~カーブーんち(実家)....
ロージー「ふむふむ・・カルノシンは哺乳類型モンスターの筋肉や神経組織内に高濃度に存在する・・・ってことは肉エキスに多く含まれてるのか!とすれば、骨格筋を多く含んだファンゴの肉から抽出可能ね♪後で貯蔵庫から持ってくるとして・・次は・・・」ぺらぺらぺら(暗い部屋の中、蝋燭の灯りを頼りに卓上で何やら分厚い本のページをめくっている。また、机の半分以上は、試験官やらビーカーといった所謂「科学セット」が卓上エリアの大半を占領している)
リィィィィ・・・リィィィィ・・・・
(家の外から、今宵も安穏であることを示唆する、ハナスズムシの叙情的な鳴き声が聴こえる)
ロージー「アントシアニンはブルベリーでいいでしょ・・・グリセリンは・・・」ぺらぺらぺら
リィィィィ・・・リィィィィ・・・・
ロージー「油・・油・・・獣脂となると手軽に調達出来るのは・・・・垂皮油・・・ケンちゃんの・・・」こくりこくり・・
リィィィィ・・・リィィィィ・・・・
ロージー「はっ!あかん!!」ぱちくり
リィィィィ・・・リィィィィ・・・・
ロージー「お風呂入って寝よう・・・」むくっ
そろぉ~り・・そろぉ~り・・
(開き窓から月明かりが差す和風チックな廊下を、泥棒にみたいに「こしょりと」足音を立てず歩くロージー)
ロージー「・・・・・(もう夜遅いからな・・足音でバステトを起こしてもうたら、どえらい泣き声で家中パニックや・・・慎重に行こ・・)」そろぉ~り・・そろぉ~り・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
(隣の部屋のドアが少しだけ開いている)
ロージー「・・・・・・(フラワー・・まだ起きてるのかな・・?)」こそっ(ドアの隙間から「こしょりと」中を覗く)
・・・・・・・・・・・・・・・・
(ベッドの上で白いモフモフ赤ちゃんを抱っこしながら寝ている紫毛のお母さん猫)
ロージー「フフフ・・」
ぱちっ
(ロージーに向かって、バステトが急にまんまるお目目を開眼させる)
ロージー「・・・・・・・・・・・」
ぱちくり(白泥化した神秘的な瞳でこちらを見ている)
ロージー「・・・・・・・(そうよ。あたしはここにいるのよ・・バステト・・)」
きょろきょろ・・きょろきょろ・・
(ロージーの気配は感じているのだろうか、部屋の中を見渡す赤ちゃん猫)
ロージー「・・・・・・・・・・・」
にょるっ
(フラワーの腕から身を乗り出し、ベッドから落ちそうになるバステト)
ロージー「!!」ダッ
たしっ
(間一髪、落下しそうになったバステトを拾い上げるロージー)
バステト「みゅ~~。みゅ~~」きょろきょろ(ロージーの胸の中できょろきょろしている)
ロージー「大丈夫・・・あなたとお兄ちゃんの目は、必ずあたしが治してみせるからね」なでなで
バステト「・・・・・・・・・・」ZZZZZ・・・
そっ(バステトを母親の腕の中にしっかりと抱かせる)
ロージー「・・・・・・・・・・・・」
そろぉ~り・・・
パタン・・
・・・・・・・・・・・・・
(廊下の開き窓から月を見上げるロージー)
ロージー「・・・・・・・・(鉄平君も今頃、バステトの目を治す為の素材を探しているはず・・)」
リィィィィ・・・リィィィィ・・・・
ロージー「よし。顔洗って、調合をはじめよう」パンパン
そろぉ~り・・そろぉ~り・・・
(泥棒歩きで階段を降りていくロージー)
「あたちのモンハン日記」
~Fourth Stage~
~渓流狩猟エリア9....
