~永久凍土....


ビュオオオオオオオオオ!!
(銀盤上に吹き荒れるブリザードの中、一頭の雌を先頭にポカラの一群が必死に遁走している)



子ポカラ「ハァ・・ハァ・・」ビュオオオオオオ!!


母ポカラ「みんな!!急ぐのよ!!」ビュオオオオオオ!!


子ポカラ「おかあちゃま!もうあちが痛いモキュ!!」ビュオオオオオオ!!

母ポカラ「我慢して!!早くしないと・・・はっびっくり


ビュオオオオオオオオ・・・
(吹雪の向こう側から姿を露わにしてくる黒い迷彩服を着た二人の兵士。それぞれアサルトボウガンを構えている)


母ポカラ「モモ、早く!!人型がそこまで来てるわ!!」ビュオオオオオオオオ!!

モモ「うわぁ~ん!!もうはちりたくないモキュ~!!」わぁ~~~~ん

子ポカラ「でもはちらないとモキュ!!人型にちゅかまってちまうモキュ!!」う~んう~ん(泣いている子ポカラを一生懸命押す子供たち)

母ポカラ「モモ!!いい加減にしなさい!!さぁ、私の手に掴まって・・・」スッ


ズキューーーーーーン血痕3
(母ポカラの鰭を突き抜ける貫通弾)


母ポカラ「うっ・・!!」

モモ「おかあちゃま!!」

子ポカラ「みんなでお母ちゃまを押していくモキュ!!」う~んしょ!う~んしょ!(出血の止まらない母ポカラのおしりを押す健気な子供たち)

子ポカラ「モモ!!お前も手伝うモキュよ!!」う~んしょ!う~んしょ!

モモ「わぁ~~~~ん!!もう極海に帰りたいモキューーー!!」


ドウーーーンドウーーーンドウーーーン


子ポカラ「なんの音モキュ!?」う~んしょ!う~んしょ!

子ポカラ「拡散弾モキュ!!」





$あたちのモンハン日記
ドワアアアアアアン!!








キーーーーーーーーーーーン・・・・
(一人称視点。止まらない耳鳴りの中、メラメラ燃え上がる炎が視界を覆い尽くしている)


モモ「・・・・・・・・・・・」キーーーーーーーン(虚ろな目で瞬きをする)


ゴロン・・・
(自身の背中より何か黒い物体が落ちてくる)


モモ「・・・・・・・・??」キーーーーーーーン


シュウウウウウウウ・・・・煙
(硝煙を上げるその黒焦げの物体は、さっきまでモモを鼓舞していた兄の姿であった)


モモ「お兄・・ちゃま・・・・?」キーーーーーーーン


ボオオオオオオオオオオ


モモ「・・・・・・・・・・」ちら


ゴオオオオオオオオオオ!!
(炎の中で燃えている兄弟達の姿)


モモ「なに・・・・これ・・・・・・」ボオオオオオオオオ


「モ・・モ・・・・・・・」


モモ「??」

母ポカラ「逃げ・・な・・・・さい・・・・」ずるずる・・ずるずる・・(全身を引きずりながら近寄ってくる母の全身は焦げ爛れ、幼いころより見慣れた立派な牙も折れてしまっている)

モモ「お母ちゃま・・・・」ボオオオオオオオオオ

母ポカラ「逃げなさい!!モモぉおおおおおおお!!!!」ヒョウウウウウウン(母の背後から襲いかかる徹甲榴弾の猛雨)

モモ「わぁあああああああああああん!!!!」ダッ



ドワアアアアアアアン!!
(爆破を背景に白銀の大地を泣きながら必死に這って逃げるポカラ)



モモ「お母ちゃま・・!!お兄ちゃま・・!!お姉ちゃま・・!!お母ちゃまぁあああああああ!!!!」ドガアアアアアン!!ドワアアアアアアン!!ボガアアアアアアアン!!


ズキューーーーーーーーーーン血痕3
(貫通弾がモモの脇腹をかすめていく)


モモ「わあああああああああ!!!!」

ゴロン!(たまらず横転してしまう)

モモ「痛いモキュ・・・痛いモキュ・・・・お母ちゃま・・・うわぁ~~~~ん!!!!」



ザッザッザッザッザッザッ・・・
(揺れ動く炎の壁を背景にゆっくり忍び寄る黒い迷彩服の軍人達)



モモ「人間・・・・・・」ボオオオオオオオ・・


ザッザッザッザッザッザッ


モモ「人間なんて・・・人間なんていなくなっちゃええええええええええ!!!!!


