~サムソン帰還から四日目、夜明け前~郊外森丘


そろぉ~りふんそろぉ~りふん


ベップ「警部・・ここまで来れば安心ですぞ」


アイオロス「そうだね・・」





$あたちのモンハン日記
アイオロス「ふぅ~。酔いさましには丁度いい散歩になったよ」




















「あたちのモンハン日記」
~紫の暁編























ベップ「そうですな・・・しかし良かったのですか?
皆様に別れの挨拶をしないで」


アイオロス「改まった告別は苦手でね。
どんちゃん騒ぎの煙に巻いて、姿を消す。それでいいじゃない」


ベップ「ですな。
広場での戦闘終了後、安否を確認した後に、シェルターから戻って来た一般市民が歓喜溢れ広場でお祭り騒ぎ・・・最も、その主犯は民衆に一番人気のある、アイザック殿でしたからなふん


アイオロス「いいんじゃない?嫌いじゃないよ。ああいう人間は。
それに市民にとっても昨日という日は忘れられない、ある意味、国に対する感謝祭という日になったんじゃないかな」


ベップ「素晴らしい事です。
それにしても広場に駆け付けた時の鎧竜の残骸には驚きでしたな」


アイオロス「だね。まさか鎧竜に敵の残した高性能時限爆弾を飲み込ませるなんてね。とっさのアイデアにしては最高のシナリオじゃないかな。アイザック君たちもみんな無事だったわけだしね」


ベップ「もともと外皮の硬い鎧竜に手を加えたものでしたからな。
爆発して肉片が広場に散乱・・・広場から結構距離のある建物の壁にまで、その「ミンチ」が飛び散る始末。ですが無事に終わってみればそれもまた記念として残るのでしょうな」


アイオロス「イオちゃんは臭いがキツイって怒ってたけどねふん
更には飛び散った肉片や血で、髪の毛べったり・・・シャワー浴びたいって半泣きだったものね」


ベップ「彼女との別れが一番辛いのでは?ムフフフ」


アイオロス「と、言いたいけど、彼女には立派な「人型」の彼氏がいるしね。
それもこれからのこの国を支える列記とした王族のね」


ベップ「アイザック殿の母君は残念でした」


アイオロス「・・そうだね。いろんな意味でご婦人とはお話したかったんだけどね」


ベップ「クーデターの共犯疑惑・・ですな」


アイオロス「今となっては立証が難しい話さ。
王宮は全焼・・・国王派の重臣及び、それに反してたという名家の一派も、全て火の海に飲まれてしまった。少し出来すぎと思わないかい?」


ベップ「こたびのクーデター騒動に関わった王宮内における重要参考人が全て焼死・・・これも猛豚軍のニャン=ジュストという容疑者の犯行と?」


アイオロス「たぶんね。きっと、彼(ニャン=ジュスト)にとっては、今回のクーデター騒動は演習程度に過ぎなかったんだよ。今後の戦争に繋げるためのね・・」


ベップ「自軍のオーガナイズレベルの確認・・なんと大胆な」


アイオロス「その大胆さと電光石火の権謀術策・・それに加え、反国王派に執りつき、あわよくばこの領内の正当な軍属になろうとした。考えてることは壮大だね」


ベップ「なりませんぞ、警部!
我々ギルドの捜査官が、仮にも犯罪者を賛辞するような言葉で表現しては!」


アイオロス「ごめんよ。そうだね・・そういう表現がただの殺人者をカリスマに変えていくのだからね。イゴ、キヲツケマスaya


ベップ「ふう・・・・。
して、本部には今回の事件はどのように説明を?」


アイオロス「十分な事情聴取は取ったつもりだよ。
最も・・ことアイザック君の母君に対する弁は、国王をはじめ太子様もこちらの予想を上回ることは語ってはくれなかったけどねふんそれもこれも、アイザック君を思えばの事。仕方ないさ」


ベップ「アイザック殿は事件の真相を?」


アイオロス「彼はバカじゃない。戦闘中に敵の兵士から事の真相を聞いたそうだ。だが「あくまでも」それも兵士の虚言ともとれる・・・つまり、真相は闇の中ふん分かっているのは現実として戦闘を起こした猛豚軍に「まるごと」逃げられた、という事実だけ。情けない話さ」


ベップ「だから私は上に潜入捜査ではなく、我らも軍を率いてくるべきだと主張したのです!」


アイオロス「ここはこの国の首都だよ?それに王国騎士団という立派な軍属もある。治外法権のギルドが軍をあげてきてごらんよ?それこそ、先の革命の続きになっちゃうだろ?それもニャン=ジュストは分かっていたのさ。僕ら(ギルド)は踏み切った行動に出れないっていう弱みをね」


ベップ「むむむ・・・!ますます許せませんな」


アイオロス「それより気になることがあるだろう?」


ベップ「と、申しますと?」


アイオロス「ユクモ薔薇十字さ」


ベップ「ああ、あの忍び猫の・・ニャ太郎殿ですな?
そういえば、広場では見なかったな・・・」


アイオロス「とっくに本部へ報告、それに猛豚軍を追跡してるんじゃないかな」


ベップ「肝心なことは我らに話さず?」


アイオロス「それもニャン=ジュスト同様、僕ら(ギルド)は手のひらの中・・だったってことさ」


ベップ「誰のです?」


アイオロス「今頃ユクモでこの戦況、戦果を誰よりも興味深く待ってるお嬢さんのさ」


ベップ「以前に警部がお逢いしたという、薔薇十字の丞相というハンターの娘ですな?」


アイオロス「そういうこと。
今思えば、彼女に利用されたのさ、僕らは」


ベップ「??」


アイオロス「水面下で動いていた猛豚軍を浮き彫りにする。そしてこの領内でも起っていた「静かな内紛」からサムソン殿を援助する・・結果、どちらもビンゴってわけさ。彼女にとってはね」


