生活感を感じない)


オステルマン「・・・・・・・・!!」


はぁ・・・・・はぁ・・・・・・(質素なベッドの上で、薄っぺらいブランケットを頭まで深く被り、仰向けに寝そべっている「獣人らしきアウトライン」から、不活性な呼吸音が聴こえてくる)


オステルマン「宰相の容態は?」ギィー・・(目線はベッドを捉えたまま、背後でドアを閉めるニャン蔵に小声で問う)

ニャン蔵「不眠と栄養不足が問題かと」バタン

オステルマン「かと?お前は医者か?俺は医師による診断結果を聞いている」ザッ

「その必要はない・・・オステルマンよ・・・」はぁ・・・はぁ・・・・(ブランケットを纏う主が呟く)

オステルマン「・・・・・・・(俺を呼び寄せたのは、補佐官としての務めを全うさせる為か・・?だが・・・・この毒々しさは一体なんだ・・!?)」ワナワナワナワナ・・!!

ニャン=ジュスト「神殿を護れ・・・今後一切の軍務をお前に一任する・・・神殿内の政務は・・姜淑に尋ねろ・・・報告は・・ニャン蔵を通せ・・」はぁ・・・はぁ・・・・

オステルマン「御心のままに(領内から出ずに敵を討ち滅ぼせと・・?違うな・・・宰相は他の何かに怯え、俺に自分の身を護れと言っている・・)」ちら


はぁ・・・・・はぁ・・・・・・・
(シーツの膨らみが不規則な呼吸と共に浮き沈みしている)


オステルマン「・・・・・・・・(興隆と没落・・・宰相を覆う邪な陰・・・・)」

ニャン=ジュスト「ジーナ・・・ジーナ・ジラントを呼べ・・・」

ニャン蔵「ジーナ殿は、アクアパラダイスモーテルと交渉をしに出かけたまま、帰還しておりません」

ニャン=ジュスト「ジーナを呼べ!!今すぐジーナを呼ぶのだ!!!!」

オステルマン「捜索をかけよう」ザッ

ニャン蔵「なりません。司令官は神殿を離れないよう・・・お気にせず。ここ数日間、同じ事を言われるのです。すぐに良くなりましょう」スッ・・(ベッドの傍らに立ち、シーツの中にそっと両手を入れる)

オステルマン「・・何をしている?」

ニャン蔵「特効薬とでもいいましょうか・・。気分が落ち着くでしょう」チュウウウウ・・・(シーツから浮き上がるニャン蔵の手元から察するに、注射針をニャン=ジュストの腕に刺し、何かを注入している様子だ)

ニャン=ジュスト「はぁ・・・・はぁ・・・・・・・・はぁ・・・・・・・・・・・」(シーツの膨らみは次第に落ち着いたかのように、一定の高さを維持していく)

オステルマン「・・・・・・・・・・(陰鬱の正体は、神薬とは名ばかりの劇薬にあったか・・・)」

ニャン=ジュスト「今宵は・・満月であったか・・?」はぁ・・・はぁ・・・・

オステルマン「偃月の良夜。窓を開けましょうか?」

ニャン=ジュスト「月を見逃すな・・・光消えた時・・・終焉は訪れる・・・・・・・」


すぅ・・・・・すぅ・・・・・・・・
(安堵したのか、シーツの中の主は深い眠りについてしまったようだ)


オステルマン「・・・・・・・・。後は頼んだぞ、ニャン蔵」くるっ

ニャン蔵「将軍。今、ここでご覧になったことは・・」

オステルマン「他言無用。然すれば(この国の未来も潰えたか・・)」バタンドキッ






「あたちのモンハン日記」
~Fourth Stage~







~水没林南部、クルセイダーズ駐留地....

ホーーーホーーー・・ホホーーホーーー・・
(梟らしき猛禽類の鳴き声が聞こえる夜の密林エリア内で、焚き火を囲っている人影)


ポール「どうだ?あったかいだろ?バステト」(炎の灯りに照らされているロックラック装備のハンターは、その胸に白毛豊かな赤ん坊の獣人を抱いている)

バステト「みゅう」パチパチ・・パチパチ・・(青白い潤んだ瞳に、燃え上がる炎が投影されている)

ポール「パパとママのことが気になるか?」パチパチ・・パチパチ・・

バステト「・・・・・・・・・・・・」パチパチ・・パチパチ・・・(瞬きひとつせず、一点を見つめている)

ポール「ん・・・・・・・・・・」(その視線の先を見つめる)


