久田和弘、『BEASTARS』について語る4
レゴシが「穏やかだ」と思い込んでいた日常と心をザワツカせるのは、勘違いとは言え彼を生まれてはじめて「オス扱い」したハルと、そしてもう一匹―――3年生で演劇部部帳の「ルイ先輩」。
アカシカのルイは立派な角を持ちつねに姿勢がよく颯爽と歩くキャラクターで、もうまさに「雄鹿」ってかんじです!ちなみにアカシカは、文字通り赤褐色の身体と角が特徴で、群れで行動する雌に対し、雄は単独行動が基本。オーストラリア・ニュージーランド・アルゼンチンでは「狩猟用」に移入定着しているのだとか。
…立派な見た目に反し、「狩られる側」の印象が強いアカシカですが、ここはルイの過去と通じるものがあるので、是非原作を読んでほしい(><)
自分自身が狩られる側であることを充分理解しているルイは「人より秀でていること」をつねに重視し、緊張感を維持しながら人と接する態度は、学園内で効率よくカリスマ性を発揮していくものの、彼にとって目の上のたんこぶ…もとい、一目置かざるを得ない一匹がレゴシでした。
レゴシにとって、以前のルイは「すごい先輩」「演劇部部長」、ついでに自分は「普通の後輩」「演劇部の美術スタッフ」で、それ以上も以下もありません。
―――ところが、レゴシの親友が食殺された事件をキッカケに、ふたりは思いがけず接点を持つことになるのです。
そもそも、ルイがレゴシに目を付けずにいたなら、レゴシとハルは出会わず、「肉食・草食・草食」の三角関係が発生することも無かったでしょう。
