~永久凍土、山岳地帯....

ヒャホオオオオオオオ・・・・



ルナストラ「・・・・・・・・・・・」ヒョオオオオオ・・・・(ブリザード吹き荒れる雪山の山頂から、遠くを眺めている)


「凛冽たる風雪に、似つかわしくない炎妃龍が一頭・・」


ルナストラ「・・・・・・・・・・」ちら



ヤンコフスキー「物憂いは、この凍てつく寒さのせいじゃねぇようだな」ドスンドスン・・(熊の様に四肢をついてゆっくり吹雪の中を歩いてくる巨大な白兎獣)


ルナストラ「寒さには慣れました。それに・・・古塔の孤独に比べたら、ここ(永久凍土)はあたたか過ぎるくらいですわ」

ヤンコフスキー「姐さんが心配なのはみんな同じさ。あの新米の灰虎猫なんか、姐さんがいつでも安心して帰って来れる様にって、ツンドラアーミーの先陣きってエリアの防衛にあたってるぜ」

ルナストラ「ルーの見解通り、口は悪いけど、信用できる獣人だったようですね。清潔じゃないのが玉に瑕ですが」

ヤンコフスキー「客将扱いはするなって姐さんからの命令だ。野郎もそれを承知で、侠をもって報いろうっていう魂胆だろう。前に野郎が所属していた猛豚軍の情報も得ることが出来たしな。実行力もある、即戦力には違いねぇ」よっこらしょっとな(雪に埋もれた地面に重たい腰を下ろす)

ルナストラ「水没林の様子は?」

ヤンコフスキー「ああ。相変わらず帝国軍と猛豚軍の睨み合いが続いている。何をきっかけに大戦になるか分かったもんじゃねぇが・・ラインハルトの旦那はそれを待っているんじゃねぇかってのが、姐さんの推測だ」ぼりぼり(でっかい鼻を掻く)

ルナストラ「三部会の協定も既に過去の話・・・となれば、彼らは獣人の国を壊滅する、正当な理由を待っているのでしょう」

ヤンコフスキー「ドスコカの製造か。確かにそれを明るみに出来れば、種族差別関係なしに、全力で奴らを叩けるな」

ルナストラ「私設軍隊というのは所詮、権威に溺れるもの・・。今は戦力が不十分でも、整い次第、この凍土にも侵攻してくるでしょう」

ヤンコフスキー「ギルドにローゼンクロイツが相手だろうが、こっちには姐さんがいるんだ。心配いらねぇよ」

ルナストラ「そうですね」


ヒョオオオオオオオ・・・・・


ヤンコフスキー「私設軍隊っていえばよ、あんたも民間警備隊にいたんだろ?え~と・・」

ルナストラ「ゴッドジャスティス部隊です」

ヤンコフスキー「おう、それそれ。頭目は・・」

ルナストラ「炎王龍ゼルベス。別れた夫です」

ヤンコフスキー「・・・・・・・・。なんで別れちまったんだ?」

ルナストラ「・・・・・・。つまらない話ですよ?」フッ・・

ヤンコフスキー「構わねぇさ。普段から饒舌な姐さんの話を聞いてるからな。聞き上手になっちまった」ぽりぽり

ルナストラ「・・・・・・・・」にこ


ヒョオオオオ・・・・・・・・
(次第に吹雪が弱まっていく)


ルナストラ「古塔でくすぶっていた私は、民間警備隊である、ゴッドジャスティス結成の噂を知人のガブラスから聞き、参加を決意しました。と言っても、当時の私にイデオロギーなど無く、ただ単に同じ知的生命体種と共に、うさを晴らしたかっただけなのですが」フッ・・

ヤンコフスキー「自分の持つ才能、力量を何に使っていいのか分からねぇのが、若さってもんだ。理知ある種なら、誰にでもある話さ」

ルナストラ「その有耶無耶な自分を導いてくれたのが、他でもないゼルベスだったのです。私はあの人の発する、底知れぬ力と揺るぎない意志力に引かれ、共に多くの大陸を駆けまわり、大陸に跋扈する悪辣な組織、狩人、獣人、モンスターを取り締まり、生態系の秩序を乱す者を片っ端から跪かせていきました」

ヤンコフスキー「知的生命体種の炎王、炎妃相手じゃ、悪党もたまったもんじゃねぇな」

ルナストラ「やがてゴッドジャスティスは、些細な報酬で、荒ぶる凶族を討伐する義賊集団として、各地で有名になっていきました。同時に夫は・・ゼルベスは勢力拡大を目指すようになり、収容所の建設を考えるようになったのです」

ヤンコフスキー「それがゴッドジャスティス収容所か。ゼルベスはそこの館長も務めてたんだろ?大したもんじゃねぇか」

ルナストラ「討伐した重罪人をその施設で拘束し、優れた者を部隊の兵士になるよう育成する・・・もちろん収容所内に秩序なんてありません。圧制のみの服従しか囚人達には待っていないのです」