ホーーーホーーー・・ホホーーホーーー・・・・
(神童が見据える森の深淵から、不気味なインテンシティがエリアを超えてくるのが直感的に知覚できる)


ポール「・・・・・・・・・(この子は俺達には捉えることのできない、どこか不思議な力があるのだろうか・・)」パチパチ・・パチパチ・・(胸の中で焚き火の灯りに照らされる獣人の赤子を見下ろす)

バステト「パァ~パ・・・マァ~マ・・・・」パチパチ・・パチパチパチ・・・

ポール「大丈夫さ。鉄平君もフラワーも・・それに他のみんなだって、きっと無事さ」なでなで

バステト「ほにゃら」ちら


・・・・・・・・・・・・・・・・
(近くに見える木の下で座禅を組んでいる、黒い袈裟を纏った浅黒い肌の僧侶。足元には食い散らかした「こんがり肉」の残骸が転がっていることから、この男が明らかに破戒僧だと見て取れる)


ポール「あんたもこっちへ来たらどうだ?」

破斎「激辛系ホットドリンクを飲みました。ご心配なく・・」むぅ・・(と、「赤いタレ」がついた口元を拭う)

ポール「普通の僧侶なら、精神統一で寒さを無効にするんだろうが・・さすが如来衆の破戒僧だ」みゅう

バステト「みゃうみゃう」(また別の方向を見る)

ポール「うん・・・気にはなるな」ちら


パチパチ・・パチパチパチ・・・・
(薪木が燃える炎の揺らぎの向こう側で、何やら密談をしているミッチと影丸の姿)


うっす・・うっす・・それでは・・うっす・・
(ミッチのしつこい返事と共に、密林の暗闇へと飛び去っていく影丸)


ポール「報告会は終わったみたいだ。どれ、聞いてみるか」みゅう


ザッザッザッザッザッザッ・・(猫背でとぼとぼ歩いてくるミッチ)


ポール「みんなは無事なのか?」

$あたちのモンハン日記
ミッチ「うっす。ご無事のようです。劉珍殿だけが、サンダーソニック殿の背中から落っこちて、腰を強打したそうですが、肝心の「頭の中身」には、問題ないとのことっす」

ポール「そうか・・それで戦況は?」

ミッチ「うっす。もう一息でカレン隊を壊滅できそうだったところに、砂漠の艦隊の援軍が押しかけ、現在は休戦状態にあるそうっす」

ポール「砂漠の艦隊・・・数が多いのか?」

ミッチ「いえ。超大型モンスター兵器、一機だけということんなんすけど、その「でかい戦艦」が、どういうわけか両軍の狭間で立ち止まったまま、動かないそうなんす。その「砦」を挟んで、クルセイダーズとカレン隊、そして暗黒団の増援部隊が対峙しているそうっす。おかしな話っすよ」

ポール「砂漠の艦隊の動きが読めないから、戦地に留まっているのか・・・なんにせよ、パパとママが無事で良かったな」はぁ~~ぱぁ~~♪(と喜ぶバステト)

ミッチ「どえらい活躍だったそうっす。お二人共、長い間、村で義憤を溜め込んでいたっすからね。鬱憤を晴らしているんでしょう。まったく大した両親っすよ」こちょこちょ(とバステトをくすぐってやる。「へぇへぇ」言って息を切らすバステト)

ポール「責務を感じているのさ。鉄平君は、自分で起こした戦いの決着をつけるためにね・・・その志を我が子に、少しでも近くで見せたいのさ。な、バステト」ぽんぽん

バステト「みゅう」こくり

ミッチ「バステト殿の父ちゃんは、立派な英雄っす。羨ましいっすよ、バステト殿」こちょこちょ

バステト「っちゅん!!」(実に可愛らしいくしゃみをする)

ミッチ「こりゃいかん。風邪でもひいたら一大事っす。「お守り隊」の名に駆けて、バステト殿は心身共に守ってみせるっす。さて、「ぽちゃ」でも入るっすかね、バステト殿」(ぽちゃ=お風呂)

ポール「破斎。すまないが釜に水を入れ、肉焼きセットに吊るして、お湯を沸かしてくれないか?」

破斎「今日の「温泉の素」は、どれに致しましょうか」がさりごそり(小袋を漁っている)

バステト「あ~お(青)」

破斎「痛風、糖尿病、肥満症・・どれも今のバステト殿には無縁の効能ばかりですな」ふむ・・(何やらメモを読んでいる。紙の片隅にはデフォルメされた「可愛らしいピンクの撫子装備のギルドガール」が描かれていることから、おそらくコノハが書き、温泉の素と一緒に持たせたのであろう)

