~王国騎士団領・南門


ベップ「だから!この捜査令状が見えねぇのか!?ええ!?」


門兵「何度も言わすな!
現在、領内はクーデター騒動で混乱している!
上からの命令で封鎖状態なんだよ!」


ベップ「だからそのクーデター騒動の令状だっての!
協力しようって言ってるんだ!」


門兵「ギルドの手を借りなくとも我が領内には立派な騎士団がいる!
それにいくらギルド公認の知的生態のモンスターと言っても領内に入れる訳にはいかん!
それとも、都の人々を余計に混乱させる気か!?さぁ、分かったら帰れ!」



$あたちのモンハン日記
アイオロス「やれやれ・・・各国でよく聞くよ。その言い訳」



ベップ「このお方はギルドの特別捜査官だぞ!誰に口を聞いてんだ!」


門兵「黙れ!通せぬものは通せぬ!」


アイオロス「はぁ・・・あのさ、君たちの「言い分」はこの令状の前には関係ないんだよ。
ギルドは万国共通の「権限」だよ?
君一人の判断で国家レベルの問題の邪魔をするのはどうかと思うけどね」


門兵「ぬっ・・」


アイオロス「分かるよ。僕らにも上司がいるように、君にもこの封鎖勧告を出した上司がいる。問題はそこなんだよ。分かんないだろうねぇ・・はぁ」


ベップ「警部!あきらめてはいかんですぞ」


アイオロス「ベップ、仕方ない。「いつもの手」でいこう」


ベップ「はい!では失礼して・・・」ぴょーーん


アイオロス「しっかり掴まってるんだよ」


ベップ「了解です」



門兵「なんだ?モンスターの上に乗って。大道芸でも見せてくれるのか?」



アイオロス「そういう見方も出来るね。特別サービスだ。
見物料はいらないよ」



ザッ煙




門兵「お、おい・・まさか」



アイオロス「そのまさか・・かな?」グップンプン


ベップ「門を通してくれないのなら、城壁を飛び越えるまでだ」



門兵「おい!やめ・・・びっくり







ブワッ






ベップ「ひゃっほぉ~い!!」


アイオロス「やれやれ、本当はもっとエレガントにいきたんだけどねふん

















「あたちのモンハン日記」
~紫の暁編














~都市部・中央広場



おおおおおおおおおおおおお!!



「アイザック!やっぱりおめぇも立派な王族の血が流れてんだな!!」

「さぁ!俺たちに命令してくれ!!」




アイザック「みんな・・・」




おおおおおおおおおおおおお!!






ジークムント「今だ。護衛に気づかれぬように一斉に演壇に向かえ」



ススススススス・・・・





イオ「見て!凄い声援・・・・アイザック、すごぉい!!」タタタタタ走る


アクセル「ああ!だが今は逃げるが先だ!!」ぴょんぴょんぴょん


ゲルハルト「にゃーー(随分ひでぇ傷だな。遅いんでやられちまったかと思ったぜ、アクセル)」


アクセル「死は覚悟したがな。だが天命は俺を見捨てちゃいなかったのよ」


イオ「心配したんだから!もうぷんぷん」ぷんすか


アクセル「ありがとよ」


イオ「傷は平気なの!?」


アクセル「ああ」


イオ「よし!」


アクセル「さて!俺の大役はここからが本場だぜ!
って、それよりゲルハルト!てめぇいつまでイオの頭に乗ってるんだあせる


イオ「高い所から周囲を見て下さってるのよ音譜
ねっ、ゲルハルト様ラブラブ


ゲルハルト「にゃー!(追っ手はまいた様だが・・・んびっくりあれは・・!!)」


アクセル「どうした!?」


ゲルハルト「にゃんにゃー!(ジークムント太子様だ!)」


イオ「ええ!?ジークムントが!?」


ゲルハルト「にゃん!(間違いない!民衆に扮して今の演説を聞いてたんだ!)」


イオ「合流します!?」


ゲルハルト「にゃー!(待て!)」きょろきょろ



スススススススス・・・




ゲルハルト「(あれは・・・なんだ。無数の人間がこの歓喜に紛れて前進していく!)」


アクセル「ゲルハルト!どうした!?
この人混みの中にマタタビでも見つけたか!?」


ゲルハルト「(そうか!太子様は都の施設軍隊である国王派の一軍を、この群集の中に散らばしていたんだ!そして今、その「同志達」と共に、敵の護衛兵に気づかれない様に動き始めている!)」