UBU「虫あみ持ってくれば良かったね。雷光虫の採取なんて久々だ♪」
鉄平「呑気言ってんじゃねぇ俺達が探してんのは、知的生命体種の雷光虫で、しかもイケてる雌なんだぞ!」ぷんすか
ファイヤージンガー「確かこの辺りで、いつも一服してるはずなんだけどな・・・」きょろきょろ(鉄平のヘルムの上に乗り、四方を見渡してるドスビカス)
UBU「知り合いの雷光虫?」
ファイヤージンガー「ああ。ライ美ってんだけどよ・・・狩猟社会にうんざりしててな。鬱屈した日々を送ってるヤングサンダーバグなんだが・・・」きょろきょろ
UBU「ヤングサンダーバグねぇ・・あんた達の世界もいろいろ大変なのね」
*Thunderbug:雷光虫の英語表記。ちなみに大雷光虫は「Great Thunderbug」、紫光虫(俗称:毒光虫)は「Poison Thunderbug」である
ファイヤージンガー「おかしいな。今日に限ってぶらついてねぇのかよ」きょろきょろ
「誰が「ブラ」付けてないですって!この変態ドスビスカス!!」
ファイヤージンガー「おっ!」
ホワァ~~~~~~ん
(一行の前に飛んで来る、目力パッチリ系のつけまつげを付けた雌の雷光虫。腹端から突起した長い産卵管が特徴的である)
ライ美「コラァ~。なにこんな所で調子ぶっこいてんだぁ~?このクソドスビカス~♪って、今日はあんた、あの「ねんね」のロージーとは一緒じゃないわけ?」ほわほわほわほわ
UBU「・・・・・・(なんだか時代錯誤な不良少女・・もとい不良雷光虫だな・・)」
ドスビカス「説明は後だ。ワリィけど、俺達と一緒に来てくんねぇか?」
ライ美「お断りだね。うまいこと言って、雷狼竜に群がってるガリ勉共のところにあたいを連れてく気だろ?」
UBU「・・・・・・(そんなにうまい誘い方でもないし、雷狼竜に群がってる雷光虫って、真面目な虫が多いんだな・・)」
鉄平「頼む!俺の娘を助けると思って、一緒についてきてくれ!!」
ライ美「いやあああああああ!!なにこのいやらっしい獣人!!あの「アホの川村」と同じお面付けちゃってさ!!変態のポン引き!!あっち行ってちょうだい!!」ぷんすか
UBU「・・・・・・・(カーブーは「虫界」でも嫌われてるんだな・・)」
鉄平「なぁ、頼むよ!!あんた、日常生活にうんざりしてるんだろ!?だったら一緒に来いよ!?やべぇもん味あわせてやるからよ!!な、いいだろ!?」いやああああああああ!!(捕まえようとする鉄平の頭上を舞う雷光虫)
UBU「・・・・・・・(まるで下っ端ギャングのナンパだ・・)」
ライ美「このロリコン猫がぁ~!!これでも喰らいなさい!!」ビリビリビリビリ(発電した)
鉄平「あげげげげげげげげげげ」ビリビリビリビリ(ドスビカス共に感電する。勿論、骨が透けて見える演出効果で)
ライ美「なにさ。バカにしちゃって。あたいはそんなに尻軽じゃないのよ」ぷんすか
UBU「これこれ、ライ美さん」じー
ライ美「なによ、あんた。アホみたいな「まあるい」顔しちゃってさ」ほわほわほわほわ
UBU「あんた、クラブって行ったことある?」じー
ライ美「クラブ・・・!!」ガーーーン
UBU「そう。若い男と女が、夜な夜なエキセントリックな音楽に狂いながら、酒池肉林の快楽主義に溺れることが許された公共の場・・・行ってみたくない?」じー
ライ美「酒池肉林・・!!なんて破廉恥な!!」ガガーーーーン
UBU「とか言っちゃって、心の奥底では、雷光虫の雄に囲まれた「逆ハーレム天国」を想像してるんでしょ?このドスエロ雷光虫め」
ライ美「逆ハーレム・・・あたいが・・・ドスエロ雷光虫!!」ガンガンガンガーーーーンブブーーーーー(ショック&鼻血)
ほわほわほわほわ・・・へなん・・
(ゆっくり落下して地面にヘタれる雷光虫の雌)
UBU「負けを認めなさい。セレブな虫ライフを送りたければ、時にはビッチの目線で世の中を見ることも必要なのよ」
鉄平「・・・・・・(そんなもんだろうか・・)」
ライ美「分かったわ・・・。あたいを・・あたいをその楽園に連れて行ってちょうだい・・」ううう・・
~渓流非狩猟区域....
