~渓流非狩猟地区、ひよこ寺本堂....


こわぁ~~~~~ん・・・
(ありがたい「お鈴」の軽やかな金属音が心地よく反響する立派な本堂の内陣前にて、座布団の上で正座をしている「緋色」の袈裟を纏ったちいちゃい和尚(トレジィタイプ)。また和尚の目の前では白いモフモフ毛の赤ちゃん猫が、でかくてまあるい金色のお鈴の中に入り、それを肉球で叩きちらしている)

バステト「はぁ~~ぱぁ~~♪」こわぁ~~~んこわぁ~~~ん(お鈴より顔だけ出し、内から叩いているようだ)

和尚「ホッホッホッホッホッ。結構、結構。では順調に過ごしておるのじゃな?」こわぁ~~~んこわぁ~~~ん

バステト「みゅう。ほみゃ~ったら、にゃあちて・・にゅにゅ」こわぁ~~~ん(何やら身振り手振り説明すると、少しさみしげな表情でお鈴を叩く)

和尚「村に訪れていた書士隊、そして渓流で匿っておった浮岳龍がいなくなってしまったことが心残りであると?」

バステト「ほみゅう・・」こわぁ~~~ん・・

和尚「その者達がお前さんの意志による支援を受け、ユクモへと導かれたこと・・そして自らの意志で去っていったのもまた天命・・・出逢いは一期一会にあらず。今は寂しくとも、互いに生きておれば、必ず再会することは可能じゃ。心配するでない」なでなで

バステト「にょにょにょにょ」(NONONONOってやる)

和尚「なに?危惧しておることは他にもあるというのか?」

バステト「みゅうちて、ほにょにょって、にゃ~ご」こわぁ~~~ん

和尚「ふむ・・偉大な浮岳龍より託された、大いなる意志を全うすることの難しさに直面しておるのか・・。いやはや、そなたはまさしく不惜身命の神童じゃ。ところで、そなたは、龍魂という言葉を聞いたことはあるかな?」

バステト「にゃい」こわぁ~~~ん

和尚「龍魂・・またの名を龍霊というのじゃが、簡単に言えば、自然死によって天へと召されなかった彷徨う龍の魂のことじゃ」

バステト「にょ~~~~~~」(「ほぉ~」的な「にょ~」)

和尚「龍の魂は人のそれと同様、超自然の産物ではなく、確かにこの世界に存在する。そなたは魂を見たことがあるか?」

バステト「にゃい」こわぁ~~~ん

和尚「感じたことも?」

バステト「・・・・・にゃい」こわぁ~~~ん

和尚「それに近いものは知っておるということか・・。太古の時代、大陸世界には龍使徒と呼ばれる者たちがおったそうじゃ。その者たちの使命は、龍族に代わり、人間の龍に対する非礼を戒めることであったという。そしてまた龍使徒は、大陸中を彷徨う龍魂を浄化することも出来た聖者であったともいう。これが本当ならば、そなたもまた、猫の姿をした龍使徒なのかもしれんな」

バステト「みゃんみゃん。みゃんみゃん」

和尚「なに・・あんまんが龍使徒だと?おかしなことを言う。焦らずとも、精神術士としてのおぬしの力は日々成長しておる。精神の鍛錬を行えば、自ずと龍魂を感じることが出来ようぞ。東方にこんな言葉がある」

バステト「ほみゃ~?」こわぁ~~~んこわぁ~~~ん(話に飽きてきた。まだ赤ちゃんだから)

和尚「冥冥之志」

バステト「みぇ~みぇ~(めいめい)?」こわぁ~~~んこわぁ~~~ん

和尚「そうじゃ。冥冥之志。「冥冥」とは暗い様子、つまり密かに努力する心の表れじゃ。また、人知れず心の中に「確たる志」があることも意味しておる。今のお前さんにぴったりの言葉じゃな」

バステト「みぇ~みぇ~、みょむみゅう」こわぁ~~~んこわぁ~~~ん

和尚「ん・・冥冥とは刻竜にこそ相応しいと?また異なることを・・・じゃが、自覚がなくとも、他者による評価もまた異なるもの。日々是精進。これからも努力を惜しまず、励むように」へこり(合唱しながら礼をする)

バステト「みゅう」へこり(真似をする)


こわぁ~~~~~ん・・・
(二人だけの広い本堂エリアに、あたたかいお鈴の音がこだまする)







「あたちのモンハン日記」
~Fourth Stage~








~ひよこ寺、宝物殿....


