久田和弘、『Pet』について語る3

相手のタニ・ヤマに侵入し記憶を書き換える能力は、一見優秀なようでいて、様々な条件がうまく噛み合わなければ発動しないというデメリットも持ち合わせています。

イメージ発動の条件
・第一にイメージがつかえる状態でなければならない
・タニとヤマの辻褄を合わさなければならない
・イメージをつかう者は相手の記憶に過度に感応しないよう必ず自身のヤマに「鍵」(※)をかけなければならない

ちなみに鍵とは幸福な思い出の象徴であるヤマをタニで覆うことを指します。イメージ能力者の場合、他人の精神と感応しやすいため、自分自身を守る必要があり、得にヤマが脅かされる状態は絶対に避けなければなりません。だから悲惨な記憶の象徴であるタニでヤマの存在を隠し、ターゲットの精神が入り込まないよう事前にしっかり鍵をかけなくてはならないのです。

(例えばヒロキの場合、敢えて鍵をゆるくすることで相手との感応力を高めるという特技を持ち合わせていますが、これについてはまた後ほど…)

さて、肝心のイメージについて、これは感応力が強すぎる能力者たちが鍵のほかに編み出した一種の防衛術です。具体的には、林なら「風」のイメージを用いて相手の精神に侵入、素早く自由にタニとヤマのあいだを行き来できます。イメージは持ち主によって特徴や能力が異なるものの、記憶改変をする上で不可欠なだけではなく、自身のヤマも守るためにも非常に重要なのです…。