こんにちは、久田和弘です(^^)
プルー・ピリオドに登場するキャラクターたちのほとんどが個性豊かでマイペースな性格の持ち主。絵画は決まったテーマを投影すると同時に自己を反映し「オリジナリティ」を追求してこそ味わい深さがでると考えると、個性が爆発している方が分かりやすいものなのかもしれませんが…(現実はどうであれ)
アユも世田介も、良くも悪くも自分勝手な人間なので、その点は読んでいて安心できるからこそ、逆に不安を感じさせるのがマキの言動です。前回も書きましたが、マキの家庭は「藝大サラブレッド」―――姉も両親も藝大出身で、マキ自身も入学が叶って当然と思われる実力の持ち主。ですが本人はプレッシャーに弱く、また姉と自身を極端に比べてしまうばかりか、優しく面倒見の良い性格ゆえ八虎のような人間を放っておけず、そのせいかいまいち強烈な個性を出し切れていない印象をどうしても抱いてしまうのです。
「個性」と「テーマ」を行ったり来たり
予備校の油彩課では毎回テーマに沿った作品づくりを求められます。難しいのが、単純にテーマに沿って絵を描くだけではなく、テーマを自分なりに解釈し、「個性」をどうキャンパス上で表現するか…そこに掛かっています。
ちなみに八虎が最初につまづいたのがココです。理論で論破することは得意なのに、「個性を表現しろ」と言われると途端にどうすればいいか分からなくなる…
最初はただたのしくて、無我夢中で作品づくりに没頭できた。けれどテクニックを学んでいくうちに、自分の本来の理論武装しがちな性格が顔をだした結果、つい受験的に受けが良さそうな絵を優先してしまい…。
