こんにちは、久田和弘です(^^)
今回のテーマ「ゆびさきと恋々」の主人公・雪には聴覚障害があります。聴覚障害とは、少し前に世間を騒がせたドラマ「silent」でも話題になりましたが、周囲の音が聞こえ辛い、または全く聞こえない症状を指します。症状の特性は人によって様々で、補聴器をつけている人、手話でコミュニケーションをとる人、会話の際相手の口の動きを読む人など、「聴覚障害」といってもほんとうに多様なので、マンガやドラマの影響を受けて興味を持つのはもちろん良いことですが、皆がみんな見目麗しく友だちに支えられながら社会に溶け込んで生活できている訳ではないことは覚えておきましょうね。
それでいうと、雪の人間性はいたって普通で、ただ平穏無事に毎日をおくることがなにより大切な女子大生。急に電車内で外国人に話しかけられたり、知らない人同士の輪に自分が入っていいものか躊躇してしまうあたり、イマドキの子と言えなくもないですが、それが雪の場合は多少事情が違ってくるのです。
例えば、電車内で青年に助けられた際は、外国人は日本語で雪に場所を尋ねていたし、友だちが所属するサークルでの会話がたのしそうで羨ましく思っていても、そもそも会話の内容がまったく分からないから遠巻きに見ているしかない……。
「せっかくたのしそうな空気を自分が壊してしまわないか」
「聴覚障害者が入っていったら嫌がられないか」
そんなモヤモヤした気持ちを抱えたままやり過ごしていた雪の目の前にあらわれたのが、不思議な雰囲気をまとった青年・逸臣でした。
