~フェイリンメイリン国北方領内、夜....
ザアアアアアアアアア!!
(土砂降りの原生林エリアにひときわ映えるモンスターのように巨大な砲車が停車している。その前後にはネコ型のドクロマークがプリントされているパトリオット発射機を搭載した移動式荷車をはじめ、鉄製のネコ式突撃隊のミサイルを積んだ荷車も見える。またそれらの周りでは、数十名のセルタスネコが「例のドリル」を構え、黄色い目を怪しげに光らせながら警備をしている)
セルタスネコ「・・・・・・・・・・・」ザアアアアアアア(少し錆びついた重厚感のあるセルタスネコヘッドは雨の水滴により、かつての光沢感を取り戻しているように見える)
セルタスネコ「・・・・・・・・・・・」うろうろ(警備兵がうろつく背後に見える大砲の後部搭乗シートに、二人の獣人が座っている)
ダミアン「この雨だ。車輪がぬかるみにとらわれて横転する可能性がある。出発は明日の朝だな・・」ザアアアアアアア・・・(シートにふんぞり返り、夜空を見上げながら降り注ぐ雨をシャワー代わりに、ほてった体をクールダウンしている様子である)
ジェラード「ほみゃ」ぱしゃぱしゃ(隣のシートで腰を下ろす黄トラ猫もまた、そのすす汚れた顔を雨で洗い流している)
ダミアン「疲れたか?」ザアアアアアアア・・・
ジェラード「ふんみゃ」フリフリ(首を左右にふる、仏頂面のこ汚い衣装を纏った黄虎猫)
ダミアン「悪かったな。入国早々、兵器輸送の仕事に付き合わせちまって。他の連中は既に出発しちまったから人手不足なんだよ。許してくれ」
ジェラード「ミャ~~~って」(オーバーリアクションで天を仰ぐ)
ダミアン「意外と楽しかったって?驚いたよ。こいつの操縦をちょっと教えただけでモノにしちまうんだからな」(二人が腰掛けるシートの前には舵が見え、足元には車のアクセルのようなものも見える)
ジェラード「フミフミ」(仏頂面したままハンドルを回すようなアクションをとる)
ダミアン「ハハハハハ。ドライバーの才能があるかもな。あんたの物覚えと手際が良いんで、ずいぶん助かった。改めて礼を言わせてくれ」へこり
ジェラード「ノノノノノノノ」(と、頭をあげるよう言う)
ダミアン「フッ・・おかしな猫だぜ。やるか?」スッ(雨が滴る中、懐からスキットルを差し出す)
ジェラード「うみゅう」こくり
ゴッ(中の蒸留酒を喉に掻っ込む黄虎猫)
ダミアン「お。イケる口だな。貸してくれ」
ゴッ(同じく喉を焼け尽くすようにスキットルを口にするダミアン)
ジェラード「ほみゃ~って、ふみゅ~って、フミフミ?」ザアアアアアア・・・
ダミアン「ん?何処までこの砲車を移動させるのかだって?そう言えば伝えてなかったな」
ジェラード「みゅう」こくり
ダミアン「見て分かるようにこれから戦が始まるんだ。人型との決着をつけるともいえる大戦だ。これに勝てばフェイリンメイリン国は世界中に独立国として認知され、より多くの同志たちを招き入れることが出来る。そうすれば、あんたのように奴隷だった猫達の主権も獲得でき、より強い種族権利を獣人が手にすることが出来る。言うならば、先の革命の後押しを俺達がするってわけよ」シュボッ(ボロボロのタバコにマッチで火を点ける)
ジェラード「ほみゃらどちて」
ダミアン「革命後、既に三部会で獣人の権限は取得出来たはずだって?確かに新大陸ではそうかもしれない。だが、まだまだ世界には人型から迫害を受けている猫達が存在するのもまた事実だ。あんた出身は?」すぅ~~~~~(タバコを吸引すると同時に発火が強くなり、ダミアンの顔をより明るく照らす)
ジェラード「アヤ」
ダミアン「アヤ国か・・。新大陸以上に民族紛争が激しい大陸と聞くが・・・ひょっしてあんたが古語を喋っているのは、そこで人型共の酷い拷問を受けたことが原因か?」
ジェラード「・・・・・・・・・・」ザアアアアアアア・・
ダミアン「人間と同じ言葉を喋るものかと頑なに誓ったというわけか・・・強いな、あんたは」
ジェラード「・・・・・・・・・」フリフリフリフリ(ダミアンの言及を否定するかのように、全身に滴る水を振るい落とす)
