こんにちは、久田和弘です(^^)

黒ギャルとして高校デビューを果たした梨花にとって衝撃的だったのが知子の存在感でした。見た目が標的にされクラスでイジメを受けていた知子でしたが、毎日髪にリボンを飾り、ハイソックスにはこっそりレースを忍ばせるという徹底した彼女の姿勢に梨花は本気で憧れ、なんとか標的の的をズラそうとあれやこれや試行錯誤を重ねていきます。

けれど、「髪にリボン」というだけで、イジメの主犯にとっては恰好のターゲットになってしまい、「ブスがリボンとか調子乗ってる」という罵詈雑言とともにイジメはエスカレート、結局梨花に止めることはできませんでした。

そして月日はながれ……冒頭にもどり、梨花に対して学生時代の恨みをずっと抱いてきた知子は、彼女が美容研究家として活躍している事実を知りトラウマが再燃。殺そう、どうにかして殺そう、刺し違えてでも殺そう、そんな呪詛を込めて知子は梨花の会社に乗り込み……。

というのが、大体の概要とメインキャラクター同士の関係性です!ちょっとだけネタバレすると、この後知子は梨花の会社に就職(!)し、自分とは異なる、けれど「社会のルッキズムによって苦しめられてきた」という根本的なところでは共通している社員たちとの出会いや様々な出来事をとおし、本を読むだけとはまた違った方向性から自身のトラウマと向き合うことになります。

一見「トラウマと向き合う」のは苦しいですが、知子にとって以前と確実に異なるのは、決してひとりではないからこそ、あまり突き詰め過ぎずに取り組めるようになった、ということなのかもしれません。