ザッザッザッザッザッザッ


モモ「ひっく・・ひっく・・・」



「待て・・向こうから誰か来るぞ」ピタ・・



モモ「ひっく・・ひっく・・・」ちら



ボオオオオオオオオオ・・・・
(モモの虚ろな視線に映るは、オレンジ色の炎の照明を受けた真紅のクリムゾンゴートを肩に担いだ屈強なブランゴシリーズの戦士であった。またその背後にはランパートを構えたウルクシリーズの一軍を従えている)


「サウスツンドラの烈火・・・ウィンターシュヴァリエだ」じりっ

「凍土の精鋭部隊のご登場か・・・よし、撤退しよう」


ボオオオオオオオオオオオ
(火の海を掻き分け、姿を消していく黒の兵士達)


モモ「ひっく・・ひっく・・・」



「追撃しますか?」

「いや。それより、この子の怪我を診てやろう」

「ポカラの子・・・かなり出血していますね」

「可哀想に・・黒の兵士の食料にされそうだったのか」


モモ「お願い・・・」


「喋ったぞ!」

「知的生命体種のポカラの子だ」

「何か俺達に伝えたいんだ。安心しろ。俺たちは君の敵じゃない」(澄み切った淀みのない声がモモの脳裏に問いかける)


モモ「かじょくの・・・かじょくの仇を討って・・・・・」ガクン









「あたちのモンハン日記」
~Tundra Vendetta~











「こりゃいかん。血が足りんでニャ~」(暗闇の中、おそらく獣人であろう者の声がする)

「あら。それならあたしの血を輸血すれば?」(今度はおそらく人型の少女であろうよく通る声が聴こえる)

「棟梁の!?それなら自分のを使って下さい!!」(先ほど聴こえた淀みのない声が名乗りをあげる)

「あんたのじゃ適合出来ないわよ。おねえさんに任せなさい」(なんだか偉そうな少女の声)

「でも棟梁だって人間ですよね?」パカ~ん(どうやら口答えをして叩かれたらしい)

「あたしの血は特別なの」フフ~ん(自慢しているようだ)

「そうでニャ。なんせ棟梁の体には、唯一無二のセイクリッドブラッドが流れているでニャ。うし、早速採血するでニャ」がさりごそり(何やら準備をしている音が聴こえる)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(声を聞いていた主が再び眠りについてしまったようだ)



・・・・・・・・・・・・・・・・・・



・・・・・・・・・・・



・・・・・・・・




「お。こいつか?姉御の血を分けて貰ったっていうポカラのガキってのは」

「よせよ、ゼット。まだ安静なんだとよ」

「見たところ、体に異変はねぇな」

「コラ!穢れ無き棟梁の聖なる血をウイルス扱いするな!!」ぷんすか

「はっはっはっはっはっ。おめぇ、マジで姉御に惚れてんのな。このロリコン野郎」

「てめぇ!!殺す!!」ガバッ

ボカッボカッボカッボカッ




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




・・・・・・・・・・・・・・・・・・




・・・・・・・・・・・




・・・・・・・・





ぱちり




「あ、起きた」


モモ「うわぁ~~~~~ん!!」(ブランゴヘルムの怪しい男を見た途端に怖くて泣いた)


オクサーヌ「なになに!?何事ぉ~~~~!?」ズドドドドドドドDASH!(洞窟通路の向こう側から白衣を着たメラルーと、見るからに素行の悪そうな灰虎猫に挟まれながら走ってくる白銀の長い髪をした白いドレスの少女)

ブランゴヘルムの男「やっべ・・怖がらせちまったようだな・・汗」ぽりぽり(ヘルムのぶさぶさした白い毛を掻く)

モモ「えぐっ・・えぐっ・・」(ふわふわのベッドの上で丸くなって泣きながら怯えている)

オクサーヌ「あら、お目覚めね」

モモ「モキュ・・・・・・・」きょろきょろ


・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(目に映る小部屋は四方が木板で覆われており、天井には豪華な松明のシャンデリアが装飾されている)


オクサーヌ「ナイスでモダンな部屋じゃない?びっくりなのは、ここが洞窟内だってこと♪今流行りのDIYガールズハンターの真似をしてみたの♪居心地は如何かしら?可愛いポカラのゲストさん♪」ぴしっ(おねえさんっぽく人差し指を口元に当てたりする)

モモ「モキュ・・・・」ちら


ふっわふっわ♪(な白いシーツのベッドの上に自分がいることを確認する子ポカラ)


モモ「・・・・・・・・・・・」ちら(おそるおそる目線を上げる)


オクサーヌ「んふふふふふふふ」(何やら自分のことをにやにやしながら見ているオッドアイの少女。その左目は透き通る様な青を描いており、それとは対照的に右目は凄惨さすら感じるほど深い紅紫を施している)


モモ「・・・・・・・・・・・」ぶるぶるぶる



ゼット「姉御の目がこえーんだ。どけよ。子供に信頼を抱かせるには愛らしい獣人が一番ってな」ぬう

モモ「・・・・・・ねこしゃん・・・」ぱちくり

ゼット「ああ。俺はゼット。こっちの老いぼれ猫が、お前を治療してくれた医者だ」(隣にいる白衣を着た、頭部の両端、頭頂の毛が「ギザギザ」と二等辺三角形型に伸びている、どこか遊客の雰囲気がする老メラルーを紹介する。首にはメラルー特有の「例のマフラー」をちゃんと巻いている)