ダミアン「俺達が尽力すれば、そこで苦しむ多くの猫達の激励に繋がり、人型の専横者共を制御する民主的な運動だって起こせるかもしれないだろ?今回の戦いは先の革命以上に、全世界の猫たちから、より強い期待が込められているんだ。だからこいつを北部で駐留してる仲間達に届けるのさ」ふかぁ~~~~
ジェラード「・・・・・・・・・・」ザアアアアアア・・・
ダミアン「どうした?」
ジェラード「うんみゃ。ほみゃらどかーーん」(大爆発のジェスチャーをしてみせる)
ダミアン「そうだな・・。確かにこいつを使えば、どんな人型の大軍勢だろうが、大型モンスターの群れだろうが一掃出来る・・。だが、ひとつだけ問題があるんだ」
ジェラード「にゃんだ」
ダミアン「問題はこの後ろのボイラーさ」カンカン(シート後部にある尾槌竜の尻尾のように「まあるい」ボイラーを叩く)
ジェラード「どちて」
ダミアン「こいつは普通の蒸気ボイラと少し違ってな・・。この中で生成されるドラゴンエレメントは、龍族だけにあらず、大陸に存在するありとあらゆる生物をも消し去っちまうんだ。恐ろしいのはそれだけじゃない。その放射量の加減によっては、エレメンタルエネルギーが空気上に残り、ヒト、獣人、モンスターをはじめとする生物はおろか、草木をも死滅させてしまうんだ」
ジェラード「ほみゃらどちて」
ダミアン「そんな危険なものを使うかっていうんだろ?そいつは宰相の掲げるイデオロギーに聞くんだな・・。俺だって・・出来ればこいつを運びたくねぇんだよ・・」ふぅ~~~~~(空に向かって煙を吐く)
ジェラード「ほにゃらどちて」
ダミアン「助けたい仲間がいる。だからこいつが出発しちまう前に・・・早くぶっ壊しに来やがれ」シュッ(タバコを投げ飛ばす)
ジェラード「??」
ポトン・・ジュウウウウ(濡れた草原に落ちるタバコの上から、すかさず落下してきた大きめの雨粒によってその火が消火される)
ジェラード「・・・・・・・・・・」ちら(空を見上げる)
ザアアアアアアアアアア!!
(真っ暗な夜空から、より強く落下してくる雨粒群)
ダミアン「闇夜の村雨か・・。奇襲するには持って来いのシチュエーションだが・・・どうやら舞台は整ったようだぜ」にや
ザアアアアアアアアアアア!!
「あたちのモンハン日記」
~Dragon Destruction編~
ザアアアアアアアアアアア!!
(夜の豪雨が密林地区を打ち付ける)
バシャバシャバシャバシャバシャバシャ!!
(水浸しになった大地を踏みつけていく、灰色、黄色、茶色のギルドナイトブーツ)
バシャバシャバシャバシャ!!(横殴りの雨を全身に受け、前傾姿勢で並走しながら進む三色のギルドナイト達。左端を往く黄色のナイトは右手にやさぐれた雰囲気のメラルーの首根っこを掴みながら走っている)
クロエ「最悪!!ずぶ濡れ!!」バシャバシャバシャバシャ
ポール「偵察するにはちょうどいいさ」バシャバシャバシャバシャ
サブ彦「っくしょん!!」(クロエに首根っこを掴まれたまま全身に大粒の雨を浴びているこ汚いメラルー)
黄「その密偵によればターゲットは北方領内で待機・・・明朝出発とのことだ。予想が当たったな、ベインズ」バシャバシャバシャバシャ
クロエ「ハン!!この作戦が成功すれば、あんたとあたしの順位は入れ替わるんだから!!こっからは大人しくあたしの活躍を見てなさい♪」バシャバシャバシャバシャ
ポール「どうするつもりだ!?砲車の周辺には警備兵がわんさかいるんだろ!?」バシャバシャバシャバシャ
サブ彦「ニャトリオットミサイルを搭載した荷車や、突撃用のエイコーンミサイルも一緒ですぜ」
クロエ「猫兵の相手なら任せなよ!!こいつらの習性や弱点はあたしが一番よく知ってんだからさ!!」グイッ(サブ彦を持ち上げて晒す)
ポール「奇襲を仕掛けるつもりか!?それは危険だ!!」バシャバシャバシャバシャ
黄「状況をこの目で見てから判断する」バシャバシャバシャバシャ
ポール「やれやれ・・・作戦は状況次第ってわけか・・。出来るかね・・この即席チームに・・」はぁ~
クロエ「神殿が見えてきたよ!!領内に入った証拠だ!!無駄口は謹んでよね!!」
黄「クックックックッ・・」(ハットのツバを深々下ろしながら不敵に微笑む)
ポール「はいはい・・」はぁ~~~~~~
ザアアアアアアアアアアア!!