ざわざわざわざわ
(なんだかありがたい奉納品の数々が展示してある館内を、なにやらヘビメタチックな格好をした坊主(裸の上にレザーのベスト、下半身は同じくタイトなレザーショーツに足元は黒いワークブーツでかため、首にはドクロが連なる数珠を巻いている)に促されながら進んでいく団体様。またその行列の中にはピンクの撫子装備の女子一人と、ユクモノシリーズ一式を纏った男女の狩人、そしてドボルヘルムを被った蒼猫の姿も紛れている)

朴然「はいはぁ~い、それじゃあ次はこの「金剛ひよこ像」についての歴史をご説明致しま~す」(不良生臭坊主の背後には「なんだか金ピカした」ひよこの巨像が飾ってあり、実に眩しく、その目は「やる気満々」な装飾に施されている)

クサッチーニ「ふぁ~あ・・観光客のボディガードもいいけど、やっぱり退屈だな・・」ぱたぱた(ユクモノカサで顔を扇いでいる)


コノハ「文句ばっかり言ってちゃダメですよ?これも立派なお仕事です」えっへん

$あたちのモンハン日記
ロージー「そうそう。『ユクモノ遺産めぐりをする観光客を無事に案内せよ!』が目的のちゃんとした「村クエ」なんだから。報酬だって出るしね」(左肩の上にいるドスビスカスに話しかける)

ファイヤージンガー「小遣い稼ぎには丁度いい依頼だな。きっと」ぼりぼり(胴体部(茎)を葉っぱの手で掻いている)

クサッチーニ「そりゃそうだけど、一個一個の説明が長すぎるよ。関係ない「坊主お得意」の説法混じりだし・・・なぁ、鉄平君」

あたちのモンハン日記
鉄平「・・・・・・・・・」そわそわ(心あらずのそわそわしてる)

クサッチーニ「なんだ?「しっこ」か?」

ロージー「和尚様に拉致されたバステトが心配なのよ」拉致って汗(と突っ込むコノハ)

ファイヤージンガー「坊主と密会か?そりゃ心配だな、ダディとしては」ぽふっDASH!(顔から花粉を鉄平に向かって飛ばし、我に返してやる)

鉄平「ん・・まぁな。和尚のやつが言うには、よくわからん厄除けをするから、二人きりにさせろってことだが・・」和尚のやつって汗(と、また突っ込みを入れるコノハ)

クサッチーニ「強引に厄除けをして、荒稼ぎする新手の坊さんビジネスかい?」こらこらパー(と、コノハ)

鉄平「金の心配はしてねぇけど、前にも和尚のやつが、うちの子を「祓いたい」ってよ、本堂に拉致していきやがったんだ」人聞き悪いでしょパー(と、コノハ)

ロージー「もしかしたらバステトに何かが取り憑いてたりしてぽ~」(真顔で言う)

鉄平「なぁにぃ~~~!?こうしちゃおられん!!悪霊退散!!南無三インシャラー!!」がしっドキッ(展示してある「ありがたい数珠」を勝手に取り、出ていこうとする鉄平の猫首を掴むコノハ)

コノハ「ちょっと落ち着きなよ。観光客の人達が心配するでしょーに」めっ

クサッチーニ「あながち嘘とは言い切れないぞ。君やUBUちゃんの手によって、渓流で討伐された数々のモンスター達の怨念が、バステトちゃんに乗り移ったとしても・・おかしかぁ~ない」ドロドロドロ(と、胡散臭いお化けのジェスチャーをしてみせる)