「いたぞぉ!!こっちだぁ!!」





イオ「ああんあせるしつこいなぁ!!」


アクセル「一晩の内に随分有名人になったな!イオ!!
キケロの旦那が見たら泣くぜ!?」


ゲルハルト「(人がうごめく・・・アイザックの熱意のこもった演説に呼応した民衆の気に紛れて殺気がうようよ漂ってやがる・・!どこだ・・太子様の「兵隊」はどこに向かおうとしてる!?)」




スススススススス・・・・




ゲルハルト「シャアアアア!!(とらえたぜ!!
イオ!演壇だ!!アイザックの元に急げ!!)」


イオ「了解!!」











~郊外・森林奥、イオの隠れ家



$あたちのモンハン日記



ぴちょん・・ぴちょん・・



国王「ぐがぁ~ZZZぐがぁ~ZZZ




$あたちのモンハン日記
ミッチ「ほんと・・よく寝てるっすね」



$あたちのモンハン日記
メティス「お薬のせいなのかなぁ~??」


ミッチ「どっちにしても、これだけいびきをかいて寝てるんなら容態は平気そうっすねむぅ


メティス「イオやゲルハルト様に会えた事で安心なさったのかもねぇ(´v`)


ミッチ「どういう事っすか?」


メティス「国王様のご容態がひどくなったのはね、
キケロ宰相様がお亡くなりになったのが原因なのぉ・・」


ミッチ「・・・・・」


メティス「国王様は仰っていたわぁ・・
「年老いていくと共に新しく得るものはある。だがそれと同時に失うものもたくさんある。長生きしていればいいというものじゃないのじゃよ。この人生の矛盾に未練を感じなくなった時、人は逝くのかのぉ~」って・・」


ミッチ「・・・自分には・・まだ難しくて分からないテーマっす。
ただ大切な友達を失うことの辛さは分かるっす」


メティス「そうだねぇ。ミッチも軍人だったんだもんねぇ」


ミッチ「自分なんか国王様の体験してきたものに比べれば何でもないっす。
国王様はこれまでにたくさんの悲しいものも見てきておられます。
きっとキケロ宰相様の死で、いっぺんにたまっていたものが爆発しちゃったんでしょうね・・」


メティス「そうだねぇ・・」





国王「すかぁ~ZZZずぴぃ~ZZZ





ミッチ「メティス殿は国王様とは交流があったんすか?」


メティス「そうだよぉ(´v`)
あたしは国王様の指示でアイザックのオトモをしてるんだものぉ~」


ミッチ「そうだったんすか・・・・・・・影。!?」


メティス「あたしもアイザックも小さい頃からの付き合いなのぉ。
もちろんイオやジークムント太子様ともねぇ音譜


ミッチ「でもなんで国王様はアイザック殿だけに
メティス殿という「オトモ」をつかせたのですかむぅ?」


メティス「アイザックは正当な王族の血筋じゃないでしょう~?
愛人の子だのなんだのって言う、大人たちの批難を浴びるのは国王様もアイザックが生まれる前から分かっていたんだよぉ~」


ミッチ「なるほどむぅそれでメティス殿をアイザック殿のオトモによこしたんすね」


メティス「そうなのぉ・・心優しい国王様とアイザックはお互いに気を遣いあって接触を避けてたのも理由のひとつなんだよぉ」


ミッチ「そうっすよね。妾の子を可愛がってしまえばそれだけ王宮はおろか、都にも悪い噂が立つんすもんね・・「国王は正当な太子より妾の子を跡継ぎに選ぶ!?」なんて、下世話なニュースが予想出来るのは簡単っすむぅ


メティス「だから国王様はジークムント太子様にもアイザックと同じ様に距離をおいて接していたのぉ。ジークムント太子様もその二人のお心が理解出来るからこそ、幼い頃から全て自分でやってのけてたんだよぉ」


ミッチ「その「強さ」が今の太子様の原動力なんすね」


メティス「うん・・。でも、そのご自分にも厳しく規律にも厳しい太子様はいつからか「鮮血の皇太子」って呼ばれるようになってしまわれたの。戦でもそれは苛烈な闘い方と、敵にも一切容赦はしないみたいよぉ」


ミッチ「立派っす。先の革命の時、自分にも太子様と同じ様に立派な上官がおられました。
誰よりも猫族の未来を考えた立派なお方でした。だから太子様の苛烈と言われてもおかしくないやり方は理解出来ます。全てはこの国を想っての事なんすからね」


メティス「うん。そんな太子様だったからこそ、国王様はイオを婚約者にしようとしたの。イオは面倒見がいいでしょう?だから頑なな太子様のお心の癒しになればと思って・・」


