こんにちは、久田和弘です(^^)
梨花からすれば、まったく面識がない、けれどチラチラとつねに視線を感じる、でもまぁ気にしなくていっか、程度の存在だったとある男子生徒から告白を受けたら、断るのは「人間として当然の反応」です。けれど、無責任に都合よく噂をばらまくクラスメイト側にとって梨花の意思は関係ない。「男子側はフラレてかわいそう」と、梨花を一方的に悪者扱いするストーリーを吹聴する様は、梨花が追い詰められ孤独になりやがて不幸のどん底に落ちてしまうことを心底望んでいたかのようです。いや、実際望んでいたのでしょう、羨ましがられるほどの美人が結果的に不幸を背負うストーリーが「蜜の味」という人間は多いはずです。
梨花は生まれ持った美貌が自身を不幸にする悪循環から必死に逃れようと、高校入学と同時に、キャラも見た目も大きく変える決断をします。作品上、ここが梨花にとってのひとつめのターニングポイントですね。ここで経験した、メイクによって外見はもちろん内面も「なりたい自分になれる」こと、そして、周囲にバカにされても堂々とした態度をつらぬく知子との出会いが、その後の梨花の生き方に大きな影響を及ぼしていきます。
まず梨花がしたことは「黒ギャル」への変身でした。肌を浅黒く塗り、髪は金髪にメッシュ、意図的に清楚や清潔感とは無縁の、2、3日風呂にはいらなくても平気っしょ~、なキャラクターの黒ギャルとして、クラスに馴染むことにしたのです。