鉄平「尚更こうしちゃおれん!!」がしっドキッ(今度は見るからに値打ちが高そうな宝剣を取り上げ出ていこうとするも、またしてもコノハに猫首を掴まれ阻止される)

ロージー「心配ないよ。ほら、お坊さんの話でも聞こう。きっとつまんないけどさ」それが余計パー(と、突っ込むコノハ)

朴然「え~それではぁ~、次にご紹介するのがぁ~、こちらの即身仏の欠片でぇ~す」ざわざわざわざわ

ロージー「ふぁ・・そくしんぶつ(へんてこりんな発音で)ってなぁ~に?」

クサッチーニ「僧侶が瞑想状態のまま絶命して、ミイラ化した物だよ」

ロージー&鉄平「ええええええええええ!!」声がでかいむかっ(と、怒るコノハ)

クサッチーニ「いわゆる苦行の中で、最も過酷なものとして有名なんだが・・それの欠片って、どういうことかな・・。首だけとか?」おいむかっ(と、怒るコノハ)

朴然「さぁさぁ、前へどうぞ」ざわざわざわざわ

ロージー「あたし達も見てみよう」

鉄平「クソしょうもねぇもんだったら、マジでクソぶっかけてやるからな」やめろって(と怒るコノハ)


ざわざわざわざわ
(人混みを押しのけて前に行くロージー一行。道中、なかなかどかないおじさんの背中を背後から小突いてどかす鉄平の頭を容赦なくひっぱたくコノハの姿も)


ロージー「どれどれ~~」


がぺぇ~~~~~~ん
(展示台の上には「朽ち果てた竜鱗」が置かれてある)


クサッチーニ「ほらな。大したことないだろ?」ばし~~~~んびっくり(後ろからおもいっきりコノハがひっぱたく)

ロージー「この鱗って・・レイアのかな?」

朴然「ご名答♪さすがはハンターですね」パチパチパチ(観光客の拍手に「やっちゃいました」的な感じで舌を出してへこへこ対応するロージー)

鉄平「んで?こんな「ゾンビドラゴン」の一部が、どうして貴重なんだよ?」ごめんなさい!ごめんなさい!(と、坊主に向かって謝るコノハ)

朴然「はははははは。確かに狩猟経験の多い人達から見れば、何の変哲もない竜のミイラの一部かもしれません」

鉄平「能書きはいいから早く説明しろよ。ここで「しっこ」ぶちまけるぞ」ひええええ!ごめんなさい!悪気はないんです!ただ主人のしつけが・・(と、謝るコノハ)

朴然「この竜鱗は、ひよこ寺に代々伝わる「竜恋苦難」という民族伝承に纏わる雌火竜のものです」ざわざわざわざわ

ロージー「りゅうれん・・くなん・・」はて

鉄平「勿体ぶってんじゃねぇ!!早くやれ!!」ぶーーーんsss(奉納品の「ひよこ観音像」を容赦なくぶん投げる。隣で慌てふためくコノハ)

朴然「では、お話しましょう。悲しき竜恋苦難の話を・・」こちぃ~んドキッ(坊主頭にひよこ観音像が当たると同時にコブが出る)



渓流地区に残る民族伝承。竜恋苦難・・

まだギルドの存在しない大昔、ハンターという一般用語が定着していない頃のお話です。
村で狩人として努めていた竜夫という男がいました。
竜夫は今で言う一騎当千の筆頭ハンターで、ひとたび狩りに出かければ、どんなに大きなモンスターでも一瞬にして「ひっくり返して」しまうほどの力持ちであったそうです。
また竜夫は人間だけでなく、モンスターに対しても誠実で、むやみに命を奪うこと無く、常に尊重の念と自然に対する敬意を忘れない立派な狩人にして、温厚篤実、大人しく優しい性格で義理堅く、村人からの信頼も厚い男でした。




ロージー「激アツな男の人だったのね」

コノハ「誠実な人って素敵~♪」ケッ(と、宝物殿内でツバを吐く鉄平とクサッチーニ)