ヤマオモイ「・・・・・・・・・・・・・」(断崖の植物群落に囲まれた原生林エリアで、ポツンと大人しくしてる古龍)
ドゥン♪ドゥン♪ドゥン♪
(その重圧な緑色の体の中から、何やら激アツなビート音が聴こえる)
カーブー「う~ん・・・・・ここは・・・」ドゥン♪ドゥン♪ドゥン♪
・・・・・・・・・・・・・・
(カーブーが横たわるヤマオモイの体内エリアは、緑々しい草原と美しい草花で覆われた大自然そのものの姿であった。エリアの中心には天井(正確にはヤマオモイの粘膜)を貫く、巨大な大木が立っている)
ライ夢「よぉ、起きたか。クソハンター」ドゥン♪ドゥン♪ドゥン♪(カーブーの真上を飛ぶ大雷光虫。粋なビート音と共に発光も変色させている)
カーブー「なんだか・・実に空気がうまい所だな・・・」ぼけぇ~
ライ夢「爺さんの体の中だからさ。最高だろ?」ドゥン♪ドゥン♪ドゥン♪
カーブー「ああ・・。こんなに気持ちいいリラクゼーションサロンには・・来たことがない・・」
ライ夢「悪いな。あんたを人質にしちまって」ドゥン♪ドゥン♪ドゥン♪
カーブー「そうか・・俺は人質に・・。道理でみんなの声が聞こえないわけだ」
ライ夢「ん・・。あんた、もしかして目が・・」ドゥン♪ドゥン♪ドゥン♪・・(ビートの音を弱める)
カーブー「なぁ、もしもだ。君らを進化させたこの聖域で、毎日癒やされることが許されるのならば、失った光を取り戻せると思うか?」
ライ夢「・・・・・・・。確証はねぇ。だが、可能性はある。爺さんの作り出す、この体内ガスを吸い、きちんとした医療法を用いれば・・・夢は叶うかもしれねぇ」
カーブー「夢か・・・ならば、いつも暗闇を頭の中で見ている俺は、夢遊病ってところかな・・。助言、ありがとう」
ライ夢「・・・・・・。夢から覚めるには、まず、そいつの強い意志力がないとダメだ。あんたには、十分その資格があると思うぜ」ドゥン♪ドゥン♪ドゥン♪・・
カーブー「・・・・・・・。視覚だけにか?」
ライ夢「クソつまんねぇダジャレだ。笑えねぇ」ドゥン♪ドゥン♪ドゥン♪(音量を上げる)
カーブー「ハッハッハッハッ。少し寝たら喉乾いた。なにか飲み物をくれないか?」よいしょっとな(上半身を起こす)
ライ夢「おう!それなら、その辺を流れてる川、爺さんの体液だけどよ、それ飲んでみろよ!!激ヤバだぞ!!こっちだ、こっち」ドゥン♪ドゥン♪ドゥン♪(音でナビゲートしてやる)
ヤマオモイ「・・・・・・・・・・・・」ザアアアアアア・・・(断崖から落ちてくる滝を頭に浴びている)
「お~~~~~~い!!」(崖の上から声が聴こえる)
ヤマオモイ「帰ってきよったか」ザアアアアアアア・・
UBU「おりゃあああああああああ!!」ブワッ(崖から勢い良く飛び降りてくる撫子装備のハンターとドスビカスを頭に乗せたドボルネコヘルムを被ったオトモ)
ダシャーーーーーーーン
(勢い良くヤマオモイの頭上に着地する一行)
ヤマオモイ「これ、痛いからやめんか」
UBU「あっはっはっはっ。悪い悪い。つい、あんたを「上から見ると」、乗りたくなっちゃうのよねぇ~、ハンターってば♪」お~ほほほほほほほほ・・(気味の悪い微笑が秘境エリアにこだまする)
ヤマオモイ「そんなことより、もう連れてきたのか?」ひょっ(目の前に着地してくるUBU一行)
ライ美「ゲロゲロぉ~マジでユクモに浮岳龍じゃん」(8センチシングルのB面タイトルみたいなことをほざく雌の雷光虫)
ヤマオモイ「ほぉ・・これが世にも珍しい、喋る雷光虫の雌じゃな」
ライ美「あんたもね。おじいちゃん」パチりん(ウィンクする)
UBU「ライ夢は?中?」