(視界の悪い中、森の向こうに見えるピラミッド型の神殿に向かって、森の奥へと消えていく三人のギルドナイト)
ぼじゃん
(三人が通り過ぎていった泥道の地中から、ジンオウネコヘルムを被った黄猫の頭部が突き出る)
ミッチ「おかしいっすね・・・確かに今の足音はハンターのそれでしたが・・・」ザアアアアアア
ぼこん
(その隣から同じく頭部を突き出すバギィネコヘルムの銀青トラ猫)
マクシミリア「どうした?ミッチ」ザアアアアアアア
ミッチ「他にも侵入者がいるかもしれないっす。ご注意を」きょろきょろ(地中から綺麗に突き出した首を器用に360度回転させ、周囲を警戒する)
マクシミリア「帝国軍の斥候だろうか・・・どちらにせよ、もう少し接近しよう。オルタロス偵察部隊の話では、この先のエリアでドラゴンディストラクションが待機しているらしい。お前の持ってきた情報を頼りに、必ず砲車の機能を停止するんだ」
ミッチ「うっす。伯爵の予想通り今夜は豪雨・・サムソン殿達も直に到着すると思うっす。その混乱に生じて、砲車を占拠しましょう!」
マクシミリア「・・・・・・・・・」ザアアアアアアアア(空を見上げている)
ミッチ「どうしたっすか?」ザアアアアアアアア
マクシミリア「この雨では嗅覚は頼りにならんな・・・」ザアアアアアアア(雨を顔全体に受けながら呟く)
ミッチ「モンスターの匂いも、これでは判別出来ねぇっすね。自分らにとっては好都合っすよ」ザアアアアアアア
マクシミリア「よし、急ごう。ミッチ」
ミッチ「へいです」こくり
ぼこん(再び地中に潜水していく二人の獣人)
ザアアアアアアアアアアア!!
~ニャー神殿内、客室....
ダアアアアアアアアアアア・・!!
(閉めきった開窓の向こう側から豪雨の打音が石造りの部屋の中に振動してくる)
ポチャッティ「どえらい雨ですね・・・」(ふかふかの木製ベッドの上で、かなり「ぶっとおっきい」フルフルネコチクリを抱きまくら代わりにしながら仰向けになって寝ている、頭でっかちのぽっちゃりナースアイルー(ぽかぽかアイルー村シリーズの容姿とサイズ感))
ダアアアアアアアアアアア・・!!
ポチャッティ「・・・・・・・・・・・・・・」(まんまるの目で天井を見上げている)
ダアアアアアアアアアアア・・!!
ポチャッティ「・・・・・・・・・・・・」(まんまるの目を見開いたまま、「中の人」はどうやら眠りについたようだ)
ダアアアアアアアアアアア・・・・!!
ポチャッティ「・・・・・・・・・・・・・・」
アアアアアアアア・・・・・・・・・・
ポチャッティ「・・・・・・・・・・・・・・」
アアアアアアアアアアア!!!!
(セピア色の記憶の中、燃え上がる市街地の中央上空で、周波数の高い咆哮をあげる竜骨型アーメットを被った不気味な巨大龍の頭部)
ポチャッティ「!!」ガバッ
ダアアアアアアアアアアア・・!!
ポチャッティ「イコール・・・ドラゴン・・・ウェポン・・・・・・」ハァ・・ハァ・・
ダアアアアアアアアアアア・・!!
ポチャッティ「・・・・・・・・・」パンパン(でっかいお手で顔を叩く)
ダアアアアアアアアアアア・・!!
ポチャッティ「外の空気を吸いにいきましょう・・・」タン(とベッドを降りるぽっちゃり猫)
ザアアアアアアアアアアアアア!!
(鉄格子の開き窓から容赦なく中へと侵入してくる豪雨の水滴)
ロイ「ハァ・・ハァ・・・!!」ぴちょぴちょぴちょ(壁を伝い、上から流れ落ちてくる水滴を恥じらいもなく舐めている、両腿の「付け根」に包帯を巻いたレモン猫)
ジーナ「良かったですね。水分補給が出来て」(隣の牢から声だけが聞こえる)
ロイ「なんとか拘束具だけは外してもらえたのが幸いしているよ。しかし余裕だな。明日、この雨が止んだら、あんたは間違いなくギロチン行きだぞ?」ぴちょりぴちょり・・
ジーナ「あなたにとっては恵みの雨も、外の兵士達にとってはどうでしょう?」
ロイ「・・・・・・・・・(そうか・・・足取りが悪く、兵器輸送は中断・・。だとすればドラゴンディストラクションもまだ領内とみていいだろう・・・)」ぺろぺろぺろ
ザアアアアアアアアアアア
ジーナ「なんて美しい音色・・」
ロイ「??」
ジーナ「この領内には猫民達による強い思念が渦巻いています。果たして夜陰の雨は、その強欲を洗い流すことが出来るでしょうか?この国は選ばれたのです。そう・・それはかつての・・・」
ドシャーーーーーーーン!!
(遠方で落雷があったようだ)
ロイ「・・・・・・・・・・」
ジーナ「あなたも闇夜に向かって願いをこめるといいでしょう」
ロイ「生憎、僕は無神論者だ。けど・・・・・」
ジーナ「・・・・・・・・・・・・」ザアアアアアアア・・・・
ロイ「・・・・・(コニー・・・・)」ちら・・(衰弱した顔をゆっくりと上げ、数メートル高い位置にある鉄格子で塞がれた小窓を見上げる)
ザアアアアアアアアアアア!!
(神殿内のバルコニーの中から降り止まない豪雨を黙って見つめているニャン=ジュストの後ろ姿)
ニャン=ジュスト「・・・・・・・・・・・・・・・・」
ザアアアアアアアアアアア!!
To Be Continued
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次回「あたちのモンハン日記」ザ・ストーリーモードは!?
8/31(水)0時更新 「Dragon Destruction編/PART8」の巻
をお送り致します♪ほいだらさ!!次回もちゃんと読もうシンプルに