ある日、竜夫がいつものように渓流地区で見回りをしていると、一頭の雌火竜と遭遇しました。雌火竜は人間である竜夫を威嚇しましたが、襲ってくる様子もみえません。
「はて。これはどうしたことか。珍妙なり」
と思った竜夫は、少し離れた所から雌火竜の様子を窺うことにしました。すると雌火竜の足元に、それは大きな大きな「トラバサミ」が仕掛けてあり、雌火竜の足をザックリと挟んでいるではありませんか。
「こりゃあ~可哀想に。きっと他の狩人が仕掛けた「飛竜用」のトラバサミを踏んでしもうたんじゃな」
と竜夫は呟くと、続けて雌火竜に向かって
「おい!ワシがその罠を解いてやるけん、大人しゅうしとるんじゃぞ!」
と言うと、臆することなく雌火竜に近づいていきました。




ロージー「ふぁ・・なんだかUBUちゃんやお兄ちゃんみたいに無鉄砲な人ね」

ファイヤージンガー「お前もな。情という衝動を抑えられない奴のことを、お人好しとも言うんだぜ?」



雌火竜は自分のもとに「ずんがずんが」と近寄ってくる「あやしげな人間」に向かって吠えると、竜夫はそれよりも大きな声をあげ、びっくりした雌火竜はひっくり返ってしまいました。その隙に竜夫は「むん」と罠を開き、足を解いてあげると、持参していた薬草を傷口に塗りつけ治療してあげました。雌火竜が「鳩が豆鉄砲を食ったような顔」をして竜夫を見ていると、竜夫は
「もう大丈夫じゃ。暫く大人しくしちょれば、すぐに良くなるけん」
と、実にキラキラした顔で言うと、その想いが通じたのか、雌火竜は驚くことに人間と同じ言葉で
「私の名前はリオレイアの零子。このたびは誠にありがとうございました」
とお礼を言ってきたのです。




鉄平「知的生命体種のレイアだったんだな」むしゃむしゃ(お墓からパクってきたと思われるお供え物の落雁を食べている)

クサッチーニ「だから零子か」う~ん



雌火竜の思わぬ感謝の言葉に対して竜夫は一瞬、「鳩が豆鉄砲を食ったような顔」をしましたが、すぐに零子を隣人として受け入れ、
「なぁ~に。礼には及ばんよ。しかし零子がワシ達と同じ言葉を喋るとは驚いた。まだまだ大陸世界には知らんこちょばかりじゃわい。わつはつはつはつはつ」
と「豪快」に笑うと、零子もまた微笑み返し、お礼に恩人の顔面を舐めたといいます。




鉄平「それがお礼だって?みんな知らねぇだろうが、火竜の舌って結構、熱いんだぜ?」だまって(と、怒るコノハ)



それ以来、二人はまるで心が通じ合っている熟練夫婦のような仲睦まじい関係となり、食べる時も、そして寝る時も一緒に過ごしたそうです。そして気づけば、竜夫と零子は互いに惹かれ合う仲になっていたのです。



コノハ「種を超えた愛・・純愛ね♪」きゃっきゃっ(と、ロージーと手を叩き合わせる。それを見て、また「ケッ」とツバを吐く鉄平とクサッチーニ)



竜夫と仲の良い村人が、久しぶりに村へ戻ってきた竜夫に
「最近、どうして村に帰ってこないんだい?」
と質問しました。すると竜夫は
「なぁ~に。ようやくワシにも嫁さんが出来たのさ」
と言い、村にはもう帰らないかもしれないと告げたそうです。




鉄平「マジか?そいつ、狩りばっかして頭が・・」ばちぃ~~~んびっくり(ヘルムの後ろ頭をコノハとロージーにひっぱたかれる)



そんなある日のこと、竜夫は祝言を挙げる為、綺麗な花冠を零子に作ってあげようと思い、渓流にお花の採取をしに出かけました。すると断崖の上に、渓流地区では珍しい綺麗なアネモネが咲いているを見つけた竜夫は、崖の上から垂れているつる草を掴むと、自慢の怪力で「むんずむんず」と上がっていき、みるみるうちに崖の上近くまで登っていきました。



コノハ「花冠だなんて羨ましい~♪」きゃっきゃっ(と、感極まる女子を尻目に、つまらなそうな表情で盗んだ落雁をかじる鉄平とクサッチーニ)



あともう少しで花に手が届く・・花冠をつけた零子の顔が浮かんだその瞬間、竜夫の頭にゲゲゾンが落ちてきて、その脳天を鋭い針で一刺ししたのです!

