萩原朔太郎を「掬いとった」その先

 

こんにちは、久田和弘です(*^^*)

そういえば、去年『文豪ストレイドッグス』について触れましたが、実在した人物を現代女子らも納得する美形に変身させ物語を展開する方法は、正直個人的に好きではありませんでした。

 

けれど、例えば文ストで描かれる太宰と中也の関係性や、太宰・安吾・織田が「無頼派」として通っていた事実などが作中で活かされているのに気づき、単純に「おもしろいな」と思いはじめたのです。

原作者の朝霧カフカが言うように、「文豪へのリスペクト」であることに変わりはなく、ただその表現方法が作品によって大きく異なり、また現代で認められるかどうかも分からないとう……。

 

近代を生きた物書きの生き様

さて、そんななか、今回紹介するのがこちら↓

『月に吠えらんねえ』清家雪子

講談社による作品で、すでに連鎖は終了していますが、ネットで調べたところ、根強いファンが多い様子から、恐らくまだまだブームの火は完全に消えていないのでは。

『月に吠えらんねえ』は萩原朔太郎による代表作『月に吠える』が元で、近代を生きた文豪らの軌跡をたどる物語…とはぜんぜん違う、作者なりのフィクションが入り混じったファンタジーと言ったほうが正確ですかね。

ちなみにこの作品、テーマは一貫して「戦争責任」なので、相当シビアですから、覚悟して読んだほうがいいです。