「ずっとこうしていたい 美和子のこと ずっと守ってあげたい」
「守る?守るって一体何から?どうやって?守るって何?」
「こっち向いてよ向井くん」1話冒頭より
上記セリフではじまる恋愛マンガの主人公・向井くんは30代前半で10年間彼女ナシ。ちなみに↑は、10年前に別れた彼女・美和子との会話で、このやりとりをキッカケに自然消滅をしたと向井くんは思い込んでいる。男として女性を守るのは当たり前なのに、不安な彼女の疑問に答えられなかった甲斐性なしの自分はあの頃からちっとも変わってない、だから愛想を尽かされたんだ……という、向井くんの壮大な思い込みを少しずつほぐしていく、というのがこの物語のテーマ。
ということで、こんにちは、久田和弘です(^^)
勢い余って初っ端から紹介をかましてしまいましたが……いやはや、久々にすごい恋愛マンガに出会ってしまいました!!
というかこれ、最早恋愛マンガのカテゴリーに当てはまるのかも微妙なところですが。登場人物たちの年齢層が30代なので、恋愛はもちろん、仕事や結婚など、将来にどう向っていいものか悩む場面が多く登場します。そういえばこの世代って、恋愛や仕事にいちいち将来性を鑑みなければならない厄介さがあるんですよね……(遠い目)
ただ、「恋愛と結婚が女性にとって最高の幸せ」を体現する作品であれば、恐らく女性キャラクターは男性ほど将来について悩まず、どちらかといえば「どうやったらパートナーとして彼をケアしながら献身的に生きていけるか」が望みとして描かれてきたような気がしますが、そこにアンチテーゼとして切り込んできたのがまさに「こっち向いてよ向井くん」なのでしょう。