ヤマオモイ「歓迎するぞ。ほれ、入るがよい」あ~~~~~ん(大口を開けると、ヒト科のようにびっちりと歯列した「歯」が見える)
鉄平「すげぇ・・。なんか臭そうだけど・・」
ヤマオモイ「ひふれいな(失礼な)。わひゃ、いんふらんほひゃ(わしゃ、インプラントじゃ)」
UBU「行こう♪ニャンガス以来の体内潜入工作だ♪」ひょっひょ~(実に小粋な「あんまんスキップ」を踏みながら口内に入っていく)
ファイヤージンガー「俺達も行こうぜ」
鉄平「おっしゃ。これも苔を貰う為だ」ビョッ
UBU「ほえ~。松明持ってくれば良かったね・・」ぴちょん・・ぴちょん・・(まるでダンジョンのように暗い食道を通り過ぎていく)
鉄平「ライ美、照らせるか?」
ライ美「任せてよ」
ビリビリビリビリビリ
(発電し、その発光により周囲も照らされる)
UBU「お、いいね。これで前が・・」
バサバサバサバサバサバサ!!
(目の前から無数のコウモリが飛んでくる)
UBU「ぎゃあああああああああ」バサバサバサバサバサバサ(通り過ぎていくコウモリにフンを落とされたり、髪を引っ張られたり、挙句、目などを突かれている)
ファイヤージンガー「堪えろ、お嬢さん。これも可愛い赤ん坊の為だ」バサバサバサバサバサバサ
鉄平「進むぞ」めにょんめにょん・・(鉄平を先頭に、なんだかめにょんめにょんした粘膜の上を進んでいく一行。髪の毛がすっかりボサボサになってしまったUBUは、へえこらと猫背でオトモの後を付いて行く)
ライ美「この先、明るいわよ!」ビリビリビリ・・
鉄平「行ってみようぜ!」ひゃっほぉ~い(ぐうたらしながら仕方なくついていくUBU)
ファイヤージンガー「うお!なんだ、このエリア!!まるで高原じゃねぇか!!」
鉄平「なんで明るいんだ?」きょろきょろ
ライ美「苔じゃない?地面や、天井、それに壁にも発光する苔が付着してるわ」
ファイヤージンガー「こいつぁ~ジャック・ザ・アイランドも真っ青な・・・ん!?」
ガブガブガブガブガブ・・・
(体内エリアの草原上に流れる、あやしげな緑色の川の水を、マスクを外し、ガブ飲みしてるカーブー)
UBU「ちょっよしなさいな!そんな危ない水飲むの!!」ひえええええ
カーブー「ん・・。その声はUBUさんか。ようこそ、パラダイスへ」カポン(ドボルヘルムを被る)
ライ夢「なんだ?ずいぶん早かったじゃねぇか・・・って・・」ドゥン♪ドゥン♪ドゥン♪・・
ライ美「なにあのドーム・・。超イケてるじゃん・・」ほわほわほわほわ・・
鉄平「・・・・・・(大雷光虫の集合体を、若い者の間では「ドーム」って呼んでるのか・・)」
ライ夢「あ、あの・・・」ドゥン♪ドゥン♪ドゥン♪(心拍数のビートを刻みながら雷光虫の雌に近づいていく)
ライ美「あたい、ライ美っていうの。あ、あんたは?」もじもじ
ライ夢「ライ夢・・・この「massive beats」のリーダーやってんだ」ドッドッドッドッドッ♪(ビートの心拍数が上昇する)
ライ美「その・・入っても・・いい?」もじもじ
ライ夢「え・・・当たり前だろ!!さぁ、来いよ!!」
ライ美「うん!それ!!」ブワッ
ドン♪ドン♪ドン♪ドン♪ドン♪
(仲間の雷光虫達がホットなビートを奏でながら、見つめ合う二匹の周りを飛び交う)
UBU「イケ!チュウしろ!!」
むちゅ~~~~~~~
(キスをするライ夢とライ美)
ボウン
(ライ夢とライ美を中心に大雷光虫が真っ赤な恋の炎に包まれ、ハート型になる)
鉄平「やったぜ!!この野郎!!」ピン(指を弾く)
ファイヤージンガー「二匹の愛情の炎が、雷属性から火属性にエレメントチェンジしたんだ!つまり、恋が実ったって証拠だぜ!!」ひゃっほぉ~い
カーブー「・・・・・・(一体どんな状況なのだろうか・・)」