ぎゃああああああああああ

竜夫は悲鳴をあげると、そのまま崖の下に落下し、帰らぬ人となってしまいました。




ロージー「そんな・・・」

コノハ「ギルドが統計を図ったハンターの死亡事故のうち、8%は落下死だっていうけど・・・」

ファイヤージンガー「生物の命が終わる時ってのは、それまでの栄光やバイタリティに比例せず呆気なく、そしてはかないものなんだ」



その後、零子は帰りの遅い竜夫を探しに出かけたのですが、見つけることはできませんでした。後に探索に出かけた村人の話によれば、落下した竜夫はその直後、ファンゴの群れに連れ去られてしまったというのです。



鉄平「フィールドじゃあよくある話しだが・・」

クサッチーニ「いつ聞いてもいただけないな」



竜夫が亡くなった後も零子は愛する恋人を探し求め、食べる間も、寝る間も惜しんで渓流地区を彷徨い歩いたといいます。そして森を彷徨う健気な零子の姿を予感していたかのように、丘の上から見ているアネモネの花言葉・・



ロージー「見捨てられた・・」

コノハ「え・・」



その花言葉が示唆するように、零子は何時しかこう考えるようになりました。

所詮、竜夫は種族の違う人間・・・
いざ祝言を挙げようと思ったのもつかの間、よくよく考えれば私は竜族の女・・
人型ではない私に愛想を尽かして、逃げてしまったのだ・・
そう・・
私は・・



「捨てられたのだ」



それからどのくらいの月日が流れたのでしょうか。かつての気品ある雌火竜の姿はやつれ果て、やがて皮と骨だけになり、零子はこのひよこ寺の近くに辿り着くと、戻らぬ恋人のことを想いながら息絶えました。帰らぬ恋人を想い続け、そのはかない恋心を貫き通し絶命した、この穢れなき雌火竜の遺体を見つけたひよこ寺の住職達は、彼女を即身仏として敬い、供養しました。そしてその雌火竜のはかない恋物語を「竜恋苦難」として伝承していったのです。



コノハ「可哀想・・・」ぐすん

ロージー「せめて零子さんに、竜夫さんの死だけでも伝えられれば・・未来は変わったかもしれないのに・・」

鉄平「でもよ、この話しって、当時のひよこ寺の坊主達が、当時の話を美談化させたものだろう?結局のところ、本当の気持ちはその雌火竜にしか分からねぇよ」ちら


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(朽ち果てた竜の鱗は沈黙を貫き、感慨深い心情を見るものに与える)






ガヤガヤガヤ・・
(ひよこ寺の庭園に募る観光客一行。先頭に立つコノハとロージーは、どうやら帰路についての予定を説明している様子だ)


和尚「宝物殿はどうじゃった?」(バステトを抱きながら、群衆の脇にいる鉄平とクサッチーニに話しかける)

鉄平「ま、この前来た時よりかは楽しめたかな」よっ(和尚よりバステトを託される)

和尚「ほぉ。少しは会心したようじゃな」ホッホッホッホッ

クサッチーニ「和尚、竜恋苦難の話って本当なんですか?」

和尚「なんじゃ、朴然のやつめ。またその話を聞かせたのか」

クサッチーニ「というと?」

和尚「お経もろくすっぽ覚えん生臭坊主が、唯一、経本無しで読める伝承じゃ。まことしやかな話じゃが、当時の高名な大僧正から代々伝わる伝承じゃからのぉ・・本当の話じゃろうな。今の三種共存に慣れ親しむお前さん達なら、そう珍しい話でもあるまいて」

