萩原朔太郎を「掬いとった」その先2

 

こんにちは、久田和弘です。

今回はまず『月に吠えらんねえ』がどういった作品か、概要をザックリお伝えしていきますね。

 

 

『月に吠えらんねえ』はこんなお話

実在した詩人の自伝ではなく、萩原朔太郎や北原白秋らの作品から受けた印象から作者像をイメージした、全く新しい、いわば真の二次創作ともいえる手法で創作された、詩人と近代日本の物語。

以上、講談社公式サイトの説明文冒頭より引用しました。

たしかにこの物語には、作品に対する感情が高じた結果生み出されたものが凝縮された、どこか他人の同人誌を読んでいるのと同じ感覚を覚えるような気がします。

同人誌いうと所謂フィクションを題材にしたものを思い浮かべるけれど、『月に吠えらんねえ』で題材とされている作品の作者らは全員過去に実在した人物です。

…しかし、登場人物全員が人のかたちを成しているわけではなく、なかには動物や作品の登場人物に扮しているなど、現実と虚構が入り混じった街「シカク(詩歌句)街」が物語の舞台。

そこで暮らす「はくさん(北原白秋)」、「さく(萩原朔太郎)」、「さい(室生犀星)」、「みよし(三好達治)」、そのほか日本近代の文学界を担ってきた作家らの作品から生まれたキャラクターらの多くが精神を病み、酒に溺れ、自堕落な生活をしながら創作をつづけていたが、ある日、とある異物がひとつ街に入りこんでいるのを発見し―――。

 

 

 

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