ヤンコフスキー「噂じゃ冷酷無情な氷牙竜が規律を作っていたらしいな」

ルナストラ「ええ・・館内でいにしえ麻薬も製造し、密輸していました。所内で働く警備員の中には、弱みを握られ泣く泣く服従しているモンスター達もいたほどです。囚人の中には、ゼルベスの護衛兵として、濡れ衣を着せられて投獄されている者も多くいました・・・すべてはゼルベスの思いのままに・・・」

ヤンコフスキー「その専横主義に見かね、やがて二頭の間に亀裂が生まれた・・・」

ルナストラ「はい・・・。ゼルベスは己の力に過信していくようになったのです。かつての聡明なイデオロギーを忘れ、権威と支配のみの野心に心を侵されてしまったのです・・。偉大なるはずの炎王龍が、たかが暴君に成り下がってしまったのです・・!」

ヤンコフスキー「それがあんたには許せなかったのか」

ルナストラ「・・・・・・・。私は小さな組織で満足でした。バッカス・・・野球好きの金獅子や、あなたと同じ白兎獣の三兄弟らと共に、あまたの大陸を駆け巡り、子を産み、小さな幸せを分かち合えれば・・それだけで良かったのです・・」

ヤンコフスキー「雌なら・・誰だって子供を産み、母親になりてぇもんさ・・それが自然の摂理ってぇもんだよ」(遠くを眺めながら呟く)

ルナストラ「そして私は収容所を後にしました。淡い夢を抱いた炎妃龍は・・死んだのです」

ヤンコフスキー「・・・・・・・・・・・」ぎゅっぎゅっ(両手で雪を小さく丸める)

ルナストラ「収容所はその後、何者かの侵入を受け、組織ごと壊滅したと聞きました。そしてゼルベスの行方も分からぬままに・・・」

ヤンコフスキー「だがアサイラムで再会した・・」

ルナストラ「・・・・・・・・・」こくり

ヤンコフスキー「灰虎猫から聞いたよ。その収容所を破壊した張本人とゼルベスは一緒だったっていうじゃねぇか」

ルナストラ「え・・・では、あのハンターが・・・」

ヤンコフスキー「お前さんがこの永久凍土で彷徨っているところを、姐さんと出逢い、第二の人生を決断したように、奴も・・ゼルベスもまた、あのユクモのお嬢さんから何かを授かったのかもしれねぇな」ぽぉ~い(雪を麓に向けて投げる)

ルナストラ「・・・・・・・・・・・・」

ヤンコフスキー「もしかしたら、ゼルベスの野郎も後悔して・・・」

ルナストラ「私には関係ありません」

ヤンコフスキー「明日のことは誰にも分からねぇさ・・・例え、古龍であったとしてもな・・」ぎゅっぎゅっ(再び雪を丸める)

ルナストラ「・・・・・・・・・・・・・」ヒュホオオオオ・・・・(美しい碧い鬣が吹雪に靡く)

ヤンコフスキー「もしも、あの収容所が今も健在ならば、きっとゼルベスはラインハルトの旦那みたいになっていたかもしれねぇぞ」ぽぉ~~い(さっきより遠くに投げる)

ルナストラ「それはないと思います。だってゼルベスは・・」



ゼット「おい、おめぇら!!こんなところで何サボってやがんだ!!」ザシュザシュ・・(雪山を登ってくる見るからに素行の悪そうな獣人)


ヤンコフスキー「風流のねぇ獣人は、雌にもモテねぇぞ」ぽぉ~~いはぁ(ゼットに向かって雪を投げる)

ゼット「生憎、女には苦労してねぇよ」ひょい(余裕綽々な顔でそれを交わす)


バシャーーーーーーンドキッ
(ゼットの顔面に大量の雪がクリーンヒットする。思わず後ろに尻もちをつく)


ゼット「きたねぇぞ!!この鼻デカ野郎むかっ」ぷんすかDASH!

ルナストラ「安心したところが一番、反撃をしやすい・・プリンシアから教わりました」フフ・・(前脚で雪を蹴り飛ばした様子である)

ヤンコフスキー「クッ・・・あっはっはっはっはっは!だとよ、灰虎!おめぇもまだまだってことだ」

ゼット「うっせぇ!!俺は腕っ節が自慢じゃねぇんだよ!!みてろ!!そのうち塵灰駆逐のゼット様の名を、オクサーヌ・ヴァレノフの風評に乗せて世界に知らしめてやるからな!!」むきぃ~

ヤンコフスキー「その意気だぜ。うし、俺達も下山するか」よいしょっとなはぁ

ルナストラ「・・・・・・・・・・」ヒョオオオオオオオ・・・・

ゼット「ん・・心配すんなよ。ルーの野郎も、オクサーヌも、そのうちケロッとした顔で戻ってくらぁ~」ぽぉ~~~いはぁ(雪をルナストラに向かって投げる)