鉄平「うちのあんまん姫も、いつかはワイバーンに恋するってか?ま、あいつならあり得るかもしれねぇが・・」

和尚「あんまん・・・そうか。おぬし、UBUのことを言っておったのじゃな?」(父の胸で抱かれているバステトを見つめる)

バステト「みゃんみゃん。みゅうみみょ」

和尚「そうかそうか。確かに「あり得る話」じゃ」ホッホッホッホッ(不思議そうに顔を見合わせる鉄平とクサッチーニ)


ざわざわざわざわ
(観光客一行が「顔に札を貼った宮司」に導かれ、寺を後にしようとしている)


クサッチーニ「では、和尚。我々もお暇致します」へこり

和尚「待たんかバカタレ」ぐっ煙(頭を垂れたクサ雄の髪の毛を鷲掴みにする)

クサッチーニ「いてててててあせるなんすか?」

和尚「村に帰ったらUBUに伝言を頼みたいのじゃ」

鉄平「言付けなら俺が」みゅうみゅう(同じく頷くバステト)

和尚「うむ。実は最近、寺の敷地内にある食料庫に「侵入者」が現れておるようなのじゃ」

鉄平「被害状況はよ?」みゅうみゅう(メモをとる素振りを見せるバステト)

和尚「食料庫に隠しておった肉は全部やられてしもうた」

鉄平「生臭坊主の仕業じゃねぇの?」あいつ、精進料理嫌いって言ってたし・・

和尚「連中は常日頃から、行商人を通じて「肉ベース」の洋食を食らっておる。わざわざリスクを犯してまで食料庫の食べ物を食ったりはせんよ」

クサッチーニ「まったく、この寺に戒律はないのか汗それで?伝言っていうのは?」

和尚「どちらにせよ、物騒は物騒じゃ。そこでUBUに食料庫の護衛をしてもらいたいのじゃ」

クサッチーニ「なぁ~んだ。そんなことならUBUちゃんの手を煩わせるほどでもない。俺がこのまま警護してあげますよ。勿論、豪華な精進料理付きでね♪」しっしっしっしっ

和尚「その程度の煩悩で引き受けてくれるなら丁度いいが・・腕は確かなのか?」む~照れる

クサッチーニ「これでもれっきとした上位ハンターです。お任せを」とんはぁ(頼りない胸を叩く)

鉄平「ここのところ、村のゴミ捨て場の見張りしかしてねぇからな。頼りにして欲しいんだよ」しっしっしっしっ(娘と一緒になってこしょこしょ笑う)

ロージー「みぃ~んなぁ~!行くよ~!」(ぞろぞろと歩いて行く観光客一行の殿に控え、手を振っている)

鉄平「おう!ほんじゃ、任せたぜ、クサッチーニ」ぱんドキッ(肉球を突き出し、軽くハイタッチをかます)

クサッチーニ「大船に乗った気持ちで」ひらり(颯爽とお辞儀をかます後ろでは、不信感たっぷりの表情をした和尚の姿が)

バステト「みゅっ!?」バッ煙

鉄平「どうした?バステト」

バステト「・・・・・・・・・・・」(周囲を警戒している)

ロージー「もう!置いてっちゃうよ~!!」

鉄平「うるせえカリピストだ。これ以上、鳴かれたらかなわねぇ。行こうぜ」

バステト「みゅうううう・・・・」


あきゃ~あきゃ~・・おえっおえっおえっおえっ
(ひよこ寺の周囲を覆う森林エリアから、森の生物と思しき「あやしげな鳴き声」が反響する中、庭園を後にする鉄平とバステト。庭に残されたクサッチーニは自信満々に和尚の頭をバンバン叩いている)


To Be Continued...





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$あたちのモンハン日記
次回「あたちのモンハン日記」ザ・ストーリーモードはさ!?

5/24(水)0時更新 「弐ノ刻:冥々」

をお送りいたします♪ほいだらさ!次回も粉っぽい落雁食べながら読も見ようよぽけ~