医者猫「ラザロス・リフテリスでニャ」ん~~(老眼鏡をかけ、モモの容体を診る)

モモ「・・・・・・・・・・」ぶるぶるぶる(震えながら他の人型二人を見る)

オクサーヌ「安心して。私達はあなたを襲った類のバカな人間じゃないから♪」パチりん(右目の方を瞑り、ウインクしてみせる)

モモ「・・・・・・・・・・」(自然と震えが止まる。その隙をみて検診を開始するラザロス)

オクサーヌ「あなたのお名前は?」にこり

モモ「・・・・モモ・・・」(ちっさい声で自己紹介する)

オクサーヌ「以後お見知り置きを♪モモちゃん」くすっ

ブランゴヘルムの男「あのぉ・・棟梁・・出来れば俺の紹介も・・」しょんげり・・

オクサーヌ「あ、そうだったわね。こっちの怪しいのが、怪我をしていたあなたに応急処置をして、ここまで運んできてくれたヴラドレンよ」

ヴラドレン「やぁ。やっとお話出来たね。俺はヴラドレン・バベンコ。よろしくな」(屈んで、目線を合わせてやる)

モモ「バベンコ・・・・」

ヴラドレン「その・・触ってもいいかな?」

モモ「・・・・・・・・・・」こくり

ヴラドレン「ありがとう」そっ・・

さわさわはぁ(子ポカラ特有のフワフワの白毛を撫でる)

ヴラドレン「綺麗な毛並みだ・・。もう大丈夫。ここには君を襲う者はいないよ」にこり(ブランゴヘルムの下部から出てる口元がほころぶ)

モモ「・・・・・・・・・・」

オクサーヌ「少し緊張がほぐれたみたいね」こそこそ(ゼットに耳打ちする)

ラザロス「あ~んしてみぃや」

モモ「・・・・・・・・・・」あ~~~ん(おそるおそる口を開ける)

ラザロス「フムフム・・・にゃして立派な「歯」でニャ・・・おし、もういいぞ」ぽん(頭を優しく撫でてやる)

モモ「・・・・・・・・・・」むぐっ(喋るのを拒むように口を閉ざす)

ラザロス「にゃんかあったら、また呼んどくれ。わしゃ~寝るでニャ」ふぁ~~あふん

ヴラドレン「ああ見えて立派なお医者さんなんだぞ。最も、闇医者だけどな」

モモ「いちゃ・・?」

ヴラドレン「怪我や病気をした者を治す、すごい人のことだ」なでなで

モモ「・・・・・・・。モモの・・・かじょくは?」

ヴラドレン「・・・・・・・・。残念だが、みんな死んでしまった。俺たちが駆けつけた時にはもう・・・すまない」

モモ「・・・・・・・・・・・・・・・」じわっ(その受け入れがたい言葉を聞くと同時に、瞳に涙が溢れ出る)

ヴラドレン「おいで」スッ・・(家族を失ったポカラの子供を優しく抱いてやる)


うわぁ~~~~~ん!!
(ブランゴヘルムの男の腕の中で慟哭するモモ。その後ろで目を背ける白いドレスの少女とそのパートニャー)


モモ「かじょくの・・かじょくの仇を討ってモキュ!!」わぁ~~~ん!!

ヴラドレン「モモ・・・・・」

モモ「モモのお母ちゃまや、お兄ちゃま、お姉ちゃまをころちた人型をやっちゅけてぇ!!」

ヴラドレン「・・・・・・・・・・」ちら(振り返り、ボスの顔色を伺う)

オクサーヌ「??」きょとん

ゼット「とぼけんな。リベンジクエストの依頼を受けたんだぜ?」

オクサーヌ「あら。領内に蔓延る害虫駆除は、そもそもあたし達の仕事でしょ?」ふぁさっ(長い髪をかき上げながらその場を去る)

ゼット「ケッ。素直じゃねぇな」とととと(主の背中を追いかける)

オクサーヌ「エヴァーウィンターナイツ集結よ!!目標はブラックガーディアンの滅殺!!二度と白銀の聖地を踏めぬよう、永久凍土から根絶やしにするのよ!!」バッ(泣き叫ぶポカラの子供を背景に、颯爽と部屋を出る白いドレスの少女。その右目は燃えたぎるような復讐の紅色に染まっている)


To Be Continued






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$あたちのモンハン日記
次回「あたちのモンハン日記」ザ・ストーリーモードは!?

9/24(土)0時更新 「Tundra Vendetta/PART2」の巻

をお送り致します♪ほいだらさ!次回も真剣に読もみようえっへん