ミッチ「抱っこを代わりましょう。お食事は?ポール殿」ずずず・・(鼻を垂らしたバステトを請け負う)

ポール「携帯あんまんを嫌というほど食べたよ。どれ・・見廻りついでに、夜風にでも当たってこようかな。すぐ戻る」ザッ・・

バステト「・・・・・・・・・・・」(そのポールの後ろ姿を見つめる)

ミッチ「ほれ、バステトちゃん。今日も月が実に綺麗っすよ」よいよい(抱っこしながらバステトを傾け、夜空を見せる)

バステト「ほにゅう・・・・・・・・」(瞳に神秘的な月の形が投影される)




ホーーーホーーー・・ホホーーホーーー・・
(薄暗い密林エリアを歩いて行くポール)


ポール「・・・・・・・(参ったな・・・すっかり戦地に行けると思っていたからな・・・状況に応じて姿をくらませ、シリウス達を探そうと思っていたが・・そう上手くはいかないか・・)」フーーーーー(と、木を背もたれに一息つく)


ホーーーホーーー・・ホホーーホーーー・・


ポール「・・・・・・・・(北部にいったUBU達も然ることながら・・ウーメイも無事だといいが・・・)」


ホーーーホーーー・・ホホーーホーーー・・


ポール「・・・・・・・・(静かな夜だ・・・・戦いが起きたせいで、モンスター達も移動したのだろう・・・)」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ポール「・・・・・・・・(本当に静かだ・・・・・)」(そっと目を閉じ、木々の間から差す月明かりを受け入れる)



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



ポール「・・・・・・・・・(リックはもう眠ったかな・・・・)」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




ポール「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」





水を煮立たす者 風を起こす者





ポール「!?」バッ


木を薙ぐ者 炎を生み出す者・・
(木陰に寄り添い、懇願するように夜空を見上げながら黒龍伝説を唱える、黒衣のフードを纏った女性が月影に浮かび上がる)


ポール「・・・・・・・・・(女・・そしてあの装束と、チャントから察するに・・・・邪龍教徒・・・・しかし何故こんな場所に・・?)」


??「彼の方を畏れ、この広大な水没林から、すべてのエレメンタルが消え去りました・・」


ポール「・・・・・・・・・・(誰か一緒なのか・・?)」スッ・・(木陰に身を隠す)


??「直にこのフィールドは強欲なる者達の斬撃に侵され、血と鉄の匂いに覆われるでしょう・・・そして多くの魂が彷徨うことになります」


ポール「・・・・・・・・・・・・・」(木陰から闇に浸透した視覚をもってターゲットを捉える)


ファサ・・(月明かりに照らされ夜空を見上げる黒衣の女性が、深く被っていたフードを脱ぐと、ルーズな後ろ編み込みの艶やかな黒い髪の毛が露わになる)


ポール「・・・・・・・・・・・・・・」(眉をひそめ、女性を眺めている)


??「・・・・・・・・・・・・・・・」(突然、周囲を見渡す)


ポール「・・・・・・・・・・・・・・」ス・・(息を潜め、木陰に同化しながら様子を窺う)


ザッザッザッザッザッザッ!!
(ポール視点。確実にこちらを捉えた様子で一直線に向かってくる女の影)


ポール「!!(逃走か闘争か・・!?)」ザッザッザッザッ!!(危機刻々と迫りくる足音)



うみゃ~~~~~~~~~ん・・・
(エリアに響く赤ちゃん猫の声)



ポール「!?(バステト!?)」バッ


ガシッぎくっ
(ポールの肩を死霊の如く強く掴む、女性のか細い手)


ポール「!!(しまった・・!!)」


グン!!
(振り向いたポールの正面に、瞬時に密着させてくる女性の顔)


??「あなたは生きている狩人ですか?」(赤紫に発光した両眼にポールの顔が投影される)

ポール「君は・・何者だ・・?」ググググググ・・(身を離そうとするポールを追尾するように顔を近づけていく邪龍教徒女性)

??「ジーナ・ジラント。貴方の願いを叶える者です」(月明かりに照らされ、微笑を浮かべる見目麗しい邪教徒の女)

To Be Continued





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次回「あたちのモンハン日記」ザ・ストーリーモードはさ!?

1/18(木)0時更新 「月影~其二」の巻

をお送りいたします♪次回も見よう!読も見よう!!