グボオオオオオオオオ!!
(火を吹く炎妃龍。一瞬にして消える雪。咄嗟に避ける白兎獣と、その頭に乗っかって回避する灰虎猫)


ルナストラ「言いましたよね?カウンターが一番有効的だと」フフ・・(口元から煙が出てる)

ゼット「ヤンコフスキー!おめぇのバカでかい氷球を、このじゃじゃ馬お姫様にぶん投げてやれ!!」

ヤンコフスキー「ハッハッハッハッハ!今日の演習はみんなで雪合戦といくか!?」ズオーーン煙(巨大な雪ボールを持ち上げる)

ルナストラ「手加減は致しませんわよ♪」シャホオオオオオ・・・・


パリパリパリパリパリパリ・・・
(炎妃龍の体表から真っ赤な粉塵が吹き上がる)


ヤンコフスキー「げっびっくり

ゼット「馬鹿野郎あせる近距離でそれは反則だぞ!!」



ボガアアアアアアアアアン爆発
(大爆発する雪山の山腹一帯。同時に雪崩も起きる)



ヤンコフスキー&ゼット「・・・・・・・・・・・・・」(咄嗟に地面に潜ろうとして失敗したのであろうか、二人共、雪の地面から焦げたおしりを出したまま、一落ちしている)


ルナストラ「ふふふふふ」


ヒュオオオオオオオオ・・・・・


ルナストラ「・・・・・・・・・・」ちら(遠くの景色を眺める)


ヒョオオオオオオオ・・・・・・


ルナストラ「・・・・・(ここには私を家族として迎え入れてくれたみんなが・・そしてプリンシアがいる。この平穏を奪おうものなら・・・例え貴方でも容赦致しません。炎王龍ゼルベス・・!!)」シュウウウウ・・・・(降りしきる雪が、激情を露わにする体表の温度により、溶けては蒸発していく)






「あたちのモンハン日記」
~Sanctuary of extinction~








ゼルベス「跪けぇえええええええええ!!


ギュオオオオオオオオン!!
(燃える流星の如く飛翔し、煌黒龍に突撃を仕掛ける炎王龍)



ゼブル「無駄だ!!再び貴様のエレメントを喰らってやろう!!」グバッ(向かってくる炎王龍に向け大口を開く)


ゼルベス「朽ちろぉおおおおおおおおおお!!」ブオオオオオオオオン炎(全身を包む赤紫の爆炎が更に燃え上がる)

ゼブル「!!」


ズゴオオオオオオオンぎくっ
(ゼブルの顎に重厚なヘッドバットを喰らわす炎王龍)



UBU「いった!!」



ズダーーーーーーーーン!!
(氷上に横転する煌黒龍アルバトリオン)



BBB「っひょ~!!ザマァねぇぜ!!」ぱぁ~んドキッ(主人とハイタッチをかます)

ジョー「なんというパワーだ・・!」

オクサーヌ「おほほほほほほ!!ほらご覧なさい!!やっぱりあの炎王龍さんは、新たな化合属性の元素を創りあげたのよ!!このルー同様、大陸五元素以外なら、ゼブルは食べれないって証拠ね!!あたしってほんと、かしこのおねえさん!!」おほほほほほほほほほ(口に手をかざして「貴族のご婦人笑い」する)

UBU「いいぞぉ~!!ゼルベっちゃん!!やっちまえ~!!」グン(オクサーヌの頭を上から押しのけ檄を飛ばすUBUと黒猫)

BBB「見事なカウンターアタックだったぜ!!見なおしたぜ、ゼルベス!!」



シャホオオオオオオ・・・!!
(燃え盛る赤紫色の焔を全身に纏い、横転して悶える煌黒龍を静観する偉大なる炎王龍の姿)



ヤンコフスキー「そういやよ、さっきなんて言おうとしたんだ?」

ルナストラ「彼の話・・到底、ラインハルト公との比較など出来ません。なぜならゼルベスは尊大に振舞っているだけで、本当の彼は猜疑心と虚栄心にとらわれた、まるで未成熟な子供だからです」ハァ・・・



ゼルベス「我は気高き炎王龍。たかが煌黒龍、相手ではない(いいぞ、ゼルベっちゃん。みんなの注目の的だ。ここで頑張れば、さっきの不甲斐ない一落ちはチャラってね♪)」フフフフフ(口からマグマみたいなよだれが出てる)


To Be Continued





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次回「あたちのモンハン日記」ザ・ストーリーモードは!?

2/27(土)0時更新 「カッコイイぞ!ゼルベっちゃん!!」の巻

をお送りいたします♪そしたらさ、次回もゼルベっちゃんを応援しようよにこっ