ライ夢「みんな、ありがとう」ボオオオオオオ
ライ美「式には是非来てね」ボオオオオオオ
カーブー「・・・・・・(もう結婚するつもりなのか・・)」
鉄平「めでたい中、悪いが約束の苔を貰うぜ」
ライ夢「ああ。世界樹の下に行ってみな」
・・・・・・・・・・・・・・・・
(体内エリアに立つ巨木は、天井(ヤマオモイの皮膚)を貫くほど高く聳えている)
UBU「なんだかありがたい御神木だね・・」(巨木を見上げている)
ファイヤージンガー「なぁ、もしかしたら、この巨木の枝がなってる部分が、爺さんの脳みそなんじゃね?」
UBU「うん・・少し「気味が悪い」けど・・きっとそうなのかもね・・」
鉄平「ヤマオモイの翁自体が大陸の一部だって話は、どうやら本当みたいだな」
UBU「さ、鉄平。そのありがたい神龍苔を頂戴しましょう♪」
鉄平「おう!!」
キラキラキラキラキラキラ
(世界樹の根本に煌めく金色の苔)
鉄平「貰うぜ、翁」
ざっくり
(と、両手いっぱいに甲子園の土をすくうかのように金色の苔を拾い上げる)
UBU「すごい効き目ありそうだね・・。あたちも「せっかく」だから、貰っていこう」スッ・・
バチバチバチバチバチバチ!!
(苔に触った瞬間、しびれるUBU)
UBU「なんでぇ・・・・・」パタぁ~ん
鉄平「あっはっはっはっ!!きっと邪念があるから弾かれたんだな!!」
ファイヤージンガー「さぁ、急ごうぜ。その苔をお嬢に渡して、調合してもらうんだ!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
(ヤマオモイの前に立つUBU一行。大雷光虫も一緒である)
鉄平「ありがとう、翁。あんたのくれたこの貴重な苔は、絶対に無駄にしないからな!」
ヤマオモイ「ついでにこれもやろう。何かの足しになるやもしれん」ぱちくり(真っ赤な目をぱちくりさせる)
じわっ・・(ヤマオモイの目尻に涙が溢れる)
UBU「古龍の涙・・・鉄平!空き瓶を頂戴!!」バッ(すかさず鉄平が懐から取り出した空き瓶を奪うように取る)
ヤマオモイ「いくぞ」
ぽちょ~~~~ん
UBU「はいな!!」ガッ(空き瓶を掲げる)
ばしゃあああああああああん
(全身に滝のように落ちてきた涙を浴びるUBU。前髪で顔が見えなくなる)
鉄平「どうだ!?」
UBU「ひょっひょっひょっひょ。採取、完了♪」チラぁ~ん(空き瓶の中で光る涙の滴)
ヤマオモイ「ホッホッホッホッ。また足りなんだら、取りにくるが良い」
UBU「え・・。ってことはおじいさま、ユクモにいてくれるの!?」
ヤマオモイ「ワシをここに呼び寄せた意志が、誰によるものなのか・・・ちいと見てみたくなったのじゃよ」ホッホッホッホッ
ライ夢「分かってるとは思うが、爺さんのことは他言無用だぞ?」ドゥン♪ドゥン♪ドゥン♪(ライ美の肩を抱いている)
UBU「人には言わないけど、仲間の知的生命体種のモンスターになら話してもいい?一緒におじいさまを守ってあげられる」
ヤマオモイ「願ったり叶ったりじゃ。なぁ~に。ワシはこの「秘境」で大人しくしておる。また何か用があったら来るといい」
UBU「分かった。ありがとう、おじいさま♪本当はハンターとして、あんたに「もっと乗っかったり」、あんたの龍木、あんたの皮やヒレや膜、そしてあんたの体液が「死ぬほど欲しい」けど、今日は我慢することにするよ」(「えっ」って顔をする一同)
ライ夢「なぁ、爺さん。せっかくユクモに滞在させてもらうんだから、「あれ」やってやれよ」
鉄平「あれ・・?」
ヤマオモイ「そうじゃな。せっかくだしな」
UBU「??」
ヤマオモイ「にかぁ~~~~~」
ふおおおおおおおおん!!