ベップ「うーむ・・いっそ、ユクモに礼状を出しますか?」


アイオロス「今はまだ無理だよ。
最も・・彼女たちが次に大きい戦争に着手すれば別だけど・・ね」


ベップ「うーん・・・困りましたな」




ダッダッダッダッダッダッダッダsss




ベップ「ん・・?この足音は・・」


アイオロス「やっと本部から使いがきたようだね」



ダッダッダッダッダッダッダッダsss


$あたちのモンハン日記
「こっこにおられましたかぁ~!都内でなっくて良かったでっす!
探す手間が省けまっしたぁ~音譜



アイオロス「やぁ、クランキー。
ご苦労さま。領内への城門は無事に?」


クランキー「はっい。ギルドのバッジを見せたら問題なっく」


ベップ「警部が城門の警備兵に伝達を?」


アイオロス「戦闘終了後、騎士団の人に城門の全警備兵にギルドの使いが来たら通してやってくれと伝令を頼んだわけ」


ベップ「ほう。ではクランキーが来るのを分かっていたのですか?」


アイオロス「ある「動き」があったら伝えに来てくれと、
この「俊足のクランキー」に頼んだのさ」


ベップ「なるほど・・・それでクランキー、君は何を伝えに?」


クランキー「はっい。
第三勢力及び、傍観者の軍が動いたら知らせに来いと言われたのでありまっす」


ベップ「第三勢力・・・傍観者?」


クランキー「ここより東の、ダルグレイオスの丘にて、暗黒団とユクモ薔薇十字軍が対峙していることが、本部の情報網にひっかかったのでありまっすsssそれを予測していた警部殿に伝えにきたのでありまっす」


ベップ「なんと!?」


アイオロス「暗黒団は仮にも自軍の「兵器」を猛豚軍に奪われたんだよ?
彼らが黙って見ているわけないじゃない。報復さ。まるでマフィアさながらだよ。
いや、それ以上かふん


ベップ「ではここ(領内)に向かって!?」


アイオロス「それを待っていたのが薔薇十字さ。
闇に潜んでいた暗黒団を引っ張り出して叩く絶好のチャンス。
いやぁ~恐ろしいねぇ」


ベップ「警部!ふざけんでくださいあせる
やつらはまた戦争を起こすつもりなのでは!?
であるとすれば両軍共に礼状を出せる好機ですぞ!」


アイオロス「今は対峙してるだけ・・さ。
で?クランキー、両軍の指揮官は分かっているのかい?」


クランキー「はっい。
暗黒団指揮官はハンニバル=ハンス、対しユクモ薔薇十字軍は川村という男でっす」


アイオロス「ハンス・・・それに、確か武神って言われてる男だね、川村って。
愛称はカーブーって書類に書いてあったけかな」


ベップ「ハンニバル=ハンスといえば元ギルドの工作員で、いにしえ麻薬を流出していたという・・」


アイオロス「その通り。今は身を守る為に暗黒商会にいるんだろう」


ベップ「やはり凶悪犯罪者の吹き溜まりですな、暗黒商会は。
この調子だとユクモ薔薇十字軍もさほど変わらないのでは?」


アイオロス「・・・かもね(ハンスが出撃したということは・・薔薇十字にはラファエラも従軍してるはずだな・・・確か今は「鈴木」って名乗ってるんだっけ)」


ベップ「警部!我らもダルグレイオスに急ぎましょう!」


アイオロス「ええ?行ってどうするのさ?まさか、君?戦うの?」


ベップ「うっ・・」


アイオロス「戦闘は我らギルド帝国軍に任せればいいさ。
それで、軍は動いたのかい?クランキー」


クランキー「はっい。
軍というか、崩刃のロードストレーム様自ら仲介に向かいまっした!」


ベップ「なんと・・まぁ・・汗


アイオロス「仲介?冗談ふん
ロードストレームが行ったら説得どころか、両軍とも崩壊だよ」


ベップ「ではそちらは帝国軍に任せて問題ないと?」


アイオロス「見たかったけどねふん
三つ巴の大戦・・・うーん。やっぱり見に行こうか?」


ベップ「不謹慎ですぞ!警部!!」


アイオロス「ゴメンナサイaya
じゃ、帰ろうか。口やかましい上司のいる捜査局へふん


ベップ「はい・・・って、おお?
夜明け・・・・ですな目


クランキー「すごいでっすsss
空が紫色でっす!!」


アイオロス「紫の暁・・・イオちゃんが言ってな。
この領内で見れる世界遺産クラスの絶景だって・・・ほんとだ・・」







・・・・・・・・・・・・







ベップ「イオさんを背中に乗せて大暴れなさったそうですな。
おっ、警部の頭の上に・・」



ちゅんちゅんひよこ



アイオロス「ああ・・いい思い出が出来たよ」


ベップ「純真で、気持ちのいい方ばかりでしたな」


アイオロス「だからさ・・」



ちゅんちゅんひよこ



ベップ「・・・・・?」


アイオロス「別れは嫌なんだ」




ぱたぱたぱたぱたひよこ




ベップ「・・そうですな。警部」


アイオロス「さっ・・僕らも行こうか」


ベップ「はい!!」





To Be Continued....

NEXT FINAL STORY~










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