ミッチ「・・・・。メティス殿はどうしてそんなに国王様の事にお詳しいんすか?」


メティス「ふふ。
それはねぇ、国王様にアイザックの様子をちょくちょくとお伝えにいってるからなんだよぉ。
もちろん、アイザックが王宮を出てからは定期的に国王様にご報告に行っていたのよぉ(´v`)


ミッチ「きっと・・国王様はご自分の息子のお話を聞けるのと同時に、メティス殿からも元気を貰っていたのでしょうね。自分はそう思うっす」


メティス「え~( ゚Д゚)ぽかーん
あたしはアイザックの話しをしに行ってるだけよぉ~?」


ミッチ「フフフ。メティス殿らしいっすよ(´3`)~♪


メティス「なによぉ~ちううっ


ミッチ「なんだか・・皆さんの優しさや気遣いが、たくさん伝わるっす」


メティス「うん・・・・でもね」


ミッチ「・・・・?」


メティス「みんな・・・可哀想だよ・・」


ミッチ「メティス殿・・」


メティス「血筋の話や婚約談、それに世継ぎ争いだなんて・・
アイッザクやイオ、それに太子様は誰も望んで起こした事じゃないのに・・!」


ミッチ「親と上司は選べない・・とはどこの世界も同じなんすかね・・・。
もちろん、国王様やキケロ殿が悪いっていう話しではないっす。
それが分かってるからこそ・・・みんな、心が痛いんすよね・・・」


メティス「くすん・・・」


ミッチ「メティス殿」


メティス「?」


ミッチ「この・・・この一連の騒動が片付いたら
一緒にイチゴ狩りにでも行きませんか」


メティス「・・・・ミッチィ・・」


ミッチ「あっびっくりいえ!何を言ってるんでしょうねぇ~あせる
あ、あ、あ、自分、ちょっと洞窟の外の見回りに行ってくるっすあせる


ぴゅううううううううううくるくる



メティス「ミッチィ・・・。
もお~。返事くらいさせてよねぇ(´・ω・`)








ダーーーーーーードシャー



ミッチ「ふう・・・勢い余ってデートにお誘いをしてしまうなんて・・
恥ずかしい!!




ダーーーーーーードシャー



ミッチ「しかし・・素敵な隠れ家っすね。
こんな美しい滝の裏側に洞窟があるのだから。ここならしばらくは安全そうっすね」





「道理で見つからなっかった訳だよ」





ミッチ「!!びっくり誰っすかぁ!?」



$あたちのモンハン日記
カレン「久しぶりだねぇ。ミッチ・クロノス」



ミッチ「お前は・・・・カレン・・!
カレン・アレン!!」


カレン「革命以来だね。
最も、あんたとはろくに戦場では一緒にならなかったけど、まさかこんな所で会うとはねぇ。
運命ってやつを信じたくなったよ」


ミッチ「カレン・・・!どうして!?」


カレン「驚くことないだろう?
任務さ。宰相の娘と国王を殺す・・っていうね。
どう?あたしにむいてるだろ?この任務」


ミッチ「カレン!!」


カレン「なにそんなに怒ってるのさ?
そう・・・・あんた、まだあたしに惚れてるわけ?あはははははは!」


ミッチ「黙れ!!」


カレン「そうだ・・・あんたは革命の時、最初はジャック・ルーの部隊にいたのよね。
そこであたしに一目惚れ。だろ?見張りのお兄さんハート


ミッチ「うるさい!!
お前達、ジャック隊の非道さが分かっていれば最初から違う部隊を志願していた!!」


カレン「女々しいよ、ミッチ。
優しいだけじゃ、戦いは終わらないんだよ。
さぁ、分かったらどきなよ」


ミッチ「質問に答えろ!どうしてお前がここにいるんだ!?」


カレン「しつこいねぇ。
そんな事だから、いつまで経っても見張りしか任されないんだよ」


ミッチ「ぐぐっ・・・!」


カレン「お子ちゃまのあんたに難しい話をしても、む・だ。
さぁ、分かったらどきな!それとも愛しいあたしに殺されたいのかい!?」


ミッチ「くっ・・!」


カレン「ジャック隊から逃げ出した弱虫ミッチが!!あたしと一騎打ちするってぇのかい!?」


ミッチ「うるさい!!あの頃とは違う!!」


カレン「だったら見せてみなよ・・。
変わったあんたの姿ってやつをさ・・ミッチ・クロノス!!」




ザッ煙



ミッチ「僕は見張りのミッチ!!
ここから先は死んでもお前を通さないっす!!





To Be Continued












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