(にかっと歯をむき出して笑ったヤマオモイを中心に、放射状に放たれる大気のオーラ)
UBU「ほえ・・・ほえ~~~~!?」キラキラキラキラ
鉄平「なんだこれ・・・翁の体内にいるみたいに・・すげぇ気持ちいい!!」キラキラキラキラ
ライ夢「これが爺さんの「想いの煌めき」だ!!」キラキラキラキラキラ
キラキラキラキラキラキラ
(渓流地区の俯瞰視。断崖エリアを中心に無数の想いの煌めきが、ユクモ地方を包んでいく)
キラキラキラキラキラキラ
(煌めきを浴びた木々は精気を帯び、活力的な葉音を奏で出す)
キラキラキラキラキラキラ
(微粒子の星々が舞い降りる大地からは、ミミズが元気そうに顔を出し、周りのキノコ達は嬉しそうに命の胞子を撒き散らす。その頭上では虫達が活発的に夜空を舞っている)
キラキラキラキラキラキラ
(求愛活動で喧嘩をしていたファンゴのカップルも、一度優しい煌めきを全身に浴びると、静かに寄り添い、うっとりしだす。その遠方に見える丘の上では、本能のまま月に向かって吠える雷狼竜の周りに、神秘的な輝きを放ちながら群れをなして舞う雷光虫の姿も見られる。そして渓流地区の川や滝の水もより清涼感と透明感を増し、脈々と流れていくのであった)
ファイヤージンガー「うほぉ~~!!フルチャージだぜ!!なんだかすげぇ力が漲ってきた!!」キラキラキラキラキラ
UBU「おじいさま・・何をしたの?」シャキーンシャキーン(体から延々と体力回復のエフェクトを放っている)
ヤマオモイ「なぁ~に。この地区の山を想う、ありとあらゆる生物の純真な感情をエネルギーに変換してやっただけじゃ」
ライ夢「爺さんの「満面の笑み」から発せられる、体内の特殊ガスを浴びたエリアは、その食物連鎖の循環が乱れることなく、正しいサイクルを保つことが出来るんだ!俺達は、その爺さんの偉大なるユニークスキルを「Food Chain Smile(フード・チェイン・スマイル)」って呼んでるんだ♪」キラキラキラキラ
UBU「笑顔の食物連鎖・・・あははははは!!最高だよ、それ!!おじいさまは大陸の「秩序の神様」だ!!」ぱぁ~ん(ヤマオモイの触手の先っぽとハイタッチを交わす撫子装備のハンター)
鉄平「ありがとう!もし、娘の目が治ったら、必ず翁に会わせに来るからな!!」
ヤマオモイ「楽しみにしておるぞ」顔にこぉ~~~~♪
キラキラキラキラキラキラ・・・
(この晩のことは、以後、ユクモ地方では「奇跡の夜」として語り継がれていく。ユクモに属する森羅万象すべてに、ヤマオモイが祝福のブレスをかけたのだ。そしてこの男もまた、回復の兆しをみせていくのであった・・)
カーブー「んごぉ~~~~ずごぉ~~~~~」(ヤマオモイの体内エリアで、もの凄いいびきをかきながら寝ている。そのヘルムの上で、仲睦まじく飛んでいるライ夢とライ美の姿も)
ヤマオモイ編/完
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次回「あたちのモンハン日記」ザ・中継ぎ記事はさ!?
7/22(金)0時更新 たぶん「なぜなに」と「次回予告」でさぁ
をお送りいたします♪ほんじゃらばさ!次回も涼し気な「おようかん」をつまみ食いしながら読もみようよ緑の(お抹茶の)もいいよね♪